30代目スレ 2009/09/30(水)
【
OG学園 校門】
ラン「ふぅ、なんやセンセに呼ばれて来たけども、なんの用やろ。
またハザリア坊がなんかやらかしたんかなぁ」
ゼフィア「ンもォ! ダメじゃない、ランちゃん!」
ラン「は、ランちゃん? どないしてん、ゼフィアちゃん、急に」
ゼフィア「ガッコに入るときはァ、ちゃんと制服着てないとォ!
ゼフィア、プンプンだぞォ!」
ラン「・・・・・・ゼフィアちゃん、ほんまどないしてん。なんか不幸なことでもあったん?」
ゼフィア「ホラホラぁ、早く制服着てェ~」
ラン「あっ、やめっ、ちょっと待ち、離しッ!」
ビシッ
ラン(なんや? 鉄球が、1ミリ隔ててゼフィアちゃんに届いてへん?
バリアー? でもなんでゼフィアちゃんがそないなモン)
ゼフィア「ンもォ! ランちゃんたらヤッバーン!」
ラン(そして、ゼフィアちゃんのこの有様はいったいどういうことなん?)
ゼフィア「モンクがあるなら、スパロボバトルで勝負するのよォ!」
ラン「は?」
【職員室】
ラミア「よく来てくれた、
ラン・ドバン」
ルアフ「具体的にいうと、
黒一色に襟元に白いラインが2本入ったきりで、それだけにエンジ色スカーフが映える、
若干古いデザインのセーラー服を着ての参上、三つ指突いてお出迎えするよ」
ヒューゴ「年齢的にギリギリなのに、よく着てくれた」
アクア「大丈夫よ、いける、まだいけるわ!」
ラン「主にセーラー服着たことについてのお礼になっとるやないですか!」
ルアフ「いやもう、あとは三つ編みでもしてくれたら、思わず『センパイ』って呼びかねないよ」
ラン「これ、どないなっとりますのん!?
なんや、スパロボバトルとかいうゲームで負けたら、着らんではおれんような気分になって!」
ラミア「そう、まさに話はそのことなのだ」
ルアフ「スパロボバトルのことは知ってるね?」
ラン「はぁ、なんや、軍の指揮官養成用シミュレーターをゲーム用に改造したやつですやろ?
道ばたで小学生の子らがやっとるの、よう見かけますわ」
ラミア「そのスパロボバトルが、現在このOG学園で大流行している」
ルアフ「しかも、通常のスパロボバトルとはちょっと違うんだ」
ヒューゴ「プレーヤーがコスト15の枠内でユニットを組んで対戦するっていう点はおんなじなんだけどな」
アクア「敗者は軽い洗脳状態になって、勝者に絶対服従してしまうの。
完全に自我を失うわけじゃないし、
たとえば誰かに『死ね』とか『殺せ』っていう命令をしても無効なんだけど」
ラミア「無効どころか、プレーヤーは未知のテクノロジーで厳重に保護されている。
素手、刃物、銃器、あらゆる攻撃はバリアで弾かれてしまう」
ラン「はぁ、そらまた」
ゼフィア「ンもォ、センセーたち、話長ぁ~い!」
ラン「それで、ゼフィアちゃんのこの有り様は、一体どないなってますのん」
ルアフ「さあ、どっかでスパロボバトルに負けたんじゃないの?」
ヒューゴ「今朝にはもうあの状態だった」
アクア「あそこまで人格が変わる例もほかにはないんだけど」
ラミア「あるいは、上連雀の呪いか」
ルアフ「学園はまさにスパロボバトル戦国時代」
ヒューゴ「授業なんて誰も聞きやしないっすよ」
アクア「そのへんでも軽い洗脳状態が働いてるみたいで、
生徒たちはなによりもスパロボバトルを優先してしまうの」
ラミア「武力で無理矢理制圧しようにも、バリアーに阻まれて手が出せない」
ルアフ「生徒たちに言うこと聞かせるためにはスパロボバトルで勝つしかないんだ。
でも、悲しいかな僕はゲームボーイなんて、
ロマンシングとか付いてない『SaGa』シリーズしか知らない!」
ヒューゴ「俺も、『アレサ』シリーズが限界っす!」
アクア「ご免なさい、『ONI』シリーズのシリーズ展開が残念で本当にご免なさい!」
ラミア「私に至っては、『カエルの為に鐘は鳴る』しか知らない」
ラン「全部DSやなくてゲームボーイやし!
