准将とミカが精神世界へと突入した途端、それまで饒舌…ではないがそこそこ喋る時は喋っていた氷竜が黙り込む。
「お??何いきなり黙り込んでんだよ失敗作、俺様を凍らせて黙らせるんじゃね──ぐへっ!?」
「く、ぅっ…動きが余計に早くなってるとでも、言うのか!?」
「く、ぅっ…動きが余計に早くなってるとでも、言うのか!?」
嘲った冥黒ディアッカを疾風を付与したパンチで殴り飛ばし、その勢いのまま加速に転用、脚でのキックでアスランを蹴り飛ばす氷竜。
「…さっきまでとは違う、斬り合ってるのに何も感じない…多分、ミカちゃんや准将さんの方のキラくん相手で手一杯なんだと思います!」
「普通こういうのは動きも鈍くなるものでしょ!?早くなってんじゃないわよ…!!」
「2人を信じて、竜とあの人形をここで抑える他無いか…」
「…みたいだ、出来る限りの事を…自分もやろう」
「…ですね、道外さん、タイクーンさん…行くよ、イルヴァ!」
「普通こういうのは動きも鈍くなるものでしょ!?早くなってんじゃないわよ…!!」
「2人を信じて、竜とあの人形をここで抑える他無いか…」
「…みたいだ、出来る限りの事を…自分もやろう」
「…ですね、道外さん、タイクーンさん…行くよ、イルヴァ!」
更に動きが良くなっていく氷竜と、情けない声を挙げたものの即座に立て直し、エールストライクとなった冥黒ディアッカ相手に、各々が連携を取り立ち向かう。
(剣を通して伝わってくる……私達への嫌悪と、グリオンって人への信仰心が…!!)
「この状況で、まだ貴方はひとりで戦うんですか…!?」
「ナチュラル共と、それもお前みたいな死体人形と組めってか!?冗談じゃねえよ…死体を弄んでいいのはグリオン様だけだってーの!!」
「…一応聞いておくわねアスラン、アンタの知ってるディアッカってあんなのなの?」
「違うな、似ても似つかない…偽物の俺のような必死さも無い、アレはどうしようもないな。死体を使ったのが本当なら……終わらせてやる他無い」
「よーくわかったわ、アイツがそんな感じなら、どうせうてなやシノンのもガワと声以外は似ても似つかない、最低野郎だって事が…なら遠慮なく、ぶっ倒す!」
「やれるもんならやってみやがれってんだ、グリオン様を拒んだ最低のネコ野郎がよぉ!!」
「この状況で、まだ貴方はひとりで戦うんですか…!?」
「ナチュラル共と、それもお前みたいな死体人形と組めってか!?冗談じゃねえよ…死体を弄んでいいのはグリオン様だけだってーの!!」
「…一応聞いておくわねアスラン、アンタの知ってるディアッカってあんなのなの?」
「違うな、似ても似つかない…偽物の俺のような必死さも無い、アレはどうしようもないな。死体を使ったのが本当なら……終わらせてやる他無い」
「よーくわかったわ、アイツがそんな感じなら、どうせうてなやシノンのもガワと声以外は似ても似つかない、最低野郎だって事が…なら遠慮なく、ぶっ倒す!」
「やれるもんならやってみやがれってんだ、グリオン様を拒んだ最低のネコ野郎がよぉ!!」
自分と創造主たるグリオン、先輩である冥黒アヤネ以外の全てが平等に塵(ナチュラル)だと思考する冥黒ディアッカに、本物のアスラン達と共闘するという選択肢は無い。
なので竜を攻撃しながら、アスラン達も相手取っていた。
なので竜を攻撃しながら、アスラン達も相手取っていた。
袋叩きになるなら即座に逃亡したが、自分を排除したい以上に失敗作(氷竜となったキラ・ヤマト)をどうにかしたいと彼らが考えているだろうからと、いい感じに妨害しつつあわよくば失敗作と彼らの内誰かくらいは殺した上で手土産にしたいと、冥黒ディアッカは考えている。
ともかく、エールストライクの機動力を生かした冥黒ディアッカはライフルを撃ちつつ攻撃を回避。
竜はドラグーンを氷で再び形成して全方位に展開、掃射しながら自身は光の柱や三つ首の氷竜等を放つ。
竜はドラグーンを氷で再び形成して全方位に展開、掃射しながら自身は光の柱や三つ首の氷竜等を放つ。
これらに対し、舞衣は創世の力による蒼炎を纏った斬撃で首を壊し、そこから迫った氷の鋭利な枝をブジンソードビクトリーを発動させたスザクが蹴り砕いた。
また光の柱を迅移で避けながら、可奈美ははやぶさ斬りを放つ。そして攻撃したのは彼女だけでなく流牙もであり…魔戒剣による連撃を間髪入れずに差し込み傷を付けた。
ドラグーンの掃射には、可奈美や舞衣、流牙は避けつつ直接切り払って無効化。スザクは切り払いまた武刃による斬撃波も使い分けていた。
また光の柱を迅移で避けながら、可奈美ははやぶさ斬りを放つ。そして攻撃したのは彼女だけでなく流牙もであり…魔戒剣による連撃を間髪入れずに差し込み傷を付けた。
ドラグーンの掃射には、可奈美や舞衣、流牙は避けつつ直接切り払って無効化。スザクは切り払いまた武刃による斬撃波も使い分けていた。
冥黒ディアッカには生前ディアッカと縁のあるアスランに、主であるグリオンと因縁のあるセリカが対応。
放たれるビームライフルをアスランが防ぐ形にしつつ、御刀由来の技能の八幡力と迅移で加速したセリカがドラグーンを破壊しつつ、シンシアリティによる銃撃をお返しに見舞う。
当然アスランも防御には徹さずクローによる近接戦闘、火器類やソードスキルによるドラグーンの無力化等を行っていた。
放たれるビームライフルをアスランが防ぐ形にしつつ、御刀由来の技能の八幡力と迅移で加速したセリカがドラグーンを破壊しつつ、シンシアリティによる銃撃をお返しに見舞う。
当然アスランも防御には徹さずクローによる近接戦闘、火器類やソードスキルによるドラグーンの無力化等を行っていた。
「これなら本物のディアッカの方が、それどころかあの可哀想なアコード(シュラ)の方が100倍は強かったぞ?」
「言ってろやナチュラルのゴミが!死んじまった奴と土俵にすら居ない奴に比べりゃ、今こうしてお前らを苦戦させてる俺様の方が遥かに格上に決まってるだろうが!」
「さっきからいちいちナチュラルのゴミだのなんだのうっさいのよ!!」
「大体俺がコーディネイターなのは、本物のディアッカの記憶を持っているならわかるだろうに」
「うるせぇのはお前らの方だっつってんだろうがよぉ…!!俺様にとっちゃ俺様とグリオン様、ついでにアヤネ先輩以外は全部ナチュラルの屑!!それ以外に何の価値があるってんだよ、ええ!?」
