子供スレの一番長い日(その1)

21代目スレ 2007/12/23(日)
これから、上げるSSは一日の出来事を時間経過にあわせて上げていきます。
ケロロ小隊24時的な物だと思ってください。
ただ、バトル物で、かつ長いのでバトル物嫌いな人はこの時点でスルーしてください。
毎回シリーズ物の長文は終わらないジンクスでもあるようなスレですが
既に完成済みなので、未完と言うオチは何か無い限りありませんし、今日一日で全て終わります。
またクリスマスイブ前日の出来事を描いていますが、これは平行世界という事にでもして
他のクリスマスイブ前日ネタのSSも気にしないで上げてください。

AM00:10

ディストラ「ご主人様。対象の勢力40パーセントにまで低下」
クォヴレー「増援は」
アストラ「恐らく無い」
クォヴレー「まあ多少増援があっても、後ろにはあのペルフェクティオとシュテルン・レジセイアがいる」
イングラム「あの完璧親父と孫煩悩も、味方ならこれ以上頼もしいことは無いな」
イングレッタ「邪神ヴォルクルス。一世界の邪神に収まるなら見逃すところだけど」
クォヴレー「平行世界へ干渉するなら、放置するわけにはいかん」
ヴォルクルス「……………………」

???「やれやれ、やはりまともにやって勝てる相手ではありませんね。まあもともとまともにやり合うつもりなど毛頭ありませんが」

ゼラド「!……あれ、夢……。変な感じがしたけど……だ、大丈夫だよね。うん、明日はイヴのパーティーの準備だし、ちゃんと寝とこ」
???「そうですか、ではお休みください」
ゼラド「え……、あなた誰」
???「誰だって関係ありませんし、あまりお話しするつもりはありませんよ。ただ、そうですねえ、代行者とでも思っていただければけっこうです」
ゼラド「代行って誰の」
???「邪神の代行者にして、邪神を使役するもの。なんとも奇妙な関係ですね。まああまりに酷い混ざり方で、未だにグチャグチャな所も
    あるんですが……。おや、話すつもりも無いのにペラペラと、やはり人間をベースにすると厄介ですね。まあすぐに済ませますか」
ゼラド「私に何かしようとしたって無駄だもん。お兄ちゃんがかならず助けてくれるから!」
???「あなたがお兄さんと呼ぶ人物。確かに厄介ですね。今の私では太刀打ちできない。せめてアレさえあれば造作も無い……とまでは言いませんが
    互角以上の戦いは出来るはずです。もっとも、それが無いからわざわざ番人達の目を引きつけてここまで来たんですが」
ゼラド「いったい何なの。私に用があるってことだよね」
???「あなたは、頭が良い。まああなた自身にとくに頑張ってもらうことはありませんよ。ただお休みしていただければけっこうです」
ゼラド「お休み……」
???「ええ、もっとも、私の手の中で永遠に、ですがね!」
ゼラド「た、助け……て」


ヴィレアム「……?」
キャクトラ「どうした友よ。さすがにこの時間まで練習はきつかったか?」
ヴィレアム「いや、もともと俺が昼間バイトをするせいで、練習時間をこんな真夜中にしてもらってるんだから、泣き言は言わないが」
レラ「……?」
キャクトラ「『だったら何があったんだ?』ですか、ええ私も同じ事を思いました」
ヴィレアム「悪寒がしたんだ……何か悪いことが起こるっていう」
キャクトラ「予知?」
ヴィレアム「違う、予知じゃない。いや、予知かもしれない」
レラ「?」
キャクトラ「『どっちなのかハッキリして』。ええそうですね、友よ、いったいどういうことなんだ」
ヴィレアム「俺は確定した未来は見えない。今、多岐にわたって分岐していた未来が一つに束ねられた。今起こった何かが、この後起こる何か大きな
      出来事を確定してしまったんじゃないかと思うんだけど……いったい何が」


