ヴィレアムとガイストと


20代目スレ 2007/11/18(日)

思いついたので投下してみる。少し長い

レイナ「あれ? 髪型変わってるけどストパーかけたの?」
ヴィレアム「そんなわけあるか。昨日からこうなんだ。いつもは乾かしたら癖が出るんだけどな」
レイナ「まあそれはそれでイイけど……ああ、何でもないわ。ところで、今度の英語の……」
ヴィレアム「問題は教えないぞ。いつも言ってるだろ」
レイナ「ケチー。自分だけズルいわよ」
ヴィレアム「俺は予知に頼らず全範囲勉強している。そして今は何故か見えないからどちらにしても無理だ」
レイナ「ざーんねん。でも、問題は、ってことは真面目にやるなら教えてくれるのよね?」
ヴィレアム「……仕方ないな」
レイナ「ふふ、じゃあよろしくね、ヴィレアム先生」


ガイスト(ヴィレアム!)
ヴィレアム「わっ!?」
レイナ「どうしたの?」
ヴィレアム「な、何でもない」
ガイスト(良かった……まだ私の声は聞こえますね)
ヴィレアム(姉さん、いきなり話しかけるなよ。しかも人のいる時に。で、何だよ)
ガイスト(少し癖のある髪、予知能力……ギリアムに似たところですね)
ヴィレアム(ああ。でも今は……! もしかして、父さんに何かあって、その影響が!?)
ガイスト(ええ。今ギリアムとこの世界との繋がりが希薄になってきています……次元を越えて戦っていると稀にそういうことが起こるんです)
ヴィレアム(そのままだとどうなる!?)
ガイスト(彼は死にません。この世界では『最初からいなかった』ことになりますし、戻れなくなりますが)
ヴィレアム(じゃあその息子である俺は!?)
ガイスト(貴方も消えません。ヴィレッタさんと……ギリアムではない他の誰かとの子供ということになるだけです)
ヴィレアム(それ、俺じゃないだろ!)
ガイスト(『今の』貴方とは違います。でもそうなっても誰も気付きません。貴方自身すらも。『最初からそうだった』ことになりますから。世界はそういう風に動いていくものなんです。勿論私やディストラさんやクォヴレーさん達は忘れませんが)
ヴィレアム(おかしいだろ、それ……絶対変だよ……でもこのままだとそう思うことすらなくなるんだよな?)
ガイスト(そうです。だから皆何とかしようとしています……でも今どこにいるかすらわかりません)
ヴィレアム(それを俺に伝えにきた、ってことは俺に出来ることがあるんだな)
ガイスト(ええ、何しろ血の繋がりがありますから……でも凄く危険ですよ)
ヴィレアム(構うものか!)
ガイスト(……そう言うと思っていました。急ぎましょう!)
レイナ「どうしたの? さっきからぼーっとして。ここの構文、教えて欲しいんだけど」
ヴィレアム「……悪い。俺、行かなきゃいけない。帰ったら何か奢るよ。問題そのものはダメでもヤマくらいなら教えてやるさ、1回だけな……必ず、帰るから!)
レイナ「ちょ、ちょっと、いきなり何言って……!? 消えちゃった……」


ヴィレアム「生身での転移、か。姉さんが憑依するとこんなことも出来るんだな」
ガイスト(でもやはり繋がりが薄くなっています……前は完全に意識を……)
ヴィレアム「前?」
ガイスト(……何でもありません)
ヴィレアム「予備のゲシュペンスト。こっちも次元転移は出来るはずだ……これを使えばいいんだよな」
イングレッタ「待ちなさい、純情少年……いえ、ヴィレアム」
ヴィレアム「待たない。それとも見つかったのか、父さんが」
イングレッタ「……まだよ。でも貴方を行かせる訳にはいかない。確かに貴方にも素質はある……」
ヴィレアム「でも力も弱いし正式な番人ではない、だろ? 百も承知だ」
イングレッタ「それだけじゃない。それはアストラナガンと違ってそのために作られたのではなく、改造しただけ。ギリアムが使っているのもそうだけれど」
ヴィレアム「おまけにその力すら弱くなってきている。父さんとの繋がりがなくなってきているからな……髪、いつの間にか青くなってるし」
イングレッタ「理解はしているのね。だからそんな貴方を……」
ヴィレアム「だから、これ以上弱くなる前に父さんを連れ戻さなきゃいけない……邪魔をしないで下さい、イングレッタさん」
イングレッタ「…………!!」
ヴィレアム「……行くぞ、姉さん」
イングレッタ(……気圧された。この私が……!? いや、それよりも今の彼…………)

ガイスト(……繰り返します。すごく危険です……これ以上は憑依ではなく融合の領域になってしまいます。でもそうしなければいけませんし、繋がりが薄い今、それが出来るかすらわかりません)
ヴィレアム「機体のシステムとも接続……いや、こっちも融合か」
ガイスト(ええ。精神だけでなく身体も完全に変質します。何一つとして保障は出来ません……ギリアムすらそこまではしたことはありません)
ヴィレアム「……俺はギリアムとヴィレッタの息子、ヴィレアム・イェーガーだ。それが変わるって以上のことがあると思うか? そしてそれが変わらないのなら、きっと俺は俺でいられる」
ガイスト(ヴィレアム……)
ヴィレアム「そして帰ってくる。父さんと一緒に、この世界へ……さあ、始めてくれ」
ガイスト(わかりました……行きます!)


