レッドクリフⅠ


27代目スレ 2009/01/11(日)

 ザワザワ
ゼラド「あれ? ここどこ? わたし」
ヴィレアム「どうしたんだ?」
ゼラド「ヴィレアムくん?
 なにその、カタナ? ナギナタ? ほんとなに?」
ヴィレアム「おいおい、俺の青龍偃月刀を見忘れたんじゃないだろうな?」
ゼラド「せ? なにいってるの?」
レイナ「あらあら、またうちの兄者がヘンなこといってるわよ?」
ゼラド「兄者ぁ~?」
ヴィレアム「まさか、桃園の誓いを忘れたわけじゃないだろ?」
レイナ「そぉそ、我ら3人生まれたときは違えども、死すべきときはおなじとぉ~!」
ヴィレアム「飲み過ぎだぞ、張飛レイナ」
ゼラド「ちょうひ?」
ヴィレアム「しっかりしてくれよ。
 俺たちの長兄、劉備ゼラドがそんなことじゃ困るぞ?」
ゼラド「りゅうびぃ~?」

レイナ「義勇軍の方々は、いったいなにを騒いでいるのでして?」
ハザリア「フハハハ、俺のとこの自家製酒が美味とはいえ、分量を間違えてはいかんな」
ゼラド「えぇっ、みんなが飲んでるこれ、お酒なのぉっ!?」
ヴィレアム「本当に、大丈夫か?」
レタス「臆病風にでも吹かれたのではなくて?」
レイナ「ちょっとぉ、うちの長兄に失礼なこといったら許さないわよ!」
ゼラド「わたし、長兄なの? お姉ちゃんじゃないの?」
レラ「・・・・・・」サラサラ
タカヤ「『洛陽で暴虐の限りを尽くす董卓マキネを討伐するため、
 袁紹レタスの招集に応じて集まってきたのはお前たちじゃないか』
 って文醜レラが書いてるとおり」
ヴィレアム「って文醜レラ、字ぃ汚っ!」
タカヤ「日ペンでもやったらいいんじゃないのか?」
ヴィレアム「なに勧めてるんだよ、顔良タカヤ」
タカヤ「だって、字が汚いばっかりに文醜なんて呼ばれてるって説があるくらいだし」
ハザリア「そういえば最近見ぬな、日ペンの美子ちゃんを」
レタス「日ペンの美子ちゃんにもいくつかバージョンというものがありまして」
ゼラド「いったいなにがどうなってるの!?
 ここはどこ!? いまはいつ!?
 なんでみんな日ペンの美子ちゃんの話題で持ちきりなのぉ~!?」

 バンッ
マリ「誰か、手を貸してくれっ!」
ハザリア「なにごとだっ!?」
レタス「騒がしくてよ、夏候淵マリさん」
マリ「董卓軍の奇襲だ!
 華雄暗黒鳥人の子部隊が出てきてる! 手が足りないんだ!」
ヴィレアム「よし、俺が行こう」スック
レタス「お待ちなさい!
 義勇団のごとぎに出しゃばられては、規律に関わりましてよ!」
ハザリア「黙れ袁紹レタス。おい前髪、名乗ってやったらどうだ?」
ヴィレアム「関羽ヴィレアム」
レラ「・・・・・・!」サラサラッ
タカヤ「『げぇっ、関羽!』って、字ぃ汚いくせに筆マメだな文醜レラ」
レタス「いわれてみればその前髪」
マリ「美前髪公と称される」
ハザリア「先の黄海藻党征伐での働きはよく知られたところ。
 隊の士気が上がりこそすれ、規律を乱すということはないだろう」

