更正テコンドー


25代目スレ 2008/08/24(日)

カル「最近、自信がなくなってきたんです。
 ひょっとして、ミナトを更正させるのはムリなのではないかと」
マキネ「それよりあんたがね」
カル「俺がどうしたというんです」
マキネ「うりゃ」
カル「なにやってるんですか」
マキネ「ほら、あたしのワキ乳にも反応しない」
カル「いや、マキネさんは健康的過ぎてそういう感じでは」
マキネ「こりゃ、いよいよ重症だ」
カル「だからそれはマキネさんが」
マキネ「よしよし、あんたはイイやつだ。マキネちゃんに任せときんしゃい」
カル「なぜ訛るんです」

 【武道場】
マキネ「テコンドーやんなよ、あんたたち」
ミナト「急になんだよ」
マキネ「更正っていったらテコンドーみたいなとこあるじゃん」
ミナト「そんなKOF理論持ち出されてもなぁ」
マキネ「まぁまぁ聞きなって。あんた、前に五輪出たいとかいってたじゃん。
 テコンドーは五輪種目じゃん。どうせカラテと似たようなもんなんだから、あんたできるでしょ」
ミナト「軽い論争になるようなこというんじゃねえよ」
カル「しかしマキネさん、ミナトはともかく俺は体質的に公式戦には」
マキネ「あぁ、大丈夫大丈夫。うちのじいちゃんネットワークで、問題ない相手見つけてきたから。
 邪魔大自治区のハニワ高校。
 邪魔大王国の国技ってテコンドーなんだってさ、知ってた?」
ミナト「知らねえよ! ややこしくなるようなこというな!」
マキネ「団体戦形式の練習試合申し込んであるから。今度の日曜ね」
カル「待ってください、団体戦ということは」
マキネ「5人必要だね」
ミナト「足りないじゃん」
マキネ「大丈夫大丈夫、連れてきたから。おーい、デブとチビ」

ミズル「そりゃ、おれは背ぇ低いけど、まだ成長期なだけだよ。
 これからぐんぐん伸びるよ」
ランディ「俺は太ってないぞ」
マキネ「太りなよ、そしてむくみなよ」
ランディ「太った上にむくんでたまるか!」
マキネ「デブキャラが1人くらいいた方がバラエティあっていいじゃん」
ランディ「ためらいもなく兄ないし弟を太ってむくませようとするお前に空恐ろしいものすら感じる」
ミズル「あとマキネさん、なんとなくPちゃんに着いて来ちゃったけど」
ランディ「Pちゃんて呼ぶのやめろ」
ミズル「おれは体力勝負とかムリだよ。文化系だもん」
マキネ「なよっちぃなあ」
ミズル「応援団旗とかなら作れるよ? それじゃダメ?」
マキネ「応援団旗ねえ」
ミズル「じゃあマキネさん、ちょっとそこで片乳出して」
マキネ「あんたんとこはさ、従姉妹そろって頭ン中そんなんばっかりなの?」
ミズル「マキネさん、自分が中学生だったころのこと思い出してみてよ」
マキネ「うん。ゴメン。悪かった」
ランディ「あっさり謝罪するな!」

マキネ「じゃ、チビのミズルはかぎ爪はめて応援団旗作って、
 ランディは太ってむくんで赤毛のブタになってきてこのブタ野郎」
ランディ「マキネのひとでなしーっ!」
ミズル「あっ、Pちゃぁ~ん! 走ってったら、また迷子になっちゃうよぉ~っ!」

マキネ「行っちゃった」
ミナト「ナチュラルに逃げられたんじゃねえの?」
マキネ「取りあえず、応援団旗は調達できたよ」
ミナト「旗だけあったってしょうがないだろ」
カル「それに、うちの高校に応援団などありましたか?」
マキネ「うん。じゃ、作ろう」

 【生徒会室】
ルナ「テコンドー部と応援団を設立したいといっても、急に生徒会予算など出せないぞ」
マキネ「いいっていいって、道着と防具さえ用意しときゃ、身ひとつでできる競技だしね」
ルナ「応援団の方はどうするのだ?」
マキネ「ゼラドゼラド、これ着てみて?」
ゼラド「えっ、なに? この太いズボン。
 それにこの学生服、やけに裾が長くて襟が高いけど」
マキネ「はい、逆立ちしてー」
ゼラド「こう?」
マキネ「アウーからアウーパチドゥー!」
ゼラド「こう?」 ぐるんぐるん!

