27代目スレ 2008/12/31(水)
【草原】
ゼラド「ヴィレアムくん、ヴィレアムくん!」ユサユサ
ヴィレアム「ん? ここは」
ゼラド「どうしちゃったんだろ。
わたしたち、なんでこんなところに」
ガサガサッ
ゼラド「え、なに!?」
ヴィレアム「下がれっ!」
バッ
ミナト「せやぁっ!」
ヴィレアム「ミナト、いったいどういうことだ!?」
ミナト「カラテの奥義を見せてやる!」
ヴィレアム「なっ!?」
スッ
マリ「なに斬るかわかんないよ。見えないんだからさ」
ズバッ
ヴィレアム「うわっ! あっ! 斬られ・・・・・・、
え、斬れてない?」
パァーン! パァーン! パァーン!
イングレッタ「動かないで。照準が定まらないわ」
ヴィレアム「若い母さんまで! いったい」
ミナト「エルフは脱がぁーす!」
ズシャッ
ヴィレアム「待てよ、空手家、女優、ミリタリー少女、この組み合わせ!
ミナト! これはまさか、
今年2月26日を最後に休刊された『月刊電撃コミックガオ!』で、
かつて連載されていた『エルフを狩るモノたち』となにか関係があるのか!?」
ミナト「休刊記念に『エルフを狩るモノたちリターンズ』を掲載した
『月刊電撃コミックガオ!』と関係あるかどうかわからねえが、
どういうわけか俺はエルフを脱がさなくちゃいけないっていう使命感に突き動かされてるんだ!」
ヴィレアム「俺の目の前で、そんなことさせると思うのか!」
ミナト「は、お前の目の前?」
ゼラド「ヴィレアムくん、耳、耳」
ちょんちょん
ヴィレアム「なんで俺の耳がとんがってるんだっ!?」
イングレッタ「そういえばあなたの父親、長命種とかいう死に設定があったじゃない」
ヴィレアム「死に設定とかいわないでくれ!」
ミナト「そういうわけだヴィレアム。
正直気は進まねえが、お前を脱がす!」
ヴィレアム「脱がされてたまるか!」
ビシッ! ビシッ! ビシッ!
ミナト「諦めろヴィレアム! 格闘戦に持ち込んだ時点で、もうお前に勝ち目はねえ!
加えて、いまの俺には珍しく女の子が二人も付いてる!」
マリ「おー、強い強い。がんばれー」
イングレッタ「ふぁーいと」
ヴィレアム「ミナト、うしろ見てみろ。
おそろしく冷めた声援飛ばしてるひとたちがいるぞ」
ミナト「見てたまるか! 現実なんか!」
ヴィレアム「くっ、なんて力強く現実から目を逸らすヤツなんだ!」
ビリィッ!
ヴィレアム「くぅっ」
ミナト「次は下半身だな」
ゼラド「待って! ヴィレアムくんの背中に!」
ヴィレアム「なんだ、なにがあるんだ!」
ゼラド「呪文?
54875873536゙ 16777216 16777216 78310985281 852891037441・・・・・・?」
ミナト「読めるのか!?」
ゼラド「11019960576゙ 11688200277601 7984925229121 53459728531456!」
【新幹線】
どさっ
ヴィレアム「うぅ、いったい、どうなってるんだ?」
ゼラド「わかんない。ヴィレアムくんの背中に浮かんでる呪文を読んだら」
ヴィレアム「呪文? 呪文が書いてあるのか?」
ゼラド「ううん、文字じゃなくて、なにかの模様みたいなんだけど。
わたし、なんで読めるんだろ?」
ゼラド「ここは、新幹線の中?」
イングレッタ「今年11月30日、足かけ44年にもわたって運用されてきた
0系新幹線車両が旅客運転を終了したわ」
ヴィレアム「若い母さん、なぜ0系新幹線に詳しいんだ」
イングレッタ「いうなれば、多重内的宇宙」
ゼラド「多重?」
イングレッタ「そう、今年に起こった中で各人の印象に強く残った出来事が世界を作り、
しかも複数重なり合っているのよ」
ヴィレアム「じゃあ、さっきの『エルフを狩るモノたち』世界は、
『月刊電撃コミックガオ!』の休刊が残念でならなかったミナトの深層心理から作られたってことか」
イングレッタ「そしてここは、0系新幹線の引退に
涙を禁じ得なかったわたしが作り上げた世界」
ヴィレアム「若い母さん、0系新幹線にどんな思い出を持っていたんだ」
イングレッタ「そして、この事態を引き起こした呪文は複数に分解されて、
何人かの肌の上にプリントされているはずよ」
ヴィレアム「そのひとりが、俺だったっていうことか」
ゼラド「でも、なんでわたしに呪文が読めるの?」
イングレッタ「呪文が複数人にわかれたように、解読法はあなたに貼り付いた、そういうことでしょう」
ぐにゃ~
ヴィレアム「なんだ? まわりの景色が!」
イングレッタ「呪文の破片を集めるのよ、そして、世界をあるべき姿に」
【桜の木の下】
ヴィレアム「うぅ・・・・・・、ここは?」
ゼラド「見て、もの凄く大きな桜の木」
ザッ
???「いつからだろう」
???「この世界が組み上げられ始めたのは」
ヴィレアム「誰だッ!?」
タカヤ「未知なる開拓地の歴史」
レタス「様々な世界が」
タカヤ「あらゆる人が」
レタス「そして時すらも混じり合う」
タカヤ「ここが、無限のフロンティア!」
ゼラド「うわ、レタスちゃん、ガンマンみたいでカッコいい!」
ヴィレアム「なぜだ! タカヤ、なぜまたそのコスチュームを身に纏ってしまった!?