ヴィレアム「問題がないなら、俺は行くぞ」
ハザリア「景気づけだ、飲んでいけ」
ヴィレアム「いらないよ。すぐに戻ってくるから」
ハザリア「吹くではないか、前髪が」

 バサッ

 バサッ

ヴィレアム「終わったぞ」
ハザリア「本当に早かったではないか おお、先ほどの酒がまだ温かいわ」
ヴィレアム「もらおうか、曹操ハザリア」
ハザリア「フハハハハ! 俺の名を知っているのなら話は早い!
 おい前髪、貴様、それほどの腕で草鞋売りとつるんで日雇い派遣同然の身とは情けない。
 どうだ、俺の下に就かぬか。
 2日おきに小宴会、4日おきに大宴会の厚遇をしてやろうではないか」
ヴィレアム「そんな、ひっきりなしに宴会やられたって疲れるだけだ」
ハザリア「よし、天下の名馬をくれてやろう!」
マリ「ああ、また始まった。おい、よせよ、ものすごい迷惑そうな顔してるじゃないか」
ヴィレアム「悪いな。俺、草鞋が好きなんだ」
ハザリア「ふん、だが、覚えておけ。
 この曹操ハザリア、欲しいと思ったものはどんな手を使ってでも手に入れ、
 そうでもないものに対しては徹頭徹尾どうでもいい態度を貫く男!」
ヴィレアム「その生き方は、改めたほうがいいと思うぞ」

 バンッ!
リトゥ「誰か、誰か!」
マリ「どうした夏候惇リトゥ!」
リトゥ「・・・・・・っ! 北から、奇襲がっ・・・・・・!」ハァハァ
レタス「まさか、先ほどのは陽動でしたの!?」
タカヤ「でも、華雄暗黒鳥人の子ほどの暗黒鳥人をオトリに使うなんて、
 いったい本体を率いてるのは何者なんだ!」
リトゥ「それが」

 ビュッ! ビュッ! ビュッ!
クリハ「音速! 汁風っ! 方天画戟!」

 バァーンッ!
レタス「そんな、幕舎が一瞬で崩されるなんて!」
タカヤ「袁紹レタスさん、下がるんだ!」
ハザリア「いかん、撤退だ撤退! 相手にするな!」
ゼラド「あれ、クリハ?」
ハザリア「そう、クリハ! 三汁無菜の呂布クリハだ!」
マリ「なんてことだ、食卓が汁物ばっかりだ!」
ハザリア「くそぉ、惣菜も食わせろ!」
マリ「しかも、三角食べしないとものすごい叱ってくるってもっぱらの評判だ!」
ヴィレアム「小学校の先生か!」
ハザリア「なぜ小学生は牛乳と白米を一緒に食えるのだっ!」
レタス「あまつさえ、白米に牛乳をぶっかけるなどしていた
 頭のよろしくない男子は、いったいどんな大人になっているのやら!」
ゼラド「なんの話してるのぉっ!」

クリハ「汁兎王プレッシャーっ!」
 ドシィィィィィンッ!

タカヤ「まずい、汁兎王までいるじゃないか!」
ハザリア「汁中に呂布クリハあり! 什器の中に汁兎王あり!
 なんと壮絶なまでに乳のない組み合わせなのだ。
 くぅ、貴奴が汁機人を率い、俺が歩兵を率いれば天下など軽く平らげてやれるものを!」
マリ「こんなときになにいってるんだ、お前は!」
リトゥ「早く撤退しなきゃ!」

 ズシャッ
レイナ「引けばぁ? 怖がりの皆さんは」
ハザリア「貴様はなにをやっておるか、この酔っ払いが!」
レタス「ひとたび呂布クリハに触れようものなら、たちまち虚乳に取り込まれましてよ!」
ヴィレアム「俺たちが食い止める。袁紹レタスたち本隊は撤退してくれ」
ゼラド「ヴィレアムくん、なにするつもりなの!」
ヴィレアム「劉備ゼラドも引いてくれ。気を付けてな」
ゼラド「まさか、戦うつもりなの!」
ヴィレアム「そうだ」
ゼラド「どうして、あれ、クリハなんだよ!」
ヴィレアム「そうだ、三汁無菜の呂布クリハだ。
 董卓マキネ軍と戦うなら、どのみちぶつからなくちゃならない相手なんだ。
 ここでやっちゃいけないって法はないだろう!」
ゼラド「なにいってるの! おかしい、おかしいよ!」
ヴィレアム「曹操ハザリア! 顔良タカヤ! うちの長兄を頼む!」
タカヤ「わかった!」
ハザリア「ふん、勘違いするな、関羽ヴィレアム! 俺は貴様が欲しいだけだ!」
マリ「お前、ツンデレ失敗してるぞ」
ヴィレアム「行けるな、張飛レイナ」
レイナ「誰にものいってるのよ、関羽ヴィレアム」
ヴィレアム「やぁぁぁぁっ!」