「ほんっとう心底、アンタもグリオンも性格悪いわね!!!!」
「言ってろやナチュラルのゴミが!死んじまった奴と土俵にすら居ない奴に比べりゃ、今こうしてお前らを苦戦させてる俺様の方が遥かに格上に決まってるだろうが!」
「さっきからいちいちナチュラルのゴミだのなんだのうっさいのよ!!」
「大体俺がコーディネイターなのは、本物のディアッカの記憶を持っているならわかるだろうに」
「うるせぇのはお前らの方だっつってんだろうがよぉ…!!俺様にとっちゃ俺様とグリオン様、ついでにアヤネ先輩以外は全部ナチュラルの屑!!それ以外に何の価値があるってんだよ、ええ!?」
「ほんっとう心底、アンタもグリオンも性格悪いわね!!!!」
等と応酬が続くも、2人で優勢に追い込めない程度には冥黒ディアッカには実力があった。いくら軽薄で思慮の浅いカスだろうと、そもそも誇示できる力が無ければこんなドブのムーブはしないだろうから当然ではある。
「……ここが、キラくんの心の中……寒っ!?寒くないかな!?」
「…やっぱり、凍り付いてるからかな」
「…やっぱり、凍り付いてるからかな」
凍ったMSの残骸等が浮かぶめちゃくちゃな内在世界の最中、起動鍵越しにも関わらず冷気を感じ思わず身震いするミカと、警戒を強める准将。
すると氷の弾丸が目掛けて飛んできて……難なく避けた2人の前に、氷の竜が姿を現す。
すると氷の弾丸が目掛けて飛んできて……難なく避けた2人の前に、氷の竜が姿を現す。
「わざわざそんな面倒な手を使ってまで、奴を助けに来たのかい?」
「うん。私は…ううん、私達は…キラくんを取り返す為に、助け出す為にここに居る」
「君が昔の僕から生み出されたって言うのなら…なおさら今の僕にも、君を止める理由がある」
「……理解出来ない。あれだけの戦力が集ったんだ、キラ・ヤマト諸共殺した方が早いだろう?ましてそこの聖園ミカは乗ってる側の人間だ、躊躇う理由はお前には無いだろうに」
「…そうだね。たしかにそうしちゃった方が…早いかもね。でも……そんなこと、私はしたくない。仮にもキラくんから生まれたのなら、それくらいわかると思うんだけどなぁ…」
「うん。私は…ううん、私達は…キラくんを取り返す為に、助け出す為にここに居る」
「君が昔の僕から生み出されたって言うのなら…なおさら今の僕にも、君を止める理由がある」
「……理解出来ない。あれだけの戦力が集ったんだ、キラ・ヤマト諸共殺した方が早いだろう?ましてそこの聖園ミカは乗ってる側の人間だ、躊躇う理由はお前には無いだろうに」
「…そうだね。たしかにそうしちゃった方が…早いかもね。でも……そんなこと、私はしたくない。仮にもキラくんから生まれたのなら、それくらいわかると思うんだけどなぁ…」
「…彼女が、ミカが昔の僕を撃てなかったのを見てそれなのか…」
心底理解出来ない様子な氷竜に、ミカは怒りを通り越して憐れみを、准将は呆れを見せる。
対し氷竜はというと、向けられた感情を至極どうでもよさそうにしながら氷の枝を生成。
対し氷竜はというと、向けられた感情を至極どうでもよさそうにしながら氷の枝を生成。
「まあいいや、どの道奴の元には行かせない。
僕の願いを…全ての凍結を叶える為。お前達は氷漬けだ」
「…わからず屋。……キラくんを返して貰うよ!!」
「みんなにも託されたんだ、だからここで君を止めて…昔の僕を助け出してみせる!」
僕の願いを…全ての凍結を叶える為。お前達は氷漬けだ」
「…わからず屋。……キラくんを返して貰うよ!!」
「みんなにも託されたんだ、だからここで君を止めて…昔の僕を助け出してみせる!」
射出された枝を、ミカはGNソードVとフルートバスターにより切り払う。准将もメイスにより打ち砕いてみせるが…氷竜からすれば想定内。
奥へと進もうとし果敢に攻める2人に、ドラグーンや突風、光の柱で対応しつつ、近接戦闘では手刀を竜は放つ。
ソードビットとドラグーンの激突が起こる最中、メイスと手刀がぶつかり合い鈍い金属音が響き…側面からのフルートバスターでの斬りつけに、氷竜は咄嗟に反応。
奥へと進もうとし果敢に攻める2人に、ドラグーンや突風、光の柱で対応しつつ、近接戦闘では手刀を竜は放つ。
ソードビットとドラグーンの激突が起こる最中、メイスと手刀がぶつかり合い鈍い金属音が響き…側面からのフルートバスターでの斬りつけに、氷竜は咄嗟に反応。
「っ……力強い…お前はゴリラか何かか…!?」
「…女の子にそういうこと、言っちゃダメだって…わからないかなぁ…っ!!」
「…女の子にそういうこと、言っちゃダメだって…わからないかなぁ…っ!!」
デリカシーの欠片もない言いように、怒りを見せながら御刀由来の八幡力で更に腕力を増させる。
そのまま力で押し切ろうとするも…間一髪衝撃波を放ち竜は距離を取った。
だが間髪入れずに向かってくるのは鉄の尻尾…テイルブレード、斬りつけられる所を疾風を纏わせた手刀で防ぎにかかる氷竜だったが……風により威力が上がっている筈の手刀は空を切る。
そのまま力で押し切ろうとするも…間一髪衝撃波を放ち竜は距離を取った。
だが間髪入れずに向かってくるのは鉄の尻尾…テイルブレード、斬りつけられる所を疾風を纏わせた手刀で防ぎにかかる氷竜だったが……風により威力が上がっている筈の手刀は空を切る。
「っ…ぐああっ!?…ワイヤーを絡めただと!?」
「今だ、ミカ!!」
「今だ、ミカ!!」
ワイヤー部分を巻き付け動きを封じにかかった上で、蹴りと同時にヒールバンカーを作動させて吹っ飛ばす。
「…足癖が悪いのは相変わらずなんだね、准将の方のキラくんも…うん、任せて!!」
出来た隙を、聖園ミカは見逃さない。
1度目は避けられ、2度目は誤爆してしまった、そしてこの後どうなるか次第だと、今後使えるか怪しくなるだろう必殺技を、ここでミカは切る。
獣電池をフルートバスターに装填、魔楽章デーボスフィニッシュを放った。
邪悪な感情を…サオリへの復讐心等を捨てきれてないが為、起動し技を行使出来る形である。
1度目は避けられ、2度目は誤爆してしまった、そしてこの後どうなるか次第だと、今後使えるか怪しくなるだろう必殺技を、ここでミカは切る。
獣電池をフルートバスターに装填、魔楽章デーボスフィニッシュを放った。
邪悪な感情を…サオリへの復讐心等を捨てきれてないが為、起動し技を行使出来る形である。
