新年百人一首大会


27代目スレ 2009/01/01(木)

 【江駆須帝矛神社】
ゼラド「百人一首?」
ヴィレアム「あ、ああ。
 この神社で、修羅界主催の百人一首大会があるんだ」
アオラ「なんで修羅界のひとが百人一首大会主催するんすか?」

重震のマグナス「知ってのとおり修羅は血で血を洗う戦いの日々を送る種族だ。
 じゃあどうやって増えてんだっていうと、
 この、毎年新年に催される百人一首大会の存在が大きいのよ。
 優勝者に送られる『押し倒してヤルダバ百人一首カルタ』にゃあ縁結びの御利益があるといわれていてよ。
 かくいう俺様とうちの母ちゃんも、グフフ」

ゼラド「縁結び?」
ヴィレアム「わーわーわー!」
ゼラド「どうしたの?」
ヴィレアム「い、いや、縁結びを始め家内安全、交通安全、安産祈願なんかの御利益が」
重震のマグナス「いや、欲張っちゃいけねえなあ、縁結びだけ」
ヴィレアム「わーわーわー!」
ゼラド「とにかく、縁起のいいものなんだね?」
重震のマグナス「まあ頑張れよ、坊主たち。ぐわっはっはっは」

ルナ「ほう、和歌が100首もなあ」
キャクトラ「はっ、地球の文化を学ぶ上で有意義かと」
ルル「あら、素敵な歌が多いんですのね」

 ぶろろろろ。。。
ランディ「出雲大社は、どこだ・・・・・・」
ミズル「うん、ごめん。
 途中ちょっと眠くなったからって、Pちゃんにハンドル握らせたのが悪かった」
咲美「あなたたちは、また無免許でクルマ乗り回して」

ゼラド「Pちゃんくんたちだ」
ヴィレアム「なんでサッキーまで一緒にいるんだ?」
ミズル「うん、なんか、正月からコンビニでサンドイッチなんか買おうとしてたから」
ランディ「不憫になって、連れてきた」
咲美「同情なんか、されたくない・・・・・・っ!」

ハザリア「ふぁ~、なんだなんだ、せっかくお屠蘇という名の清酒を飲んでいい気分だったのに」
マリ「それはお屠蘇でもなんでもない、ただの清酒だからな!」
ユウカ「せっかくイイ淫夢見てたのに」
ハザリア「してその淫夢の詳細は」
ユウカ「ンー、ホットでロングな指が繊細にかつワイルドにリズミカルに動いて」
マリ「新年最初の会話がそれかよ! ガッカリだよ!」

マーズ「やだやだやだ! 気が進まねーよー。おれ、松の内は働きたくねーんだよー!」
スレイチェル「正月くらい子供らしくカルタ遊びでもしたらどうだ!」ズルズル
レイナ「そして優勝するのよ!」
マーズ「なんかおかしーよー、なんでカルタ遊びにそんな必死なんだよー!?」ズルズル

ミナト「あ~ぁ、こんなことより、AKB48の元旦ライブ行きたかったぜ」
アイミ「そんなこといわないで、頑張ろうよ!」
カル「・・・・・・っ、この男は、そろそろぶん殴っていいのかもしれない」

重震のマグナス「ルールは3対3の源平戦。
 取り札を50枚ずつに分けて、自分の陣に3段にならべて取り合ってもらう。
 それじゃあ、行くぜえ?」

 【予選 ゼラドチームvsミナトチーム】
重震のマグナス「あきのたの~」

ヴィレアム「はいっ!」パシンッ
カル「くっ!」

ゼラド「ヴィレアムくん、すごい、また取った!」
ヴィレアム「難しいことなんかしてないさ。
 『あきのたの』で始まる歌は1首きり。
 下の句は『我が衣手は 露に濡れつつ』に決まってるからな」
アオラ「全部覚えてるんだ!?」
ヴィレアム(フフフ、今日のために、一生懸命百人一首を暗記してきたんだ!)