 ぎぃんっ!
クリハ「肉屋と前髪ね。ちょっと物足りない」
ヴィレアム「この青龍偃月刀を受けても、そんなことをいえるか!」
レイナ「張飛レイナさんのスタン蛇矛を食らいなっ!」

 がしっ!
クリハ「まずはその乳、汁まみれにしてあげる」
レイナ「くっ!」
ヴィレアム「張飛レイナ!」
ゼラド「だめぇっ!」

 ぎぃんっ!
クリハ「うん?」
ゼラド「おかしいよ、こんなのおかしいよ!
 なんでみんな戦ってるの! なんで刃物振りまわしてるの!?」
レイナ「あんたなにいってんの!?」
ヴィレアム「下がるんだ!」
クリハ「ふふ、3人ね。いいわ、三角食べと行きましょうか!」
 ぶわっ

クリハ「汁!」ズンッ
クリハ「汁!」バシッ
クリハ「汁!」ベシッ
ヴィレアム「全部汁じゃないかぁーっ!?」

 ずしゃあぁぁぁっ!
ゼラド「おかしい、やっぱりおかしいよ!」フラッ
クリハ「あら、立てるの」
ゼラド「全部汁物なんて、やっぱりおかしいよ!
 いつも健康のことを考えるクリハがこんなことするわけない!
 きちんと、お肉もご飯も食べないと栄養のバランスがかたよっちゃうよ!」
レイナ「劉備ゼラド、あんたって子は・・・・・・っ」
ヴィレアム「なんで感動してるんだ!?」
クリハ「ふふ、少し、心が揺れたわ」
レイナ「胸は揺れてないけどね」
クリハ「また会いましょう」
 ざっざっざっ

ゼラド「クリハ」

 【虎牢関】
ルナ「済まない、遅れた」
レタス「まあまあ、長沙の孫策殿、待ちかねておりましてよ」
ルナ「いや、わたしは」
キャクトラ「こちらは孫権ルナ様。私めは周瑜キャクトラにございます」
レタス「あら、それでは孫策ラン殿は?」
ルナ「ええと、あちらに」

ラン「う~ん」
ゼラド「わぁっ、ランさん!?」
ヴィレアム「なんで服ビリビリに破れてるんですか!?」
ラン「なんかな、なんかな、頭ン中で一騎当千がどうのこうのって」
ゼラド「なんでランさんだけ高校の制服みたいなの着てるんですか!?」
ハザリア「あらゆる意味でキツいぞ」
レイナ「いいからさっさと服を着てください!」
ラン「面目ないわぁ」
レイナ「デフォルトでパンツ見えてるし!」

レタス「なにをやっているんですの、お宅の殿様は」
キャクトラ「孫策ラン殿があんななので、孫権ルナ様が補佐に参ったという次第でして」
レタス「すでに殿様に様付けしていないじゃありませんの」
ルナ「よろしい、それでは長沙軍出陣! 虎牢関を攻め落とすぞ!」

 【洛陽】
マキネ「へえ、虎牢関が落ちたって?」
ミズル「うん。袁紹軍に曹操軍に長沙軍まで加わって、それはもう、しゅばばーって感じに」
マキネ「あい、ごくろうさん。下がっていいよ、賈駆ミズル」

