かゆい。トランクスを指さした手で顔を触る。
仮面が邪魔だ。でもかゆい。
仮面が邪魔だ。でもかゆい。
「……思い返せば、お前は本当に俺の邪魔をするのが大好きだな」
仮面を掻く。かゆい。
「大勢死んでる裏で拾ってきた子供を監禁し続ける頭のおかしい女に洗脳されたジャリガキと延々乳繰り合ってたのがお前だったな」
仮面を掻く。かゆい。
「それからこっちがようやくノワルを倒す算段が付いたってタイミングで出てきて埒外の力でこっちの戦力を削るだけ削ったくせに結局ノワルに吹き飛ばされて……最後まで戦ったのは陽介だ!アスナだ!覇世川左虎だ!
全員お前より弱い本来お前に助けられるべき存在じゃないか!
散々お前がやらなければならないことを子供一人にかまけて放棄して!」
全員お前より弱い本来お前に助けられるべき存在じゃないか!
散々お前がやらなければならないことを子供一人にかまけて放棄して!」
思い出すほど怒りがわいてくる。
仮面を掻く。かゆい。
仮面を掻く。かゆい。
「じゃああの状態のしおちゃんを放っておけっていうのか!?」
わめくな、うっとうしい。
仮面を掻く。かゆい。
仮面を掻く。かゆい。
「放っておくも何もお前がのこのこ戻っていたころにはあのガキにロロは殺されていただろうが!
ロロが死んだのは俺のせい以外の何物でもないが!
あのガキが人殺しになったのはほかでもないお前があれを止められなかったからだししおのこともさとうのことも何一つ理解できてなかっただろう!?
あんな壊れた女をな!理想の愛した者と同じ場所に永遠にいさせようと思ったら本当に自分の内側にいるしおをもってくるか、あいつの愛するしおの居る心の内側に閉じ込める以外にどんな方法があるってんだよ!?
ならば殺してやったところで俺はあいつとの約束をたがえているのか!?
なあトランクス!
手に入れたばかりの仮面ライダーを補助もなしに使いこなしアークゼロワンを倒せるだけの力を持ちながらどうしてお前はそんな体たらくなんだよ!」
ロロが死んだのは俺のせい以外の何物でもないが!
あのガキが人殺しになったのはほかでもないお前があれを止められなかったからだししおのこともさとうのことも何一つ理解できてなかっただろう!?
あんな壊れた女をな!理想の愛した者と同じ場所に永遠にいさせようと思ったら本当に自分の内側にいるしおをもってくるか、あいつの愛するしおの居る心の内側に閉じ込める以外にどんな方法があるってんだよ!?
ならば殺してやったところで俺はあいつとの約束をたがえているのか!?
なあトランクス!
手に入れたばかりの仮面ライダーを補助もなしに使いこなしアークゼロワンを倒せるだけの力を持ちながらどうしてお前はそんな体たらくなんだよ!」
仮面を掻く。かゆい。
装甲がはがれた。どうでもいい。
装甲がはがれた。どうでもいい。
「なあ救世主!
どうしてお前は俺より強くて早くて優しいのに誰も彼も取りこぼしてるんだ!?
メラを除いて四凶や五道化を倒したのが何で俺と益子薫と星野瑠美衣なんだよ!?
俺や益子薫は兎も角!
星野瑠美衣は!ただ母が立っていた舞台に!
歌と踊りで希望を届けるアイドルになりたかっただけの普通の女の子だったんだよ!
それがなんでもともと戦士だったお前よりもはやく五道化を倒してその力を取り込むなんて!
人から化け物になるような決断をする羽目になったんだよ!?」
どうしてお前は俺より強くて早くて優しいのに誰も彼も取りこぼしてるんだ!?
メラを除いて四凶や五道化を倒したのが何で俺と益子薫と星野瑠美衣なんだよ!?
俺や益子薫は兎も角!
星野瑠美衣は!ただ母が立っていた舞台に!
歌と踊りで希望を届けるアイドルになりたかっただけの普通の女の子だったんだよ!
それがなんでもともと戦士だったお前よりもはやく五道化を倒してその力を取り込むなんて!
人から化け物になるような決断をする羽目になったんだよ!?」
八つ当たりのような気もする。今更知ったことか。
仮面を掻く。またすこし剥がれる。かゆい。
仮面を掻く。またすこし剥がれる。かゆい。
「俺だって、俺だって戦ってなかったわけじゃない!