マキネ「応援団長のゼラドだよ」
ルナ「なぜカポエイラをやらせた?」
マキネ「団長ちゃんはカポエイラやるもんじゃん」
ルナ「ゼラドも、なぜカポエイラができる?」
ゼラド「やってみたら、なんかできた」
ルナ「しかし、マキネが言い出したことなのに、ゼラドが団長をやるのはおかしくないか?」
ゼラド「そうだよ。マキネちゃんの方がふさわしいよ」
マキネ「ああ~、その方が都合いいから」

 【武道場】
ヴィレアム「テコンドーやるんだって?」
キャクトラ「水くさいではないか。協力させてくれ」
ミナト「あいつのじいちゃんさぁ、こんなふうにDC結成したのかなぁ」
カル「ダテにドクターヘルを部下にしていませんね」

ミナト「したら、あとひとりだな」
マキネ「う~ん、誰か心当たりいる?」
カル「それだったら」
ミナト「急にいわれても、とっさに思いつかねぇなぁ」
ヴィレアム「誰かいたかな」
ゼラド「ゼフィア先輩は剣道だし」
キャクトラ「ハザリア様は体力勝負などまったくアテにできませんし」
カル「だから、ミナト、お前の」
ミナト「びっくりするほど心当たりがないぜ」

マキネ「あ、タカヤが歩いてる。おーいタカヤー、あんたテコンドーやんない?」
タカヤ「え、俺?」
マキネ「あんたもさ、いつまでも賭場荒らししてる場合じゃないでしょ。
 ついでだから更正しとこう」
タカヤ「俺は賭場荒らしなんかしたこと」
ゼラド「5人そろったね!」
ミナト「一時はどうなることかと思ったぜ!」
カル「だから、ミナトの双子の」

ゼラド「ね、マキネちゃん、応援団の方は、何人いるの?」
マキネ「えっと、団長、副団長、応援歌歌う参謀、旗手長、鼓手長の5人が必要かな?」
レイナ「すると、あとひとりね」
ゼラド「あれ、レイナいつからいたの?」
ルナ「入れられている。いつの間にか、数に入れられている・・・・・・!」
マキネ「じゃ、ゼラド団長にルナ副団長に、あたしは腕力あるから旗手長やって、
 レイナには参謀でもやってもらうとして、あとは太鼓かぁ」

 どーん どーん どーん テケテッテ
レラ「・・・・・・」
マキネ「どしたのレラ、太鼓なんか持って。やりたいの? 鼓手長」
レラ「・・・・・・!」
マキネ「でもあんた、太鼓って重いんだよ? できんの?」
レラ「・・・・・・!」
キャクトラ「『こんなこともあろうかと、骨組みにサイコフレームを組み込んだ太鼓を用意してあるから心配無用』
 と、レラ殿が太鼓判を押しております! あ、タハハ、いまのはべつに太鼓と太鼓判をかけたわけではなく」
マキネ「うんわかった黙れ」
レイナ「どんなことがあるって想定してたら、そんな太鼓作るのよ」
ゼラド「じゃ、試合当日に向けてぇ~!」


 【練習試合当日 市民武道場】
ゼラド「ふりゃ~! ふりゃ~! おぉっじっぃっ!」

マーズ「え~、おせんにぃ~、キャラメルー、コーラはいかぁっすかぁー」

ゼラド「えぇ~と」
マキネ「負けたね」
ルナ「予想外にあっけなかったな」
レラ「・・・・・・」テケテッテ
レイナ「ふがいない!」

マーズ「情けねーの。アキナイする時間くれー作ってほしーよ」
キャクトラ「納得いかない! たしかに手数は向こうが上だったが、一撃の重さは私が勝っていた!」
マキネ「重さとか軽さとか関係ないの。
 ライトコンタクトルールなの。ぶっ倒しゃいいってもんじゃないの」
ヴィレアム「俺は堅実な戦法でいったのに」
マキネ「あんたは試合開始直後からピシピシローキックかまして反則負けしたんでしょうが。
 テコンドーは帯から下に攻撃したらダメなの」
ミナト「おっかしいよ。俺、あんなにパンチ入れたのに」
マキネ「突きの連打は得点になんないの」
ミナト「それにあいつら、接近しようとするとすぐ逃げるんだよ。
 きたねぇよ、俺のパンチにおそれをなして敬遠してんだよ」
マキネ「上段に蹴り技入れた方が得点高いんだから、蹴りの間合いを保ってただけだよ。
 だいたいあんた、接近してなにするつもりだったのさ。
 肘打ちも膝蹴りもルール違反だよ」
ミナト「誰だよカラテと似たようなもんていったのは!」
マキネ「ゴメンけっこう違ってたわ」
ミナト「俺、フルコンタクトだぞ! 接近してガスガス殴り合う競技のひとだぞ!」
マキネ「だからね、平ったくいうと柔道の打撃版なの。
 所定の位置に、いかにカッコイイ蹴り技をいくつ入れたかの競技なの」
タカヤ「なんか、俺は勝っちゃったけど」

