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  • 真贋バトルロワイヤル
  • 壊乱Ⅴ:アウトサイダーズ -Alteration-

真贋バトルロワイヤル

壊乱Ⅴ:アウトサイダーズ -Alteration-

最終更新:2025年07月28日 15:55

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
◆


時間を定時放送の直前まで遡る。

早々にダインスレイヴという手札を切り、並行して松坂さとうを使い潰す。
余計な出し惜しみを抜きにエターナルを追い詰め、最終的には討伐完了。
大道克己と彼が率いた死者の軍勢は、ルルーシュ陣営の勝利で幕を閉じた。

配下を引き連れ拠点に戻ったルルーシュを、ゼインが見逃す理由はない。
アークに与するその一点で、世界に悪意を齎す敵と認識。
ならば、救世主たる己が必ずや裁く必要がある。
今すぐにでも追い掛けたいが、善意を阻むのもまた善意の化身。
大道克己の傍迷惑な置き土産、使い捨てた過去の器。
シビトと化した桜井侑斗が纏いしゼイン相手に、足止めを強いられていた。

「ふむ、やはりこちらが些か不利ですか」

掛け声一つ発さずに、殴打の嵐を叩き込む侑斗。
時に腕部の装甲で防ぎ、時には身を捩り回避。
ダメージとなる一撃は未だ貰わずにいるものの、現状はゼインが防戦一方。
首を狙った蹴りを躱し、次いで放たれた拳も防御。
対処への集中を切らさず、自身と敵の力量差を冷静に受け入れる。

変身後のスペック自体は、どちらも然程変わらない。
強いて言えば所有するカードの数だろうが、基本的な能力は同じと言って良い。
ここまでの完璧な再現を現実とした、ソードスキルへの警戒はさておき。
変身後の機能に差が出ないのであれば、原因は変身前。
より正確に言うと、誰が変身してるのか。

富良洲高校でゼインが得た新たな器、小宮果穂は元々争いとは無縁の小学生。
運動神経が良く、アイドルとしてのレッスンをこなしてるのもあり体力は高い。
しかし所謂、戦士の体付きでないのも事実。

一方で敵対中のシビト、桜井侑斗はどうか。
ゼインに変身する以前から、仮面ライダーゼロノスとなり時の運行を守って来た。
仮面ライダー電王こと野上良太郎と時に反発し、時に肩を並べと戦ったのだ。
実戦で鍛え上げられた体は、魂無き死体となっても劣化しない。
果穂に比べ、動作一つとっても非常に洗練されている。

尤も、有利不利は侑斗の知った事ではない。
衛藤可奈美やジゴワット同様、スキル保持者の死に引き摺られず戦闘を続行。
当の本人が死んで尚、克己以外の参加者を殺す為に動く。
たとえそれが、全く同じ姿のライダーだろうと無関係。

侑斗の放った回し蹴りを両腕の交差で防御するも、衝撃は殺せず距離が開く。
顔を上げた時には既に、敵はドライバーへ手を掛けていた。

<2号!>

<執行!ジャスティスオーダー!>

解放された力は、栄光のダブルライダーの片割れ。
力の2号の異名が示す通り、拳一発が文字通りの必殺。
ショッカーの改造人間達を屠った鉄拳が、オリジナルの仮面ライダー2号を超える威力を叩き出す。
ライダーパンチ、本来なら言う筈の技名は口から出ず。
自分自身を弾丸に変えたが如き勢いで、ゼインへ突撃。
突き出した拳が装甲を叩けば、中の脆い少女の肉体もタダでは済まない。

<ジャスティシュパニッシュメント!>

カードを用いない、ゼイン自身の技を発動。
プログライズキーからエネルギーを伝達、打撃力を高める。
打ち出す暇は与えんと迫りくる拳に、慌てるでもなくじっと見つめ、

仮面を叩き割る正にその寸前、突き出した腕を無駄のない動きで受け流す。

「そう来ると分かっていました。残念ですが、既に見切っています」

返答がないとは承知の上で淡々と告げ、頭一つ分体勢を低くし反撃。
狙うは腰のベルト部分、正義の一撃が命中し火花が散る。
巻き付いていたパーツへ衝撃を受けて、ゼインドライバーが地面へ落ちた。
変身ツールを強制的に外された以上、姿を保つのは不可能。
生身へ戻った侑斗をあっという間に組み伏せ、無駄な抵抗を封じる。

(す…凄いです!贋物のゼインさんも強かったのに、一瞬でシュバッってやっつけちゃいました!?)