5月29日に発売され、せいぜいSFCクォリティなマップ画面と、
まったく自重しない森住節が炸裂した『無限のフロンティア』!
そのヒロイン、楠舞神夜の、もはや服と呼んでいいのかどうか自信がなくなってくる
股下1センチのコスチュームを、なぜお前が着てしまったんだ!?
ひょっとして気に入ってるのか!?」
タカヤ「気に入ってるわけないだろ!
だからヴィレアム、呪文の破片を回収させてもらうぞ」
レタス「この、とちくるった多重内的宇宙を修復するために!」
タカヤ「そしてなんか穿くために!」
ヴィレアム「べつに、普通になんか穿けよ」
タカヤ「元気よく行くぞ、ちょいなぁっ!」
レタス「そこっ、ハイロー・ドロウ! テキサス・ホールデム!」
ズバッズバッ! バンバンバンッ!
ヴィレアム「待て、こっちには呪文を解読できる人間が!」
タカヤ「徹砲!」
レタス「ラスト・ショウダウン、でしてよ」
ズシャァッ
ゼラド「ヴィレアムくん!」
ヴィレアム「うぅ、なんてことだ」
ゼラド「うん」
ヴィレアム「脱がせるまでもなく、タカヤのナマ足にくっきり呪文が浮き上がってるじゃないか!」
ゼラド「えぇっと、
54875873536゛ 16777216 377801998336 852891037441・・・・・・?」
【花畑牧場】
マーズ「生キャラメルはどーだい」
レイナ「朝バナナダイエットを試してみる?」
スレイチェル「それとも、スレイチェルとザギンのH&Mに行くか」
ゼラド「えっと、呪文の破片は?」
スレイチェル「そこのナマ足に書いてあるものではないのか?」
マーズ「ナマ足っちゅーか、ロボ足ね」
ゼラド「ふふっ」
ヴィレアム「どうしたんだ?」
ゼラド「思い出しちゃって。
タカヤくんがあの格好していたとき、ヴィレアムくんがいったこと」
ヴィレアム「え」
ゼラド「あのとき、ヴィレアムくんいってくれたよね。
『おれに・・・・・・」
ぐにゃ~
【北京国家体育場】
レラ「五星紅旗迎風飄揚 勝利歌聲多麼響亮~♪」
ゼラド「ここって、オリンピックの開会式会場?」
ヴィレアム「8月8日、当日の天候が心配されてたけど
開催国が空にロケット撃ちまくって天候操作した結果、
無事開催に漕ぎ着けたと主張して譲らない北京オリンピックの開会式会場か」
レラ「歌唱我們親愛的祖國 從今走向繁榮富強~♪」
ゼラド「この歌声、レラちゃんが歌ってるの?」
ヴィレアム「いや、これほどの声量、これほどの時間、レラが続けられるはずがない。
そこだ!」
ズシャッ
ガサッ
キャクトラ「さすがだ友よ、私という伏兵の存在に気付くとはな」
ヴィレアム「『微笑の天使』と呼ばれた9歳の女の子の歌声がクチパクで、
実際に歌ってたのは政府の公式見解においてビジュアルが若干劣るとされた
7歳の少女だったっていうトンデモニュースくらい、覚えてるさ!」
キャクトラ「そこまでわかっているなら話は早い」
レラ「・・・・・・」
キャクトラ「呪文の破片を回収させて貰うぞ、とレラどのも宣言なさっている!」
ヴィレアム「待てよ! こうやって、呪文の破片を奪い合ってなんになるっていうんだ!」
キャクトラ「持っているのは、友の方だな」
ヴィレアム「お前たちは」
キャクトラ「さあ、どちらだろうな」
ヴィレアム「なるほど、そういうことか!」
びりいぃぃぃぃぃっ!