ミナト「ダーマエあっちゃんのファースト写真集発売も近いんだよなぁ」
アイミ(ミナト、ひょっとして迷惑だったのかな?)
カル(仮に優勝できたとして商品の『押し倒してヤルダバ百人一首カルタ』は・・・・・・、
 いや、いかんいかんカル・ノールバック
 よこしまなことを考えるな! 俺は、ミナトと正々堂々勝負を付けた上で!)

ヴィレアム(向こうチームは、ミナトはやる気がなく、アイミは気が散ってる。
 さらに、カルは気に迷いがある!
 いける、いけるぞ!)

 【予選2回 ハザリアチームvsルナチーム】
キャクトラ「・・・・・・ええと」

ユウカ「スー」
マリ「ユウカさん、起きて、起きてくださいよ」
ハザリア「寝かせておいてやれ。
 見よ、その顔を。さぞかし幸せな淫夢を見ているのだろう」
ユウカ「ンンッ」ブルルッ
マリ「起きてください! エロい寝言言い出す前に起きてください!」
ユウカ「起きたとこで、ロンドン暮らし長いあたしに百人一首なんかできると思ってるの」ムクッ
ハザリア「それとも、異星人の俺になにかできると思ってるのか」トクトク
マリ「お前は普通に飲酒するのをやめろ!」

ルナ「取りあえず、飲酒については報告するからな」
重震のマグナス「はるすぎて~」
キャクトラ「はいっ!」パシンッ
ルル「まあキャクトラ、お見事ですこと!」
キャクトラ「日ごろから、百人一首の勉強を進めておりましたから!」
ルナ「見事だキャクトラ!」
ルル「しかし、いったいなんのために日ごろから百人一首の勉強などしていたのやら!」

 【予選 マーズチームvsランディ1/2チーム】
重震のマグナス「め」

マーズ「うりゃっ!」パシン!
ミズル「わー、やられたー」
マーズ「いひひひ、ショーハイはツネにカオで決まんのよ」
ミズル「マーくん、海ヘビ座ヒドラ市さん並のイケメンになってるよ!」
マーズ「小倉百人一首っちゅーなぁー、あれでしょ。
 藤原定家っちゅーのが天智天皇から順徳院までのイケてる和歌を年代順に100首選んだもんでしょー。
 うち、『め』で始まんのは
 『めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな』だけじゃねーの」
ランディ「くっ、ザ・データベースは小倉百人一首までフォローしてるのか!」
マーズ「アリアおばちゃんがイッショーケンメー集めたそーだよ」
ミズル「頑張り屋さんだね、アリアさん!」
マーズ「そー、頑張り屋さんなんだアリアおばちゃんは。
 そーゆーわけさミズッちゃん、
 エンムスビの御利益があるとかゆーカルタが欲しけりゃー、おれから買うんだね」
スレイチェル「売られてたまるか!」
レイナ「あんた松の内は商売したくないっていってたじゃない!」
マーズ「なんでそんなに必死なのぉーっ!?」

ランディ「こりゃ勝てねえな。
 たしかに俺は日系人の端くれだけど、百人一首なんてろくに覚えてねえし」
ミズル「おれは日系人じゃないし」
ランディ「お前、自分の母親の名前忘れてるんじゃないだろうな」
咲美「いいえ」
ランディ「ん?」
咲美「覚えてさえいれば勝てるほど単純じゃないのよ、百人一首は」

重震のマグナス「あさぼらけ~ あ」
咲美「はいっ!」パシンッ
マーズ「うえっ!?」
咲美「『あさぼらけ』から始まる句は2つ。
 5文字まで読み上げられた時点で位置を把握し、6文字目が読まれた瞬間に取る。
 この散らばったカルタから2ヶ所をフォローするには、あなたの短い手足は致命的よ」
マーズ「うぅ~、サッキーさんから、かつてねーほどにコーゲキ的なコスモが放たれてるー!」
咲美「覚えておきなさい。百人一首、それは畳の上の格闘技なのよ」

 【昼休み】
重震のマグナス「よぉ~し、昆布巻き食いながら聞いてくれ、皆の衆」
ゼラド「は~い」モチャモチャ
ヴィレアム「なぜ、昆布巻きのみ山積みに!」モチャモチャ
重震のマグナス「予選の結果から、決勝で戦ってもらう2チームを発表する。
 まずは、ゼラド・ヴィレアム・アオラチーム」