純粋な驚きと、尊敬が籠められた声はゼインにしか聞こえない。
自分の体とはいえ、実際に戦闘を行ったのはベルトを通じコントロールしたゼインだ。
それでも有利だったのは敵の方だと、果穂にも分かる。
殴り掛かって来る侑斗相手に、防ぐので精一杯。
と思っていたのだが、鮮やかな決着は予想外だった。

「難しい話ではありません。確かに桜井侑斗は優れた肉体の持ち主でした。ですが、あの男の動きは私が一番良く知っている」

衛藤可奈美のように始末剣や全集中の呼吸を使った例外は抜きにして、シビトの動きは基本的に生前と同じ。
即ち、ゼインの記憶データに保管された侑斗そのものだった。
以前の自身の器だったなら、戦闘中の細かい癖に至るまで知っていて当然。
故にあえて大技を誘い、ゼイン以外には隙とも呼べぬ隙が生まれるのを待ったのである。

(流石ゼインさんです!贋物のゼインさんを倒したなら、今度こそルルーシュさんを倒しに行くんですね!アークさんと手を組んでたなんて、絶対に許せません!)
「勿論、彼を放置する気はありません。しかしその前に一つ、試したい事があります」

理解を放棄し、一つの正義だけに心酔。
本来の果穂なら絶対にしない、歪み切った善意を諫めるでもなく。
ただこのまま、ルルーシュとの戦闘へ赴くつもりもない。
侑斗を相手取ってる間に流れた、定時放送を確認しておきたいのも理由の一つ。
加えて果穂に言った通り、思い浮かんだものを実行したかった。

檜佐木修兵の私物のバイクに跨り、片手でハンドルを操作。
もう片方の腕で侑斗を押さえ付け発進。
ジタバタと藻掻くも、生身でゼインの拘束を解けはしない。
テレビ局から遠ざかり、道中聞こえたルルーシュの放送に耳を傾けながらもエンジンは吹かしたまま。
皇帝の城は目視不可能な場所まで到着、適当な民家へ足を踏み入れた。

念の為、屋内で見付けたガムテープで侑斗を拘束。
表情を変えずに蠢く嘗ての資格者へ、何一つ感じ入るものはない。
ホットラインで放送内容を観返せば、バグスターを参加させただけでなく主催者も力の恩恵に与ったと判明。
プロトガシャットという、ウイルス除去の鍵を独占するルルーシュ。
未だ裁きを逃れ続ける二体のバグスター達。
連中を含めて必ずや滅ぼさねばならぬ、そう改めて方針を固めたのも束の間。

「では始めましょうか。果穂、念の為離れていてください」
(は、はい!)

言われた通り、侑斗から距離を取る。
するとゼイン自身の意思で、果穂の腰からドライバーが外れる。
拘束は解かず、座らせた体勢の侑斗へ装着。
凍り付いたように動かなくなり数秒、空の器の昏い瞳が青に染まった。

「ゼ、ゼインさん……ですか……?」
「ええ、元々私の資格者だったからか。理由はともかく、私が動かす分には問題ありません」

抑揚のない声で告げる様は、自我なき哀れなシビトとは正反対。
可奈美と違って死体を元に蘇生させられた、或いは今言った通り元々の資格者故か。
どちらにせよ、シビトの侑斗はゼインの傀儡として新たに機能した。

侑斗の屍を自分が操る、それがゼインが試したかった戦略。
最初から自我の存在しない器なら、パラドの時のように抵抗される心配も不要。
自分はこれまで通りに戦い、果穂も自由に動ける。
上手くいくかどうかは賭けだったが、結果は上々。
本物のゼインだと分かり安堵する果穂に命じ、拘束を解く。

「不足分のカードはこちらで頂きます。残りのカードは果穂、あなたの戦力に」
「はいっ!ゼインさんのお役に立てるよう、張り切っちゃいますっ!」

シビトの侑斗が持っていたゼインカードから十数枚を拝借。
既に裁断済だった分を取り戻し、これで補充完了。
ゼインカードを再使用可能にする手は勿論探すが、一旦はこれでいい。
ついでに残りのカードはドライバー共々、果穂に手渡す。
オリジナルと違い、あくまでソードスキルに引っ張られ再現された物。
単なる変身用の道具でしかなく、意識を奪われる事態も起こらないだろう。
フェザーサーキットが問題無く機能し、自身を心酔中の彼女なら使わせて構わない。
本物の自分と模倣品の果穂、これで二体のゼインが揃った。

体力回復の為暫し民家に留まり、頃合いを見てテレビ局へ戻る。
檜佐木のバイクとブーストライカーがある為、移動の手間が軽減されるのは有難い。

「では行きましょうか。愚かにもアークへ魂を売り渡した、悪逆皇帝を駆逐しに」
「はいっ!ゼインさんの正義と違う事をした、ルルーシュさんが悪いですもんねっ!」

出発し、他の参加者との遭遇や戦闘は特に起こらず。
強いて言えばNPCに襲われるも容易く返り討ちにして、有用なドロップアイテムが手に入った程度。
来た道をそのまま戻り、目的地へ徐々に近づいた時。
喧騒を察知し、果穂に合図を出し隠れて様子を窺った。
見えたのは裁きの対象、バグスターのグラファイトと見知らぬ少女達。
会話や状況から、ルルーシュの協力者と判断。

ならば味方する理由はなく、早速入手したアイテムの力を試す。
グレードアップえきという22世紀のひみつ道具は、回数制限こそ設けられたが効果は確か。
セイバーのゼインカードを文字通りグレードアップさせ、創世の剣士へと変えた。
令呪を切らずとも、最終フォームの力を行使可能な抜け道だ。
すかさず裁断し、上空から聖剣の雨を降らすのに何の迷いもなかった。