ルアフ先生はともかく、
ほかのお三方はもうちょっと最近の携帯ハードに触れてへんとおかしかないですか!?」
ルアフ「僕ら年寄りにスパロボバトルは無理なんだ」
ラミア「そこで、まだ洗脳に侵されておらず、そこそこ脳ミソの若い者を呼んだのだ」
ラン「ちょ、待ってくださいな!
ウチかて、スパロボバトルなんて名前しか知らんかったし、現についさっき負けたばっかやし!」
ゼフィア「ランちゃん、がんば!
ゼフィアが教えてあげるからァ!」
ラミア「この状況をどうにかしないことには、風紀委員長は永遠にあのままだぞ」
ラン「うぅ、それは、凄くイヤや」
ルアフ「じゃ、話は決まったね」
ヒューゴ「スパロボバトル用のBASEは持ってるか?」
アクア「ユニットは通信センターのガチャガチャで買うの。
間違って購買部に行っちゃダメよ?」
ルアフ「そして、私からは強化パーツ『ASH TO ASH』を授けよう」
ラン「やっぱり、少なくともゲームボーイアドバンスは知ってるんやないですか!」
【グラウンド】
ラン「ユニットは、なんやガチャガチャで買うゆうとったけど、通信センターってどこにあるんやろ」
ゼフィア「グラウンドを突っ切った先のォ、微妙に目立たない場所よォ」
ラン「ゼフィアちゃん、あんま喋らんでくれる?」
ズシャッ!
タカヤ「くっ」
克夜「諦めたまえタッちゃん。テッカマン軍団のいない君に勝ち目はない」
マーズ「おれらァー、ユニットの特性知り尽くしてっかんね」
ミスティリカ「さぁ、大人しく体育用具入れ場に入っていなさい」
ドンドンドン!
タカヤ『出せ! ここから出してくれっ!』
マーズ「わりーね、おにーさん。その命令はきけねーよ。
このジョーキョーは明らかにイジョーだよ。
ぜってーバッグにやべーのがいる。
ロボット三原則のこともあっけど、おれぁーおにーさんを傷付けたくねーんだ」
レタス『わたくしをタカヤさんとおなじ場所に幽閉することに、なんの意味があるんですの!?』
マーズ「ん~、メーレーにゃー優先度ってモンがあってさ。
なんか、そこに金髪おねーさんと一緒に閉じこめといたほーが、
おにーさんにとってシアワセなんだって電子頭脳が判断してんの。
モンクはアシモフ先生にゆってよね」
レタス『タカヤさんが血迷って、わたくしを出血させるような行為に及んだらどう責任を取ってくれますの!?』
マーズ「ん~? バリアーあっから、血ぃー出るよーなこたぁーねーと思うよ」
レタス『そういうことではなくて!』
マーズ「ん? ん? よくわかんねーよ」
克夜「子供ロボくん、君にもいまにわかる日が来るよ。
痛みから始まる幸せもあるということをね」
タカヤ『克夜! 子供にしょうもないことを吹き込むな!」
マーズ「三歳にもなってねー身ぃにゃームツカしーハナシだな。
まー、とにかく、コトが終わるまで大人しくしてなって」
レタス『事を終わらされてたまりますか!』
ミスティリカ(ウフフ、善人面した男性が、密閉された暗闇の中でどんな獣性を露わにするか。
その後どんな自己嫌悪に陥るか、
こんなこと考えてメガネ曇らせるわたしって、やっぱり最低な屑ね!)