クリハ「あと、面白いのが3人」
マキネ「あんたを撤退させたって連中? 面白いじゃん」
ユウカ「で、どうするの董卓マキネ」
マキネ「ん~、張遼ユウカリンはどう思う?」
ユウカ「洛陽は捨てたらいんじゃない?」
マキネ「だよねえ、ここ、なんか守りにくいし」
クリハ「じゃあ、長安にでも行きましょうか」
マキネ「そんじゃ、献帝をお連れしてぇ~、それから火を放って」
ユウカ「どこに?」
マキネ「どこにって、そりゃここによ」
クリハ「いいの?」
マキネ「あたしを誰だと思ってんの。魔王董卓マキネさんよ。
 とっくの昔に覚悟はできてるって」
ユウカ「じゃ、あたしはちょっと行って宦官どもを皆殺しにしてくる」
マキネ「悪いね、付き合わせちゃって」
ユウカ「べつにぃ」

 【洛陽の前】
 ゴォォォォォォォ
レタス「なんということ」
タカヤ「洛陽が火の海だ!」
ゼラド「早く消さないと!」

ハザリア「ふん、董卓マキネはすでに逃げ出しているだろう。
 おい、追撃だ」
レタス「なにをいっていますの、消火活動が先でしょう!」
ハザリア「貴様らでやれるだろう」
レタス「連合軍の盟主はわたくしです! 指示に従ってくださいまし!」
ハザリア「黙れよ、どうせでっち上げた詔勅だろうが」
レタス「わっ、わたくしは代々三公を輩出した家の者として!」
ハザリア「黙れよ、袁紹レタス。貴様の食料庫に火を点けてやろうか?」
レタス「無礼な!」
ハザリア「宦官共に好き勝手にされた都など、灰燼に帰してやった方がスッキリするわ。
 董卓めがやっておらなんだら、俺がやっていた」
レタス「この、奸賊め!」
ハザリア「目覚まし占いによると、俺は奸雄になるのだそうだ」

 パカラッ パカラッ パカラッ
イングレッタ「伝令、伝令ーっ!」
ゼラド「あ、イングレッタちゃんだ」
イングレッタ「常山の趙雲イングレッタ、公孫賛イングラムからの伝令を持ってきたわ。
 董卓マキネは、いま長安にいる」
ヴィレアム「そうか」
ルナ「よし、消火活動を終え次第、進軍! 董卓マキネを追い詰めるぞ!」
ゼラド「うぅ~ん、おかしいよ。やっぱおかしいよ」

 【長安城】
マキネ「ここも時間の問題だよねえ」
クリハ「すでに連合軍はすぐそこまで迫ってるわ」
マキネ「じゃ、こっからの段取り決めとこっか。
 貂蝉トウキ貂蝉トウキ、ちょっとおいで」
トウキ「なんだよ」
マキネ「ちゅっ」
トウキ「わぁぁぁっ! なにすんだよ!」
マキネ「んじゃあ、あたしが貂蝉トウキに手ぇ出したのに呂布クリハがキレたっていうテイでお願い」
クリハ「いいのね」
マキネ「とっくの昔に命運尽きちゃってる漢朝にしがみついてる宦官どもを一掃するにゃあ、
 ちょっとやそっとの荒療治じゃ効かないからね。
 英雄ってやつをでっち上げる必要があるのよ。
 英雄が世に出るにゃあ、まず悪党が必要じゃん。
 ま、それなりにイイ目見させてもらったし、このへんが潮時でしょう」
クリハ「そうね」
マキネ「あと、あたしの遺言聞いてくれんの、あんただけだもんね」
クリハ「わかってる」
マキネ「そこの檻に放り込んである王允ランディ1/2をあたしの影武者として、
 ヘソに火ぃつけたら三日三晩燃え続けるほどにデブらせて」
ランディ「考えなおせぇ~っ!」ガシャガシャッ
クリハ「快諾するわ」
ランディ「快諾するなぁ~っ!」ガシャガシャッ
クリハ「わたしの汁術にかかればたやすいことよ」
ランディ「たやすくするなぁ~っ!」ガシャガシャッ
トウキ「なあ、親父ぃ~、俺たち、なんでこんなことになっちゃったんだよぉ~!?」
ランディ「お前もなんで俺の娘ってことになってんだよっ!」
トウキ「もうお前、水かぶってパンダになれよぉ~!」
ランディ「いっそパンダになりてぇよぉ~!」

 【長安の門】
 ジャーンジャーン!