邪悪な恐竜型エネルギー弾が氷竜へと激突する…もダメージはそう多くはない。
獣電池の起動条件すら満たせなくなっているわけではないが、今のミカがこれを使っても、心意システムにより増幅された正の感情によって弱体化してしまうからだ。
獣電池の起動条件すら満たせなくなっているわけではないが、今のミカがこれを使っても、心意システムにより増幅された正の感情によって弱体化してしまうからだ。
(やっぱり、あんまり効いてないよねー…でも、予想通りだよ☆)
「…たしか、こう…だったよね!」
「…たしか、こう…だったよね!」
最も想定内の範疇、そのままブーメランにしたフルートバスターを投擲した隙に…ソードビットをGNソードVと合体。バスターソードへと変え、八幡力によるバフと迅移による加速で切り抜け……竜を勢いよく吹っ飛ばした。
「待っててね、キラくん…!」
「一気に吹っ飛ばしたね、でも…これで近づいていけてる筈だ!」
「一気に吹っ飛ばしたね、でも…これで近づいていけてる筈だ!」
竜を追う形で進むと、奥へと辿り着く。
「……これは……僕が、経験してきた…」
「……きら、くん?…准将の方のキラくん見て、キラくんが、あそこに……!!」
「……きら、くん?…准将の方のキラくん見て、キラくんが、あそこに……!!」
周辺に広がるは、キラ・ヤマトが体験してきた悲劇、痛みと喪失の場面が凍った状態で浮かんでいるという現実離れした光景。
そして……その先にあるのは、氷漬けにされピクリとも動かないキラ・ヤマトの姿。
思わず向かおうとしたミカだったが…当然そう上手くは行かない。黄色の破壊光線が飛んで来て、咄嗟に迅移でそれを避ける。
そして……その先にあるのは、氷漬けにされピクリとも動かないキラ・ヤマトの姿。
思わず向かおうとしたミカだったが…当然そう上手くは行かない。黄色の破壊光線が飛んで来て、咄嗟に迅移でそれを避ける。
「邪魔しないでよ…!キラくんをあんなにして、まだ苦しめる気…!?」
「それはこっちの台詞だよ、全てを凍らせて、憎しみの連鎖を全て断ち切らなければ…コイツは苦しみながら戦い続ける」
「…あなたが生まれた以上、そう思う心自体は、たしかにキラくんにもあったかも知れない。けれどだからって、キラくんがそんな事望む訳ないことくらい…なんでっ、わからないかなあ!?」
「──苦しむだけで最期には朽ちる命なら、最初から存在しない方が、生まれてこない方がいいに決まっている。
だが憎しみ合いが止まらない限り、ラウ・ル・クルーゼやキラ・ヤマトや僕のような存在は際限なく生まれる!!」
「…っ……あなたは…きみは……きみ自身の事じたいも……」
「それはこっちの台詞だよ、全てを凍らせて、憎しみの連鎖を全て断ち切らなければ…コイツは苦しみながら戦い続ける」
「…あなたが生まれた以上、そう思う心自体は、たしかにキラくんにもあったかも知れない。けれどだからって、キラくんがそんな事望む訳ないことくらい…なんでっ、わからないかなあ!?」
「──苦しむだけで最期には朽ちる命なら、最初から存在しない方が、生まれてこない方がいいに決まっている。
だが憎しみ合いが止まらない限り、ラウ・ル・クルーゼやキラ・ヤマトや僕のような存在は際限なく生まれる!!」
「…っ……あなたは…きみは……きみ自身の事じたいも……」
手刀…ではなく、ビームサーベルを模したかのような氷剣を以て斬りかかる氷竜と、取り回しの良さを考慮し通常状態に戻したGNソードVで対応するミカ。
斬り合いの最中、竜が抱く諦観・絶望が自分自身の存在にすらかかっている事に気付いたミカは…言葉を紡ごうとするも出てこない。
斬り合いの最中、竜が抱く諦観・絶望が自分自身の存在にすらかかっている事に気付いたミカは…言葉を紡ごうとするも出てこない。
「……守りたい世界すら君が壊そうと言うのなら!!僕は…君と戦う!!」
「…准将の方の…キラくん…」
「その世界すら、いずれ憎しみに飲まれて狂う!!人の業とはそういうものだとお前だって知っているはずだ!!キラ・ヤマト准将…!!」
「…准将の方の…キラくん…」
「その世界すら、いずれ憎しみに飲まれて狂う!!人の業とはそういうものだとお前だって知っているはずだ!!キラ・ヤマト准将…!!」
だがここで割って入るはキラ・ヤマト准将。メイスを大きく振りかぶり、氷竜を殴打。
氷を盾代わりにして防いでみせるも、近距離から放たれた腕部200mm砲と、そこからのルプスレクスネイルによる一撃を氷竜は諸に食らう。
立て直しを図らんと、再生成したドラグーンを含めてまたもやフルバーストをしようとする氷竜だったが…
氷を盾代わりにして防いでみせるも、近距離から放たれた腕部200mm砲と、そこからのルプスレクスネイルによる一撃を氷竜は諸に食らう。
立て直しを図らんと、再生成したドラグーンを含めてまたもやフルバーストをしようとする氷竜だったが…
「させないよ!!…自分自身が嫌になる気持ちは……正直めちゃくちゃわかるけどさー…でも、それでキラくんの守りたいものまでぶっ壊そうって言うなら……それだけでもう、私がきみを止める理由になる!」
ライフルモードにしたGNソードVに、ソードビットを接続。GNバスターライフルモードにして高出力のビームをミカが発射した事で妨害される。
しかし氷竜もタダでは終わらず、疾風を付与した上での手刀と氷剣をぶつける。
しかし氷竜もタダでは終わらず、疾風を付与した上での手刀と氷剣をぶつける。
「お前にっ…何が、わかるっ!!」
「っ…あ"っ!?…っ…ああっ!?」
「ミカ…!!」
「…ごほ、っ…ぁ…ぅ……知ってるよ、視てきた…から。
…キラくんが…本当はめんどくさがりな子なのも、散々追い詰められて…きたのも、ひどい産まれなのも……キラくんのその、恥ずかしい…ところも……でもそれ以上に!
…ひっどい目にばっかり遭っても…優しさを捨てれない、誰かの為に立てちゃう……優しくて、カッコいい男の子だって所も…だから、これ以上…キラくんの身体で好き勝手……させるわけには、行かないよね!!」
「っ…あ"っ!?…っ…ああっ!?」
「ミカ…!!」
「…ごほ、っ…ぁ…ぅ……知ってるよ、視てきた…から。
…キラくんが…本当はめんどくさがりな子なのも、散々追い詰められて…きたのも、ひどい産まれなのも……キラくんのその、恥ずかしい…ところも……でもそれ以上に!