AM00:25

クォヴレー「ゲマトリア、誤差修正。メスアッシャー、ダブルシュート!」
ヴォルクルス「……!!」
イングラム「いけるぞ!このまま畳み掛けろ」
イングレッタ「言われるまでもないわ。ここで終わらせる」
???「残念ですが、終わりなのは貴方達ですよ」
クォヴレー「誰だ!」
ディストラ「どこからか通信が入ってきています。場所の特定はまだ出来ていませんが」
クォヴレー「誰だか知らないが、こんな所で何の用だ」
???「余所見をするとは、また随分と余裕ですね。ですがその隙を逃すほどお人よしではありませんよ」
アストラ「ヴォルクルスの上半身が1体防衛ラインを突破」
イングラム「大丈夫だ、後ろにはあの二人が」
???「そうですねえ。あの二人は確かに強いですね。ところで、面白いものを見てみませんか」
クォヴレー「面白いもの……だと」
???「あまり画質のいい映像ではありませんが、撮影した私と撮影対象が別の次元に居るのでそこはご容赦ください。ではどうぞ」
ゼラド「………………」
クォヴレー「ゼラド!」
???「貴方達の監視がきついですからね、こうやって騒ぎを起こし、私自身がコソコソ動いてどうにか確保しました。ですが……思っていたより
    ずっとすごいですよ。せいぜいペルフェクティオかシュテルン・レジセイアのどちらかの力の一部でもうばって、後は押さえつけれれば
    いいと思ってたんですが……」
ディストラ「大変です、ペルフェクティオさんとシュテルン・レジセイアさんが!自我領域以外のすべてを何者かに完全に掌握されました!」
イングラム「まさか、ゼラド・バランガと言う因子を使って」
???「ええ、奪わせてもらいましたよ。その力のすべてを。まあこれ以上はさすがに彼女の器でも許容できないので諦めますが」
アストラ「いかん!アインスト大量増殖!それにペルフェクティオの力で扉を開こうとしている!このままでは」
クォヴレー「俺たちの世界が奪われる」
???「ははは!奪うだけではありませんよ!今度こそ邪神が統べる世界を作ります!」
ヴォルクルス「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
イングラム「このままではダメだ!一端引くぞ」
???「おや、いいんですか?」
イングラム「いくら掌握したとはいえ、いきなり単独で世界と同等の力を持つ存在を完璧に扱えるものか。アインストを大量に呼び出したのは
      ハッタリのようなものだ。どうせ呼び出したのはクノッヘンやグリード程度だろう。数呼べばいいというものでもない」
クォヴレー「だがそれは、時間が経てば奴も強くなるって事だろう!それなら今すぐゼラドを取り返さないと!」
イングラム「落ち着け。ペルフェクティオとシュテルン・レジセイア、二つの強大な力を手に入れた事は確かに凄まじいが、それはこの2つ
      だったからだ。奴は極大の破壊と創造の力を同時に支配し互いに相殺し合わせることでどうにか制御下においている。恐らく
      その力のごくごく一部しか使えていないはずだ。だからこそだが、力を完全に制御化に置かなければ、片方の力の制御に
      もう片方を使うという循環を保たねばならない。それまでは出せる力はいくら制御可能領域が拡大しても一定だ」
???「さすが、他の番人とは年期が違いますね。悔しいですがそのとおりですよ。ですが分っているでしょう、時間があまり無いことも」
イングラム「まあ、せいぜい1日だろうな。クォヴレー引くぞ。それにグレちゃんは彼らを呼んでくれ」
イングレッタ「わかったわ」
クォヴレー「くっ……ゼラド。必ず助ける!」


AM01:15
アーク「おっちゃん。やっぱりクリスマスプレゼントにウエディングドレスは早いっすよ、いやマジで」
タスク『そうか?てか娘の花嫁姿を見るのって男の夢じゃねえか?」
アーク「やめといたほうがいいっすよ。何時結婚するか分らない上に、体型が変わるかもしれないっすから」
タスク『なんだと、レタスが太るとか言うのか?』
アーク「いやそうはいいませんけど、太らなくても変わるところは変わりますって。胸とか」
タスク『おまえなあ……ん、呼び出し?でもこのコードは』
アーク「どうかしたんすか?」
タスク『いや、ちょっとな。てかいい加減夜中まで電話するのもあれだし、いくら休みつっても夜更かししすぎるもんじゃないぞ』
アーク「そうっすね。それじゃあおやすみっす」