○


仕留め切れなかった。
傷を負い、なれど五体満足で現世にしがみ付く罪人達。
第三者の介入が起きたと察知し、キャルもグラファイトも放つ最中の技を聖剣の迎撃へと急ぎ変更。
ブロンズドライブのような串刺し刑は免れたが、全てを防ぐ事は叶わなかった。

「今度、は……なん、なのよ……っ!」

忌々しく吐き捨てるも、体中に走る痛みのせいか苦し気だ。
プリンセスフォームは解除され、魔法学園の制服姿に逆戻り。
所々が赤く滲み、流れる血が体力を容赦なく奪う。
横目で見やれば沙耶香もほとんど同じ。
霊体ではなく生身の体で、ダメージの肩代わりは不可能なのだから。

額に汗を浮かべながらも、回復魔法を発動。
自分と沙耶香の出血が止まり、痛みも幾分マシになる。
トゥインクルウィッシュのユイ程の治癒力はないが、放置するよりはずっといい。

「貴様……神聖な勝負に泥を塗る許し難き蛮行、断じて許さん……!」
「ただの殺し合いを神聖呼ばわりですか。やはりバグスターとは、世界を破滅へ導く病原菌以外の何物でもない」

グラファイトもまた相応の傷を負ったが、ダメージなど気にならない怒りが湧き上がる。
全力で自分に挑んだ少女達との戦いへ、横槍を入れられ許せる筈がない。
激怒を叩き付けられたゼインは怯む様子もなく、改めてバグスターは滅ぼすべき悪意と断定。
ルルーシュの仲間共々、裁きで以て終わらせてやろう。

「私はグラファイトと術師の少女を排除します。果穂、剣士の少女はあなたに任せても構いませんね?」
「分かりました!小宮果穂、ゼインさんの為に出撃ですっ!」

指示を受け、意気揚々と沙耶香に殴り掛かる果穂を最後まで見送らず。
自身の標的を青い複眼が捉える。
龍戦士のバグスター、獣の特徴を持った魔法の使い手、その他運良く死を免れたNPCども。
問題ない、一体残らず殲滅するのみ。

「ゼイン、って…ルルーシュが言ってた――っ!?」

テレビ局を襲う可能性が高い、ルルーシュ曰くいずれ人類を滅ぼす存在。
騎士を思わせる白い仮面ライダーがそうなのかと、問い掛けても言葉は返って来ない。
脚部装甲に備え付けられた機能を用い、引力を操作。
引き上げた走力で突撃、手始めに美濃関学院の刀使を数名軽く薙ぎ払う。
写シを張る暇もなく、顔面を潰された死体には目もくれず拳を放った。
ほとんど反射的に杖を翳し、直後キャルの体は宙を舞う。

「いっ、つ……!」

ドライバーから供給するエネルギーを全て、純粋な破壊力に変換した一撃だ。
防いだ体勢のまま殴り飛ばされ、杖を通じて両腕に鈍痛が襲う。
痛みに顰めた表情は次の瞬間、焦燥を露わにし始める。
落下までを呑気に待たず、跳躍しキャルへ追撃。
白の足部装甲が無慈悲な凶器となり、首を捩じ切らんと接近。

慄くのも悲鳴を上げるのも、全部後回しで術を発動。
至近距離で魔力を放射、ゼインの狙いを逸らし難を逃れる。
纏った装甲を砕く程の威力はない為、ノーダメージで敵は着地。
キャルが次の動きに出るのを待ちはしない。

<ライダーマン!>

<執行!ジャスティスオーダー!>

流れるようにゼインカードを取り出し裁断、栄光の7人ライダーの力を使い潰す。
デストロンの元科学者にして復讐鬼、ライダーマンのカセットアームを右腕に装備。
本来の力の持ち主は、後に正義の魂へ目覚めたがゼインは違う。
余りに突き抜け過ぎた、最早悪意と変わらない善意で標的の排除を実行。

「マシンガンアーム!」

無骨な黒い機関銃の照準をセット、特殊硬化ムース弾を連射。
ある世界線において、頑強なヨロイ一族を全滅へ追いやった威力だ。
獣人であれど、肉体強度は人より多少打たれ強いキャルを肉片に変えるのは難しくない。

「ぬえええええいっ!!」
「なに…?」

惨たらしい数秒先の未来図を変えるは、火炎を纏った双刃。
殺到する弾丸の前に身を躍らせ、ただの一発もそれ以上は進ませない。
鉄の群れを焼いて溶かし、地面へ落ちる前に消滅。
撃った本人も同じ末路へ叩き落とすべく、憤怒に突き動かされ猛接近。

「ロープアーム!」

カセットアームを即座に入れ替え、カギ爪突きのロープを射出。
紅蓮龍の剛腕に巻き付け、投げ飛ばさんと引き寄せるが思い通りにはさせない。
傷を負った身とは思えぬ怪力を発揮し、逆にゼインを投げ飛ばす。
距離を離された所へ炎刃が飛来、純白の装甲は煙で覆い隠された。

「あんた……何のつもりよ?」

自分を助けるような真似に出たグラファイトへ、困惑と警戒を織り交ぜ問う。
ほんの数分前まで、生きるか死ぬかの戦いに身を投じた間柄だ。
間違っても仲間意識など存在せず、助ける理由もない。