ルナ「進め、進めぇ~い! すでに趨勢は決まっておる!
 逆賊董卓マキネを引っ捕らえるのだ!」
レタス「あの、総大将はわたくしでして」
レラ「・・・・・・」
タカヤ「『器の違いが明らかだな』って文醜レラ、汚い字で毒吐くなよ」
レタス「あなた方はわたくしの家臣なのではないんですの!?」
ルナ「孫策ラン殿は!?」
キャクトラ「は、向こうで服ビリビリに!」
レタス「あの方は本当になにをしに来たんですの!?」

マキネ「さあ、皆の衆、目ン玉かっぽじってご覧じな!
 天下の逆賊董卓マキネさん、最後の大舞台だよ!
 メガ・グラビトンウェーブっ!」

 びゅんっ! びゅんっ! びゅんっ!

ゼラド「わわっ!」
ヴィレアム「だから、ゼラドは下がってろって!」
レタス「いっぺんにあれほど大量の矢を放つなんて!」
ヴィレアム「誰だよ、董卓マキネは放蕩三昧で激太りしてるから物の役に立たないっていったのは!」
レイナ「そういえば、昔は武勇、人格共に優れた武将だっていわれてたんだっけ?」
ヴィレアム「どうして道を誤ってしまったんだ、董卓マキネ!」
ゼラド「マキネちゃん! 話を、話を聞いて! どうしてこんなことを!」
マキネ「は、あんたなにいってんの?
 時代の空気読もうよ。この乱世にねえ、言葉なんてなんの役にも立たないんだよ!」

 びゅんっ! びゅんっ! びゅんっ!

マキネ「さあ、あたしに挑んできな! 魔王董卓マキネさんは、ここにいるよぉーっ!」

 パリーン!

リトゥ「きゃあっ!」
マリ「大変だ! 夏候惇リトゥが眼鏡割られた!」
ハザリア「捨て置け」
マリ「なんだって!」
ハザリア「この程度の戦でくたばるようなら、そこまでの人物だということ。
 そのような者は我が陣営にいらぬ!」
リトゥ「くっ」
マリ「リトゥ」
リトゥ「大丈夫、まだやれるから」
ハザリア「それよりも、目の前の戦場だ」

 ぎぃんっ! ぎぃんっ! ぎぃんっ!

ユウカ「さあ、あたしらに挑んできな」
マリ「なぜですか張遼ユウカさん!
 あなたほどのひとが、董卓マキネのごとき逆賊に仕える必要がどこにあるんですか!」
ユウカ「あんたにゃわかんないよ。泥をひっかぶって死にに行く覚悟ってもんが」
ハザリア「ふん、それでこの茶番か。投網!」