AM01:30
タカヤ「父さん、仕事っていったい」
キョウスケ「今さっき呼び出しがかかった。どうやら何か大きな事件があったらしい」
エクセレン「てなわけで、私達はちょっと行ってくるから、留守番よろしく」
レモン「いってらっしゃい」
ミィ「気をつけてくださいですの」

AM01:45
ヴィレッタ「ヴィレアムが外出中で良かったわね」
ギリアム「ああ。居れば来ると言っただろうからな」
ヴィレッタ「とにかく、こんな事は私達大人が解決することよ。子供達に何かさせるわけにはいかないわ」
ギリアム「そうだな。だが、あの子供達より小さな子供が命をかけて戦うこともあった。もし必要になれば」
ヴィレッタ「そうなるわね……でも」
ギリアム「ああ、そうはさせないさ」

AM01:50
シュウヤ「まったく。こんな所でテレビをつけたまま寝ているなんて」
クリス「……シュウお父さん……」
シュウヤ「……めずらしいですね。私の名前を呼ぶことはたまにありますが、父の名前を呼ぶなんて」
クリス「……んん……」
シュウヤ「しかし、今頃何をしてるのでしょうか、うちの父は……」

AM02:00
???「さあ、タイムリミットまでにどこまでやってくれるか、ある意味見ものですね」
ヴォルクルス「…………」
???「分っていますよ。自我の安定も同時並行で行っています。それより、彼らの制御は」
ヴォルクルス「…………」
???「そうですか。彼女のほうも隔離してありますがこの1日だけは油断できません。番人たちは彼女を捕らえている時空まで行く事なら出来ますからね」

ゼラド「…………お兄ちゃん」



AM09:10

クリハ「あの、今日って日曜で休みなんですけど、なんで私達は学校に呼ばれたんですか?」
レイナ「それに、朝起きたら母さんもエルマも半裸の変態もいなかったんだけど」
ハザリア「まったく、今日は一日かけてジュデプラ製作に明け暮れようと考えていたというのに」
ラミア「まあ、文句も分るが……今回はあまり笑い話で済む内容でもない。実は昨日ここにいる全員の親に召集がかかった。理由は邪神ヴォルクルス
    が、ゼラド・バランガを誘拐し、ペルフェクティオとシュテルン・レジセイアを制御下に置いたためだ」
ヴィレアム「な!ゼラドが……」
アオラ「姉さんが居ないと思ったら……そんな!」
レイナ「ちょっと、ヴィレアムは予知とか感じなかったの!ゼラドがさらわれるの黙って見過ごすなんて!それにクォヴレーさんたちも!」
ラミア「そのクォヴレー達を遠ざけるために、奴らは騒ぎを起こし、そしてその隙にゼラドをさらった」
レモン「で、その未来は極めて確定的な事だったから予知で探知できなかったわけね。確か決まった未来は予知できないのよね?」
キャクトラ「そういえば、昨日友はそのような事を」
ヴィレアム「ああ、確かに昨日そんな感じはしたけど……」
ラミア「現在、この町で兵役の経験がある人間はほぼ全員出動させられている。私やヒューゴ、アクア先生は学校の護衛に残ったがな。ただルアフ先生は
    ガンエデンで防衛の軸の一つとして戦っている。空を見てみろ、時々キャッチ・ザ・サンの光が見えるぞ」
レイナ「あのエセ霊帝が戦ってる」
ラミア「敵の狙いは地球征服……というとチープに聞こえるが、邪神ヴォルクルスの力で地球を邪神の世界に変えようとしている。そのためにアインストを
    使い、現在地球に侵攻中との事だ。今のところ、ケイサル・エフェスやザ・データベースの面々のおかげで持っているが時間の問題だ」
ラッシュ「うちのおじいちゃんが。そんな簡単に」
ラキア「ラッシュ、どうするの。おじいちゃんの力は世界だって壊せるのに」
タカヤ「爺さんまで……そんなバカな」
ルサイケ「おじいちゃんでも……だめ……なんて」
アーク「じゃあ、どうするんだよ」
トウキ「それに、俺達だけを学校に集めるなんて、いったい」
クォヴレー「それは俺達が説明する。ラミアはアンジェルグで引き続き周囲を警戒してくれ」
ヴィレアム「なっ……なんで!ゼラドがさらわれたんなら、取り戻しに行くのはあなたのはずなのに!どうしてこんな所に!」
ルナ「お父様!いったいこれから何が起こるんですか!」
アオラ「お兄ちゃん!はやく姉さんを助けてよ!」
クォヴレー「それは……」
イングラム「やれやれ、そういうのにはやはりお前はなれていないな。俺が変わる。まずなぜ俺達がここにいるか、
      それはまず今から起こることからお前達を守るためだ」
ディストラ「フィールド、広域展開!来ますよ!」
グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンンン!!!!
アイミ「何!今の」
イングラム「ペルフェクティオの波動だ。今ので、この学校のように何かしらの防御手段で守られていない場所にいる人間は、根源の恐怖で動けなくなった
      だろうな」
ミナト「マジかよ」
イングラム「まあ、今の一回が奴の現状での限界だ。次は無い。で、俺達はその間に次の手を打つ。タイムリミットは1日程度。いいかお前達全員に
      今回は働いてもらう。それ以外に生き残るすべはないからな」