…ひっどい目にばっかり遭っても…優しさを捨てれない、誰かの為に立てちゃう……優しくて、カッコいい男の子だって所も…だから、これ以上…キラくんの身体で好き勝手……させるわけには、行かないよね!!」
氷竜の種が弾け、発動したSEEDと負の心意の合せ技か、今度は竜の方が早かった。
ふっ飛ばされて氷の壁にぶつかり、写シを張ったはいいものの追撃を受け剥がされ解除。起動鍵も解除され口から血を吐いてしまう。
准将が引き受けている間、ミカはそれでも、フルートバスターを支えに立ち上がり……叫んだ。
ふっ飛ばされて氷の壁にぶつかり、写シを張ったはいいものの追撃を受け剥がされ解除。起動鍵も解除され口から血を吐いてしまう。
准将が引き受けている間、ミカはそれでも、フルートバスターを支えに立ち上がり……叫んだ。
「…そこまでして、何故奴を…キラ・ヤマトを助けようとする??助ける価値も意味も無い、生まれてくるべきでない存在を何故だ…!!それをして、何の得がお前にある!?」
「それを決めるのは…君じゃない、昔の僕で…彼女だ!」
「それを決めるのは…君じゃない、昔の僕で…彼女だ!」
そう言われた瞬間、ミカの内心に去来したのは……この世界へ突入する前、セリカに…明らかに自分とキラの関係を勘違いしているだろう彼女に言われた言葉だった。
『アンタ…暴走してた時も先生やキラの名前を呼んでたでしょ?…それだけ、アンタにとって先生や……キラが大事で、好きな人なんでしょ!?なら……絶対に、助けてあげなさいよ!!』
……セリカちゃんにこう言われた時は、何勘違いしてるんだろ?ってなった。
だって、そもそもキラくんには…明確に好きとか言ってた所は視てないけど、名簿の並びとか的に、この殺し合いに居るのはアスランくんに准将のキラくん達の方の時間だろうけど……ラクスちゃんが居るし。
だって、そもそもキラくんには…明確に好きとか言ってた所は視てないけど、名簿の並びとか的に、この殺し合いに居るのはアスランくんに准将のキラくん達の方の時間だろうけど……ラクスちゃんが居るし。
…第一、それで、好きになるって…我ながらチョロすぎるじゃんってなって。仮になったとしても、吊り橋効果?だったっけ…それのせいで、勘違いしてるだけだって…それかキラくんへの負い目が重なりすぎて変なことになってるだけだって…なってる私が居る。
……けれど、だけど……セリカちゃんにそう言われて、キラくんに呼びかけてて……否定、出来なくなっちゃった。そう思ってる私が居ることに……気付いちゃったんだ。
……悪い子だなぁ、わたし……先生への想いも、捨てれてないのに……2人も同時に好きになっちゃって、片方の子には横恋慕同然で……とんだ魔女だって、疫病神だって…自分でも思う。
……でも。先生の時は、気付けないまま、気付かないまま手遅れになっちゃった。もう、あんな後悔はしたくない。
……だから、だからね……私は……ここで言うよ。
……悪い子だなぁ、わたし……先生への想いも、捨てれてないのに……2人も同時に好きになっちゃって、片方の子には横恋慕同然で……とんだ魔女だって、疫病神だって…自分でも思う。
……でも。先生の時は、気付けないまま、気付かないまま手遅れになっちゃった。もう、あんな後悔はしたくない。
……だから、だからね……私は……ここで言うよ。
「"──好きだから。
……わたし、悪いお姫様だからさ。先生の事もキラくんの事も…どっちも好きになっちゃったみたいで。
……好きになった人を助けたいって、もういない人達の分まで助けてあげたいって思う事の……何がいけないのかな!?"」
……わたし、悪いお姫様だからさ。先生の事もキラくんの事も…どっちも好きになっちゃったみたいで。
……好きになった人を助けたいって、もういない人達の分まで助けてあげたいって思う事の……何がいけないのかな!?"」
半分くらい自棄になりながら、叫んだ。
…起動鍵も使ってないから、傍から見たらきっと…顔真っ赤っかになっちゃってるんだろうなぁ…って、どうでもいい考えが浮かんでくる。
…起動鍵も使ってないから、傍から見たらきっと…顔真っ赤っかになっちゃってるんだろうなぁ…って、どうでもいい考えが浮かんでくる。
「……は?正気に戻れ聖園ミカ。それは吊り橋効果か、積み重なった自責の念が──」
「そうかもね、けど……それでも!今この瞬間のわたしのこの気持ちは……嘘なんかじゃない。
きみにも……たとえキラくん自身にだって!!…否定なんてさせないから!!
だから…きみを倒して…凍って眠ってる王子様(キラくん)を助け出してあげるよ、悪いお姫様の私が!!」
「そうかもね、けど……それでも!今この瞬間のわたしのこの気持ちは……嘘なんかじゃない。
きみにも……たとえキラくん自身にだって!!…否定なんてさせないから!!
だから…きみを倒して…凍って眠ってる王子様(キラくん)を助け出してあげるよ、悪いお姫様の私が!!」
わかり切った事を言われて、更に勢いのまま叫んじゃった。
……なんかもう色々と恥ずかしいけど、准将の方のキラくんがどう思ってるのとか、色々気になるけどでも…あそこまで言っちゃったらもう……仕方ない、よね?
……なんかもう色々と恥ずかしいけど、准将の方のキラくんがどう思ってるのとか、色々気になるけどでも…あそこまで言っちゃったらもう……仕方ない、よね?
