M・フォー・ヴィンデルッタ


11代目スレ 2006/07/01(土)

ハザリア「おいこら」
ヴィレアム「イヤだ」
ハザリア「なんだなんだ、まだなにもいっていないぞ!
 ほれ、新しい舞台の台本だ」
ヴィレアム「イヤだ! どうせまたヘンな役なんだろ!」
ハザリア「まあそういうな。ちょっと読んでみろ」
ヴィレアム「ム・・・、
 『この外観は単なる虚栄心の飾りではなく、民の声の痕跡、今は虚ろで、消失している。
  活力に溢れた声は、かつてあがめられたが、今はそしられる。
  しかし、過ぎ去った苦悩は、勇ましく降臨し、今や鮮烈に立ち上がり、おごそかに宣言する。
  腐りきった有毒の害虫どもを打ち破らん。
  貴奴らは邪悪の前衛となり、意志の力を粗暴に不埒に貪欲に侵すことを許すのである』
 おおっ、なかなかカッコいいんじゃないのか!」
ハザリア「そうかそうか、やってくれるか」
ヴィレアム「いつもこんな役ならな・・・。
 なになに・・・、『答えは唯一、戦いの続く世界だ』・・・、
 は・・・?」
ハザリア「タイトルは『M・フォー・ヴィンデルッタ』!
 永久に戦いの続く世の中を作るため、テロに走る怪人ヴィンデルッタと、
 テロリストに魅入られた少女の物語だ!」
ヴィレアム「待てっ!」
ハザリア「そうかそうか、そんなに役への情熱があるか!
 特別講師をお呼びした甲斐があったというもの!
 ラミア先生! アクセル用務員! お願いする!」
ラミア「フフ、先生と課外授業ができる栄誉に身を震わせろ」
アクセル「ビシビシ行くんだからな、これが」
ヴィレアム「ちょっと待ってくれぇっ!」
ズルズル

ハザリア「で、マリ、貴様の役だがな・・・・・・」
マリ「なんで、ヴィレアムは演劇関連には予知能力が働かないんだろうな」


アクセル「バッカヤロウ! そんなことでヴィンデルッタの役がつかめるとでも思うのか!」
ラミア「先生信じているぞ。お前なら、あの狂気に満ちたヘタレを再現できると」
アクセル「違う! もっとヘタれろ! 最終決戦寸前だというのに、台所事情が厳しいとか臆面もなく言い放て!」
ラミア「記憶喪失の設定を一行で済ませろ!」
アクセル「自分の放ったマップ兵器で、自分だけダメージを受けろ!」
ラミア「意味もなく手足をもぎ取って行け!」
アクセル「ラミア、さっきからなにか間違えてないか?」
ラミア「いいか、先生お前が憎くてこんなこといってるんじゃないんだ。
 憎いのは別の男だ」

ヴィレアム「もう、勘弁してください・・・・・・」

講演当日
ヴィレアム『思い出せ。シャドウミラーの出来事。ヘリオスの反逆を。
 忘れぬことは許さぬ。人々の記憶にとどめておけ」
マリ『音楽が聞こえる? でも、どうやって』
ヴィレアム『シイ』
マリ『シンバルと、ティンパニー』
ヴィレアム『邪龍鱗だ』
マリ『・・・そんな、街は無傷で、自分だけダメージを。いったい、なんの意味が』


レイナ「なんでかしら・・・、すごくヘタれてるのに、妙にカッコいい!」
ハザリア「フハハ。エイス叔父はいっていた。
 一般人がパンツに麻薬を入れればただの変態だが、
 一流の俳優がパンツに麻薬を入れれば、その姿は芸術になると!」
レイナ「わかったような、わからないような・・・!」