AM09:20

クリス「いったい何が始まるんですか。講堂の中にいきなり通信設備やモニターを設置して。まるで司令室のように」
イングラム「その通り。ここが今回の作戦。オペレーション・SGの本部となり、上で同時進行している防衛作戦とは指令系統が別になる。こちらでは
      ゼラドの奪還、ペルフェクティオ及びシュテルン・レジセイアの開放、そしてこの件の首謀者の確保に関する作戦行動のオペレーションを
      行う。現在護衛にはガルムレイド、アンジェルグ、ソウルゲイン、それに危険ではあるがAI1もつけてある」
アオラ「首謀者……ってことは、誰かが今回の事を起こしたの!」
イングラム「半分はそうだ。だが若干意味合いが違う、恐らく今回の件はヴォルクルスがその何者かを操り、だがその者に自我を残すことで自分の仲間
      として使っている。ヴォルクルス自身には俺達を出し抜きゼラドをさらうほどの脳は無い。恐らく、誰かしら有能な人間を操っている」
マリ「でも、首謀者なんてゼラドやペルフェクティオとアインストと比べたら優先順位はだいぶ低いんじゃないの?だってそのどっちかさえ取り返せば
   もう何も出来ないはずでしょ」
ハザリア「ハン!この大バカが。優先順位はその3つとも同等。ただし状況的には恐らくその首謀者が一番用意に確保可能なのだろう?」
イングラム「ああ。ペルフェクティオもシュテルン・レジセイアも強大すぎる力だ。おまけに完全消滅でもさせないとゼラドの支配下から逃れることは
      ない。現状あの両者の完全消滅など不可能だ。それに出来たとしてもそんな事はしない。だからそこの4人。怖い顔をするな」
タカヤ&ミィ&ラッシュ&ラキア「…………」
イングラム「そしてゼラドは別次元に隔離されている。恐らく行けるのは番人やその血族だけだ。そしてそれへの対策は相手も万全だろう。なにしろ
      今回の敵の行動は全てゼラドという因子に頼っているのだからな。そして首謀者だが、どうやらこの地球のそれもこの町にいるのが分った」
レイナ「マジ!」
ヴィレアム「なんでまたそんな!」
ハザリア「おおかた、俺達を人質にしたんだろう?自分とゼラドの両方を番人から守るのは難しい。指示を出す自分はある程度こちらに近い位置にいないと
     いかんしな。だが、うかつな場所に居ては、おおよその場所が特定された時点で終焉の銀河やキャッチ・ザ・サンで、消し飛ばされる。だが
     元来独善的な霊帝やエセ霊帝が自分の身内が居るところのそばで、惑星破壊可能なレベルの広域攻撃はしないだろうと考えた。つまり俺達は
     丁度良い盾といわけか」
ルル「自分もその一人だというのに淡々としていますわね。最近マゾに目覚めつつあるんではありませんの?」
ハザリア「なぜそうなる!」
イングラム「ふ、その判断力。やはり貴様が適任か」
ハザリア「ん?」
イングラム「お前の言ったとおりだ。この作戦ではそういった広域攻撃はつかえん。そもそも使わせんがな。それにそれならわざわざここに作戦司令部
      など作らん。今回ここで行うのは主に、首謀者確保のオペレーションだ。それに、上で戦っている面々と、奪還オペレーションとの
      相互情報交換のための中継や、ゼラド奪還組みへの情報伝達の役目も負う。だが、あいにくとここにさける人員の大半は既に何らかの手段で
      行動不能になっているか、防衛ラインの維持のために離れられなくなっている。バルマーから増援も呼んでいるが、それが到着してから
      作戦を開始しては今日中に首謀者確保は無理だろうな。だから、今回の作戦ではここにいるメンバーで、司令部の運営と首謀者の
      確保を行ってもらう。そしてその司令官にはハザリア、お前がついてもらうぞ」