「まさかとは思うけど、仲間になりたいとかほざく気?」
「有り得んな。俺は“アイツら”とは違う、人間の敵である事を変えるつもりはない」

人間の味方に付くという、同胞への裏切りも同然の選択。
その道を選んだパラドやポッピーを、責める気はない。
ただ自分はそちらに行けない、敵キャラクターとしての本懐を果たす事こそが存在意義。
人間の手を取ってしまったら、それはもう龍戦士グラファイトではないのだ。

「だがお前は俺が敵として立ち塞がるに相応しい、戦士と認めた者だ。真剣勝負の果ての死ならともかく、奴の手で討ち取られるのは許さん」

グラファイトは決して、人類の友にはならない。
しかし、戦士への敬意を忘れたつもりもない。
神聖な戦いに唾を吐く無粋な乱入者に、諦めを拭い去り己へ挑んだキャルを殺させるのは真っ平御免だった。

「あー……そういうタイプなのねあんた。あいつと似たような…いや違うか。あっちのが面倒かしら?」

覇瞳皇帝に執着していた、色んな意味で破天荒な七冠の一人。
好戦的な笑みを思い出し頬が引き攣るも、ややあってため息を零す。
何に対しての呆れかは自身の胸中に留めて、術を一つ発動。
ドリル状のアームに変えたゼインが、グラファイトへ狙いを付けた時。
頭上からの電撃が阻み、丁度そのタイミングでカードの効果も切れた。

「あーら、偶然あんたを狙ってた攻撃を防いじゃった。まっ、どうせ自力でどうにかできたろうけど」
「礼は言わんぞ。支援を求めた覚えもない」
「いらないっての。むしろ、あんたから頭下げられたら鳥肌が立つわ」

からからと笑って減らず口を叩くキャルに、鼻で笑い返す。
呆れは含まれるも、嘲りの色は見当たらない。

グラファイトが人間の仲間になる気がないように、キャルもグラファイトが心変わりをするとは思っていない。
武人気質だろうと、殺し合いに乗った事実に変わりはなく。
仮にゼインが現われなかったら、自分達が負けて死んだ可能性もゼロとは言い切れない。
だからグラファイトという参加者は、これまでもこの先もずっと敵のまま。

けれど、迷わず倒せる相手だがそれは今じゃない。
自分もこいつも、今真っ先に潰すべき存在は他にいるから。

「あの空気読めない牛乳野郎の仮面叩き割って、終わったらあんたもぶっ殺してやるわよ!」
「咆えたな!ならば精々、奴相手に遅れを取る無様は晒してくれるな!」

互いから視線を外し、ゼインの排除へ意識は集中。
敵対者同士の共闘を前に、救世主たるライダーは何も言わない。
協力しようがしまいが、どの道揃って殺すのみ。

<電王!>

<執行!ジャスティスオーダー!>

イマジン達と共に時の運行を守った戦士、仮面ライダー電王。
自身の不幸体質や喧嘩の弱さへ言い訳せず、立ち向かう事を諦めなかった変身者。
野上良太郎を知って尚、使い潰すのに欠片の罪悪感も持たない。

電王専用の可変型武器、デンガッシャーを装備。
ソードモードの先端が分離し、ゼインの手で遠隔操作。
間合いを取ったまま、四方八方より飛来する刃にグラファイトも己の得物を振るう。
双刃とデンガッシャーが打ち合う中、後方からキャルが魔力弾で狙い撃つ。
あえて食らう意味もない、メダジャリバーを取り出し斬り落とす。

十数度目の打ち合いで、グラファイトが大きく敵の刃を弾き飛ばした。
次の攻撃は待たずに疾走、だがこれくらいはゼインも予測出来た展開。
デンガッシャーをロッドモードに切り替え投擲。
咄嗟に双刃で防御に出るも、悪手だったと直ぐに悟る。
先端から展開されたエネルギーが、亀の甲羅状に広がりグラファイトを捕えた。

「叩き割ってあげましょう」

素早くアックスモードへ変えたデンガッシャーを、脳天目掛け振り下ろす。
頑強なグラファイトの肉体とて、頭部は他と比べ脆い。
血と脳漿代わりの火花が散るのを、不意にゼインを襲った気持ちの悪い感覚が阻む。
耐久性を下げる魔法だと、知るのはキャルただ一人。
僅かに動きを止めたのは失敗だ、全身に力を漲らせたグラファイトが拘束を打ち破る。

「激怒竜牙!」
「くっ……」

刀身に火炎を纏わせ、十字状に斬り刻む。
ゲムデウスどころかプロトガシャットすら使う前に、振るっていた技だ。
レベル超越の影響を受け、当時の比じゃない威力を発揮。
双剣で防御に出たゼインを怯ませ、デンガッシャーを叩き落とす。
一々拾うよりも、別の手を使う方が手っ取り早い。
事前にグレードアップえきを掛けていた内の一枚を取り出し、裁断の寸前で弾き飛ばされた。

「余計な真似を……」
「漁夫の利狙った奴が言えた台詞じゃないでしょ!」

妨害したキャルを睨むも、当の本人はざまあみろとでも言うように笑う。
何らかの大技を発動する際、カードを腹部の機械に読み込む。
といった工程さえ分かっていれば、どのタイミングで邪魔するのがベストかは言うまでもない。
範囲を狭めた魔力弾でピンポイントの狙撃。
術の細かい調整にも秀でたキャルなら、これくらいはやってのける。

(奴の使うカードはまさか……いや、試すだけの価値はある筈!)