マーズ「ん~、銀コイン3枚か。
いったい、あと何回ガチャガチャまわしゃービッグボルフォッグおじちゃんが出てくんのかなー」
克夜「取りあえずこれで遠慮する相手はいなくなった。
あとは、スパロボバトルを通じてフラグを立て続けるのみ。
あそこまでヒロインに囲まれておいて逃げ出しエンドなんて半端な真似、僕はやらないよ」
ミスティリカ「さっさと次に行きましょう。次は武道場よ」
ラン「あんたら、なにしとんの」
マーズ「あ、日焼けおねーさんだ」
克夜「そのセーラー服、ギリギリですよ」
ミスティリカ「あぁっ、ゼフィアせんぱぁ~い!」
ゼフィア「ひゃあん! ランちゃん、あの子こわぁ~い!」
ラン「やめてしがみつかんでウチが怖い」
ミスティリカ「イヤだ! これはいったいどういうことなの!?
生真面目な人間が陵辱行為に及んで自己嫌悪に浸る様がメガネ曇るんじゃない!
こんなゼフィア先輩、陵辱されるに値しないわ!」
克夜「めんどくさい変態だなあ、君」
ラン「そこまで驚いとるとこ見ると、あんたがゼフィアちゃんになんかしたんやなさそうやな。
なあ、ゼフィアちゃんを元に戻すために、あんたらも力を貸してくれんか?」
マーズ「ん~、どーしよーか。おれはどっちでもいーよ」
克夜「いけませんよランさん。
僕たちが組んでいるのは、一重にこの異常な状況を打破するためです。
でなければこの変態陵辱メガネと行動を共にするはずはないじゃないですか。
スパロボバトルに採用されているユニットの特性を熟知している僕たちと違って、あなたは武人だ。
ゲームには向いていません」
ラン「たしかに、そうやけど」
ミスティリカ「いいからさっさとやり合いましょうよ。
ランさんには、セーラー服よりもっと素晴らしく陵辱的な服の方が似合うわ」
マーズ「いひひひひひ! ふんじゃー行くか!
ニンゲン傷付ける心配もねーで、ガチのケンカできんだ。
おれにとっちゃーこんな機会はメッタにねーんでねーっ!」
ラン「不憫やいうたら不憫な子や!」
マーズ「いったれ超龍神! 再動! 自爆!」
ラン「なぁっ!?」
マーズ「いひひ! ツトメは果たしたぜ紫雲サン、あとは頼まぁー」
克夜「任せたまえ。天のゼオライマー!
お父さんたちを震え上がらせた力を示せ!」
ミスティリカ「ウフフ、かのアリア・アドヴァンスを陵辱し尽くした『最低勇者レクイエム』!
少し違うとはいえ、なんて最低な勇者の屑っぷりなのかしら!」
ラン(アカン! マーズちゃんの開幕自爆でこっちのHPは撃墜寸前!
しかも控えてるのがゼオライマーやと!
こっちは、初期選択でもらったギル・ギアとシン・オブ・フライデイだけやのに!)
ゼフィア「ランちゃぁん!」
ラン「ゼフィアちゃんは向こうに避難しとり!」
ゼフィア「スパロボバトルはァ、単純なユニット性能で決まるものじゃないのよォ!
相手のAP消費を見極めて攻撃を仕掛けてェ!」
ラン「そうか!」
克夜「天のゼオライマー! メイオウ攻撃!」
ラン「スマン! シン・オブ・フライデイ、アンタを犠牲にする!」
克夜「ムッ!」
ラン「そしてギル・ギア! メガプラズマキャノン、行ったってぇーっ!」
バチッ
克夜「ふふ、さすがだ、ラン・ドバンさん。
僕の中で、『攻略したい年上の御婦人』ランキング3位に位置しているだけのことはある」
ラン「むしろ、上位2名は誰やの」
ミスティリカ「やれやれ、使えない屑どもでしたわ。
しょせん、JはGBAレベル止まり、
WはDS参入のためのテストタイプでしかないってことかしら」
克夜「なにをいってるんだ、売上低いくせに」
マーズ「あんたとこのゴリョーシン、人気ねーぞ」
ラン「それで、あんたは見とるだけか?」
ミスティリカ「ノイズが去るのを待っていただけですよ。
さあ、ランさん。BASEを構えてください。
心ゆくまで、陵辱仕合ましょう!」
※ミスティリカ ユニット※
コスモダイバー
ボスボロット
ボン太くん
パンサー
ドーベック
ラン「コスト1ばっかやないのぉーっ!」
ミスティリカ(あぁ、一枚一枚皮膚を削がれていくようなこの感覚! じれったさ!