リトゥ「そんな!」
キャクトラ「無茶です。私のような者はともかく、戦闘訓練を受けたものなどほぼ皆無なんですよ」
イングラム「そうでもない。お前達は個々に高いキャパを持っている。それに、タカヤのように実戦経験のあるものや、イルスのようにガンエデンという
      大物まで持っているものもいる。それに強烈な個性の力がそれぞれに備わっているしな」
トウキ「そうだな。俺達はそれぞれ足と」
ミナト「腕がある」
レイナ「鞭なら任せてよね」
ミィ「えぐりますの」
ハザリア「ふん、分っているではないか。いいだろう、このハザリアが貴様らを導き、必ずや勝利の栄光を掴ませてくれよう!」
アーク「俺の不死身っぷりも負けねぞ」
イングラム「悪いがアーク。それは無しだ」
アーク「え?」
イングラム「お前の不死性はゼラドの因果律制御に依存している。おそらく、一時期激しい破壊を受け続けたお前を気遣ったゼラドが
      因果律を捻じ曲げて、お前に死にづらいという特性を授けたんだろう。今のお前はゲームに強いだけのただのガキだ」
アーク「うわ!ここでなぜ戦力外通告!」
咲美「兄さん……まあ、不本意だけど私の怪力は健在でしょ」
イングラム「ああ。他の面々の力は健在だ。そこで、これからメンバーを分ける。まず司令部には司令官としてハザリアを筆頭にその補佐に交友関係の
      と能力から考えてマリとリトゥを配置。それに周囲にルナ、ルルのバルマー両名についてもらう。最後にユウカはいざと言うときの抑止役だ」
マリ「まあ依存は無い」
リトゥ「えっと、ハザリア君、よろしく」
ルナ「仕方ないの」
ルル「まあお兄様のアシスタントもたまにはいいでしょう」
ユウカ「だが私の抑止とは何事だ。このナードな男を蹴飛ばしてでも止めればいいのか?」
イングラム「そう思ってもらって構わん。他のものには作戦に集中してもらうからな、遠慮なく後ろから後頭部をぶちかます要員が必要だ」
ハザリア「な!なんでそんな妙な役の奴まで置くんだよ!おい背後霊、人の話を聞け!」
イングラム「それにゼフィアとレモンにオブサーバーとして、そしてスレイチェルには宇宙軍との通信役についてもらう。レーツェルと言う身内がクロガネに
      いて宇宙で指揮官をしている現状を活用させてもらう。更に、クリハ、ルサイケ、アオラ、ラッシュ、ラキア、シュウヤ、クリス、レタス、マキネ。
      お前達は情報処理を担当してもらう。あと茶坊主にアーク」
ゼフィア「承知した」
レモン「ま、やるしかないんでしょ」
スレイチェル「コネは最大活用。飲食店の経営と同じことだ」
クリハ「どうでもいいけど、情報処理係って戦力外通告よね」
ラッシュ「まあ、実際インドア派の俺達に戦闘は」
アオラ「まあ、仕方ないよね」
クリス「まあ頭脳労働の方がむいているってことですし」
アーク「ちょ……茶坊主って」



