殺し合いの参加者の一人、神戸あさひの人生はおおよそ不幸と言っても差し支えないものだった。
愛し合う二人ではなく、強姦の加害者と被害者の両親から生まれた彼は、手のかからない子供として育った。
だが父方と母方の祖父母が両方事故死してから、堰を切ったように父は自身と母、それから妹であるしおに家庭内暴力を振るう暴君となった。
あさひは母と妹を守るため一人家に残り、二人を外に逃がした。
唯一人虐待に耐える日々の中、彼はいずれ父以外の家族三人でまた仲良く暮らす日々を夢見て過ごしていた。
愛し合う二人ではなく、強姦の加害者と被害者の両親から生まれた彼は、手のかからない子供として育った。
だが父方と母方の祖父母が両方事故死してから、堰を切ったように父は自身と母、それから妹であるしおに家庭内暴力を振るう暴君となった。
あさひは母と妹を守るため一人家に残り、二人を外に逃がした。
唯一人虐待に耐える日々の中、彼はいずれ父以外の家族三人でまた仲良く暮らす日々を夢見て過ごしていた。
そんなある日、妹であるしおがいなくなった。
それを知った彼は、日雇いバイトで資金を稼ぎながら手作りのビラを作り配りながら、家にも帰らず公園のベンチの下で眠る日々を過ごしつつしおを探した。
紆余曲折と僅かな出会いの末、彼はしおを見つける。
それを知った彼は、日雇いバイトで資金を稼ぎながら手作りのビラを作り配りながら、家にも帰らず公園のベンチの下で眠る日々を過ごしつつしおを探した。
紆余曲折と僅かな出会いの末、彼はしおを見つける。
しおは、松阪さとうという知らない女と暮らしていた。
どう考えても誘拐。どう考えてもおかしい。
家族と暮らす方が、どう考えてもまとも、幸せ。
なのに――
どう考えても誘拐。どう考えてもおかしい。
家族と暮らす方が、どう考えてもまとも、幸せ。
なのに――
『さよなら。私は、私のために生きるね』
しおは、あさひではなくさとうを選んだ。
家族に別れを告げて、自分達から去っていこうとした。
家族に別れを告げて、自分達から去っていこうとした。
だけど、松阪さとうは死んだ。
なんであんな死に方をしたのか、あさひは知らない。
だけどもういなくなった。
だから、今度こそ家族で暮らせると思った。
それなのに――
なんであんな死に方をしたのか、あさひは知らない。
だけどもういなくなった。
だから、今度こそ家族で暮らせると思った。
それなのに――
『ごめんね。私もう、そういうのやめたの』
『だって私は、生まれ変わったんだから』
『だって私は、生まれ変わったんだから』
しおの言葉に松阪さとうが重なって見えた瞬間、あさひは自分が望んだ理想は二度と叶わないと悟った。
彼は手に入れた大切なものも、最後に残っていた筈の大切なものも失ったのだ。
殺し合いに呼ばれたのは、その直後だ。
最初は理解が及ばなかった。
羂索だの、仮面ライダーだの、バグスターウイルスだの、何もかもが意味不明だ。
理解できたことといえば、殺しあいを強要されていることと――
彼は手に入れた大切なものも、最後に残っていた筈の大切なものも失ったのだ。
殺し合いに呼ばれたのは、その直後だ。
最初は理解が及ばなかった。
羂索だの、仮面ライダーだの、バグスターウイルスだの、何もかもが意味不明だ。
理解できたことといえば、殺しあいを強要されていることと――
『己が存在と理想を叶える権利かけて最後の1人になるまで殺し合うんだ』
理想を叶えられるということ。
こんな不思議なものを扱えるのなら、それくらいはできるかもしれない。
正直ただでさえ大人は信用ならないのに、さらに信用できない相手の言うことだけど、もうこれしかない。
少なくとも、決して叶わない理想の残骸を見ながら生きるよりは、とあさひは思った。
そうして彼は殺し合いの会場に降り立った。
こんな不思議なものを扱えるのなら、それくらいはできるかもしれない。
正直ただでさえ大人は信用ならないのに、さらに信用できない相手の言うことだけど、もうこれしかない。
少なくとも、決して叶わない理想の残骸を見ながら生きるよりは、とあさひは思った。
そうして彼は殺し合いの会場に降り立った。
あさひは最初にやったことは、武器を探すためにリュックを調べることだ。
そこで一番に出てきたものは、とある世界で悪魔と狼の名を冠するガンダムと呼ばれる巨大ロボが、殺し合いの為にパワードスーツとなったものだった。
乗れるのか? と彼は思うも、そこは殺し合いの為に用意された道具。
付属された説明書きさえ読めばどんな存在でも即座に使えるよう調整されていた。