参加者のひとりであるメラが滅ぼそうとしていた、デザイアグランプリの存在する世界では…人の心など欠片も無かったあるクイズ王の男が、平凡で善良なある人間の記憶を得たり挫折を味わった結果罪悪感や良心が芽生え自らを省みたという事例がある。
人の心が欠落した男でさえそうなるのだから…悪い子な部分は多々あれど良心や優しさ自体も人並み以上にあった
(なまじあったから傷付いてボロボロになって思い詰めて、止まれなくなった所もある)
ミカが、それまでの経緯を踏まえた上で…キラの記憶を視て、彼の苦しみを、悲しみを、境遇を…そして優しさを識ってしまえば…諸々の理由を込みとしても、好意という感情を抱くのはなんら不思議では無いのだ。
(なまじあったから傷付いてボロボロになって思い詰めて、止まれなくなった所もある)
ミカが、それまでの経緯を踏まえた上で…キラの記憶を視て、彼の苦しみを、悲しみを、境遇を…そして優しさを識ってしまえば…諸々の理由を込みとしても、好意という感情を抱くのはなんら不思議では無いのだ。
「…えっと……ミカ…」
「准将の方のキラくんにはラクスちゃんが居るよね?好きなら好きって、はっきり言ってあげた方がいいと思うな☆」
「…う、うん…」
「後フレイちゃんとの事は、ラクスちゃんに遭っても黙っててあげるから安心してね」
「…本当に、全部視たんだね…」
「……横恋慕な上2人を同時に好きになるなんて、とんだお姫様だなお前は!」
「准将の方のキラくんにはラクスちゃんが居るよね?好きなら好きって、はっきり言ってあげた方がいいと思うな☆」
「…う、うん…」
「後フレイちゃんとの事は、ラクスちゃんに遭っても黙っててあげるから安心してね」
「…本当に、全部視たんだね…」
「……横恋慕な上2人を同時に好きになるなんて、とんだお姫様だなお前は!」
起動鍵の、ルプスレクスの下で苦笑するしか無い准将と、完全に開き直ったミカ。
暫し思考が止まってた氷竜はそう、苛立ちと困惑を隠さぬままに氷剣で斬りかかる。
暫し思考が止まってた氷竜はそう、苛立ちと困惑を隠さぬままに氷剣で斬りかかる。
「させるかっ…!…ここまで言わせちゃった以上、昔の僕にはちゃんと、責任を取ってもらった方が良さそうだから。…だからミカ…ここは僕が抑える!」
「うんっ、ねぼすけな王子様を、叩き起こしてくるね!」
「うんっ、ねぼすけな王子様を、叩き起こしてくるね!」
だがそれをメイスで受け止めつつ、テイルブレードを見舞うはキラ准将。
昔の自分の方のラクスに申し訳なさはあるものの、ミカがこうなるまでに脳を焼かれてしまったのは恐らく昔の自分のせいなので、責任を取らせる他無いと認識していた。
過去の自分が氷竜になっているにも関わらず、今の自分に何の影響もない辺り、地続きにはならないだろうという思考もある。
昔の自分の方のラクスに申し訳なさはあるものの、ミカがこうなるまでに脳を焼かれてしまったのは恐らく昔の自分のせいなので、責任を取らせる他無いと認識していた。
過去の自分が氷竜になっているにも関わらず、今の自分に何の影響もない辺り、地続きにはならないだろうという思考もある。
「邪魔を…するな!!お前も、貴様もキラ・ヤマトなら…!!」
「そっちこそ、彼女の邪魔をしないでくれ!!」
「そっちこそ、彼女の邪魔をしないでくれ!!」
…ともかく氷剣から手刀へ変えながら光線を放った氷竜に対して、こちらもSEEDを発動、躱しながらまたもや蹴りの後にヒールバンカーを起動させ…間髪入れずにルプスレクスネイルを突き出しながら格闘戦を挑む。更にガンバレルストライカーも併用し、ガンバレルによる射撃も同時に行った。
凍結によるダメージはある上、相手は相変わらず再生していくものの…疲労はさせれる上、外で戦ってるアスラン達にいい影響を与えれるかも知れない。そして……准将の目的はミカが過去の自分を起こすまでの時間稼ぎな以上、これでよかった。
凍結によるダメージはある上、相手は相変わらず再生していくものの…疲労はさせれる上、外で戦ってるアスラン達にいい影響を与えれるかも知れない。そして……准将の目的はミカが過去の自分を起こすまでの時間稼ぎな以上、これでよかった。
「…キラくん。まずは…ごめんね…あの時、君の手を取れなくて……君を、あんな怪物にしちゃって……殺したくなんてないって思ってた君に……ころさせてっ……!
……私だけ、一方的にキラくんの過去の事知っちゃってるのも…アレだから…私も話すね…なんで復讐なんてしようとしてるのか、とか…」
……私だけ、一方的にキラくんの過去の事知っちゃってるのも…アレだから…私も話すね…なんで復讐なんてしようとしてるのか、とか…」
キラを閉じ込めている氷の牢を、フルートバスターと千鳥の御刀を振るって壊そうとしながら、ミカは自分の過去を…復讐を果たす為に優勝しなきゃと至った経緯を話す。
「…よかれと思ってやった筈だったのに…わたしがどうしようもないバカだったから、だからぜーんぶうまくいかなくて…利用されるだけされて…わたしだけならともかく、わたしの大切な人達がわたしのせいで傷付いて……なのにのうのうと生きてる、サオリに報いを、受けさせなきゃって……。
……思い返すだけで、やっぱり……許したくないって気持ちはあって…でも、人殺しで悪党に成り下がっちゃったわたしを…先生は最期まで……なら、わたしにも…サオリにもきっと……。
…でも、それ以上に……君は、キラくんは……救われて欲しいし、救われるべきだって思ってる。
…でも、それ以上に……君は、キラくんは……救われて欲しいし、救われるべきだって思ってる。
…苦しみながら、殺したくなんてないのに、本当はぐーたらしてたいのに…守りたいものを守るために戦った、優しくて頑張りやさんなキラくんが……わたしは好き。
……負い目とか罪悪感とか、吊り橋効果とか…多分そういうのもぜーんぶ含めて…気付いたら大好きに、なっちゃってたんだ。
……先生と、会って欲しかったなぁ…絶対、仲良くなれてたと思うし…好きな人同士が仲良くなってるとか、それだけでわたしなんかには勿体ないくらいに…もう、救われる気がしたから。
…だから……祈るね、キラくんが救われるように。キラくんを救う為に……!」
……負い目とか罪悪感とか、吊り橋効果とか…多分そういうのもぜーんぶ含めて…気付いたら大好きに、なっちゃってたんだ。
……先生と、会って欲しかったなぁ…絶対、仲良くなれてたと思うし…好きな人同士が仲良くなってるとか、それだけでわたしなんかには勿体ないくらいに…もう、救われる気がしたから。
…だから……祈るね、キラくんが救われるように。キラくんを救う為に……!」
氷の牢獄を壊しつつ語りかけた末、ミカは祈り…拳による一撃を見舞わんとする。
心意システムを介して己の願いを、気持ちを以て…氷だけを壊して助け出さんとする為に。
そして……砕けたのは氷のみだった。