イングラム「次に首謀者の確保だが、戦闘員としてトウキ、ミナト、アイミ、キャクトラ、ラン、真龍。戦術的レベルの要員としてタカヤとイルス。
      それに個々に何かしら出来そうなメンバーとしてレイナ、アルフィミィ。そして後方支援にレラとそのサポートの咲美だ」
ミナト「よっしゃ腕が鳴るぜ!」
アイミ「ミナト、その、よろしく頼むわよ」
クリハ「トウキ君、しっかりね」
トウキ「ああ、必ず帰ってくるさ」
ミナト「こんな時までラブ時空を(怒)」
真龍「できればハミングバード全員で司令部が良かったけど」
アオラ「それはしょうがないよ」
ラン「キャクトラちゃん、ルナちゃんにいいところみせるチャンスよ」
キャクトラ「はい!……いや、私はあくまで任務として」
タカヤ「先輩、よろしくお願いします」
イルス「ハハハ、うんまかせて」
レイナ「まあ、鞭なんてのは変則要員になるのかしら?」
ミィ「刀じゃだめですの?」
レラ「咲美……サポート……おねが…」
咲美「まかせてよね。こっちは体力だけはあるから」
イングラム「で、次にだが」
アーク「あの、悪いんすけど、俺もそっちについていいっすか?」
咲美「兄さん!?」
イングラム「悪いが、お前の能力ではこちらで役には立たんぞ」
アーク「それでも、かっこ悪いじゃないっすか、従妹の咲美がそっちで、俺が茶坊主じゃ」
イングラム「しかしだな」
シュウヤ「では私もそちらにつきましょう。アークのサポートくらいなら出来ますよ」
クリス「なんでシュウヤが!」
イングラム「そういって名乗り出るからには、何かしら戦闘ができると?」
シュウヤ「レイナさんの電気鞭とは違いますが、私も一応母親仕込の鞭使いですからね。その気になれば、防弾チョッキごと相手を引き裂けますよ」
イングラム「戦力としては十分だな。だが、アークの参加は……」
シュウヤ「ではアークがそちら側に行かないと私も行かないというのはどうですか?」
イングラム「……そう来たか。仕方ない、アークとシュウヤもそっちだ」
シュウヤ「どうも」
アーク「おい、どういう風の吹き回しだよ」
シュウヤ「いつもゲームで負けていますし、こういうときくらいは優越感を浸りたいものですよ」
咲美「それより兄さん、わかってるの!今までみたいにグチャグチャにされても平気とかそんな事は無くて、実際にやられたら死ぬのよ!」
アーク「そんなのお前らもだろ。それにさ、俺だって意地くらいあるってとこ、たまには見せてもいいだろ」
咲美「でも……」
レラ「……大丈夫……アーク……死なない」
咲美「レラ?」
レラ「私達が……守るも……」
咲美「そうね。そうよね!情けない兄さんだけど、だったら私達で守ればいいだけよね!」
アーク「(エヴァのパクリって言ったら、ぜったい怒られるからやめとこ)」


イングラム「さて中断されていたが、最後に誰が呼ばれるか分っているな」
ヴィレアム「俺ですね」
レイナ「ヴィレアムは、いったいどこに配置されるんですか?」
イングラム「ヴィレアムは俺達と一緒にゼラドの奪還に回ってもらう」
ヴィレアム「え……」
イングラム「ガイスト、不満そうな顔をしているな」
ガイスト「そりゃそうですよ……なんでヴィレアムさんまで」
イングラム「向こうはクォヴレーやグレちゃんそれにギリアムやヴィレッタは時空を越えるものとしてゼラドを奪還しに来る戦力に数えている。
      つまり、この4人では奪還不可能なようにできているはずだ。ならその相手の予測を超えるしかない。だが、そう都合よく普段の
      自分達を越える力など出せない。ならどうするか。簡単だ、よそから戦力を集めてくればいい」
レイナ「あのガイストとか言って、誰と話しているのか分らないんですけど、だからってなんでヴィレアムなんですか」
イングラム「能力があるからだ。他に理由は無い」
クォヴレー「今回はこいつの力も必要なんだ。ゼラドを助けるために」
レイナ「でも、こっちなんかとは比べ物にならないくらい危険なんじゃ!」
ヴィレアム「レイナ、それはクォヴレーさんたちも同じことだし、それに一番いま辛い目にあってるのはゼラドだ。だから、ゼラドの友達として
      行かせてくれ」
レイナ「だったら、あんただって友達じゃない!その友達が危険なところに行くのよ!心配くらいするわよ!」
ヴィレアム「心配か……レイナに心配されてちゃ俺もまだまだだな。じゃあ約束だ。必ず帰ってくる」
レイナ「口だけの約束じゃ当てにならないわよ」
ヴィレアム「分ったよ。だったら、俺のどうしても見られたくないものが俺の机の二番目の引き出しの中にある。帰ってこなかったらそいつをばら撒けばいい。
      俺は恥をかいたまま、それに対して言い訳も何も出来ずに死ぬことになる。そんなのはゴメンだ。これならどうだ?」
レイナ「わかったわよ」
クォヴレー「覚悟はいいんだな」
ヴィレアム「覚悟も何も、俺は大事な仲間を助けることを躊躇するような男じゃありません」
クォヴレー「なら、今回は共に肩を並べて戦う仲間として、お互い生き残るぞ」
ヴィレアム「はい!」
イングラム「ではこれで、ここにいる全員の役目は決まったな。それじゃあ作戦開始だ」