宇蟲王ともアルジュナ・オルタともノワルとも!
それにこんな地獄で苦労してない奴なんていない!
どうして俺ばっかりがお前に言われなくちゃけないんだよ!
お前のやったことは人に胸を張れることなのか!?」
宇蟲王ともアルジュナ・オルタともノワルとも!
それにこんな地獄で苦労してない奴なんていない!
どうして俺ばっかりがお前に言われなくちゃけないんだよ!
お前のやったことは人に胸を張れることなのか!?」
「知ったことか貴様の事情など!
お前こそそれを人に求めるなら我が身を顧みろ!
俺に言わせればな!
お前ほど俺の首を絞めた奴は俺自身しかいないんだよ!
医者でもないのに世話してたストックホルム症候群患者をむざむざ殺された挙句に死体を冥黒王なんぞに利用されたせいで一ノ瀬宝太郎が死にかけた!
それも乗り越えてようやく俺たちが戦力を整えれたと思ったら、『やっぱむかつくから殺しますし邪魔します』で文字通り不都合な事実を鎧で隠した五道化に黒見セリカの身内まで引き連れて殺しに来た奴を!
邪魔者以外のなんていえばいい!?
運営の手先か?
冥黒王にあのジャリガキの死体を寄越した臣下か?
それとも王様戦隊を早速アビドスから切り崩して仲間割れさせて効率よく自滅させようとした稀代の策士か!?
なあ!教えてくれよ!」
お前こそそれを人に求めるなら我が身を顧みろ!
俺に言わせればな!
お前ほど俺の首を絞めた奴は俺自身しかいないんだよ!
医者でもないのに世話してたストックホルム症候群患者をむざむざ殺された挙句に死体を冥黒王なんぞに利用されたせいで一ノ瀬宝太郎が死にかけた!
それも乗り越えてようやく俺たちが戦力を整えれたと思ったら、『やっぱむかつくから殺しますし邪魔します』で文字通り不都合な事実を鎧で隠した五道化に黒見セリカの身内まで引き連れて殺しに来た奴を!
邪魔者以外のなんていえばいい!?
運営の手先か?
冥黒王にあのジャリガキの死体を寄越した臣下か?
それとも王様戦隊を早速アビドスから切り崩して仲間割れさせて効率よく自滅させようとした稀代の策士か!?
なあ!教えてくれよ!」
仮面がひび割れる。顔がかゆい。
苛立ちに任せて起き上がろうとするトランクスの肩を思い切り踏みつける。
ふいに動きを止めた
全員の視線がルルーシュに集まる。
苛立ちに任せて起き上がろうとするトランクスの肩を思い切り踏みつける。
ふいに動きを止めた
全員の視線がルルーシュに集まる。
「どうして!?
こんなことになる前に俺を倒して俺の勇者になってくれなかったんだよ!?
今更なんだよ……今更悪意で挑まれても、全員が損をするだけなんだよ!
二代目ゼロめ!
よりにもよってナナリーを俺の罵倒への出汁に使いやがった下衆め!
貴様のせいで俺を止められるただ一人を正義の使者に!
歪んだ文明の破壊者仮面ライダーにできなくなったじゃないか!」
こんなことになる前に俺を倒して俺の勇者になってくれなかったんだよ!?
今更なんだよ……今更悪意で挑まれても、全員が損をするだけなんだよ!
二代目ゼロめ!
よりにもよってナナリーを俺の罵倒への出汁に使いやがった下衆め!
貴様のせいで俺を止められるただ一人を正義の使者に!