恋する悪いお姫様の願いは、システムを動かしてみせたのだ。
心意システムを介して己の願いを、気持ちを以て…氷だけを壊して助け出さんとする為に。
そして……砕けたのは氷のみだった。
恋する悪いお姫様の願いは、システムを動かしてみせたのだ。
「……ミカ……君は、そこまで……??」
「…えっと、もしかしてキラくん…聞いてた、の?」
「…うん…聞こえてたよ、奥まで未来の僕と、ミカが来てくれた時から……」
「…へ…へー、そうなんだ…じゃ、じゃあ……わたしにここまで言わせた責任、ちゃんと取ってね☆
…それとこれ、キラくんの!」
「…流石に……ああまで言われて、聞かなかったことにするのは無責任だと思ってるとは言っておくよ」
「わーお。…言質は取ったから忘れないでねっ、キラくん」
「…えっと、もしかしてキラくん…聞いてた、の?」
「…うん…聞こえてたよ、奥まで未来の僕と、ミカが来てくれた時から……」
「…へ…へー、そうなんだ…じゃ、じゃあ……わたしにここまで言わせた責任、ちゃんと取ってね☆
…それとこれ、キラくんの!」
「…流石に……ああまで言われて、聞かなかったことにするのは無責任だと思ってるとは言っておくよ」
「わーお。…言質は取ったから忘れないでねっ、キラくん」
身体を動かせずにいたものの自由を取り戻したキラに、照れと嬉しさが入り混じりながらも…ミカはイモータルジャスティスの起動鍵を手渡した。
そして自らも、クアンタの起動鍵を再び手に取る。
そして自らも、クアンタの起動鍵を再び手に取る。
「キラ・ヤマト、イモータルジャスティス!出ます!」
「聖園ミカ、ダブルオークアンタ…派手に荒れちゃうよ☆」
「聖園ミカ、ダブルオークアンタ…派手に荒れちゃうよ☆」
起動鍵によりMSをその身に纏えば、後は持ち堪えてる准将の方に介入するのみ。
拮抗していた状況の中、ミカはGNバスターソードを振るいキラはビームサーベルとしたヴィーゼルナーゲル ビームブーメランを振るって氷竜に傷を負わせる。
拮抗していた状況の中、ミカはGNバスターソードを振るいキラはビームサーベルとしたヴィーゼルナーゲル ビームブーメランを振るって氷竜に傷を負わせる。
「待たせてごめんねっ、准将の方のキラくん!」
「ごめん、未来の僕…ようやく、僕は僕を取り戻せたよ」
「…待ってたよ、ミカも、昔の僕の事も。
…心なしか、彼の動きがだんだんと、鈍くなってる気がするんだ。…きっと、アスラン達が外で頑張ってくれてる」
「…おとなしく…凍っていればよかったものを……脳内ピンクの色ボケ魔女めが…ぁっ…!!」
「ごめん、未来の僕…ようやく、僕は僕を取り戻せたよ」
「…待ってたよ、ミカも、昔の僕の事も。
…心なしか、彼の動きがだんだんと、鈍くなってる気がするんだ。…きっと、アスラン達が外で頑張ってくれてる」
「…おとなしく…凍っていればよかったものを……脳内ピンクの色ボケ魔女めが…ぁっ…!!」
「色ボケ魔女って、それって私のこと?…仕方ないじゃん、好きになっちゃったんだから……。
後、脳内ピンク呼ばわりは怒るよ??ゴリラ呼ばわりもだけど、君ってデリカシーとかないのかな??まああのニセモノのディアッカくん共々、そーいうの無いんだろうけど……だから、殴るね☆」
「っ、ぐは…まだ、だ…僕の願いは…まだこんな所で潰えるものじゃない…!!」
後、脳内ピンク呼ばわりは怒るよ??ゴリラ呼ばわりもだけど、君ってデリカシーとかないのかな??まああのニセモノのディアッカくん共々、そーいうの無いんだろうけど……だから、殴るね☆」
「っ、ぐは…まだ、だ…僕の願いは…まだこんな所で潰えるものじゃない…!!」
言いがかり(かはともかく)のノンデリ発言の負け惜しみをした結果、宣言通りバスターソードの持ち手で殴られる氷竜。
だが諦めず、負の心意を以て立ち向かわんとし…何度目かのフルバーストを放とうと…見せかけ、ここで令呪を切ろうとして、ドームを精神世界全域に展開する事で諸共に滅却を試みた。
だが諦めず、負の心意を以て立ち向かわんとし…何度目かのフルバーストを放とうと…見せかけ、ここで令呪を切ろうとして、ドームを精神世界全域に展開する事で諸共に滅却を試みた。
最も最大火力という意味で使ってくるのは予見できた為…3人もそれを防ぎにかかる。
精神世界故に分離しているが、覚えたソードスキルは共通状態な為使えるソードスキル:疾風を纏わせたシールドブーメランの射出をキラは行い、准将は完全に撃たれる前に潰すと言わんばかりにメイスとテールブレード、ガンバレルを駆使。
そしてミカはGNバスターソードからバスターライフル状態に変形させた上で……
精神世界故に分離しているが、覚えたソードスキルは共通状態な為使えるソードスキル:疾風を纏わせたシールドブーメランの射出をキラは行い、准将は完全に撃たれる前に潰すと言わんばかりにメイスとテールブレード、ガンバレルを駆使。
そしてミカはGNバスターソードからバスターライフル状態に変形させた上で……
「…正直、きみの言い分に思う所がないわけじゃない…けどさ。それはそれとして……キラくんの身体をこれ以上、好き勝手に使われるのはもう嫌なんだよねー…!!
…──『トランザム』っ!!」
…──『トランザム』っ!!」
トランザムを発動、出力を向上させた上でバスターライフル形態で切り裂こうとする。
「…まだだ、僕はっ…僕が負ければ……奴に、キラ・ヤマトに安息など……!!」
「……たとえ、戦い続けた先にもっと苦しい事が待ってたとしても……覚悟はあるよ、僕は……戦う!」
「……たとえ、戦い続けた先にもっと苦しい事が待ってたとしても……覚悟はあるよ、僕は……戦う!」
令呪行使及び滅却ドーム展開を中断し、フルバーストを以て抗おうとする氷竜だったが…防ぎきれず吹っ飛んだ上に、キラ自身のその叫びを以て放たれた、ビームブレイドによる蹴りによって叩きつけられる。
…死んではいないが立ち上がる気配は無く…3人は…そしてキラ・ヤマトは、己から生まれた氷竜を打ち破る事が出来たのだ。
…死んではいないが立ち上がる気配は無く…3人は…そしてキラ・ヤマトは、己から生まれた氷竜を打ち破る事が出来たのだ。
「…負け、か。…何故……殺さない…」
「…君も、また僕から生まれた存在で……わかる部分もあるから」
「…穂波と呼ばれていた女を殺したのを、忘れたわけじゃないだろう…」
「…僕にも責任はある、君の罪も…存在も、無かったことにする気はない…進んでいくよ、僕は」
「…君も、また僕から生まれた存在で……わかる部分もあるから」
「…穂波と呼ばれていた女を殺したのを、忘れたわけじゃないだろう…」
「…僕にも責任はある、君の罪も…存在も、無かったことにする気はない…進んでいくよ、僕は」
「……勝手にすればいい、憎しみの連鎖を完全に断つという願いを拒んだのは…お前達だ……せいぜい、グリオンやラウ・ル・クルーゼ共相手に足掻いて見せればいい、お人好しめ」
