25代目スレ 2008/09/16(火)
【病院の廊下】
クォヴレー「イングレッタ」
イングラム『………』
イングレッタ「あら、クォヴレーにイングラム。どうしたの?」
クォヴレー「アークの現在の状態は?」
イングレッタ「一応、問題無いわ。 しばらくは現状維持で良い筈よ」
イングラム『………クォヴレー、体を貸せ』
クォヴレー「? 分かった」
クォヴレー(青)「他に言うことは何も無いのか……?」
イングレッタ「? 特に無いわ」
クォヴレー(青)「…そうか」
パシィッ!
イングレッタ「…えっ?」
アストラナガン「おっ、お嬢っ!!元主?何をっ!」
バキッ!
アストラナガン「ぐはぁっ!」
クォヴレー(青)「誰が貴様らにそんなやり方を教えたかっ!」
イングレッタ「わ、私はタイムダイバーとして為すべき事をっ!」
バシィッ!
イングレッタ「…イングラムが私を叩いた……?」
クォヴレー(青)「残念だ… 俺の教えは貴様らには伝わってはいなかった様だな」
イングレッタ「イングラム! 私はっ!」
クォヴレー(青)「イングレッタ、落第だ。貴様からはタイムダイバーの称号と力をはく奪する」
シュオオオッ!
アストラナガン「お、お嬢っ! 髪の色がっ!」
イングレッタ「ぁあ、私はっ…」
クォヴレー(青)「今回の罰の意味が分からない限り、貴様らにタイムダイバーたる資格は戻らないと思え。
アストラナガン。貴様にも機動兵器に戻れぬ枷を与えた。自分たちの罪を購うんだな」
アストラナガン「罪?」
クォヴレー(青)「貴様は知っている筈だ。世界の為に犯した俺の過ちを、そしてそれに傷付いた人々を」
アストラナガン「…あ!」
クォヴレー『やり過ぎでは無いのか?イングラム」
クォヴレー(青)「世界の為に一部の人間を犠牲にして他を救う。そしてそれを当たり前と思う、まるで『あの頃の俺』を見ている様だ。吐き気がする」
クォヴレー『!』
スゥッ
イングラム『確かに世界を護るには最小の犠牲かもしれん。だが与える傷は最悪だ!』
クォヴレー「イングラム… お前は」
イングラム『あの過ちだけはさせない様、教えたつもりだったんだがな…』
イングラム『しばらくお前にタイムダイバーとして働いて貰う。アーク達の心を先ず考慮しなかったのはお前も同様だ』
クォヴレー「…分かった」
イングレッタ「タイムダイバーの意味・・・・・分らないわね。私は私の存在の始まりからタイムダイバーだったわ」
アストラ「私はそもそも機械だ。戦うための機械。しかしすまないお嬢。お嬢の弱さは全てもらったはずなのに
今の私ではお嬢の強さにもなれないし、弱さの肩代わりもできない」
イングレッタ「いいわよ。今はタイムダイバーじゃないんだから・・・・・。だからお嬢と呼ばなくてもいいわよ
お互いに首になったニート同士なんだし。タメでいきましょう」
アストラ「・・・・・・イ・・・・イング・・・・イングレッタ・・・・・お嬢」
イングレッタ「ごめん、少し無理を言ったわ」
アストラ「気にするな・・・・。そうだな、私も少しは善処する。で今後の活動方針は?」
イングレッタ「とりあえず、私本来の任務をこなしてみるわ。まあ難しく考えるよりいいんじゃないかしら?」
アーク「いやさあ、だからってUターンして病室に帰ってくるってどうよ?」
イングレッタ「一応監視が任務だったから」
レラ「・・・・・・」
アーク「いや、だからってレラもそこまで凄い嫌そうな顔しなくても。某伝説の聖剣に会った後みたいな顔してるぞ」
イングレッタ「とにかく復帰できるまではやる事もないし、とりあえず監視を続けてるわ」
アーク「構わないけどさあ。いつまでだよ?」
イングレッタ「タイムダイバーに戻れるまで・・・・・って言いたいけど、適当な所で引き上げるわよ
これが正解とは限らないし」
アーク「あっそ。じゃあアストラの兄さん悪いんだけど一つ引き受けてくれねえか?」
アストラ「何だ?」
アーク「咲美の飯。俺が居ない間頼むわ」
アストラ「承知した」
アーク「あと、今晩のおかずを買ってき・・・・レラさん、首筋にフェザーファンネル突きつけるの止めて。
たぶん今なら確実に死ぬから」
アストラ「おかず・・・・・惣菜でいいのか?」
イングレッタ「真面目過ぎるのも考え物ね」
アストラ「・・・・ジャンクフードのほうが良かっただろうか?」
アーク「こいつぜったい、女の子が目の前で顔真っ赤にして『つきあってください』って言っても
『何処へだ?』とか普通に答えそうだよな」
レラ「・・・・(コクン)」
イングレッタ「まったくね」
アストラ「・・・・・私はどうすればいいんだ?」
アーク「とりあえず外のコンビニでエロ本買ってき・・・・ヒデブ!」
レラ「すこし・・・・・頭・・・・冷や・・・か?」
【1週間後】
イングレッタ「結局、何なのかしらね。タイムダイバーで無いといっても出来ないのは時空を渡る事だけ」
アストラ「私は機動兵器に戻れないことだからかなりの大事なのだが?」
イングレッタ「でも別に困ってないでしょう」
アストラ「それはそうだがな」
アーク「おーい、人の監視とか言って何屋上で密談してんの?」
イングレッタ「わき腹刺された人間が、たかだか一週間休養しただけでホイホイ歩き回ってたら
また医者に、『テメェ現代医学馬鹿にするのもいい加減にしろよ!』
とか言って拘束されるわよ」
アーク「いや、傷口自体はもうねーし。つーかそもそも頭撃たれたってその気があれば一瞬で直せるわけだし」
イングレッタ「治すにしときなさい」
アーク「なんで」
イングレッタ「認識が力になることもあるのよ」
アーク「そーいうのはどうもね。想いを力にとか、嫌いじゃ無いけどわかんねーな
でもまあ、あれじゃねーの?そういうのってようは、自分がそうだと思えばそうなれるってことか?」
イングレッタ「まあ、そうね。因果律介入が自分で出来るあなたは特に」
アーク「因果律介入とか難しいこと言うけどさ、誰だってそうやって生きてるんじゃねーの?