ハニワ幻人ルゴン「はにゃ~? なにか勘違いしているようですぞぉ~?」
ハニワ幻人ガルガ「はにゃにゃにゃ、あれは完全な強運ですぞよ」
ハニワ幻人ギララ「ルールがわからないからといってテキトーに跳び蹴りをした結果、
 たまたまティミョ・アプチャプシギになっていて技有りが取れただけですぞ」
ハニワ幻人ギャオ「こにゃにゃちわなのだ」

ミナト「くそっ、はに丸坊やたちめ!」
タカヤ「なんで、ひとりバカボンパパと混同してるんだ」
キャクトラ「あんな戦い方、実戦では役に立ちませんよ!」
ヴィレアム「そうだよ、テコンドーなんて、フルコンルールやK-1ルールじゃからっきし弱いじゃないか」
ハニワ幻人ルゴン「殴り合いがしたいならキックボクシングでもやっていればいかがですかな、はにゃにゃにゃ」
ハニワ幻人ガルガ「我らがテコンドーは華麗な蹴り技を競い合う競技ですぞよ、はにゃ~」
ハニワ幻人ギララ「はにゃ~、OG学園さんは怪物揃いと聞いていましたが、
 どうやらルールをわきまえられない野蛮人ばかりだったようですなぁ」
ハニワ幻人ギャオ「反対の賛成なぁ~のだぁ~」

 【翌日 学校】
暗黒鳥人の子(♂)「大ニュース大ニュースぅ~。急造テコンドー部が大しったぁ~い」
レイナ「あいつ、勝手に・・・・・・!」
ゼラド「あのひと、新聞部だったの?」
レイナ「昭和の学園ドラマでに出てくる新聞部みたいなノリが合わなくて勝手にやらせてるんだけど、
 なんか、昨日の試合、どっかで見てたみたいね」
ルナ「ひどい書かれようだな」
レラ「・・・・・・」テケテッテ

 【武道場】
ミナト「やめだやめだぁ! だいたい畑違いなんだよ、テコンドーなんて」
キャクトラ「あんなものは武道とは呼べません。ただのスポーツです」
マキネ「この、よくよくのヘナチャコどもが!
 立ちな! 一列に並びな! うっわ、並べてみたら予想以上に頼りないし!
 あんたら、このままでいいの!?」
ミナト「そりゃぁ悔しいことは悔しいけどさ」
マキネ「地区予選の申し込みしてきたから。
 1回戦でハニワ高校にリベンジするよ」
カル「待ってくださいマキネさん。地区予選といわれても、俺たちは公式戦に」
マキネ「地区予選なんかで、ちゃんとした検査なんかしないって。
 失格になるまでやってみようや」
ミナト「えぇ~、失格になるのわかっててやるなんて、テンション上がんねえよ」
ヴィレアム「そんな無理して頑張らなくてもいいんじゃないのか?
 俺たちは、もっとこう自然体で」
マキネ「自然体のあんたらに一銭の価値でもあると思ってんの!?」
ヴィレアム「一銭の価値すらも!?」
タカヤ「無理するもんなんだっ! 人生なんてものは・・・・・・!
 強制されて・・・・・・、人間はかろうじてまともなんだ・・・・・・!
 誰だってみな・・・・・・、そういう圧力の中で生きてるんだ・・・・・・! ざわ!」
カル「落ち着いてくださいタカヤさん、福本顔になっています」
マキネ「ほら、タカヤもざわざわいってる!」
ミナト「そんなざわざわいわれても、実際試合するのは俺たちなわけだしなぁ」
マキネ「この、よくよくのヘナチョコめ!」
ゼラド「よしなよ、マキネちゃん」
マキネ「止めるなゼラド! こいつら、放っとくと際限なく堕落してく!」
ゼラド「そうじゃなくて、走ろう」