そこで一番に出てきたものは、とある世界で悪魔と狼の名を冠するガンダムと呼ばれる巨大ロボが、殺し合いの為にパワードスーツとなったものだった。
乗れるのか? と彼は思うも、そこは殺し合いの為に用意された道具。
付属された説明書きさえ読めばどんな存在でも即座に使えるよう調整されていた。
そして乗り込んでしばらく移動していると、別の参加者と出会った。
あさひから見て自分と同じくらいの年齢の、見覚えのない男だ。
彼は即座にガンダムに付属していたメイスを振るいながら追いかけ始める。
男はガンダムを見て即座に逃げを選んだが、パワードスーツに生身で逃げられるはずもなく、あさひの振るうメイスであっさり体を両断された。
あさひから見て自分と同じくらいの年齢の、見覚えのない男だ。
彼は即座にガンダムに付属していたメイスを振るいながら追いかけ始める。
男はガンダムを見て即座に逃げを選んだが、パワードスーツに生身で逃げられるはずもなく、あさひの振るうメイスであっさり体を両断された。
「うぷっ」
自分が殺した相手を見て、思わず吐きそうになるあさひ。
これで何も変わらない。
神戸あさひは身勝手な愛の為に人を殺した、松坂さとうと同じものになった。
これで何も変わらない。
神戸あさひは身勝手な愛の為に人を殺した、松坂さとうと同じものになった。
いつかだれかが彼を称して言った「優しい」という言葉は、理想の為に踏みつけられる。
もう戻ることは決してない。
もう戻ることは決してない。
【神戸あさひ@ハッピーシュガーライフ】
状態:正常
服装:
装備:ガンダム・バルバトスルプスレクス@機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
令呪:残り三画
道具:ランダム支給品×0~2、ホットライン
思考
基本:優勝して理想を叶える
01:参加者を探す
参戦時期:本編終了後
状態:正常
服装:
装備:ガンダム・バルバトスルプスレクス@機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
令呪:残り三画
道具:ランダム支給品×0~2、ホットライン
思考
基本:優勝して理想を叶える
01:参加者を探す
参戦時期:本編終了後
◆
殺し合いの参加者のまた別の一人、小鳥遊夢見という少女は一見すると線の細いピンク髪の美少女だ。
他に特徴を上げるなら、彼女の従兄をお兄ちゃんと呼び、好意を持って慕っていることくらいだろうか。
他に特徴を上げるなら、彼女の従兄をお兄ちゃんと呼び、好意を持って慕っていることくらいだろうか。
しかしそれは嘘ではないが、正しくもない。
夢見という少女は狂気に染まりきっている。
夢見という少女は狂気に染まりきっている。
彼女はお兄ちゃんを好いているのは本当だが、その度合いが尋常ではない。
お兄ちゃんをストーキングし盗撮するのは当たり前。撮影した写真は最早部屋の壁にこれ以上貼るスペースがないほどだ。
あと、割と女の子にモテるお兄ちゃんは盗撮写真に女の子と一緒に映りこむことが多いが、そこに映る女の子の顔には全て釘を刺している。
お兄ちゃんをストーキングし盗撮するのは当たり前。撮影した写真は最早部屋の壁にこれ以上貼るスペースがないほどだ。
あと、割と女の子にモテるお兄ちゃんは盗撮写真に女の子と一緒に映りこむことが多いが、そこに映る女の子の顔には全て釘を刺している。
そして彼女はこの殺し合いに呼ばれる直前、恋敵を三人殺害している。
そのまま四人目に行こうとしたところで、この殺し合いに呼ばれた。
そのまま四人目に行こうとしたところで、この殺し合いに呼ばれた。
『己が存在と理想を叶える権利かけて最後の1人になるまで殺し合うんだ』
そこで主催者が言った台詞に、夢見は猛烈な怒りを覚える。
何せ、彼女の理想、お兄ちゃんはもう少しで自分のモノにできた筈なのに、邪魔された挙句理想を叶える為に殺しあえと言われれば、彼女でなくとも怒りくらいは覚えるだろう。
何せ、彼女の理想、お兄ちゃんはもう少しで自分のモノにできた筈なのに、邪魔された挙句理想を叶える為に殺しあえと言われれば、彼女でなくとも怒りくらいは覚えるだろう。
とはいえ、こうなってしまったものは仕方ない。
別に死人がいくら出ようとどうでもいいが、自分は死にたくはない。
なのでとにかく生存を優先して動こうと決めた所で、倒れている人間と傍にあるリュックを見つけた。
別に死人がいくら出ようとどうでもいいが、自分は死にたくはない。
なのでとにかく生存を優先して動こうと決めた所で、倒れている人間と傍にあるリュックを見つけた。
夢見は周りに他の参加者がいないことを確認しながら、倒れている人間へと近づいていく。