AM10:20

ハザリア「フハハハハ、では俺の指揮の下作戦を開始する」
マリ「ユウカ、一発けりを入れてやれ」
ユウカ「ノンノン、今からそれだとハウメニィ、何度になるかわからないよ」
リトゥ「クォヴレーさんとヴィレアム君、二人とも転移しました。通信回線を維持しています」
ルナ「オペレート機能の大半は既に動作確認済みだ、問題ない」
ルル「首謀者の確保部隊、ガンエデンで目的地に向けて出撃しました。でも、いいのですか?あんな目立つ方法で」
ハザリア「ふん!どうせコソコソ動き回っても察知される。わざわざ俺達という広域破壊攻撃への盾を用意したなら、物量作戦や浸透作戦への対策も
     とってあるはずだ。だったら多少派手でも、もっとも素早い手段で目的地まで向かわせるほうがマシと言うものだ。敵もさすがにガンエデン
     が真っ直ぐ突っ込んでくるとは思っていまい」
レモン「でも、ガンエデンに乗せられて強引に運ばれたら、彼ら相当参ってるでしょうね」
アーク『分ってるなら先に言え!ウップ……』
咲美『ああ!レラがどんどん真っ青に!』
ハザリア「どうせ堪えているのは二人だけだろう。このままのペースならあと1分で到着だ。そんなくだらん事に通信を使うな」
スレイチェル「宇宙で防衛に当っている軍から通信。この付近で奇妙なエネルギー反応を観測したとの事だヴィルベル」
ゼフィア「照合をかける。情報処理係も手伝ってくれ」
クリハ「まあそのために居るんだしね」
レタス「頭脳労働なら得意ですし」
キャクトラ『こちら首謀者確保部隊。そっちで何か観測していませんか?』
ハザリア「妙なエネルギー反応は観測したが、どうした」
トウキ『目的地の周囲が楕円形のフィールドに覆われてるんだよ』
ゼフィア「照合終わったぞ!ペルフェクティオが以前南極に展開したバリアと波長が酷似。ただしこの形質から単純な広域バリアのようだ」
ハザリア「くっ!破れそうか」
シュウヤ『今、イルス先輩とタカヤがフォロー・ザ・サンとボルテッカで攻撃していますが、歯が立ちません』
レモン「どうやら、典型的な相手の攻撃をエネルギー出力で反発して防ぐエネルギーフィールドじゃなくて、戦車の表面硬化装甲みたいなもののようね。
    それも戦車のそれが正面からの弾丸を砕き、斜めからの弾丸を逸らすのに対して、あらゆる方向からの攻撃を全て逸らしてしまっているわ」
ハザリア「つまりどうすればいい?」
ゼフィア「一転集中の極所攻撃ならあるいは……。だが、どれだけ破壊力を一点に絞り込めばいいかは計算しなければまだ分らん。それにそんな一点集中
     型の武装で、かつ強力なバリアを破れるものとなると」
ハザリア「とにかく考えろ。グダグダ言っている間に世界が滅びかねんのだぞ!」