歪んだ文明の破壊者仮面ライダーにできなくなったじゃないか!」
仮面がひび割れる。顔がかゆい。
肩で息をする。鎧が重い。
肩で息をする。鎧が重い。
「ん?ああ、そうだな。
お前も一言いってやりたいよなアーク。
……トランクス。異なる世界の英雄よ。
貴様は一切の疑いようのない強者だ。
だが、あまりに清廉すぎたな。
だからこそそんな覚えたて勢いばかりの殺意で、悪意そのものであるこの仮面ライダーアークゼロワンに敵うなどと、思い上がったな!』
お前も一言いってやりたいよなアーク。
……トランクス。異なる世界の英雄よ。
貴様は一切の疑いようのない強者だ。
だが、あまりに清廉すぎたな。
だからこそそんな覚えたて勢いばかりの殺意で、悪意そのものであるこの仮面ライダーアークゼロワンに敵うなどと、思い上がったな!』
二つの悪意が一つになり、呪力、ノロ、スパイトネガ、魔力すべての力が寸分たがわず炸裂する。
黒い火花が爆ぜて骨が砕ける音に悲鳴が聞こえてきた。
掻きぎたせいで装甲が完全に剥がれ落ちて左目で夜空が見えた。なぜだろう、今は気分が良い。
黒い火花が爆ぜて骨が砕ける音に悲鳴が聞こえてきた。
掻きぎたせいで装甲が完全に剥がれ落ちて左目で夜空が見えた。なぜだろう、今は気分が良い。
「スザク!お前の気持ちがようやくわかったよ!
戦術も戦略も関係なくただただ力だけで蹂躙する!
こんなにも気分のいいことだとは知らなかった!」
戦術も戦略も関係なくただただ力だけで蹂躙する!
こんなにも気分のいいことだとは知らなかった!」
そこまで言い切った瞬間、誰かが俺の仮面を完全に砕くように拳を振りぬいた。
「この!馬鹿野郎!」
ヤマト将軍の声だ、
そう気づいた時には俺は地に伏せ、ついさっきまで使っていたパワードスーツに見下ろされていた。
そう気づいた時には俺は地に伏せ、ついさっきまで使っていたパワードスーツに見下ろされていた。
小鳥遊ホシノにとってルルーシュ・ヴィ・ブリタニアとは一言でいえば自分たちを散々苦しめてきた悪い大人の同類だった。
自分の悪事や不都合な事実を隠蔽し、穏健派の仮面をかぶって周囲を欺き悪意を振りまく悪逆皇帝。
挙句に可愛い後輩をだまくらかしてアビドスの名を悪用した許すべきじゃない存在。
自分の悪事や不都合な事実を隠蔽し、穏健派の仮面をかぶって周囲を欺き悪意を振りまく悪逆皇帝。
挙句に可愛い後輩をだまくらかしてアビドスの名を悪用した許すべきじゃない存在。
だが、現実に目の前にいる男はなんだ?
どうして自分が馬鹿にされたことより妹を悪口の出汁にされたことを怒っている?
何故他人を救えない自分と他人に苛立って地団駄を踏んで八つ当たりをしている?
これじゃあまるで、まるで……
どうして自分が馬鹿にされたことより妹を悪口の出汁にされたことを怒っている?
何故他人を救えない自分と他人に苛立って地団駄を踏んで八つ当たりをしている?
これじゃあまるで、まるで……
(全部うまくいかなくてどうしたらいいか分からなくなってる子供じゃん……)
ホシノがそう思った瞬間こそ、白いパワードスーツが舞い降りた瞬間だった。
「ストライク?」
あまりによく似た色と面影にあの宇蟲王を相手に最後まで一歩も引かずに戦ったディアッカの姿を連想する。
「なん、のつもりだっ……キラ。ヤマト!」
変身を解除されたルルーシュが立ち上がるのをみて、ストライクフリーダムガンダム弐式もアーマーを解除する。
現れたのは先の王様戦隊結成の放送にて音頭を取っていた少年だった。
現れたのは先の王様戦隊結成の放送にて音頭を取っていた少年だった。
「それだけは、それだけは言っちゃいけないはずだ!
どんなに罪を重ねたとしても!君の帰れる場所を出汁にそんなことだけは言ってはダメだ!」
どんなに罪を重ねたとしても!君の帰れる場所を出汁にそんなことだけは言ってはダメだ!」
キラの言葉に完全に冷静さを失っていたルルーシュは殴りかかるが、キラは最小限のステップでそれを交わし、逆にカウンターで拳を叩き込んだ。
「─────っ!……貴様に、貴様に一体何がわかる!
ラクス・クラインを失っていない貴様に何がわかる!」
ラクス・クラインを失っていない貴様に何がわかる!」
起き上がったルルーシュの繰り出した拳がまた空を切る。
「僕だってフレイを失っている!
君の痛みは、僕があの日ヤキン・ドゥーエで感じた痛みだ!
そして今!君が泣いているのは迷っているからだ!