もし倒れているの人間が死体ならリュックだけ貰おうと考えたのだ。
そうして近づいていくと、倒れている人間は正しくは両断されていることに気付く。
なら気兼ねする必要はないとばかりに、彼女は死体に不用意に近づいてしまう。
そして見た。
今の時間が夜明け前故に、ここまで見えなかった死体の顔を。
もし倒れているの人間が死体ならリュックだけ貰おうと考えたのだ。
そうして近づいていくと、倒れている人間は正しくは両断されていることに気付く。
なら気兼ねする必要はないとばかりに、彼女は死体に不用意に近づいてしまう。
そして見た。
今の時間が夜明け前故に、ここまで見えなかった死体の顔を。
【主人公@ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCDぎゃーーーっ! 死亡】
夢見が恋焦がれる、従兄のお兄ちゃんが死んでいる様を。
誰であろう、彼女が知る術は現状ないが、神戸あさひが手に掛けた男である。
誰であろう、彼女が知る術は現状ないが、神戸あさひが手に掛けた男である。
「い、いやぁ―――――――――っ!!!」
夢見の絶叫が辺りに響く。さっきまでの慎重さなど何もかもかなぐり捨てて。
「なんでなんでお兄ちゃんがお兄ちゃんが死んでるのうそうそそんなのありえないなんでなんでなんで――」
夢見の絶望が辺りに木霊する。聞いた者が震えそうな怖気と共に。
「許さない許さない許さない許さない許さない――」
夢見の怒りが辺りに伝わる。理解した者が狂いそうな程の狂気を携えて。
「――殺してやる」
最後に夢見は決意する。
殺し合いに優勝して、お兄ちゃんを生き返らせることを。
いざとなれば自分の両親と思い人の両親の殺害すら視野に入れる彼女からすれば、見知らぬ他人を殺すことに躊躇などする訳もない。
殺し合いに優勝して、お兄ちゃんを生き返らせることを。
いざとなれば自分の両親と思い人の両親の殺害すら視野に入れる彼女からすれば、見知らぬ他人を殺すことに躊躇などする訳もない。
こうして小鳥遊夢見の殺し合いが始まり、お兄ちゃんのリュックを手に取り出発する。
彼女は最早遺品となったリュックを、誰にも渡したくはなかった。
本音を言うなら遺体も持っていきたいと思っていたが、持ち歩いて不審がられても困るのでなくなく止めておいた。
彼女は最早遺品となったリュックを、誰にも渡したくはなかった。
本音を言うなら遺体も持っていきたいと思っていたが、持ち歩いて不審がられても困るのでなくなく止めておいた。
「後で生き返らせてあげるから、許してねお兄ちゃん」
可愛らしい言葉とは裏腹にショックが抜けきらない夢見は知らない。
お兄ちゃんのリュックの中には、彼女と同じく一人の男が身勝手な愛の為に作った、ライダーと呼ばれるものに変身するためのデッキが眠っていることに。
お兄ちゃんのリュックの中には、彼女と同じく一人の男が身勝手な愛の為に作った、ライダーと呼ばれるものに変身するためのデッキが眠っていることに。
【小鳥遊夢見@ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCDぎゃーーーっ!】
状態:正常
服装:普段着
装備:
道具:ランダム支給品×1~3、ホットライン、主人公@ヤンデレCD2 のリュック(ランダム支給品×0~2、???のデッキ@仮面ライダー龍騎、ホットライン)
思考
基本:優勝して理想を叶える
01:お兄ちゃんを殺した奴だけは絶対に許さない。
参戦時期:本編開始前
備考
※主人公@ヤンデレCD2 に支給されたデッキの詳細は、当選した場合次の書き手氏にお任せします。
状態:正常
服装:普段着
装備:
道具:ランダム支給品×1~3、ホットライン、主人公@ヤンデレCD2 のリュック(ランダム支給品×0~2、???のデッキ@仮面ライダー龍騎、ホットライン)
思考
基本:優勝して理想を叶える
01:お兄ちゃんを殺した奴だけは絶対に許さない。
参戦時期:本編開始前
備考
※主人公@ヤンデレCD2 に支給されたデッキの詳細は、当選した場合次の書き手氏にお任せします。
【支給品解説】
- ガンダムバルバトス・ルプスレクス@機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
神戸あさひに支給。
鉄華団所属団員、三日月・オーガスが搭乗するガンダムフレーム。
メイス、テイルブレードなどの武装は付属している。
鉄華団所属団員、三日月・オーガスが搭乗するガンダムフレーム。
メイス、テイルブレードなどの武装は付属している。