こんなことにメガネを曇らせるわたしって、なんて最低の屑なのかしら!)
ラン「試合に勝って勝負で負けた気分でいっぱいや!」
ガンッ! ガンッ!
ラン「タカヤはん、大丈夫か?」
タカヤ「あぁ、ありがとうございます」
レタス「助かりました」
ラン「ウチらはこれから、学園がどないしてこんなんなっとるのか原因を突き止める。
あんたらはどうする?」
タカヤ「ああ、じゃ、俺たちは救助活動に向かいます。
ゲームが下手で学園内で立場なくなってるひとたちが、どこかに隠れてると思うから」
ラン「よし、なんかわかったら、連絡よろしゅう!」
タカヤ「あっ、ちょっと待ってください」
パシッ
タカヤ「強化アイテム『最後の審判者』、父さんの戸棚にあったんです。
きっと役に立つから、持っていってください」
ラン「おおきに」
克夜「これも、持っていってください。
強化パーツ『ヒロイントリオ』。これて、ハーレムの夢を」
ラン「そないな夢をウチにたくして、どないせえっちゅうの」
マーズ「あー、おれぁーなんも渡せねーや。
でも、この借りはいつか返すからよ」
ラン「取りあえず、そこの陵辱フェチが妙なことせんように見張っといてくれる?」
マーズ「あいよ。おれたちだって、学園のヘーワのために戦ったんだ」
【校舎内 廊下】
ラン「せや、タカヤはんがいうとったように、まだ正気を保っとるモンがおるはずや!
校内放送で呼びかければエエ」
ゼフィア「そんな目立つことしたらァ、妨害が入るかもよォ!」
ラン「かめへん、敵をおびき出せて、一石二鳥や! 放送室はどこ!?」
ゼフィア「4階、生徒会室のォ、隣よォ」
ラン「さよか。ルナ姫が健在なら、なんか行動起こしとるはずや。
なんもないっちゅうことは、もう姫さんの身になんかあったってことか。
護衛としても、急がなアカン!」
ラーナ「止まってください」
ランル「生徒会室には近づけさせんちゃ」
咲美「いや、近づけさせてもいいんじゃないかしら」
ランル「生徒会室は、わちらが占拠するちゃ!」
ラーナ「そして、いまこそサッキー咲美さんを生徒会長として擁立します」
咲美「やめて! そんなこと、誰も望んでない!」
ランル「そんなことなか! サッキーしゃんは中等部でバリ尊敬ばされちょおよ!」
ラーナ「まったくの常人でありながら正々堂々とルナ姫に対抗した様は、
まさにギリシア神話のイカロスに例えられています」
咲美「死ぬよね! イカロス、太陽に近づき過ぎて死ぬよね!」
ランル「一部では『蝋翼勇者』と書いてイカロスと読まれてるちゃ!」
咲美「そんな厨二要素いらない!」
ラン「あんたらは、正気なん? ちゃうのん?」
ラーナ「いたって正気です」
ランル「だいたい、地球のガッコなんに異星人が生徒会長やっちょおのはよくなかよ」
ラーナ「中学生に高等部の生徒会長をやらせるのも問題です」
ランル「なにより!