ヴィレアム「よっしゃ!」
ゼラド「ヴィレアムくんのおかげだね!」
アオラ「凄かったっす!」
キャクトラ「やったな、友よ」
ヴィレアム「ああ、キャクトラ、決勝戦では堂々と」

重震のマグナス「そして、咲美・ミズル・ランディチーム」
キャクトラ「は?」

重震のマグナス「得失点差でこっちのチームが選ばれたんだよ」
ランディ「や、なんかサッキー、妙に強いんだよ」
ミズル「うん。不自然に強いの」
咲美「不自然てなによ。
 わたし日系人だし、百人一首はちっちゃいころからやってて、ちょっと得意なのよ」

ハザリア「世の中には、勉学に優れる者もいれば武芸に優れる者もいる。
 それとおなじだけ、やけにヨーヨーが上手いとかベーゴマが上手いとか
 ミニ四駆の改造が巧みだとか、特に役に立たない才能に恵まれてしまった者もいる」
マーズ「ヨノナカ的にゃーまったくムダなサイノーとゆーことだね!」
ランディ「生きてく上で、なんかアドバンテージがあるとは思えないよなあ」
ミズル「あ、でも1年に1回、お正月だけはえばれるよ」
咲美「なによよってたかって!
 競技かるただって、けっこう大きな大会やってるんだからね!」
マーズ「どーやってウンエーしてんだろーね、大会主催してる協会は」

キャクトラ「うっ、うっうっ・・・・・・」
ヴィレアム「泣くなキャクトラ」
キャクトラ「しかし友よ、私は、友との約束を」
ルナ「お主が頑張っていたこと、しかとこの目で見させてもらったぞ」
キャクトラ「は、ははぁーっ!」
咲美「やめてよ、なんだか罪悪感があるから!」

 【決勝戦 ゼラドチームvs咲美チーム】
重震のマグナス「なにはがた~」
咲美「はいっ!」パシッ
重震のマグナス「こころあてに~」
ヴィレアム「はいっ!」パシンッ

咲美「ハァ、ハァ」
ヴィレアム「やるなサッキー。
 でもな、100首全部を覚えてるっていう点じゃ互角。
 そして、カルタを取るために必要な反射神経、そしてリーチの長さは俺が優位だ。
 遅かれ早かれ、俺が勝つことになるぞ」
ゼラド「うぅ、全然入っていけない!」
アオラ「俺たち、まったく役に立ってないね!」

ランディ「おいミズル」
ミズル「なんだいPちゃん」
ランディ「勝たせてやろうや、サッキーにさ」
ミズル「そりゃまあ、勝てるものなら勝たせてあげたいけどさ」
ランディ「サッキーはさ、特別なにかが得意ってわけじゃないし、
 人より秀でてるっていうところがちょっと見つからないだろ。
 でも、だからさ、だからこそさ、せめて正月くらいはイイ気分にさせてやりてえじゃねえか」
ミズル「うん、そうだねPちゃん!
 百人一首が強いとこで、今後の人生でなんらプラスがあるとは思えないけど」
咲美「ふたりとも、聞こえてるからね」
ミズル「でもさPちゃん、勝たせたげるっていっても、具体的にどうすればいいのかな。
 おれとPちゃん、覚えてる歌なんて二人合わせて50枚くらいじゃない」
ランディ「ばか、源平合戦ていうのは、チーム戦だろ?
 だったら、協力しあえるってことじゃないか」

重震のマグナス「きみがためぇ~」
ミズル(君がため!)
ランディ(『君がため』で始まる歌は2首!
 いわゆる大山札! 6文字目を聞いた瞬間が勝負所になる!
 でも、ここで!)
ランディ「はいっ!」パシンッ
ヴィレアム「え、えっ!?」オタオタ