自分は自分だって思えないのに生きてる奴なんているわけねーじゃん」
イングレッタ「それも・・・・・そうなのかもね」
アーク「あとさあ、タイムダイバータイムダイバーってさ、それそんなに大切なわけ?」
イングレッタ「クォヴレーはその立場ではなく誰かを守ることを大切にしていたわ。でも私は
タイムダイバーたることが存在の意味だから」
アストラ「私もだ。だからこそ難しい。それしか知らないのだから」
アーク「ならいったんタイムダイバーやめればいいじゃん」
イングレッタ「は?」
アーク「学校行くとか、バイトしてみるとか」
イングレッタ「それで、何か解決になるの?」
アーク「さあなあ。でもまあ、たまには違うことすると頭がすっきりするぞ。ほら、人間って同じ事には45分しか集中できねえって
なんか聞いたことあるし」
イングレッタ「最後のは、関係ないわね」
イングレッタ「しかし、難しいわね・・・・・。心のどこかでは本当のタイムダイバーが何なのか分っているのに」
アストラ「深く考えることは無い。ゆっくりとでもいいと、思えるようになってきた」
イングレッタ「そうね・・・・・ん、あれは?」
アストラ「どうした・・・・人間なのか?」
???「タイムダイバーがタイムダイバーじゃなくなっているな・・・・・」
アストラ「いったい何者・・・・(ザシュ!)・・・な・・・・なんだと」
???「最強の機動兵器が、こんなに簡単にね」
アストラ「・・・エ・・・エクサランス・・・・」
???「タイムダイバーも、たまには狩られる側になってみるのも新鮮じゃないか?」
イングレッタ「くっ、フェアリー!こんなもの」ダンダンダン!
???「そんなちっぽけな銃で防ぎきれる攻撃じゃないぞ」
イングレッタ「くっ・・・・・・やられ・・」ガキン!
フィオル「エクサランスどうし、遣りあうのもなんだけど。ユウカの友達をやらせるのもね」
???「キサマ邪魔を!」
フィオル「そもそも、相手が弱ってるところを狙うのは好きじゃないな」ズドン!
イングレッタ「別に弱ってなんかいないわ。ただちょっと住所不定無職になってるだけよ」
フィオル「そうは・・・・見えないけどな」
イングレッタ「私は別に弱ってなんか・・・・、くっアストラナガン!」
アストラ「ぐっ、ダメだ動けん」
イングレッタ「アストラナガン、つかまりなさい」
アストラ「いや、私を置いてお嬢は戦線を一時離脱しろ。機動兵器無しで対処できる相手ではない!」
???「下らん問答をする余裕も無いだろう!フェアリー!」
イングレッタ「くっ!」
アーク「お困りですかーっと」
イングレッタ「な!?」
アーク「ドッカーン!といっとくか?」ドォオオオオオオオン!
イングレッタ「わざわざ・・・・・助けに来るなんてね」
アーク「いやほら、とりあえず前回いい所で助けられたし、一発返しとくかなーって」
イングレッタ「そこは、ざまあ見ろとか思わないのかしら?私は貴方達に不幸を仕向けたんだから」
アーク「あー、まあ怒ってた奴もいたけどねえ」
レラ「・・・・・ファンネル!」
???「フェアリーがやられるだと!」
レラ「・・・・私は・・・・許さな・・・・でも・・・・もう一人が・・・・煩・・・から」
今まで散々へし折られたフラグが少しは芽が出たんだし
レラ「・・・・・うるさ・・・・」
アーク「もう一人って何よ。てか、レラの横の空間に俺と同じにおいを感じるんだけど?