『めだかボックス!』が『バクマン。』的にダメとされちょるバトル方面に行きよった以上、
もはや超人的な生徒会長は不要ちゃ!」
ラーナ「そこいくと、サッキー咲美さんほどの適任者はいません」
咲美「ランさん、助けてぇ~」
ラン「もはや会話は通じんか。やっぱ、スパロボバトルしかないようやな」
ラーナ「お舐めじゃありませんよ。
サッキー咲美さんのSDスピリット指数は一〇〇〇です」
咲美「SDスピリット指数とかないから!」
ランル「さあ、サッキー咲美しゃん。
ウルトラキラーはわちが担当するから、得意のガンキラーでやっちまうちゃ!」
ラーナ「ライダーキラーはわたしにお任せください」
ラン「間違っとるよ! あんたら、ゲーム間違っとるよ!」
ヴィレアム「悪いが、横槍を入れさせていただく!」
ラン「ヴィレアムはん!」
ヴィレアム「俺の前髪が告げている。
ガンダムキラー、ウルトラキラー、ライダーキラー。
それは、俺が倒すべき名前だ!」
咲美「間違いっぱなしじゃない!」
ヴィレアム「ランさん、これを!」
ラン「これは」
ヴィレアム「強化パーツ『果て無き探求心』。いま、そこの女子中学生からスリ取った!」
ラーナ「むか。女子中学生のスカートのポッケになんてことを」
ヴィレアム「闘争心が芽生えたか。なら、来い!」
ラン「スマン、ヴィレアムはん!」
ヴィレアム「生徒会室へ! あいつを止めてくれ!」
【放送室】
ラン「よし、鍵はかかってないようやね」
ガチャ
ユウカ「あなたがいないとイヤイヤっていえるわがまま~♪」
ラン「ユウカ、はん?」
ユウカ「キングジェイダー、変形、ジェイアーク」
ばっしゃぁぁぁああぁぁぁんっ!」
ラン「わぷっ! なんや! いきなし水が!」
ユウカ「変形による地形変化、ビギナー相手には鉄板のテクニックよ」
どしーん!
ラン「なんや、落とし穴? ここ。地下?」
ゼフィア「ひゃうん!」
ラン「ゼフィアちゃん、あんま悲鳴とか出さんといて」
ゼフィア「あわわ、ランちゃんランちゃん、あれぇ~!」
ラン「ルナ姫に、ルル、キャクトラ?
なんやの? なんでこの子らが、冷凍カプセルに入れられとんの?」
ハザリア「おっと、そのカプセルには触れんでもらおう」
ラン「ハザリア坊? まさかあんたが!?」
ハザリア「スパロボバトルのルールによると、人体への攻撃はバリアーで阻まれるとされておる。
いままで実験を重ねてみたが、衣服を破ることなども出来ぬ。
バリアーの有効範囲は、人体表皮から1センチ前後であると推測できる。
すると、その範囲以外のからの攻撃は?
たとえば、相手の足場を破壊するような行為は?
推測は実証された。
貴様が、ナンブたちを閉じこめていた小屋の扉を破壊したことが確信に繋がった。
誉めてつかわそう。貴様は優秀な駒だ」
ラン「姫さんたちをどうする気や!」
ハザリア「どうもせん。この馬鹿げた状況が終わるまで、眠ってもらうだけだ。
邪魔をするようなら、貴様もそこで氷漬けだ」
ゼフィア「ランちゃぁん」
ハザリア「チッ、見るに耐えんな。
そこの気が触れた筋肉ダルマも氷漬けにすれば、あるいは正気に戻るかもしれんぞ」
ラン「それで、あんたはどうする気や。
まさか、一人でスパロボバトルを勝ち残る気か!?」
ハザリア「フハハハハハ! 見くびるな!」
ラン「たしかにあんたはゲームとか得意な子やったけども」
ハザリア「バカらしい。相手のルールで戦わないことは、ゲーム理論の基本だ。
指揮官養成用だ?