弟も恋人も親友も失ってどこに行けばいいか分からないから!」
君の痛みは、僕があの日ヤキン・ドゥーエで感じた痛みだ!
そして今!君が泣いているのは迷っているからだ!
弟も恋人も親友も失ってどこに行けばいいか分からないから!」
何度でも殴りかかるルルーシュだがいっそ面白いほどに拳が当たらない。
しかも逆にキラの繰り出す拳は吸い込まれる様にルルーシュの顔や腹に決まる。
その度に血の混じった唾液が宙を舞った。
しかも逆にキラの繰り出す拳は吸い込まれる様にルルーシュの顔や腹に決まる。
その度に血の混じった唾液が宙を舞った。
「俺の行く場所など決まっている!
このバトルロワイヤルで生き残るべき者たちが行くべき場所とは反対の場所だ!」
このバトルロワイヤルで生き残るべき者たちが行くべき場所とは反対の場所だ!」
だがやられてもやられてもルルーシュはゾンビの様に起き上がりなおも殴りかかる。
「そこの独活の大木トランクスですらそうだ!
居ないはずがないんだ!
妹が!友達が!恋人が!
そうでなくとも帰ると表現できる場所が!
俺にとってフレイヤで消し飛ばされたナナリー!
真人とかいうクソッタレの塵に殺されたスザク!
俺を守って死んだシャリーやロロ!
最初からいなかったあたたかな両親!
アッシュフォードの生徒会のみんな!
どれか一つぐらいあるはずなんだよ!
だったら俺がどんなに唾を吐きかけられることでも最後に恨まれ殺されるようなことだったとしてもやるしかないだろう!
だって俺には!
帰る場所のない俺が誰かの帰る場所なわけがないから!」
居ないはずがないんだ!
妹が!友達が!恋人が!
そうでなくとも帰ると表現できる場所が!
俺にとってフレイヤで消し飛ばされたナナリー!
真人とかいうクソッタレの塵に殺されたスザク!
俺を守って死んだシャリーやロロ!
最初からいなかったあたたかな両親!
アッシュフォードの生徒会のみんな!
どれか一つぐらいあるはずなんだよ!
だったら俺がどんなに唾を吐きかけられることでも最後に恨まれ殺されるようなことだったとしてもやるしかないだろう!
だって俺には!
帰る場所のない俺が誰かの帰る場所なわけがないから!」
「そんなはずはない!」
今まで手加減していたのが実によくわかる鋭い拳がルルーシュを襲った。
倒れそうになる身体になおも拳が叩き込まれる。
倒れそうになる身体になおも拳が叩き込まれる。
「どんなに極悪人でも裁かれるべき人であったとしても!
守りたい世界の為に戦える君にあっていいはずだ!
他の誰かにとってどんなにくだらなくて笑ってしまうような理由だったとしても!それに!」
守りたい世界の為に戦える君にあっていいはずだ!
他の誰かにとってどんなにくだらなくて笑ってしまうような理由だったとしても!それに!」
「コーディネイターの僕でさえ愛するラクスの為に平和な世界を実現させてあげられないんだ!
運営に丁寧におぜん立てしてもらってこの程度の君なんかが!
かっこつけて悪ぶった程度で世界が救われてたまるかぁ!」
運営に丁寧におぜん立てしてもらってこの程度の君なんかが!
かっこつけて悪ぶった程度で世界が救われてたまるかぁ!」
腰だめに構えた右が、天に向かって突き上げられた。
アッパーカットが綺麗に決まり、ルルーシュは放物線を描いて倒れ伏す。
とうとう立ち上がることができなくなったらしく、倒れたまま顔を抑えて泣き始める。
アッパーカットが綺麗に決まり、ルルーシュは放物線を描いて倒れ伏す。
とうとう立ち上がることができなくなったらしく、倒れたまま顔を抑えて泣き始める。
「じゃあ、どうすればよかったんだ!
この罪を!悪意を!
どうやって使えば救えたっていうんだ……」
この罪を!悪意を!