重震のマグナス「おしからざりし」
咲美「はい」パシン

ヴィレアム「お手つき!
 『君がため 惜しからざりし 命さへ』の下句は『長くもがなと 思ひけるかな』!
 ランディが取ったのは『我が衣手に 雪は降りつつ』! お手つきだ!」
ランディ「お手つきっていうのは、間違えた札を取ったときにいうんだろ?」スゥッ
ヴィレアム「あっ!?」
ゼラド「カルタに、手を触れてない!」
アオラ「取ったように見せかけて、手の平でカルタを覆っただけだ!」
ヴィレアム「ズルいぞランディ1/2!
 あんな大声でブラフ出されたら、俺、キョドちゃうじゃないか!
 これは明らかな妨害行為だ!」
重震のマグナス「いいや。こいつァ、『囲み手』っていって、百人一首の立派なテクニックだ。
 きちんと注意してりゃあ、引っかかるような手じゃあ、ねえぜ」
ヴィレアム「くっ!」
ランディ「勝っちまえサッキー! せめて正月くらいは勝利の美酒を飲め!」
ミズル「ここを逃したら、もう二度とチャンスはないよ!」
ランディ「ああ、金輪際ないに決まってる!」
咲美「いちいち失礼なんだけど、あなたたち!」

 【試合終了】
重震のマグナス「よってここに、『押し倒してヤルダバ百人一首カルタ』を進呈するぅ~」
ランディ「どうも」

重震のマグナス「百人一首は畳の上の格闘技だっていったろ?
 負けるのは、精神修行が足りてねえってことだよ」
ヴィレアム「うっ、うぅっ・・・・・・!」
ゼラド「元気出して! ヴィレアムくん、がんばった、がんばったよ!」
ヴィレアム「ダメだ! こんなんじゃ、こんなんじゃ俺はまだダメだ!」

ハザリア「さてと、ついでに初詣でもして帰るか」
マリ「お前が違法なものやめるようにお祈りしてやるよ」
ハザリア「俺は、貴様を思うがままにしてやると神に誓ってやる!」
マリ「や、やめろよ。神さまに向かって・・・・・・なに宣言してるんだよ」
ハザリア「あ・・・・・・、いや、思うがままとは、
 つまり、いい加減貴様に台本を守らせるという・・・・・・、な」
マリ「バ、バカ、それならそうと、ヘンなふうにいうなよ」
ユウカ「バッカなんじゃない、あんたたち」

ミナト「俺も、初詣くらいしてこうかな」
アイミ「ミナト、5円玉持ってる? ご縁がありますようにって」
ミナト「毎年思うんだけどさあ、ご縁っていっても、いったいなんの縁なんだろうなあ」
アイミ「なんのって」
カル「二十五円入れたら二重にご縁があるというが、果たして・・・・・・」

マーズ「あー、終わった終わった。『WALL・E』観に行こーっと!」
スレイチェル「前も観たといっていなかったか?」
マーズ「何度でも観んのぉーっ! カンドーの涙が止まんねーのぉー!
 おれも700年ゴミ拾いしてたら、ピカピカのカノジョが出来っかなー?」
スレイチェル「ゴミ拾いしたくらいで恋人ができると思うな!」
レイナ「そんなことなら誰も苦労しないのよ!」
マーズ「返す返すも、新年ソーソーマジ過ぎてヒクよぉー!」

ランディ「ほら、これはサッキーのもんだ」
ミズル「サッキーさんひとりで取ったようなもんだしね」
咲美「ううん、そんなことないよ」
ランディ「どうせ俺たち、縁結んで欲しい相手なんかいないしな」
ミズル「Pちゃんはロリ声声優との家庭を修復するほうが先決だもんね」
ランディ「だからロリ声声優と結婚も離婚もしてねえよ!」

咲美「ありがとう、ありがとう。
 わたし、こういう、賞状とかトロフィーとかもらったの、生まれて初めてかもしれない」
ランディ「その『押し倒してヤルダバ百人一首カルタ』の御利益で、
 ジュンとかいう頭モジャモジャのガールフレンドと仲良くな!」
ミズル「薩摩模型同人界から魔改造パクったらダメだよ!」
咲美「感謝はしてるけど、これだけはいわせて!
 わたしをサッキー竹田呼ばわりするのやめて!」

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最終更新:2009年10月17日 12:34
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