兵糧や退路の確保もせず、ただ戦うだけの人間を育成するカリキュラムになんの意味がある。
俺は支配者だ。より、上からものを見ぬといかぬ。
戦術が戦略に勝ることはない。
愚民共を扇動して誘導して確保して、逆らう者は氷漬け、従う者は戦列に加える。
俺のやることはそれだけだ。さて、貴様はどうする」
ラン「ハザリア坊、あんたはたぶん、いま正常な状態やない」
ハザリア「語るな。武しか能のない貴様に、なにが出来る。
混乱を治めるのは、民主主義でもなければ暴力でもない。
有無をいわせぬ、強力な支配者だ。地球の歴史を学べばわかるだろう」
ラン「あんたかて、シヴァー宰相のことは知っとるはずや!」
ハザリア「お祖父さまはやり方を間違えた。
単独で地球人どもに立ち向かうべきではなかったのだ。
もっとも、お祖父さまに生き残る意志はなかったようだがな」
ラン「祖父とおなじ道を歩むか、ハザリア・カイツッ!」
???「それで、お前の使用ユニットはなんだ」
ハザリア「なんだ、貴様、話を聞いていなかったのか?
俺はスパロボバトルなどという現場レベルのシミュレーターなどに付き合わぬ」
マリ「そうか、でも、この場では付き合ってもらうぞ」
ハザリア「貴様ッ!」
マリ「真ゲッター3! ブレンパワード! 水中でこいつを駆逐しろ!」
ばしゃあぁぁぁぁぁんっ!
ハザリア「ぐぅ」
マリ「ランさん、これを」
ラン「強化パーツ『荒ぶる星神』。
わたしにはもう、誰が正しくて間違ってるのかわからない。
学校の外から来た、あなたに判断して欲しい」
【生徒会室】
ゼラド「あっ、ランさん、いらっしゃい」
ラン「ゼラド・・・・・・ちゃん?」
ゼラド「うん、わたしだよ」
ラン「ここは生徒会室や。ルナ姫は、どないしてん」
ゼラド「えっと、ハザリアくんが、安全な場所に移しとくっていうから、任せといたけど」
ラン「あんたは、なんでここにおるん?」
ゼラド「う~んと、隣に放送室もあるし、サーバーなんかもあるし、
学園内の情報握るのに、ここが最適だからかな。
ハザリアくんの受け売りもあるんだけどね」
ラン「学園内にスパロボバトルを流行らせたのは、あんたなんか」
ゼラド「そうだよ」
ラン「いったい、どないして」
ゼラド「えっと、まずレイナに教えて、それからクリハとかアイミちゃんとかルナちゃんとか。
けっこうあっという間に広まったよ。
やっぱり、スパロボバトルって面白いもんね」
ラン「相手を軽く洗脳するようなものやって知っとっても、そないなことをいうんか!」
ゼラド「怖い顔をしないでよランさん。
わたしね、ずっと考えてきたの。
どうしてお兄ちゃんはいつも留守がちなんだろ?
それは、並行世界で争いがなくならないからなんだよ。
なんでみんなケンカするんだろう。なんでどこの世界にも戦争があるんだろう。
ジャンケンかなにかで決めたらいいのに」
ラン「それで、スパロボバトルか」
ゼラド「うん。誰にも怪我させる心配ないし、めいっぱい頭使っての結果なら、みんな納得するでしょ?
みんな、世界中、ううん、並行世界中のみんながこうすればいいと思わない?
スパロボバトルで決めるなら、戦争なんか起こらない。誰も傷つかない。
お兄ちゃんだってずっと家にいる。わたしと一緒にいる。
最高でしょう!?」
ラン「ゼラドちゃん」
ゼラド「ねえ、ランさんはいいひとだよね? 人を傷付けるのなんて、よくないと思うよね?」
ラン「せやな」
ゼラド「じゃあ、わたしの考えに賛同してくれるよね?」
ラン「せん」
ゼラド「え?」
ラン「ゼラドちゃん。あんたのいうことは、たぶん正しいし、もの凄く優しい。
でも、でもな、世の中には、血ぃ流し合わな、分かりあえん人間もおるんや。
アホらしいし、汚らしいし、浅ましい!