ヴィレアム「悪く思うな。時間をかければ、この多重内的宇宙は広がっていく一方なんだ」
キャクトラ「・・・・・・なぜ、私を脱がせた」
ヴィレアム「呪文の破片を持ってるのがレラだったら、お前はレラをこの場に出してない。
お前はそういうやつだ」
キャクトラ「喜ばしいぞ、友よ」バタッ
【理容室】
ユウカ「No place like London♪
There's a hole in the world Like a great black pit~♪」
しゃこしゃこしゃこしゃこ
ヴィレアム「ん?」
ユウカ「痒いとこはある?」
ゼラド「えっと」
ユウカ「いらっしゃいませ、そしてグッバイ・フォーエヴァー」
ばたーん!
【地下】
ゼラド「うぅ、いきなり椅子がひっくり返って」
ヴィレアム「1月19日に公開され、そのあまりの凶暴なユーモアと流血で、
『パイレーツ・オブ・カリビアン』からジョニデに入った女性ファンをどん引きさせた
『スィーニー・トッド』、フリート街の悪魔の理髪師か!」
???「フリート街? 違うな」
ハザリア「なにをそう、マジになっておるのだ?」
ヴィレアム「お前ッ!」
ハザリア「おなじこと、おなじことだ。
檻の内側も外側も等しくアサイラム。
なぁに、鍵などあってないようなもの。
アーカムの回転ドアはいつでも出入り自由だ。
貴様の席は常に用意されているとも。
よぉーこそゴッサムへ!
ここは狭っくるしい精神病院、もしくはただっぴろい精神病棟!
サイコ野郎とコウモリ野郎の社交場バンザイだ!」
ヴィレアム「ジョーカー!
8月9日に公開され、ヒース・レジャーの演技が高く評価されてなんかいろいろ賞取った、
『ダークナイト』気取りか!」
ハザリア「ヒース? ヒース? ヒィィィィィィース?
気に食わんな。
フランク・ミラーがいやがってスタッフから抜けるはずだ。
コミックからギャグを引っこ抜いてなんとする!
バットマンはもっと安っぽくバカバカしいものだ。
ジャック・ニコルソンのジョーカーは最高だった、体型以外はな」
ヴィレアム「くそっ、ムダに長いバレルしたリボルバーがそんなに好きか!」
ハザリア「闇夜に悪魔と踊ったことはあるか?」
ゼラド「待って」
ハザリア「ム?」
ゼラド「おかしい、なにかおかしいよ?
どうしてみんな、まずヴィレアムくんを狙うの?
呪文のカケラを持ってるっていう条件は、ヴィレアムくんもタカヤくんもキャクトラくんもおなじだったはず。
解読法を知っているっていう点では、わたしの方がレアなはず。
なのに、どうしてレアな方には見向きもせずにヴィレアムくんに襲いかかるの?」
ヴィレアム「それは、みんな解読法の存在を知らなかったから」
ゼラド「嘘だッ!」
ザザ...
ヴィレアム「なにが」
ゼラド「だって、読めもしないものがどうして呪文だってわかるの? わかるの?
みんなは、知ってた、この模様の正体が呪文だって!」
ヴィレアム「やめろ!」
ゼラド「そうだよ、なんであのとき、気が付かなかったんだろう。
あのとき、『ゼラド』にヴィレアムくんのいったことが理解できたはずないのに。
なんでもっと早く気が付かなかったんだろう」
ハザリア「よせ! この謎を解いても、誰も幸せにはならん!」
ヴィレアム「こんなときに今年10月4日に公開された『容疑者Xの献身』を混ぜるな!」
ゼラド「誰も、わたしを『ゼラド』って呼んでないじゃない!」
ゴオォォォォォォォォォォォー!
ゼラド「そうだ、わたしは」
バチバチバチーッ!
テラゼラド『テラゼラド!』
ゴオォォォォォォォォォォォー!
ハザリア「チッ、しくじったな。
どうも記憶を失っているようだったから、
この多重内的宇宙を作り出した本人に修復させるはずが!」
ヴィレアム「やっぱり、こんな方法よくなかったんだよ。
きちんと話をするべきだったんだ!」
ハザリア「たわけ! 相手を誰だと思っている。
8次元のねじれた宇宙に潜む怪物だぞ!
貴様は、2次元に話しかけられて聞く耳を持つのか!」
ヴィレアム「2次元が話しかけてきたらびっくりするから、一応は聞くと思うぞ」
ハザリア「こちらとおなじ価値観を持ち合わせていると思うな!」
ヴィレアム「8次元だろうが16次元だろうが、あれもゼラドだろ!」
ハザリア「あれは面白半分にバランガの姿をしているだけだ!」
ヴィレアム「ここまで一緒にいたんだぞ。それくらいわかるさ!」
ハザリア「語るではないか、
ヴィレアム・イェーガー」
ヴィレアム「彼女と、話す」
ハザリア「愛くるしいぞ、貴様。口づけをしてやろうか、ええ?」
ヴィレアム「冗談いってる場合か」
バチバチバチバチバチバチーッ!