今しがたゼインの手を離れたカードを見て、グラファイトがふと思い付く。
突拍子がないとは自分でも分かる、確実に上手くいく保障はゼロ。
とはいえ試さない内に無意味と言い切るよりも、試してみるべきか。
ガシャコンバグヴァイザーを向け、スイッチを操作。
回収される前にゼインカードが粒子へ変わり、デバイス内部へ吸い込まれた。

「ヌ、グ……オオオオオオオオオオオオッ!!!」

吸収したデータを自分自身に取り込み、途端に起こるのは拒絶反応。
ラウズカードなどの不純物が、グラファイトの肉体を内側から苦しめる。
だが苦痛に耐え乗り越えた先に、必ず力が手に入る。
放送前にパラドが実践してみせたものを、やれない道理はなく。
カードを構成するのに使われたバグスターウイルスが、龍戦士と適合した。

「使うぞ、お前の力を!」

腕を大きく振るう仕草は、殻を突き破り新たな自分へ生まれ変わるかのよう。
紅蓮の肉体は銀が混じり更に強靭と化し、中央には特徴的な紋章が出現。
右手にはこれまで同様の双刃を持ち、左手には全く異なる得物を装備。
光と炎、二つの力を宿したソレの名はシャイニングカリバー。
仮面ライダーアギト・シャイニングフォームのカードを取り込み、グラファイトが得た力の象徴。

「パラドといいあなたといい、バグスターというのは全くハイエナのようですね」
「ほう……俺より先にパラドが実践していたか」

袂を別った友は、一足先にゼイン攻略の糸口を見付けたらしい。
交わらない道を歩んだとはいえ、誇らしい気持ちになるのは一瞬に留める。
湧き上がる力が錯覚でないと証明すべく、ゼイン目掛け突き進む。

<ダブル サイクロンジョーカー!>

<執行!ジャスティスオーダー!>

敵自ら突っ込んで来るのなら好都合。
自ら狩り場に顔を出した、哀れな獲物に過ぎないと思い知らせる。
パラド相手に使い裁断済のカードだが、シビトの侑斗から奪った同名の物を使う。
緑色の竜巻が発生し浮上、半分に分かれたゼインが蹴りを叩き込む。
時間差で胸板を足底が痛め付けるも、グラファイトは微動だにせず。
やせ我慢に出ているんじゃあない、本当に効いていないのである。

「効かん!効かんなぁ!」
「ぐっ…!」

シャイニングフォームはスマートな外見と裏腹に、高い防御性能を誇る。
グラファイトの力へ変えた影響で、肉体強度を更に引き上げた。
仮面ライダーダブルのマキシマムドライブを物ともせず、逆に殴り飛ばす。
無様に地面を転がるのは避けるも、後退を余儀なくされた。
倒すには至らない拳一発で、グラファイトが満足しよう筈もなく。
シャイニングカリバーをS字型の形態から分離、双剣に持ち替える。
同じく大技で対処せんと、ゼインもカードを引き抜いた。

<龍騎サバイブ!>

<執行!ジャスティスオーダー!>

「ドドドドドドドドド紅蓮爆龍爪!」

殺し合いでも浅倉威が変身した龍騎サバイブの力を、グレードアップえきの効果で解放。
専用の召喚機から銃剣状に刃を伸ばす、ドラグソードを振るい十字の火炎を放つ。
対するグラファイトもまた、二振りの刃を振り下ろす。
自身の力を乗せた影響で、火炎が龍を形作り爪で引き裂くオマケ付きだ。

互いに本来の変身者に非ず、されど繰り出すは進化の果ての力。
焼き尽くすか、完膚なきまでに砕き潰すか。
二つに一つの決着を付けんとする闘争は、



彼方より落ちて来た少女によって、思わぬ方向へ転がり出す。


○


<ブレイド!>

<執行!ジャスティスオーダー!>

オリハルコン製の片手剣、ブレイラウザーを召喚し装備。
まるで特撮番組の主人公が使う武器のようであり、事実世界と友の両方を救った青年の力の一端だ。
この剣を使ってこれからゼインの為に悪を倒す。
そう考えると俄然やる気が湧き、戦意に背を押され斬り掛かった。

それがほんの数分前のこと。
気合十分で挑んだはいいものの、現状は果穂の望んだ通りとは言い難い。
ルルーシュの協力者たる少女は未だ健在。
時折刃が届きそうになってもヒラリと躱すか、周囲のNPCが邪魔に出る。

「逃げずに大人しく倒されてください!ゼインさんの邪魔をする人達は、いちゃいけないんです!」
「それは、聞けない!私にだって……まだ死ねない理由があるから!」

首を狙った刃を躱し、突き付けられた要求へ否を叫ぶ。
言っても無駄なら、直接力で永遠に黙らせるまで。
地面を強く踏みしめ突きを放てば、銃弾をも軽く超える貫通力を発揮。
鉄板数十枚とて貫く勢いだ、沙耶香の華奢な体など紙切れと同じ。
だがどれだけ強力でも、当たらなければ意味無し。