「…昔の僕にも、今の僕にも……覚悟はある、戦い続ける為のが」
「…キラくん達がそう言うんじゃ、私も…受け入れるしかないよね。また悪さしたり、デリカシーの欠片もない事言うようなら、何度でも殴ってあげるから☆」
「…昔の僕にも、今の僕にも……覚悟はある、戦い続ける為のが」
「…キラくん達がそう言うんじゃ、私も…受け入れるしかないよね。また悪さしたり、デリカシーの欠片もない事言うようなら、何度でも殴ってあげるから☆」
氷竜は乗っ取りを諦めたのか、言い残してそこからは消え去る。
同時に、世界も崩れ…元の戦場へと戻らんとしていた。
同時に、世界も崩れ…元の戦場へと戻らんとしていた。
「…そうだ、准将の方のキラくんは、先戻っといてよ。
…キラくんに、聞いとかなきゃいけないことがあるから」
「……うん、わかった」
…キラくんに、聞いとかなきゃいけないことがあるから」
「……うん、わかった」
なんとなく察したのか、准将は先んじて出口へと向かう。
後に残されたのは、満身創痍で、起動鍵も解除されてしまっているキラと、自分から解除したミカ。
「…こういうの。普通逆じゃないかな…?」
「流石に、今のキラくんにこれさせる訳には行かないよ。
それに…お姫様が、王子様を助けてこうするのもいいって思わない??」
「…そう、かな…改めて、ありがとうミカ。君と、篝さんがいなかったら……きっと、化物として僕は死んでた筈だから」
「…礼を言うのは、私の方だよ……キラくんと、篝ちゃんが居なかったらきっと私……もっと、ひどいことになってたから」
「流石に、今のキラくんにこれさせる訳には行かないよ。
それに…お姫様が、王子様を助けてこうするのもいいって思わない??」
「…そう、かな…改めて、ありがとうミカ。君と、篝さんがいなかったら……きっと、化物として僕は死んでた筈だから」
「…礼を言うのは、私の方だよ……キラくんと、篝ちゃんが居なかったらきっと私……もっと、ひどいことになってたから」
持ち前の力を以て、キラをお姫様抱っこしてミカは歩く。そんな会話をしながら進んでいくと、出口が見えた。流石にと降ろして貰った上で、キラは……。
「…そう言えば、君の告白に…答えてなかったね。
────」
────」
答えを告げる。言われたミカは呆然とした後…顔を赤らめながらも、微笑み……そして暫し後、精神世界から2人は帰還を果たした。
一方時間は少し巻き戻る。
冥黒ディアッカとアスラン、セリカの戦いは…意外にも泥仕合の状態となっていた。
理由はアスランやセリカの消耗と、ディアッカ側の耐久力の高さ、それに彼が創られた際グリオンにより融合させられたアンデッド…ハートスートの9、リカバーキャメルの特性が主因である。
キャメルリカバーによる自己回復が、ディアッカ擬きのタフネスさを更に強めていた。
最もその冥黒ディアッカも、アスランとセリカに抑えられる形となり、対氷竜を妨害出来ずにいるのだが。
冥黒ディアッカとアスラン、セリカの戦いは…意外にも泥仕合の状態となっていた。
理由はアスランやセリカの消耗と、ディアッカ側の耐久力の高さ、それに彼が創られた際グリオンにより融合させられたアンデッド…ハートスートの9、リカバーキャメルの特性が主因である。
キャメルリカバーによる自己回復が、ディアッカ擬きのタフネスさを更に強めていた。
最もその冥黒ディアッカも、アスランとセリカに抑えられる形となり、対氷竜を妨害出来ずにいるのだが。
「ああもうウザってぇなあナチュラル共が!!」
「こっちの台詞よ!無駄にしぶといのはアンタの方でしょうが!!」
「いい加減その口を黙らせてやりたい所だが…!」
「こっちの台詞よ!無駄にしぶといのはアンタの方でしょうが!!」
「いい加減その口を黙らせてやりたい所だが…!」
ランチャーストライクでアグニを乱射、ガンランチャーも使いながらキレ散らかす冥黒ディアッカに、シンシアリティでの砲撃を行いながらキレ返すセリカ、錬金術による爆発や各種火器類の射撃、クローやビームライザーによる近接戦闘を行いながら吐き捨てるアスラン…という状況であった。
セリカに関しては隙をついて『信頼の銃弾(ムニツィオーネ・シンシアリティ)』を命中させようとはしているものの、それに限って回避か、冥黒ディアッカ本体に当たらないよう彼が立ち回るせいで有効かどうかすらわからない状態である。
セリカに関しては隙をついて『信頼の銃弾(ムニツィオーネ・シンシアリティ)』を命中させようとはしているものの、それに限って回避か、冥黒ディアッカ本体に当たらないよう彼が立ち回るせいで有効かどうかすらわからない状態である。
対氷竜はというと、装いが変わっただけでなく媒介故か強化もされた可奈美が、スザクや流牙共々主に前衛を担当。
戦闘時なのとイルヴァの助けもあって、舞衣が指揮を取りつつ自らも前衛に出向く形となっていた。
戦闘時なのとイルヴァの助けもあって、舞衣が指揮を取りつつ自らも前衛に出向く形となっていた。
『舞衣、竜の動きが…!』
「明眼や透覚でわかってる、可奈美ちゃん、道外さん…そっちは」
「ううん…切り合っても相変わらずわからなくって…でも、動きが鈍くなってる気は…するかな」
「…疲労もあるだろうが、内部でミカやキラが戦ってる影響…だろうな」
「…セリカちゃんとアスランさんが抑えてくれてる間に…押し切りましょう。それがもしかしたら…ミカちゃん達の為にも、なるかもしれないから。タイクーンさんもそれでいい…ですよね?」
「ああ、ここで彼を止めよう…!」
「明眼や透覚でわかってる、可奈美ちゃん、道外さん…そっちは」
「ううん…切り合っても相変わらずわからなくって…でも、動きが鈍くなってる気は…するかな」
「…疲労もあるだろうが、内部でミカやキラが戦ってる影響…だろうな」
「…セリカちゃんとアスランさんが抑えてくれてる間に…押し切りましょう。それがもしかしたら…ミカちゃん達の為にも、なるかもしれないから。タイクーンさんもそれでいい…ですよね?」
「ああ、ここで彼を止めよう…!」
突風と衝撃波を放ちながら、疾風を全身に纏わせ突撃する氷竜を…間一髪躱しながらブジンソードビクトリーを行使するスザク。斬撃波として放ち迎え撃つ中…可奈美もまた、視て覚えた技である金翅鳥王旋風を放つ。その上で舞衣も、蒼炎を付与した斬撃…旋風巻きを放ち相殺、吹っ飛ばすことに成功した。
「道外さん、今です!」
「ああ。…キラ、これが少しでも君の助けになるのならば……!!」
「ああ。…キラ、これが少しでも君の助けになるのならば……!!」
狩る者のスキルのひとつ、多段突きを見舞う抜刀術…八双大蛇突きを舞衣が使った後…ハガネの鎧を着た流牙が使うは閃光剣舞。
閃影剣舞を使おうとも考えたが、光を闇へと変え邪気を溜め込む都合、鎧を纏えなくなるデメリットが現状では重たかった為まずはこちらを使う事とした形である。