ハザリア「時空の歪みが加速度的に進んでおる。
試すことがあるなら、さっさとやれ。
ダメそうなら、現存するディーン・レヴをすべてブチ込む」
ゴオォォォォォォォォォォォー!
テラゼラド『こないで!』
ヴィレアム「話を聞いてくれ!」
テラゼラド『せいぜい4次元の世界でじたばたしてるあなたたちに、
8次元のねじれた宇宙を漂うわたしのいうことなんかわかるはずない!』
ヴィレアム「じたばたしてる内容なんて、どうせ似たようなものだろう!」
テラゼラド『見くびるな、低次元なウジムシめ!』
ゴウッ!
ヴィレアム「寂しかったんだな、羨んでいたんだな。それで、俺たちを眺めていたんだな!」
テラゼラド『違う、違う違う! そんなんじゃない!』
ヴィレアム「あのときの俺の言葉が、なにか関係しているのか!」
テラゼラド『うぬぼれないで!』
ヴィレアム「君は、8次元のゼラドというより8次元の俺なのかも知れない!
君は、8次元の俺を探すべきなんだ!
8次元のヴィレアム・イェーガーは、絶対に8次元の
ゼラド・バランガが大好きなはずだから!」
テラゼラド『あなたにそんなことがいえた義理なの!」
ヴィレアム「約束する、約束するから!
俺も頑張るから! 俺も、きっとゼラドを射止めてみせる!」
テラゼラド『だったら手始めに、わたしからゼラドを救ってみなさい!』
ヴィレアム「やってやる、やってやるさ!
俺は『ゼラドを狩るモノ』だ!」
ダッ
ヴィレアム「ゼラドは脱がぁーっす!!」
ビリィ――――――――ッ!
ゼラド「え」
ヴィレアム「ゼラド!」
ゼラド「なんで、わたし、脱げて?」
ヴィレアム「いぃ!?」
ゼラド「ヴィレアムくんの、ばかぁーっ!」
ぱしーんっ!
【12月31日 OG町内の寺】
ごぉ~ん ごぉ~ん ごぉ~ん
ハザリア「除夜の鐘が鳴る、か」
ヴィレアム「あぁ、俺は俺は俺は、なんてこと・・・・・・」
マリ「結局、しょっぱなの『エルフを狩るモノたち』世界は
ミナトの内的宇宙じゃなかったっていうことか?」
ミナト「おかしいとは思ったんだよなあ。
俺、『月刊電撃コミックガオ!』なんてたまに立ち読みする程度だったし、
なんか最近見ねえなあって思ってたら休刊してたってくらいの思い入れしかないし」
ハザリア「つまり貴様の深層心理には、
自らがエルフになって脱がされたいという歪んだ願望があるということか」
ヴィレアム「深層心理のことで文句付けられたって困るよ!」
ミナト「いやぁ、エルフはないわ」
ハザリア「しかも自ら脱がされたいとは」
イングレッタ「とんだド変態ね」
ヴィレアム「なんなんだよ、もう!
毎年毎年、年が明けるたびに強くなる『もうダメかも』感!」
ハザリア「12月21日にM-1を取ったNON STYLEは、いまいちブレイクしそうもないな」
マリ「オードリーに期待だな」
ミナト「俺はザ・パンチを見捨てねえぜ!」
イングレッタ「そんなことよりアッキーナーはいつごろスキャンダルを起こすかよ」
ヴィレアム「なんの話してるんだよ!」
ゼラド「あ、ヴィレアムくん、こんなとこにいた!」
ヴィレアム「は、はひっ!」
ゼラド「除夜の鐘突きに行くよ!
ヴィレアムくんエッチだから、煩悩払わないと!」
ヴィレアム「あ、あぁ・・・・・・」
ごぉ~ん ごぉ~ん ごぉ~ん
ディストラ「んっ、よいしょっ、と。
あ、ご主人様、除夜の鐘が鳴ってますよ。
よかったですね、年明けに間に合って!」
クォヴレー「時空に妙な残滓があるな。
どうやら、俺たちがいない間になにかあったらしい」
ディストラ「え、ちょっと待ってくださいよ、私、まだなにもしてませんよ?」
イングラム『しなくていいよ、もう解決済みみたいだから』
ディストラ「え、えぇと、わかりました!
じゃ、ちょっと見ててください! いまからここでパンツ脱ぎますから!」
クォヴレー「除夜の鐘を叩きに行くぞ」
ディストラ「えぇっと、新年あけましておめでとうございまぁ~す!」
最終更新:2009年10月17日 12:59