せやけど、ほとんどの人間はそうなんや。
ゼラドちゃん、あんたほどいい子は、この世にほとんどおらんのや!」
ゼラド「残念だよ、ランさん。
ランさんのいうことって、まるで悪役みたいなんだもの」
ラン「なら、正義の味方として、ウチを倒し。
たぶん、ウチはあんたに勝てん。元々ゲームなんて得意でもなんでもあらへんかったしな。
でもなゼラドちゃん。あたしは敗北しても、絶対にあんたに屈服せん」
ゼラド「やめてよ。そんな乱暴な目つき、ランさんにして欲しくない」
ラン「正義の味方っちゅうのは、そういう痛みも背負うもんや」
ゼラド「悲しいよ、ランさん」
ラン「さあ、きぃや」
???「いや」
ラン「え?」
ゼフィア「ちぇえぇぇぇぇぇすとぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
ラン「なっ!?」
ゼラド「・・・・・・なんで? バリアーがあるのに」
ゼフィア「アドレナリンの発生による血管収縮、瞳孔散大、血圧上昇などをBASEが感知して、
バリアーを形成するまでのタイムラグは約1msec。
0.1msec、つまり1万分の1秒、雲燿の位まで剣を高めれば、打ち込むことは不可能ではない」
ゼラド「・・・・・・そっか、頭がおかしくなったフリしてたのは」
ゼフィア「データ収集の時間を稼ぐためだ。
犠牲になった生徒たちには、合わせる顔もない」
ゼラド「・・・・・・なんだ、ゼフィア先輩だ。ただの、ゼフィア先輩だ」
【放課後】
マーズ「うぇ~ん、何度ガチャガチャやっても、ビッグボルフォッグおじちゃんが出ねーよー」
タカヤ「もう諦めろよ。出てないんだよ、ビッグボルフォッグ」
レタス「あなたの叔父さんがビッグボルフォッグだという情報も、おそらくガセネタですしね」
ハザリア「俺は自分の判断が間違っておったとは思わぬ。
ゆえに反省もせぬし、謝罪もせぬ」
マリ「ああ、うるさいうるさい、だいたいお前は、重要なことほどひとに相談しないで行動するからめんどくさい」
ユウカ「言葉じゃなくても伝えられそうな想い それだけを信じてた不器用なほど~♪」
ラーナ「え、ガンキラーとガンダムキラーって違うものだったんですか?」
ヴィレアム「ああ。『超戦士ガンダム野郎』に登場したガンキラーが
『ウルトラマンA』に登場したエースキラーのような外見だったのに対し、
『ガンダムキラー』はZZガンダムにサザビーのファンネルをくっ付けたような赤い機体だ」
ランル「なんということちゃ! コミックボンボンのバッグナンバーなんて、今さら手に入らんし」
咲美「ガンキラーの情報どうでもいいから!」
ゼラド「でも、やっぱりケンカはよくないと思うよ」
ルナ「ああ、わかっている。
しかしゼラドの考えが実現させるには、長い長い時間がかかる」
ミスティリカ「ゼフィアせんぱぁ~い!」
ゼフィア「取りあえずメガネを拭いなさい」
ラン「ゼフィアちゃん」
ゼフィア「みっともないところを見せました」
ラン「ウフフッ、ゼフィアちゃんは、やっぱりサムライなんやね」
ゼフィア「ふがいないことに、ほかの手段を考えつかなかっただけです」
ラン「名を捨てて実を取るんは、サムライの生き様やろ?」
ゼフィア「実を、取れたのでしょうか」
ラン「実というんは、もぎ取るもんやないの?」
ゼフィア「ところで、そのセーラー服はいつまで着ているのですか」
ラン「さて、いつまでやろな。着せた本人に訊かな」
ゼフィア「・・・・・・ゴホッ」
最終更新:2009年10月17日 13:00