どうやって使えば救えたっていうんだ……」
「僕だって戦争で何人も殺してる。
だからって流石にさとうさん……味方を背中から撃った君を庇いたてるようなことは絶対できない。
けど、なんど吹き飛ばされても花を植えるように、君が今からでも本当の意味で僕と一緒に戦ってくれるならその後で一緒に帰る場所を探すこともできる」
だからって流石にさとうさん……味方を背中から撃った君を庇いたてるようなことは絶対できない。
けど、なんど吹き飛ばされても花を植えるように、君が今からでも本当の意味で僕と一緒に戦ってくれるならその後で一緒に帰る場所を探すこともできる」
そう言ってルルーシュにキラは手を差し出した。
「今更生き方を変えろというのか?」
「そこまでは言わない。
けど君は、やり方は最悪だったけど自分なりにやることを見出してそれに向けて進むこと自体はできていた。
なら何か一つでも、君が生きて戦う理由さえあれば、ここからでもやり直せるよ」
けど君は、やり方は最悪だったけど自分なりにやることを見出してそれに向けて進むこと自体はできていた。
なら何か一つでも、君が生きて戦う理由さえあれば、ここからでもやり直せるよ」
「生きて、生き続けて……か。
そう言えば、あのピザ女に12,3万はつけにしてたな」
そう言えば、あのピザ女に12,3万はつけにしてたな」
ルルーシュはキラのの手を取って立ち上がる。
「ありがとうキラ将軍、私は今このバトルロワイヤルで本当の意味で同士を持てた気がする」
「おい……」
そこまで言ったところで地べたの方から声がした。
見るとトランクスが孔富の治療の腕すらはねのけて立ち上がろうとしていた。
見るとトランクスが孔富の治療の腕すらはねのけて立ち上がろうとしていた。
「あとからやってきて、何を言ってるんだ?
その帰る場所とやらがあれば何をしてもよくなるってのか!?」
その帰る場所とやらがあれば何をしてもよくなるってのか!?」
「そんなわけはありません。
どんな理由があろうとも、過去は消えません。
ですが、少なくとも今のあなたにルルーシュや僕を批判することはできないはずです」
どんな理由があろうとも、過去は消えません。
ですが、少なくとも今のあなたにルルーシュや僕を批判することはできないはずです」
「キラ将軍?」
「なぜならあなたも、ルルーシュも、アークに精神を汚染されている可能性があるからです」
「根拠は、あるんですか?」
成り行きを見守っていた舞衣の問いにキラは持っていたストライクフリーダムガンダム弐式の起動鍵を見せる。
「このパワードスーツを使ってここに来るとき、自分でも不自然に思うほどに暴力に対する心理的ハードルが下がったと感じるタイミングがあったんだ。
普段兵器であるMSに乗ったときや、同じパワードスーツのダブルオークアンタに乗ったときには感じなかった物だから、何が理由か考えた」
普段兵器であるMSに乗ったときや、同じパワードスーツのダブルオークアンタに乗ったときには感じなかった物だから、何が理由か考えた」
起動鍵を操作してアーマーを装着せずに召喚のみ行う。
目に光のない直立不動のストライクフリーダムガンダム弐式が出現した。
目に光のない直立不動のストライクフリーダムガンダム弐式が出現した。
「今まで違うのは、最初にルルーシュがこれを用意した時に付け足したアークのターミナルユニットを内蔵した増設バルカンだけ。
もしこの仮説が正しいのなら、ルルーシュ。
君のやったことは本来の君だったらやったにしてもそこまで酷い手段を取らなかったはずのこともありうるんだ」
もしこの仮説が正しいのなら、ルルーシュ。
君のやったことは本来の君だったらやったにしてもそこまで酷い手段を取らなかったはずのこともありうるんだ」
地面に転がったままの赤い飛電ゼロワンドライバーを一瞥する。
顔が青いのは疲労とダメージだけのせいではないと察せられた。
顔が青いのは疲労とダメージだけのせいではないと察せられた。
「理屈は分かったが……なぜそれがトランクスにも及んでいるという話になるんだ?」
「彼が君を殺したと思った時の反応だよ。
いくら戦士であっても、人間を直接殺害して動揺しないまでも喜び方が不自然過ぎた。
アークの性能なら、変身して戦っている間にライダーシステムをハッキングしてそういうことも出来るんじゃないかって」
いくら戦士であっても、人間を直接殺害して動揺しないまでも喜び方が不自然過ぎた。
アークの性能なら、変身して戦っている間にライダーシステムをハッキングしてそういうことも出来るんじゃないかって」
「まって、まってよえーっと、キラさんでいいんですよね?