 【グラウンド】
ゼラド「かっせーかっせー」ザッザッ
マキネ「かっせーかっせー」ザッザッ
ゼラド「でも、『かっせーかっせー』って何語なんだろ」ザッザッ
マキネ「ドイツ語だよ」ザッザッ
ゼラド「あ、そうだったんだ」ザッザッ
レイナ「息をするように嘘をつかない!」ザッザッ
ルナ「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・、なぜ運動部でもないと走らないといけないのだ?」ザッザッ
レラ「・・・・・・ぜひ ・・・・・・ぜひ」ザッザッ
ゼラド「だってさ、わたしたち、誰も真面目に応援してなかったでしょ?
 全然頑張ってなかったでしょ?
 頑張ってないひとに頑張れなんていわれても、そんなの頑張れるわけないよ!」

 【演劇部 部室】
マリ「へえ、応援団なんかやってるのか」
ゼラド「うん。マリちゃん、発声練習とかするでしょ? やり方教えてもらえないかと思って」
マリ「待っててくれ。そのへんに教本が・・・・・・。
 あぁ、あった。悪いな。わたしはいまちょっと手伝ってあげられないけど、これ参考にしてくれ」

ハザリア「このひと言がメタファーになってレトリックがアンビバレッジなアンビシャスをもたらすのであり、
 栗色の髪をしたメス豚悪魔のような黒髪の男が餓死に至るその寸前・・・・・・」ブツブツ

ゼラド「ハザリアくん、どうしちゃったの?」
マリ「急に執筆に入っちゃったんだ。あいつ、ああなると寝食を忘れるからな。
 面倒見てやんなきゃならないんだよ」
ゼラド「じゃ、この教本、借りてくね? ありがと」
マリ「うん。頑張れよ」
ゼラド「うん、頑張る!」

 【数日後】
ゼラド「発声練習! すらぁ~!」
マキネ「腰割れぇ! 手を後ろに組んで腰を落とす!」
レイナ「・・・・・・なんなのよ急に張り切っちゃって」
マキネ「はい、もっと下げる下げるーっ!
 レイナ、ちゃんとやんないと、いつまでも太ってむくんだままだよ!」
レイナ「太ってもむくんでもいない!」
マキネ「サーブ! 肘を肩から落とさずに固定ーっ!」
ルナ「この体勢を維持するのか? かなりキツいな」
レラ「・・・・・・ぜひ」ばたん!

 ばしゃんっ!

マキネ「立ちな。でないと、次は娘溺泉の水ぶっかけるよ」
レイナ「やめなさいよ、レラの体力じゃもう限界よ!」
レラ「・・・・・・ぜひ」
ルナ「女に娘溺泉の水をかけても、意味はないのではないか?」
マキネ「微妙に乳がでっかくなる!」
レラ「・・・・・・!」
レイナ「なんで、むしろかけろって顔してんの!?」
マキネ「うっし、行けるね。立とうか」

 【武道場】
ミナト「なんだよ、これ見よがしにトレーニングなんかして」
キャクトラ「お前は、あれを見てもなんとも思わないのか!?」
ヴィレアム「そうだ! 走るたびにゼラドがゆっさゆっさ」
カル「ひょっとして、ヴィレアムさんも相当ダメなのじゃないでしょうか」
タカヤ「うん。ヴィレアムもけっこうダメなんだ」
キャクトラ「姫さまもレラ殿も、決して頑丈ではないお身体を押して努力していらっしゃる」
ミナト「応援団がトレーニングしたって意味ないじゃねえか」
タカヤ「カル、筋トレしよう。俺、テコンドーちょっと気に入ってるんだ」
カル「なにげにやる気あるますね、タカヤさん」

 【試合前日 学校の裏山】
マキネ「うーっし、じゃあ仕上げに団旗行軍するよ!
 旗手を交代しながら、中腰のすり足歩行で山頂まで行く!」
ミズル「いいなぁ、いいなぁ、汗でしっとり濡れたお姉さんたち。
 皆さん、ちょっとノーブラになってくれない?」
マキネ「団旗置いたらさっさと失せろエロアート小僧」

 ざっ ざっ ざっ ざっ
レイナ「重っ! こんなの掲げて歩くの!?」
マキネ「団旗は応援団の象徴だよ。地面になんか着けたら、最初からやり直しだからね!」
ゼラド「頑張ってレイナ! きっともの凄く痩せるよ!」
ルナ「むくみも取れる!」
レイナ「太ってないしむくんでない!」