どうもやりづらい相手だと沙耶香は思う。
年頃が近くとも、戦闘経験で言ったら確実に自分が勝る。
にも関わらず攻め切れないのは、複数の理由が重なってるが故。

第一にゼインの身体スペックの高さに加え、全身を覆う装甲の頑強さ。
これだけならまだやりようはある。
定時放送前にブラックコンドルを斬った時同様、生身の相手でなくとも戦えない道理はない。
まして果穂は殺し合いで複数回の戦闘を経たが、動き自体は素人の域を未だ出ていない筈。

なのに沙耶香相手に拮抗可能な理由は、ゼインに搭載された機能。
両手のガントレットは単なる飾りじゃない。
ライダーの武器を装備する事で、内部の機能が瞬時に効果を発揮。
初めて触る物だろうと関係なしに、使いこなせるのだ。
この影響で果穂は剣術を未習得であっても、仮面ライダーブレイドと謙遜ない戦いが可能となった。
更に沙耶香自身の消耗や負傷も響き、未だ鎮圧ならずの状況が続いている。

「教えて!あなたはどうして、ゼインに手を貸すの!?」
「何ですかいきなり!ゼインさんはあたしに、幸せの羽をくれたからですよっ!」

得物を挟んで問いをぶつけるも、返答はいまいち容量を得ない。
幸せの羽とやらが、具体的にどんなものかは分からないが。
本当に幸福を招く類でないとは、沙耶香にも察せられる。

「あたし、プロデューサーさん達と違ってまだまだずっと子どもだけど…でも!生きててこんなに幸せな気持ちになれたことって、初めてなんです!」

羽を受け取った瞬間の、天にも昇るかの浮遊感。
不安や恐怖が全て取り除かれ、胸いっぱいの幸福が広まった。
アイドルを始めて今に至るまで、沢山の苦労と嬉しいことを経験したけど。
幸せの羽が齎すのに比べたら、酷くちっぽけに思える程だ。
W.I.N.Gに優勝し、プロデューサーと喜びを分かち合った時の記憶すらボヤけて感じる。

「だから!こんな幸せをくれたゼインさんの為に、あたしはどんなことでも……!」
「本当に……あなたの心がそう言ってるの?」

感極まって言う果穂を、悲し気な顔を隠さずに見つめる。
もしも果穂が紛れもない、彼女自身の意思でゼインへの協力を決めたなら。
何も言えなかっただろうけど、これは違う。
事前にルルーシュからゼインの情報を聞いていなかったとしても、違うと断言出来た。
仮面で素顔が見えないのに、今の彼女はまるで。

「言いたくないことを、無理やり言わされてるみたいな……本当にやりたいのとは別のことを、させられてるようにしか見えない」

ただ言われるがまま刀を振るい、自分の意思を宿すなど許されず。
僅かに芽生えた人間性すら、奪われそうになった。
高津学長の傀儡だった時の自分と、真人の道具にされていた自分と。
どうしようもない程に、目の前の少女が重なる。

「私は……自分の心がそれは嫌だって言ったから、今もここにいられる。あなたの心は、本当は何て言ってるの?」
「あたしの、心……?そんなの――」

幸せをくれたゼインの為、そう自信満々で答えようとし言葉に詰まった。
何を迷う必要がある、言ううべきはその一言で十分だろうに。
なのに何故か、針で刺したよりも小さい痛みを感じ――

「っ!?」
「こ、、今度はなんですか!?」

突如起こった異変に、二人揃って意識を奪われた。
テレビ局から少し離れた位置、空が暗黒に染まって見えたではないか。
王の閃光をも掻き消す、異形達の黒き刃が齎す現象。
強大な霊圧の残留により、沙耶香も果穂も動きを止める。

「……え?あれって……?」

天が元の青さを取り戻し間もなく、沙耶香の目には別の異変が映った。
空中を激しく飛び回り、幾度も激突を繰り返す奇妙な光。
聞こえる音も、地上を揺さぶる振動も徐々に強くなっていく。
二つの光が近付いて来てるからだと気付き、同時に正体も判明。
発せられる力が、両方自分の知るより格段に上がっているが間違いない。
白と紅、二体の剣士の片方が翼の殴打を受け地へ落ちる。

「チィ…!小賢しい真似ばかりしよってからに!」
「何でもありを謳うのが殺し合いだろ?ルールが欲しけりゃ、竹刀でも代わりに振るったらどうだ?」

双剣を翳し翼の一撃を防いだはいいが、民家数軒を吹き飛ばす暴風が巻き起こる威力だ。
ジンガ同様、力を急激に増したタギツヒメでなければ危うかった。
破壊の痕が新しいアスファルトを踏みしめ、優雅に降り立つ異形を見据える。
飛翔態を解くも、荒々しく進化を遂げた姿は健在。