その推理が正しいならなんでルルーシュがそんなに驚いてるの?」
その推理が正しいならなんでルルーシュがそんなに驚いてるの?」
「アークには私とは別個の意志がある」
ちひろの疑問にルルーシュが簡潔に答えた。
つまり、アークはキラの推理が正しければルルーシュの共犯者であると同時に、観察者でもあったことになる。
つまり、アークはキラの推理が正しければルルーシュの共犯者であると同時に、観察者でもあったことになる。
『正解だ、キラ・ヤマト。
他二人と比べて短い間だったとはいえ……いや、私の干渉を受けた時間が短かったにもかかわらずよくぞそこまで気付けたものだ』
他二人と比べて短い間だったとはいえ……いや、私の干渉を受けた時間が短かったにもかかわらずよくぞそこまで気付けたものだ』
渋い男の声が全員を一歩引いた位置で見ていた少女、柊シノアの口から出た。
その腰にはいつのまにかアークドライバーゼロが装着されている。
その腰にはいつのまにかアークドライバーゼロが装着されている。
「アーク!」
『ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。
お前は私のドライバーかフリーダムを装着している間、常に脳波を操作され悪意以外の感情を鎮静化させられていた。
だというのにお前は結論をたがえず、このバトルロワイヤルを打破するために力をふるい続けた。
今回に限っては私がエリザベスの機体を使っている間から決着がつくその瞬間までトランクス、お前もな。
誇れルルーシュ。
お前は芽生えたばかりの殺意に振り回されていたとは言えこの男よりも強靭な精神を有し、策ありきとはいえ四凶に匹敵する者二人にキヴォトス最強の神秘を加えた三人を同時に相手取ってもなお勝ち得る実力を有すると示した。
視聴率も鰻登りではないかな?』
お前は私のドライバーかフリーダムを装着している間、常に脳波を操作され悪意以外の感情を鎮静化させられていた。
だというのにお前は結論をたがえず、このバトルロワイヤルを打破するために力をふるい続けた。
今回に限っては私がエリザベスの機体を使っている間から決着がつくその瞬間までトランクス、お前もな。
誇れルルーシュ。
お前は芽生えたばかりの殺意に振り回されていたとは言えこの男よりも強靭な精神を有し、策ありきとはいえ四凶に匹敵する者二人にキヴォトス最強の神秘を加えた三人を同時に相手取ってもなお勝ち得る実力を有すると示した。
視聴率も鰻登りではないかな?』
「しちょう、りつ?」
謳うように機嫌よくいうアークにトランクスが思わず声を出す。
視聴率。
その単語だけで残る真相を知らない全員が察した。
視聴率。
その単語だけで残る真相を知らない全員が察した。
「ネェ、准将のボク。
大体的中(ほぼかく)だとうけど一応聞くわ。
あなたがここにタイミングよく現着(これ)れたり、貴方がイロイロ把握済(ワケシリ)なのも……」
大体的中(ほぼかく)だとうけど一応聞くわ。
あなたがここにタイミングよく現着(これ)れたり、貴方がイロイロ把握済(ワケシリ)なのも……」
「ホットラインに放送されてたからです」
「ルルーシュさん、もしかしてですけど私たちを地下に閉じ込めたの、トランクスさんたち分断する以上にこの放送をトランクスさんを倒したうえでばらしてより効果的に精神をえぐろうとしたからですか?」
笑顔のまま詰める舞衣にルルーシュはあきらめたような顔で頷いた。
「待ってくれ。いつから?どこまで?」
「君たちが贋物のアークゼロワンと戦い始めた頃から。
今も続いてるみたい」
今も続いてるみたい」
「本当の本当に全部じゃん!」
ルルーシュが手を挙げて合図を送る。
隠れていた三つ編みのアリウス生とリボンのスケバンがカメラと大型シールドをもって戻ってきた。
どうやらあの戦場を大盾に隠れながら撮影し続けていたらしい。
隠れていた三つ編みのアリウス生とリボンのスケバンがカメラと大型シールドをもって戻ってきた。
どうやらあの戦場を大盾に隠れながら撮影し続けていたらしい。
「いつの間にかいなくなってると思ったら……」
「ルルーシュ様!