 ざっ ざっ ざっ ざっ
レラ「・・・・・・ぜひ」
ゼラド「大丈夫、レラちゃん? 代わろうか?」
レラ「・・・・・・る・・・・・・つってん・・・・・・」
マキネ「よしなゼラド! レラがやるっつってんだ!
 手ぇ貸すのは仁義に反してるよ!」
レラ「・・・・・・ぜひ!」
マキネ「うし、そこのスギの木まで行ったら、あとはあたしがやるから」

 【山頂】
ゼラド「とぉちゃぁ~く!」
マキネ「しゃおらーっ!」
ルナ「結局、団旗は半分以上マキネが掲げていたな」
レイナ「なんでマキネはそんなに頑張るの?」
マキネ「意味はない!」
ルナ「意味はないのか!?」
マキネ「応援団のやることにね、意味なんかあっちゃいけないんだよ。
 意味も見返りもないから神聖な応援になるんだ。
 滅私で硬派で押忍だからワンダフリャなんだよ」

ゼラド「考えてみると、ヘンなもんだよね、応援って。
 試合に勝ったって、それは運動部が勝っただけで、応援団にはなんの記録も賞状もないのに」
レイナ「こんなに頑張ったって、あとになんにも残らないのねぇ」
マキネ「残すべきじゃないんだよ、なにか残る応援はカッコよくないよ」
レラ「・・・・・・ぜひ」
マキネ「やつらが勝ったとこで、あたしはなにも得しないしね。
 レイナは違うだろうけどさ」
レイナ「なにニヤニヤしてんのよ!」
ゼラド「頑張った人間だけが、ひとに頑張れっていえるんだよ、そうじゃなくちゃいけないんだよ」

 【試合当日 市民武道館】
マキネ「団旗入場ぉ~っ!」
ゼラド「フレーッ! フレーッ! オォージィーッ!」
ルナ「ハニワ幻人全滅だぁーっ!」
レラ「・・・・・・」

 どーん どーん どーん テケテッテ

ミナト「ま、初戦であっさり負けたヴィレアムのことは忘れて」
ヴィレアム「だって、だって、序盤からあんなに攻め立ててくるから」
タカヤ「ああ、予知能力は気力130以上にならないと発動しないもんな」
キャクトラ「友は性格『普通』だから気力が上がりにくいのだ!」
カル「これで、あとは一敗もできなくなりました。
 向こうの大将に出てこられたらおしまいです」
タカヤ「そんなに危険な相手なのか? 敵側の大将は?」
カル「危険というか、ククルさんの息子だという噂があります」
ミナト「それは、ヤバいな」
タカヤ「父親の名前なんか呼ばれた日には、ゾンボルト家崩壊の危機だ」
キャクトラ「負けられない! ゼンガー氏の身の安全のためにも!」

 どーん どーん どーん テケテッテ
ゼラド「ファイト、オー! ファイト、オー!」
レラ「・・・・・・キン肉マン」
ルナ「頑張るのだ、キャクトラ!」

キャクトラ(姫さまがご声援を・・・・・・、もったいのうございます!)
ハニワ幻人ガルガ「はにゃにゃ~? 以前とは顔つきが違うようですなぁ~」
キャクトラ「当然!」

 【次鋒 キャクトラ・マクレディ
   跳びトラ・ヨッチャギ
   跳び回転蹴り
    技有り 2 TKO勝ち】

スレイチェル「水くさいではないか。ガッキーに並々ならぬ対抗意識を燃やすスレイチェルを
 『フレフレ少女』ごっこに混ぜないとは」
ゼラド「来てくれたんですか、スレイチェル先輩!」
レイナ「なんでチアの格好してるんですか!?」
スレイチェル「O! G! オージー!」
レイナ「そのアルファベット分解は意味あるんですか!?」

 【中堅 カル・ノールバック
   上段ネリョ・チャギ
   上段コロ・チャギ
    有効2 判定勝ち】

ミナト「じゃ、行ってくるかぁ」
ハニワ幻人ギャオ「西から昇った太陽が東に落ちるのだ、にゃろめぇ~」

ゼラド「アース! アース! アースゴーッ!」
マキネ「根性見せろこのダメ人間ーっ!」
スレイチェル「ダーメダメダメダメ人間!」
レラ「・・・・・・だーめ」

ミナト(くっそぉ、あれ、応援という名の罵声じゃねえか)
ハニワ幻人ギャオ「ケムンパスでやんす!」
ミナト(くそっ、踏み込めねえ。やっぱ、カラテとは戦法も間合いも違う・・・・・・!)