強烈な存在感を伴って、剣士達が皇帝の城へ帰還を果たす。

「…む。気配、いやこの場合は霊圧か?探知に引っ掛かっておったが、招かれざる客が増えておるな」

ジンガへの警戒は微塵も緩めずに、テレビ局前に集まった者達を見やる。
NPCは大分減っているが、参加者は増えた様子。
起動鍵を使ったMSとはまた違う装甲の者が二名。
彼らは勿論、赤龍の如き怪物も油断ならない強者と見て間違いない。

「タギツヒメ…よね?な、何かちょっと目を離した隙に雰囲気変わってない?」
「事情は後で話す。時間がない故簡潔に聞くが、集まった者どもは全員敵でいいのか?」
「ん、まああの赤い奴は、今だけ敵じゃないっていうか…いや敵なのはそうなんだけど……」

最初にグラファイトが襲って来て、次にゼインと果穂が乱入して来た。
三人共に敵対者なのはその通りが、今すぐ全員へ攻撃すべきという訳でもない。

「曖昧な言い方じゃなく断言出来んのかお前は」
「うっさいわね!ってかあんたこそパワーアップしてんのはいいけど、何であっちの銀髪野郎までもっとヤバい雰囲気になってんのよ!?」

仲間が強くなって戻って来るのは大歓迎。
しかしどういう訳か、敵まで強化の恩恵に与ってるのは非常に納得がいかない。
ただでさえ混乱が激しい場なのに、余計頭が痛くなった。

「ほう……あの二人が最初に感じた気配の正体か」

グラファイトもまた眼前の敵への警戒はそのままで、意識を新たな顔ぶれに割く。
どちらもバグスターではなく、かといって人間でもない。
様子から察するに白い少女はキャル達の仲間。
逆に紅い悪鬼とは敵対中、といった所か。

「皇帝様のお人形コレクションは大分減ったが、どうにもごちゃついてるな」

集まった一同の顔を、値踏みするように視界へ閉じ込めた。
殺し合いに抗う暑苦しい連中が集まり、自分の排除へ動く気でいる。
というのとは違いようで、各々の事情で敵意をぶつけ合うのが正しい。

タギツヒメを含め、一人一人相手取っても別に問題無い。
が、ふと自身が持つ玩具の存在を思い出す。
複数人が集まっている今だからこそ、派手な光景を演出できる力が。

宿敵であり黄金騎士の道外流牙、守りし者に通じる強さを持つ梔子ユメ。
彼らがいれば魔戒剣を用いた闘争へ身を投じたが、そうでないなら遊び方には拘らない。
どの道手に入った以上、いずれ試す気だったのは本当。
偶々その機会が前倒しでやって来ただけの話。
であれば難しく悩む必要は何処にも見当たらず、ホラー態を解除。
訝しく睨むタギツヒメへ皮肉気に笑い掛け、破壊者の鎧を纏う。

「えっ!?あれって、先生が変身してたのと同じ!?」
「いえ、あのディケイドは……ドライバーが二つ存在するのですか?」

アッシュフォード学園で戦ったマゼンタ色のライダーと、非常に酷似した戦士。
驚く果穂を尻目にゼインは答えに辿り着くが、ジンガの『変身』はまだ終わっていない。
テレビ局に来るまでの道中、NPCを蹴散らし手に入ったアイテム。
破壊者の使命を受け入れたディケイドを、一つ上の領域へ押し上げる鍵を取り出す。

『KUUGA AGITO RYUKI FAIZ BLADE』

『HIBIKI KABUTO DEN-O KIVA』

タッチパネルに表示されるは、九つのライダー達を示すクレスト。
これまでの旅路を思い出すかのように。
或いは、破壊の痕を今一度刻み付けるようになぞっていく。

『FINAL KAMEN RIDE DECADE!』

やがてゴール地点、ディケイドの紋章へ到達。
電子音声を発する機械をベルト中央に装着。
更にこれまでその位置にあったディケイドライバーは、右腰部分へ移動。
必要な手順をすべて終え、遂に姿を変える時が来た。

十字の意匠を刻んだ装甲に貼り付く、九人のライダーのカード。
肖像画にも、破壊され晒し首にも見える歪な鎧。
額には他ならぬ、ディケイド自身のカードを掲げる。
我こそが王とでも言い放つかの様で、高き場所にて他ライダー達を見下ろす。

仮面ライダーディケイド・コンプリートフォーム。
ネガの世界で旅の続きを選んだ門矢士が、世界の破壊者の真の姿に変身した姿。
だが悪鬼さながらに歪む形相こそ、正史には存在しなかった証。
激情態の姿を維持し、コンプリートフォームに至る。
ある意味、ホラー喰いのホラーの装束として相応しいのかもしれない。

「っ、まさか……!」

異様な風貌のライダーへ、困惑と警戒が広まる中。
いち早く何をする気か察したのは、この中で誰よりも仮面ライダーの知識を有する者。
データバンクに記憶された、ディケイドの能力から予測された答え。
このまま敵の好き勝手を許せば、大惨事に繋がるのは確実。
阻止に動こうとゼインカードへ手を伸ばすも、僅かに遅い。

『ATTACK RIDE TIME!』

「――――っ!?」

気付いた時には既に、遅かったと理解させられる。
ゼインのみならず、その場の全員がだ。
見ている光景が信じられない、だが信じる他ない。
悪夢染みた状況だろうと、紛れも無い現実なのだから。

