状況は深刻だった。
すぐそこには自分を殺すという発言までしている悪魔。
手元には武器も道具も利用する仲間もない。
倒れている今の状況では逃げるどころか起き上がる前に首をはねられてしまうだろう。
むざむざ死ぬわけにはいかない。
いや、逆に考えよう。
ピンチをチャンスに変える人間が成功するのだ。
サダルファス家を復興しようという自分がそれぐらいできなくてどうする?
考えろ、打開策は必ずある―――――
(コイツをどうしよかなー?)
荷物もないし強くもなさそう。
いたぶっても大しておもしろくなさそうだなー。
一思いにサクッとヤっちゃってもいいけど利用価値ないもんかな。
起き上がるにも起き上がれず固まっている
アルガス。
手首だけで手斧をくいくい手遊びして考える
エトナ。
木の葉が揺れるだけの時間が過ぎていく。
エトナにとっては一瞬だっただろうが、アルガスにとっては永遠にも近い間。
だからだろうか、先に妙案を思いついたのはアルガスだった。
「お前……強いのか?」
倒れたままの姿勢で、アルガスがぽつりとつぶやいた。
「ん~強いと思うけど」
なんてことはない様子でエトナも返事。
「倒せないヤツなんていないと思うか?」
再びアルガス。起き上がる様子はない。
「大体の人間ならいけると思うけど」
これまたさらっとエトナ。
「なら、俺の話を聞かないか?………うまくいけば剣も手に入るぞ」
動かないままアルガスが言った。
『で、ちょっとお願いあるんだけどさ――その武器、くれない?』
こいつの目的は武器を入手すること。
こいつにとって今の俺は価値がないはずだ。
だが、武器を入手する過程で俺が必要になったらどうか?
「ふ~ん……話して」
ほうら、食いついた。
アルガスは内心でほくそ笑んだ。
「ふぅん…」
起き上がり、一通りの説明はしてみた。
緑のガキのことに、あのスカした男。
それぞれ、剣と鉄製の武器を持っていたこと。
できる限り、興味をそそるように。事実は二の次だ。
「で、どうしてほしいわけ?」
「そいつらがいる場所は大体見当がつく。案内するから倒してくれないか?
もちろん、武器やアイテムはお前がもらってくれて構わない」
そしてその戦いのドサクサで自分は逃げる。
できそうならその場にいるやつを一掃する。
どちらにせよ、今ここでむざむざ殺されるよりはマシな結果にはなるはずだ。
「つまり、アンタはそいつらにやられた仕返しにあたしを利用しようってワケね?」
ぎくり、そんな音が心臓を突き抜けた。
この手のタイプの人間は他人に利用されてると気付くと反発するのが定番だ。
心拍数が跳ね上がっているのがわかる。こいつがそんな人間なら…俺の命はない。
だが、エトナは人間ではないのである。
「悪魔を利用しようだなんて、いい根性してるじゃない。
いいわよ、どーせ暇だし付き合ってあげよっか」
ニヤリ、そんな表情で悪魔が宣言した。
こんなヘタレな人間も殺さないようなヤツが相手なら危険も大してないだろうし
ここでコイツを殺しちゃうよりはずっと楽しめそうだ。
エトナはそう考えたのだ。
「ほらほら、案内して。西?南?」
「あ、ああ。こっちだ」
少し拍子抜けしたが予定通り。
あとはタイミングを謀るだけ――――。
まずはあいつらに遭遇しなければ。他の参加者でも誰でもいい。
要は、自分に好機が転がるきっかけがあれば………
チャンスを掴むのはこのオレ、アルガスだ。
【F-3/街道/1日目・昼】
【エトナ@魔界戦記ディスガイア】
[状態]:健康
[装備]:手斧@暁の女神
[道具]:支給品一式(道具・確認済み)
[思考]1:アルガスの案内について行く
2:適当に弱そうな奴から装備を奪う。出来れば槍か斧が良いが贅沢は敵だ
3:優勝でも主催者打倒でも人助けでも、面白そうなこと優先
4:
ラハールや
中ボスが気になるが、特に会いたいとも思っていない
【アルガス@FFT】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]1:この悪魔を他の参加者にぶつける。
レシィと
リュナン優先
2:隙を見て逃亡。殺せるようなら殺してアイテムを奪う
3:リュナンとレシィとあの男(
ヴァイス)に復讐
4:
ラムザと
ディリータを殺す
備考:アルガスがどの方角に進むかは次の書き手さんに任せます。
最終更新:2011年10月29日 03:39