 ばさっ!
ユウカ「くっ!」
ハザリア「続いて、油瓶!」

 ばしゃっ!
ユウカ「っ!」
ハザリア「動くな。自分が油を被ったことくらいわかるだろう。
 そのケツ、丸焼きにされたくはないだろう、んん?」
ユウカ「そう、あんたが曹操ハザリア」
ハザリア「ま、聞け。信じずともよいが、俺は戦というものが嫌いだ」
ユウカ「なにいってんの。乱世の奸雄と呼ばれる男が」
ハザリア「本来俺は、酒造が好きだ、詩歌が好きだ。
 ゆえに、このような乱世は俺がさっさと終わらせてしまおう。
 俺が天下を平らげた暁には、国は軍師にでもくれてやり俺は酒色にふけろうと思う」
ユウカ「とんでもない愚帝宣言ね」
ハザリア「この俺が酒色にふけるということは、天下がよほど泰平だということだろう」
ユウカ「それは」
ハザリア「我が身を犠牲にするなどという考え方には反吐が出る。
 我が身ひとつを喜ばせずして、他人を、まして天下を幸福にできるものか。
 俺は我欲をもって天下を平らげてやる」
ユウカ「あんたは、董卓マキネの真意を」
ハザリア「俺の元につけ張遼ユウカ。
 なに、漢王朝の残りカスは、俺が美味しくいただいたあとで潰してやる」
ユウカ「でも、覚えておきな。
 くだらないことをするようなら、あたしがあんたを背中から突いてやる」
ハザリア「それもまた、一種の道楽だ」

 ずしゃっ!

ゼラド「どうして」
マキネ「ふふ、・・・・・・ぐふっ」
クリハ「これで、よかったのね」
マキネ「ありがとさん」
クリハ「あとは任せて」
マキネ「あははっ、死ぬにはいい日だったよ、今日は」

 ばたっ

レイナ「自分の主君を殺すなんて!」
ヴィレアム「どういうことだ呂布クリハ!
 お前は、董卓マキネと義理の親子だか兄弟だかじゃなかったのか!」
クリハ「天下の逆賊、董卓マキネは呂布クリハが討ち取った。
 諸侯方、文句があるなら剣か、もしくは汁か乳をもって語りなさい!」
ヴィレアム「なんだその三択!」

ゼラド「ダメだよクリハ! どうしてわざわざケンカになるようなこというの!
 どうして仲良くご飯食べようとしないの!」
クリハ「わたしには白米も惣菜も乳も不要。
 あるのは、ただ汁のみ!」
ヴィレアム「やめるんだ劉備ゼラド」
レイナ「あの主君殺しに、ひとの声なんか届くわけないでしょう」
ゼラド「ふたりも、そんなこといったらダメだよ!」
クリハ「見なさい、すでに天下は乱れに乱れ、漢王朝の威光は遠い昔。
 この世を平定するには強力な剣が必要なのよ。
 董卓マキネでないなら、わたしが。
 わたしでないなら、あなたが。
 あなたでないなら、向こうにいる誰かかあそこにいる誰かか」
ゼラド「違うよ、そういうのは違うよ!」
クリハ「あなたのその言葉を、いったい誰が肯定するっていうの」
ヴィレアム「もうよせゼラド!」
レイナ「あいつに聞く乳はないわ!」

 どすっ!

ゼラド「あっ」
クリハ「ふふっ」
ヴィレアム「そんな、バカな」
クリハ「ぐふっ」
レイナ「誰が矢を放ったの?」
ポセイダル兵の子「虚乳将呂布クリハめ!
 華雄暗黒鳥人の子を捨て石扱いにした報いをうけるがいい!」
ゼラド「クリハーっ!」
クリハ「そう、この有様よ」

 ばたっ

ゼラド「うっ、うっ、こんな、こんな!」
ヴィレアム「まさか、あの呂布クリハの最期がこんなにあっけないなんて」
ゼラド「違うよ! そうじゃない! そういうことじゃない!」

 【中原】
ハザリア「我々はこれから徐州にでも向かうが、貴様らはどうする」
ルナ「我々は長沙に戻る」
ヴィレアム「俺たちは、またしばらく旅を続けるつもりだ」
ハザリア「ふん、また会うかもしれぬな」
ルナ「そのときは、戦争になるかもしれぬな」
ハザリア「そのときは、潰してやる」
ルナ「そちらこそ、壁を真っ赤に染められないようにな」

ゼラド「いけないよ、やっぱり、このままじゃ」

 ⇒CONTINUE 赤壁の戦いに!

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最終更新:2009年10月17日 12:17
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