「な、ん……どうなってんのよこれ……何であの遺影みたいな奴が増えてるのよ!?」

青褪めるキャルの言葉に嘘は無い。
数秒どころか、瞬きを終えるかどうかの一瞬前まで一人だったディケイドが。
今や十人に増えた挙句、それぞれ隣には見た事の無い戦士達が並ぶ始末。
更に言うなら、全員が得物を手にし大量のエネルギーを収束。
すぐにでも高威力の技を放てる段階へ、到達してしまっていた。

「まさか……クロノスと同じ力か……!?」

奇怪極まる現象への答えを、グラファイトが愕然と口にする。
実際の所、間違いと言う訳でもないが。

タイムスカラベのカードで時を止めた。
長続きはせず、この状態ではどれだけ攻撃に出ても傷を付けられない。
だから必要となる準備を、時間停止中に全て終わらせた。
イリュージョンのアタックライドカードで、九人の分身を出現。
耐久力以外は本体と同性能なのを活かし、それぞれがコンプリートフォームの能力を発動。
士が通りすがった世界のライダー達の、最終形態の分身を召喚。
間髪入れずにカードを装填し、最大威力の技の待機状態へ入った。

激情態のディケイドは他の仮面ライダーへ変身せずとも、固有能力のカードが使える。
ブレイドのライダーカード自体はギギストに錬成へ使われたが、ブレイド関連の他のカードまで消えてはいない。
ジンガが手に入れたドライバーが、激情態のディケイドじゃなかったら。
コンプリートフォームの変身に必須な、ケータッチをドロップしてなかったら。
ケータッチ使用の条件である、九人のライダーの力を取り戻していなかったら。
どれか一つでも当て嵌まれば実現はなかった、しかしそうならなかった為に生まれたのがこの状況。

「皇帝様の城と心中したくなけりゃ、死ぬ気で抗え!」

『FINAL ATTACK RIDE DE・DE・DE DECADE!』

本体のディケイドがドライバーにカードを叩き込み、響く音声が合図となる。
カード状のエネルギーを潜り抜け、標的目掛け蹴りを繰り出す。
シンプルだが通常形態の時を凌駕した破壊力だ。
何よりも、気を払わねばならない攻撃はこれ一つじゃない。
九人のディケイドと九人の影法師、計十八名による一斉掃射が放たれた。

「っ!!!我の後ろに来い!」
「果穂!あなたもカードを……!」
「はっ、はい!」

各々余裕を完全に削ぎ落とされ、だが抵抗を諦めた覚えはない。
規模と威力を備えた技で迎え撃つ。

「ぐ、お、お、おおおおおお……!!」

双刃と薙刀形態のシャイニングカリバーに、火炎を纏わせ振り下ろす。
まともな死体も残さず、炭と化す炎刃が押される。
仮面ライダーキバ・エンペラーフォムと、仮面ライダーブレイド・キングフォーム。
二人の王が繰りだす魔剣と聖剣、そこへ二体の破壊者が同等の威力加わればどうなるか。
燃やし尽くす筈の炎は勢いが衰え、蝋燭の火と変わらぬ小ささとなるのも時間の問題だ。

「こん、の……!ふっ、ざけんな……!!」
「おのれ……っ、決して前に出るなよ沙耶香…!そこを動けば、我でも守り切れん……!」
「っ、で、でも……!」

月牙天衝に加え、キャルも魔力全てを注ぎ込む勢いで特大の魔法攻撃を放つ。
なのに打ち破れない、拮抗を維持するだけで体力が激しく削られる。
高威力の技を放つ為に必要な、『溜め』が足りないのが響く。

「くっ……!ふざけた真似をしてくれる……!」
「うああああ……!ま、負けちゃ、ダメです……!ゼインさんの正義が、負ける筈は……!」

原典のライダー以上の火力で技を再現可能な、ゼインとて例外ではない。
幾ら何でも数で圧倒的に敵が勝り、その上先手を取られたとあっては苦戦必至。

彼らが防げているのはあくまで、自分達の身か傍らの者のみ。
破壊の規模がたかが数人を痛め付けるので済む筈がなく、エネルギーの大半は何処へ向かうか。
背後に聳え立つ皇帝の城と、周囲一帯がこれ以上ないくらいの答えだろう。
消し飛ぶ音にすら、誰もが意識を向けていられない。

「……っ、だめ……もう……!」

諦めては死ぬと分かっているのに、抗う力が届いてくれない。
訪れる末路は必然、とっくに原形を留めていない建造物の仲間入り。

最後まで足掻き続け、尚も届かず朽ち果てる。
無情な結末なれど、絶対に起こり得ないとも言い難く。
魔女狩りの裏で繰り広げられた闘争は今、










「救急戦隊(マックスビクトリーロボ) マックスノバ」










最後の役者の参戦を以て、佳境へ突入する。



099:壊乱Ⅳ:切り札の名はPrincess! 投下順 099:壊乱F:青天井はどうしようもなく澄み渡っている
時系列順
タギツヒメ
糸見沙耶香
キャル
グラファイト
ジンガ
仮面ライダーゼイン
小宮果穂
桜井侑斗(シビト)
凶星病理のコルファウスメット
ELS一護

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