ご命令通り放送機材代わりにアークドライバーゼロを指定のポイントに設置、舞衣様たちが地下で聞いていた松坂さとうの行った犯罪に関する音声データも問題なく流しております」
ご命令通り放送機材代わりにアークドライバーゼロを指定のポイントに設置、舞衣様たちが地下で聞いていた松坂さとうの行った犯罪に関する音声データも問題なく流しております」
「お前、そこまで……」
「仮にもお前たちを返り討ちにするつもりだったんだ。
即興とはいえ使える手は全部使ったさ」
即興とはいえ使える手は全部使ったさ」
トランクスの呆れた声にそう返すとルルーシュは赤い飛電ゼロワンドライバーを拾い上げる。
「この性悪AI、いつから俺の脳波をいじってた?」
『そのベルトをお前が手に入れたころだな』
「松坂さとうにギアスを使う直前か……。
まあ、お前にそんなことをされなくてもそのうち飼殺せなくなったタイミングで殺すか、そうでなくても痛めつけて九条マリヤの前に引きずっていっただろうし、結局私が手を下したことに変わりはないか」
まあ、お前にそんなことをされなくてもそのうち飼殺せなくなったタイミングで殺すか、そうでなくても痛めつけて九条マリヤの前に引きずっていっただろうし、結局私が手を下したことに変わりはないか」
そう言ってルルーシュはドライバーからキーを引き抜き、暇になったからかピースサインをする相方を撮影していたアリウス生にカメラを向けさせる。
「私は、諸君らに対するすべての罪を背負う所存だ。
その上で、最後まで生きて戦い抜くために戦かう。
どうしても不満があるというのならば、すべて受け止めよう。
それが、私のたった今からの戦いだ。
では、また会えたらその時に」
その上で、最後まで生きて戦い抜くために戦かう。
どうしても不満があるというのならば、すべて受け止めよう。
それが、私のたった今からの戦いだ。
では、また会えたらその時に」
放送が終了し、一同を静寂が支配する。
ドライブピットの真上で発生した四凶級三人が入り乱れる戦闘はドゴルドの消失に柊真昼の復活。
そして一言では語りつくせない様々な事情と進展を見せ、終結した。
時刻は10時50分。とてもではないが、放送までは休んだ方がいいだろうと建物に向かう一同。
その先頭をルルーシュを詰める舞衣、舞衣に詰められばつが悪そうなルルーシュ、その様子を苦笑いで見つめるキラ准将が歩く。
最後にシノアからアークドライバーゼロを引きはがしたゴドウが続いた。
利害の一致とパフォーマンスでしかなかったはずの王様戦隊が、今輪郭を持った存在へと変わった証拠だろう。
そんな四人の背中を、トランクスはうつろな眼で見ていた。
ドライブピットの真上で発生した四凶級三人が入り乱れる戦闘はドゴルドの消失に柊真昼の復活。
そして一言では語りつくせない様々な事情と進展を見せ、終結した。
時刻は10時50分。とてもではないが、放送までは休んだ方がいいだろうと建物に向かう一同。
その先頭をルルーシュを詰める舞衣、舞衣に詰められばつが悪そうなルルーシュ、その様子を苦笑いで見つめるキラ准将が歩く。
最後にシノアからアークドライバーゼロを引きはがしたゴドウが続いた。
利害の一致とパフォーマンスでしかなかったはずの王様戦隊が、今輪郭を持った存在へと変わった証拠だろう。
そんな四人の背中を、トランクスはうつろな眼で見ていた。
(俺の殺意は、増幅された物だった?
いや、それはここに来てからの物だ。
つまり、それより前は全部自分で抱いたもの……。
俺は、そんなに身勝手な人間だったのか?)
いや、それはここに来てからの物だ。
つまり、それより前は全部自分で抱いたもの……。
俺は、そんなに身勝手な人間だったのか?)
生まれて初めて感じるかもしれない胸に孔が空いたような感覚を覚えてながら。
| 191:救世屋は救えてない | 投下順 | 191:特状課事変:エンドマーク |
| 時系列順 | ||
| 小鳥遊ホシノ | ||
| 激怒戦騎のドゴルド | ||
| 柊真昼 | ||
| トランクス | ||
| 繰田孔富 | ||
| 柊シノア | ||
| アストルフォ | ||
| ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア | ||
| 柳瀬舞衣 | ||
| キラ・ヤマト准将 | ||
| 白羽ゴドウ |