ゼラド「ハーツ! ハーツ! ハーツゴーッ!」
レラ「・・・・・・」
 どーん どーん どーん テケテッテ

ミナト(耳障りだなぁ、あの応援。
 あいつら、なんであんなに声張り上げてるんだよ)
ハニワ幻人ギャオ「べしだべしっ!」
審判「有効!」
ミナト(俺みたいの応援したって、ムダなのに・・・・・・!)

ゼラド「アース! ハーツ! ハーツゴーッ!」
マキネ「フレッ! フレッ!」
レラ「・・・・・・」どーん どーん どーん テケテッテ
スレイチェル「オーエス、オーエス!」

ミナト(ちっ、うるせぇなぁ!)

フィリオ「思い出すんだミナトくん!」
マキネ「引っ込んでてよフィリオさん!」
フィリオ「振り付けにカラテの型を取り入れていたMAXのダンスを!」

ミナト(はっ!)

フィリオ「アムロちゃんがスターダムを駆け上がってる間も駆け下りてる間も、
 MAXは黙々とレベルの高いダンスナンバーを提供してきた!
 君は、その姿に感動を覚えないのかい!?」
マキネ「誰かフィリオさんをつまみ出してぇ~っ!」

ミナト(へへっ、そうか、そうだった。ありがとうございますフィリオ先生。
 そうだ、MAXだって、弟が実刑判決食らって事務所クビになってavexに移籍したゴマキだって、
 いや、ごっちんだって!)

ゼラド「ミナトくんの動きが変わった!」
マキネ「騙されないで! あの顔は、なにかキモいこと考えてる!」

ミナト「原色GALは、派手に行くべっ!」
ハニワ幻人ギャオ「ウナギイヌですワンワン!?」
 バシッ バシッ バシッ
ミナト「♪しゅ~みはりょぉりでっ、い・か・が!」
 バシッ
ミナト「♪ヤンキータイプもっ ♪派手に行くべ!」
 バシッ
ミナト「♪ガーリックライスもっ ♪派っ手よ!」
 バシッ
ミナト「♪お漬けもっのもっ ♪派っ手よ!」
 ザッ
ミナト「きっとまわりがひいちゃうくらい♪」
ハニワ幻人ギャオ「てやんでばーろちくしょっ!」
 ばしっ

審判「跳びヨッチャギ、技有り!」

 ぶーーーーーーーー
審判「そこまでっ! 勝ち、ハニワ高校!」

 【副将 ハニワ幻人ギャオ
   上段パンデ・トルリョ・チャギ
   跳びヨッチャギ
    有効1 技有り1 判定勝ち】

 【市民武道館の駐車場かなにか】
ヴィレアム「ま、頑張ったよ。負けたけど」
キャクトラ「世の中勝敗がすべてではない。負けは負けだが」
スレイチェル「気に病むことはない、負けたからといって」
タカヤ「俺は、なんか勝っちゃった」
レイナ「タカヤ、なんで妙に強いのよ」
タカヤ「向こうの大将、結局ククルさんとは関係なかったみたいだ。
 すごくいいひとだった」
ミナト「わかってたんだ。ごっちんが再ブレイクするわけないってことくらい」
マキネ「ま、さ、何年かしたら特撮の劇場版とかで悪役やってくれるかもしんないじゃん」
ミナト「世間一般じゃ、それは都落ちっていうんだよ!」

ゼラド「3-2で団体戦には勝ったんだから、胸張ってこうよ!」
ルナ「試合後の検査に引っかかって、2回戦目以降は出られないがな」
カル「しかし、今日のことは決してムダにはならないぞ、アイミさんだって!」
マキネ「は、アイミ?」

 しーん

レラ「・・・・・・」テケテッテ
ゼラド「え、あれ? アイミちゃん、来てないの?」
レイナ「マキネ、アイミ呼ばなかったの?」
マキネ「え、あたし? レイナがいらない気ぃまわして呼ぶもんだとばっかり」
レイナ「あたしはあんたが呼ぶもんだと」

レラ「・・・・・・」テケテッテ

マキネ「あっはっはっっは!
 みんなお疲れ! 今日はあたしがおごるから、
 存分に太ってむくんでってよ!」
レイナ「気に入らないでよ、『太ってむくむ』っていうそのフレーズ!」

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最終更新:2009年10月17日 12:32
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