???『お前がテロリストと行動をともにしていたということはわかっている』
マリ『わたしは、なにも知らないんです!』
???『連れて行け』

レイナ「えっ!? ちょっとちょっと! 髪を剃っちゃってるじゃない!」
ハザリア「慌てるな、よく見ろ。照明を落とした間にヅラを着けただけだ」
レイナ「ヅラって、これ?」
ハザリア「なっ! なんで舞台裏にあるんだ!?」
レイナ「どうするのよ、マリ、あれほんとに泣いてるわよ!」
ハザリア「黙れ、黙れよ! ・・・まさか、マリのヤツ!」

マリ『独房の中で、トイレットペーパーに書かれた手紙を見つけた』
ゼラド『あなたが誰かは知らないけど、信じて欲しい。
 これは誰かの策略じゃないって証明はできないけど、信じて欲しい。
 あなただ誰かは知らないけれど、愛してる』
マリ『彼女の名前はゼラド。愛してはいけない相手を愛し、投獄され、そして末路は・・・、
 たぶんわたしがこれからたどる道だ』
ゼラド『それは思春期にかかるはしかのようなものだって、先生はいった。
 私は卒業しなかった。後悔はしていない。
 あの家で、一体の機動兵器と、一体の幽霊と、そしてあの人と過ごした記憶がある。
 私はここで死ぬでしょう。私のあらゆる部分が朽ち果てていくでしょう。ただひとつを除いて。
 私と同じ独房にいるあなた。あなたにキスできたらいいのに』


???『証言しろ。そうすれば、君の命は助けよう。
 それだけではない。エリート兵として採用され、特権を手に入れられる』
マリ『ありがとう。でも、薬品倉庫の裏で死ぬほうがましよ』
ヴィレアム『完璧だ』
マリ『なぜ、あなたが!』
ヴィレアム『君は服従することもできた。しかししなかった。それこそが必要だったのだ』
マリ『あなたは病人よ!』
ヴィレアム『君に起こったことは私にも起こった。マップ兵器だけが私の世界を構成し、
 わたしはマップ兵器に閉じこめられ、マップ兵器を飲み込み、食らい、呼吸するすべを覚えた。
 しかしなにかが起こった。命を上回るマップ兵器を手に入れた』
マリ『黙って!』
ヴィレアム『君は死と対決した』
マリ『神様』
ヴィレアム『ごらん、テレキネシスミサイルが降っている』
マリ『敵味方判別式のマップ兵器を手に入れた気分』
ヴィレアム『さあ、私の戦いを、戦いの中で終わらせてくれ』


閉幕
レイナ「ちょっとちょっと、マリ! あんた、髪!」
マリ「ん?」
レイナ「あれ、ある・・・? なんで?」
ハザリア「フン、驚くことなどなにもない。巨乳の演技をしたときと同じだ。
 ちょっとした視線の運び方、髪を振る、髪をかき上げるなど、髪があるからこその動作の排除。
 それで、いかにも髪がないように演技していただけだ」
マリ「ふん、わかるか」
レイナ「そんな、いくら暗めの照明だからって・・・」
ハザリア「エイス叔父はいっていた。天気予報と女優の顔ほど信じられないものはないと!」

クリハ「女の子の髪刈るなんて、サイテー!」
イルス「邪悪だな!」
アイミ「ちょっと、ひどすぎるよ」
ヴィレアム「だから、あれは役柄上のことで!
 ああっ! なんか俺は、舞台に上がるたびに人望とかそういうのを失ってないか!?」

ハザリア「フハハハ、空前絶後の天才ライター、アラン・イゴールから原作使用権を買い取った甲斐があったというもの!
 最高傑作と名高い『インスペクターメン』のオファーをして、駆け出しの頃の作品を渡されたときにはどうしようかと思ったが、
 結果よければすべてよしだ!」
ルナ「おいハザリア、生徒会に莫大な請求書が来ているが、なんだこの原作使用料というのは」
ハザリア「フハハハ! エイス叔父はいっていた! 演劇で作った借金は返すなと!」
ルナ「こら待て、逃げるな!!」

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最終更新:2009年10月17日 11:44
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