アストラ「お嬢、こんな所で何を……!? こ、これは……」
イングレッタ「……とんだイレギュラーがいたようよ」


ギリアム「俺としたことが、こんなヘマをするなんてな……座標は不明、か。どこかの次元の狭間には違いないだろうが……システムは不安定。そして俺自身も……
 ……だが、必ず、俺は戻る……あの世界が、俺の戻るべき世界の……はずなんだ…………ヴィレッタが、ヴィレアムが……ゼンガー達が、皆がいるあの世界が………………」

???「見つけた、ギリアム!!」
ギリアム(……クォヴレー達の声じゃない……誰だ…………?)
???「貴方はあの世界に帰らなくてはならないんだ、ギリアム・イェーガー! 強く持つんだ、帰るという意志を! 人の想いは次元も因果も越える! 貴方がいつも言っていたことだ!!」
ギリアム(!? XN……ガイスト…………!?)
???「そしてこの俺も! ゼラドにレイナ、キャクトラやハザリアや母さん……皆がいる世界に……帰る!!」
ギリアム(!! まさか……そんなはずはない…………! だが……)
???「…………帰ろう、父さん」


ヴィレッタ「おかえりなさい。帰りが凄く遅いから心配していたのよ。おまけにヴィレアムまで行方不明になるし」
ギリアム「実際少し危なかったな。重症を負って、危うく意識を失う所だった……」
ヴィレッタ「クォヴレーにでも助けてもらったの?」
ギリアム「いや、彼じゃない」
ヴィレッタ「なら誰? お礼言わなくちゃいけないじゃない」
ギリアム「…………それが俺にもわからないのさ。謎のヒーロー、って所かな。あとヴィレアムなら心配するな。今日には帰ってくる」
ヴィレッタ「……まさかヴィレアムじゃないでしょうね、その謎のヒーローって。私、軍人にするのはいいけどそっちには巻き込むなって言ったはずだけど?」
ギリアム「まあ待て、落ち着け。あれはヴィレアムではなかった。大人の声だったからな」

ガイスト「融合解除、成功……機体もゲシュペンストに戻りました……もう二度とあんなことしませんし、させませんからね」
クォヴレー「そもそも奇跡のようなものだ。しようとしても出来ない……今回の全てがな」
ヴィレアム「融合を解除しても俺の身体が変化したままなのはそのせいか、クォヴレー?」
ディストラ「ご主人様を呼び捨てにするってことは中身も、ですよー。とりあえず鏡見ます? 中々カッコいいですよ、ご主人様の次に」
ヴィレアム「髪型に色……どこからどう見ても少し若いだけの父さんにしか見えんな」
ガイスト「そんなことはないですよ。眼はヴィレッタさんに似ています」
ヴィレアム「大人になったらこうなるのか……いや、その表現は正しくないか……結局レイナとの約束は果たせなかったな」
ディストラ「ああ、そのことなら心配いりませんよ。元の姿に戻すだけなら私の力で出来ますから。中身はちょっとリハビリがいりますけど」
ガイスト「それにその姿が貴方の本当の未来の姿かはわかりませんよ。どんな道を歩むかで未来は変わります。それは外見についても同じですから」
ヴィレアム「フ……物凄く目付きが悪くなったりするのかい、ガイスト?」
ガイスト「そ、そんな呼び方しないで下さい。照れちゃいます……それに、そんな育ち方、私は認めませんからね!」
クォヴレー「……とにかく、今回の件は全てヴィレアム任せにしてしまったな。申し訳ない」
ヴィレアム「子が親を助けたいって思うのは当然のことだろう? それに俺が俺でなくなるのは嫌だった」
クォヴレー「同感だ。さて、ヴィレアムの姿を戻してやれ。あと、時間の流れが違うからこちらでは3週間経っているがさしたる問題はあるまい」
ヴィレアム「あ、ああ。無遅刻無欠席がなくなるくらい、のはずだ……嫌な予感がするが」


ゼラド「ヴィレアム君、どこ行ってたの!? 皆心配していたんだよ!」
ヴィレアム「あ、ああ……すまない」
レイナ「中途半端に教わったものだから余計わからなくなって最悪だったわ……だから今度は中途退出なしで、ね」
ハザリア「ふん、おおかた……」
マリ「ヴィレアムはお前のように読んだ物にすぐ影響され旅に出るような道楽者ではない」
レイナ「で、奢りとヤマの件……3倍にして払ってもらうから」
ゼラド「え!? ヴィレアム君が奢ってくれるの? やったあ!」
トウキ「ヴィレアムのヤマだと!? それは聞き捨てならんな!」
ミナト「全くだ。知的財産の共有、なんと素晴らしい言葉だ!」
アイミ「……意味、違うわよ」
ヴィレアム(癖のある紫色の髪、役に立つような立たないような予知能力……やっぱり俺はこうでなくちゃな)
ガイスト(良かったですね……ヴィレアム。そして話は出来なくとも、はっきりとは見えていなくても、私はギリアムに会うことが出来ました。私は、幸せです……)


ヴィレアム&ガイスト好きなんで勢いで書いてみた。

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最終更新:2009年10月17日 13:15
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