閃影剣舞を使おうとも考えたが、光を闇へと変え邪気を溜め込む都合、鎧を纏えなくなるデメリットが現状では重たかった為まずはこちらを使う事とした形である。
内側からの抵抗もあって闇を光へと変える一撃は弱体化しつつある氷竜に大ダメージを与え……それにより、内側の氷竜本体にも疲労が蓄積。この攻撃も一因となって…氷竜は、己の…キラ・ヤマトの精神世界にて敗北を喫する事となった。
そして、立ち上がろうとしていた氷竜が動きを止め突如光り輝く。その様は交戦中の冥黒ディアッカにも、セリカにもアスランにも視認できた。
「はぁ!?なんの光だよありゃ!?」
「…もしかして、ミカと准将の方のキラが…!」
「おそらくは、成し遂げたんだろうな…やるじゃないか、ミカも」
「…もしかして、ミカと准将の方のキラが…!」
「おそらくは、成し遂げたんだろうな…やるじゃないか、ミカも」
そして光の中から現れるは、2人のキラ・ヤマトに聖園ミカ。
その光景は…氷竜の敗北を、そしてミカ達の目的が果たされた事を意味していた。
その光景は…氷竜の敗北を、そしてミカ達の目的が果たされた事を意味していた。
「…みんな、ただいま!ちゃんと准将の方のキラくんと一緒に、ねぼすけな私の王子様を連れて帰ってきたよ☆鍵は返しとくね…流石に、つかれたから…」
「…みんなの前で言われるのは恥ずかしいかな、流石に…」
「気持ちは分かるよ、昔の僕…あ、うん… 僕もこれは返すね」
「…ほら!!やっぱりそういう仲なんじゃないの!…よかった……」
「あっさり負けるとかマジねぇわ。所詮は失敗作だなクソがよぉっ!一丁前にイチャつきやがって!!」
「失敗作はお前だ。見苦しい嫉妬とは似ても似つかない上に、本当に使えないな」
「…みんなの前で言われるのは恥ずかしいかな、流石に…」
「気持ちは分かるよ、昔の僕…あ、うん… 僕もこれは返すね」
「…ほら!!やっぱりそういう仲なんじゃないの!…よかった……」
「あっさり負けるとかマジねぇわ。所詮は失敗作だなクソがよぉっ!一丁前にイチャつきやがって!!」
「失敗作はお前だ。見苦しい嫉妬とは似ても似つかない上に、本当に使えないな」
勝利宣言をしつつクアンタの起動鍵を返すミカと、気恥ずかしげにするキラに同情しつつルプスレクスの鍵を返す准将。
予想してた通りだったじゃないとしつつ、ホッとした様子のセリカに、吐き捨て苛立ちを隠さない冥黒ディアッカ。
吐き捨て返すアスラン……3人とも疲労困憊とは言えこの状況、後は冥黒ディアッカをどうにかすればこの場は……と思った次の瞬間、空気が変わった。
予想してた通りだったじゃないとしつつ、ホッとした様子のセリカに、吐き捨て苛立ちを隠さない冥黒ディアッカ。
吐き捨て返すアスラン……3人とも疲労困憊とは言えこの状況、後は冥黒ディアッカをどうにかすればこの場は……と思った次の瞬間、空気が変わった。
「……──これ、は……あの人だ。あの人が……!!」
この空気を、衛藤可奈美は識っている。自らを一度屠った、暴虐の王のそれだと認識したその刹那…声が響いた。
「雁首揃えて何の様だ。王が現れたのだから、頭を垂れるのが礼儀だろう?塵共が……。
……死人は大人しく、ハーガバーカに居れば良いものを……!!」
「……お前、は……」
……死人は大人しく、ハーガバーカに居れば良いものを……!!」
「……お前、は……」
真紅の暴君、宇蟲王ギラ。
平坦な声で呟いた筈が……視界に衛藤可奈美と冥黒ディアッカを見つけた途端、吐き捨てるかのようにそう呟く。
自らの知る王…ギラ・ハスティーと似た姿、似た声、だが相対しただけで決定的に違うとわかる相手に…思わずスザクは呟くが意に介されず。
平坦な声で呟いた筈が……視界に衛藤可奈美と冥黒ディアッカを見つけた途端、吐き捨てるかのようにそう呟く。
自らの知る王…ギラ・ハスティーと似た姿、似た声、だが相対しただけで決定的に違うとわかる相手に…思わずスザクは呟くが意に介されず。
……次の瞬間、宇蟲王は宇蟲剣ブラッドフォークを大量に生成、それら全てを射出しその場の参加者に無差別に襲いかからせた。
狙いを付けたわけでも、勿論全力でもない。だが…この程度を超えられなければ、小石にすらならないと、無慈悲に剣を降り注ぐ。
狙いを付けたわけでも、勿論全力でもない。だが…この程度を超えられなければ、小石にすらならないと、無慈悲に剣を降り注ぐ。
それを避ける暇も余裕も、聖園ミカには無かった。
起動鍵を使おうにも間に合わない、令呪を切ろうともどうにもならない、できることは、なにもない。
起動鍵を使おうにも間に合わない、令呪を切ろうともどうにもならない、できることは、なにもない。
(……キラくんを助けれただけ……いいほう、なのかな……)
呆然と、そんな思考が頭を過ぎり……
「ミカっ!!!!」
令呪が消えたと同時に、咄嗟に動いたキラにより伏せさせられ…ギリギリの所で難を逃れる。
「…キラく………ぇ、あ……????」
真っ先に自分を伏せさせた相手を見ようとしたミカの視界に映ったのは──脳と心臓にブラッドフォークを刺されたキラ・ヤマトの姿。
……血がまた、ミカの身体を、服を汚し……ソレはピクリとも動かず倒れ伏した。
……血がまた、ミカの身体を、服を汚し……ソレはピクリとも動かず倒れ伏した。
「……きら、くん……や、やめてよ…せっかくおきたばっかりなのに、またねちゃだめだよ……ねえ、おきて…おきてよ、きらくん……!!」
現実を受け入れられず、ミカはまるで幼子のようにキラ・ヤマトだった肉塊を揺さぶる。
だが応えなど返ってこない。いくらスーパーコーディネイターだろうと、頭と心臓を貫かれて生きているはずが無いのだから。
だが応えなど返ってこない。いくらスーパーコーディネイターだろうと、頭と心臓を貫かれて生きているはずが無いのだから。
「……やだよ、やだよきらくんっ…だって…まだ、これから……もっといっぱい…わたし……こんなのって……そんな…いやっ……いやああああああ!!!!」
「喧しいゴミめ」
「喧しいゴミめ」
現実からの逃避にも限度があった。崩れ落ちた少女の慟哭が虚しく響くも、宇蟲王からすれば塵が喧しく喚いているだけに過ぎない。
100:sprinter-死人に口あり- | 投下順 | 100:sprinter-キラ・ヤマト:リブート/枢木スザク:ライジング+衛藤可奈美:アンブレイカブル- |
時系列順 | ||
衛藤可奈美(シビト) | ||
枢木スザク | ||
キラ・ヤマト | ||
柳瀬舞衣 | ||
聖園ミカ | ||
黒見セリカ | ||
道外流牙 | ||
アスラン・ザラ | ||
キラ・ヤマト准将 | ||
宇蟲王ギラ | ||
冥黒ディアッカ | ||
覇王十代 | ||
セレブロ | ||
緑谷出久(デク) |