なんかマイナー作品オーラがすっげー出てるぞ」
イングレッタ「・・・・アーク・アルトリート、あなたって人に怒りを覚えることは無いの?」
アーク「いや、あるけど?」
???「めでたい奴らだ。そんなちっぽけなサイコミュ誘導兵器や銃火器で止められると思ったか!」
レラ「・・!」
アーク「ヤバ!」
ドオオオオン!
アーク「あぢぢぢぢぢ!熱い!尻に火がついたぁぁぁ!死にはしないけど熱ぃぃぃぃぃ!」
フィオル「まずいな。不意を撃ったから少しはダメージもあったけど、地力の差が出てきた」
イングレッタ「情けないわ!アストラナガンが動けないってだけで、私は!」ダンダンダン!
???「効かんな!ブラック・サン !」ゴオオオオオ
フィオル「まずい・・・・・あいつ、ライトニング級の力を」
???「タイムダイバーも意外とあっけなく終わりそうだな」
イングレッタ「くっ」
イングレッタ(力が欲しい・・・・・この状況を打破する力が、目の前の敵を砕く力が)
アストラ(眼前の全てを支配する力が、何者にも負けぬ屈強なる力が)
???「死ね!」
アーク「うわ・・・マジでヤバイんじゃないのかこれは!」
イングレッタ&アストラ(そしてなによりも、守る力が!)
???「なに?」
アストラナガン「ウオオオオオオオ、念動フィールド!」バチッ!
イングレッタ「アストラナガン!コクピットへ転送を」
アストラナガン「承知!」
???「こいつら急に力を!」
イングレッタ「別に無くしていた訳じゃなかったのね・・・・・ただ、ちょっとだけ封じ込められていただけ」
アストラナガン「冷静に考えればそうだ。今の主に我ら二人分の力を許容するキャパシティは無い
何より」
イングレッタ「それで本当に力を奪って相手を危険にさらしたんじゃ、前に私達がしたのと同じだし
だから、私達がそれに気づいたら、力が戻ってくるように封印していたのね」
アストラナガン「まあ我らが思いのほか気づくのが遅かったのと、この襲撃は誤算だったのだろう」
イングレッタ「そうね。タイムダイバー足るものが、何よりも考えねばならないのは守ること。世界に住む人々を
守りたいという意思」
アストラナガン「お嬢は生まれたときからタイムダイバーだった。だから世界を守ることは知っていても
人を守ることを本質的には理解していなかった。だから見失っていた」
イングレッタ「その世界に住む人々の心が、命が、何よりも大切な物だってね」
???「勝手に自己解決して、何をごちゃごちゃとぉぉぉ!」
アストラナガン「遅い!」
???「ぐあ!」
アストラナガン「消滅しろ」
イングレッタ「インフィニティ・シリンダー・・・・・・・デットエンドシュート!」
イングレッタ「一応礼を言うわ、気づかせてくれて」
レラ「・・・別に・・・」
フィオル「勝手に出てきて戦っただけだし、礼はいらない。それにもう帰るよ。長時間は居られないからね」
アーク「レラと同じく別にいいけどさ、さすがに恥ずかしくない?(ポチ)『人々の心が、命が、何よりも大切な物だってね』」
イングレッタ「・・・・・・・・なんで録音してるの?」
アーク「いや、恥ずかしい台詞で、思わずギップリャとか言い出しそうなのをこらえるため(ターン)」
イングレッタ「・・・・・・・」
アーク「・・・・あのさあ、人が手に持ってる録音機無言で撃つのやめない?今地味に手が痛かった」
イングレッタ「アナタは少しTPOを読みなさい」
レラ「・・・・(コクン)」
イングラム『・・・・・・・・(アアアアアア!そりゃたまには厳しいこといわないといけないんだよ!
しょうがないじゃん父親のしごとってそういうもんだし!あああ、でも
もう1週間もグレちゃんあのジキミ野郎にかかりっきりだし、ギャオス頭と一緒だしうああああ)』
クォヴレー「対象の消滅確認任務完了だ」
イングラム『ならいったん帰還して、休養した後にすぐに次の仕事だ(早く戻るぞ!ああああ、グレちゃん
大丈夫だろうな!何も無いよな!ギャオス頭と何かあったとかも無しだからなああああ!』
ディストラ(すっごい怨念をここ1週間ずっと出しっぱなしですね、この人。
まあおかげでディス・レブの調子はすごくいいんですけど)
イングラム(早くしろ、早くもどれ、遅いんだよ!魔方陣あるだろ魔方陣!お前のアニキは
空気読まずにどこにでも現れたぞ!)
ディストラ(こっちに思念が流れてきて、正直ウザイですよ)
イングレッタ「ただ、まあ一つ分ったわ」
アストラ「なんだ?」
イングレッタ「タイムダイバーばっかりするのも良くないみたいね。考え方が偏るみたいだし。
今度バイトでもしてみようかしら」
アストラ「・・・・ああ、そうだな。そうしよう」
最終更新:2009年10月17日 12:50