AM10:30
ガイスト「イングラムさん。どうしても聞きたいことがあるんですけど」
ヴィレアム「ガイストさん?」
イングラム「何だ」
ガイスト「いくらあの学校の人たちが個性的な力があるにしても、まともな戦闘訓練も受けていない状態でアレだけの人数を実践投入するなんて
     常軌を逸しています。それに、特務部隊でも向かわせればいいじゃないですか」
イングラム「それは首謀者を発見した4時間前の時点で行っていた。だが、首謀者はなかなか厄介な精神汚染を使ってきた。近づいた特務部隊の
      精鋭達が自分の手足すら信じられないほどの疑心暗鬼に駆られほぼ全滅した」
ヴィレアム「そんな!そんなところに皆を行かせたんですか!」
イングラム「話には続きがある。その中で精神汚染の影響をあまり受けないものが居た。不良から自衛官になり、そこから選抜されたような変り種でな。
      ナツメとか言ったか?まあそいつは精神汚染の影響が弱かったので、動けなくなった仲間を引きずってどうにか帰還したのだが、そこから
      急遽そいつの事を調べたところ、どうやら親類がかつての戦いに参加した者の多くにその精神汚染を防ぐ因子がある事が分った。それを持った
      者を第2世代と仮に呼ぶことにした。そして学校に集めた者は全員その第2世代だ」
ヴィレアム「第2世代。じゃあオペレーション・SGって言うのは」
イングラム「オペレーション・セカンドジェネレーション。第2世代のみに可能なミッションだ。当初はお前達はシェルターにでも突っ込んでおく
      予定だったが、こうなっては仕方ないだろう」
ヴィレアム「じゃあ、なんでその事をみんなに話さなかったんですか」
イングラム「第2世代は戦闘に特化した因子を多く持つものが多い。かつてバルマーが求めた兵器としての地球人の理想形の一つといってもいい。
      お前達の親が命を賭し、平和な時代を次代の若者に与えるために戦った結果が、その戦うための力だ。お前達はもし何かあれば最強の
      兵になれるだろうな。で、そういわれて貴様はいい気がするか?いい気分になるか?俺はならんぞ。この平和な時を生きるべきお前達に
      与えられた物が戦うための力などという事はな」
ヴィレアム「はい……」
イングラム「お前は俺達との関わりも深く、いずれ番人のような者になる事を望んでいるから話したが、他のものには言わないほうがいい」
クォヴレー「だが、今回はお前達の力が必要だ。だから、適当な理由をつけて学校に召集をかけたというわけだ」
ディストラ「ガイストさんも、そんな怒らないでください。私達だって本当はこんな事したくありませんが、世界を滅ぼされるわけにはいきませんから」
ガイスト「それは分りました……ですが、なんでヴィレアムさんは今こんな機体に乗ってるんですか!」
ヴィレアム「ツヴァイザーゲインのレプリカ……まあ見た目はヒーローっぽくないけど、ガイストさんもそんな気にせず気にせず」
ガイスト「気にしますよ。私はこの姿でわかめ頭にこき使われて……あげくギリアムに『さらば、わが半身よ』とか言って捨てられたんですから」
イングラム「仕方ないだろう。ゼラドのいる時空までの道を開くために先行したグレちゃん、ギリアム、ヴィレッタの3人はそれぞれ悪魔王アストラナガン
      何回目の改造か分らないくらいマイナーチェーンしたゲシュペンストRV、わざわざズフィルードクリスタルを取り寄せて作った
      R-GUNリヴァーレと、かなりのメンバーなのに、倉庫の奥に放置されているゲシュペンストRで戦うと言うのか?無理だろう」
ガイスト「それはそうですが……」
ヴィレアム「ガイストさん、今回は仕方ないよ。それに、ガイストさんはこの気体に慣れてるはずだし」
ガイスト「ふぅ……しょうがありませんね。いつも嫌がらせに……緑ワカメだけが自分の撃った投下型マップ兵器が当るように小細工したりと
     だいぶこの機体は使い慣れていますし」
クォヴレー「無駄話はそのへんにしろ。そろそろまた次元を超えるぞ」
イングラム「何階層も次元を捻じ曲げて隔絶宇宙を作るなどと随分と用意周到だが、その程度の障害など何度も破ってきたということを見せてやろう」
ヴィレアム「待っていてくれ……ゼラド」


分割投下型の長編SSは未完に終わるって言うこのスレのジンクスを打ち破りたかったんですが
まあ、確かにちょっとやる事が特殊すぎましたね。配慮も足りませんでした。
じゃあ、まとめて投下って事で。
あと、題を付けろって事なので、名前をテキトーに変えました。

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最終更新:2009年10月17日 12:58
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