26代目 2008/08/28(木)
ミナト「納得いかねぇっすよフィリオ先生!
どんな大事件起こしたのかと思ってたら、プリクラ一枚で事務所クビって、
アヤリンがあんまりにも不憫過ぎるっすよ!」
フィリオ「つらいけれど耐えるんだミナトくん。
ファンすべてを恋人といわなくてはならないアイドルが特定の男性とプリクラを撮ってしまったんだ。
アイドルシーン全体の秩序のためにも、
心を鬼にしてバッシングしなくてはならないのもファンの宿命なんだ」
ミナト「じゃ、俺もアヤリンとプリクラ撮っちゃいけないんすか?」
フィリオ「絶対ダメだ。そんなことがあったら、僕は君をグーでぶつ」
ミナト「うぅ、わかったよフィリオ先生。
俺、つらいけど、悲しいけど、ぐっと血の涙をこらえて
またしても喫煙しちゃったカゴちゃんのブログ荒らすよ!」
フィリオ「歌手なんだから喉は大切にしなくちゃね」
ヴィレアム「カゴちゃんて、絶対昔からのファンなんかウザいと思ってるよな」
キャクトラ「友よ、大変な法則を見つけた!」
ヴィレアム「なんだ、カゴちゃん痩せたはいいけど、明らかに華がなくなったよなって話か」
キャクトラ「そうではない!
ミナトがあんなことになってしまったのは、フィリオ殿の師事が大きいと思うのだ!」
ヴィレアム「でも、フィリオさんに師事する前から、あいつカノジョなんか一片もできそうもなかったよ。
思うんだけど、フィリオさんてコーチする対象に恋人作らせない方針なのかもな。
アイビスさんだって結局異性の恋人はできなかったし」
キャクトラ「ハザリアさまも、エイス殿に師事していたころはまだ比較的真面目だったが、
うちの父さんとどこかに出かけるようになってから、
女癖が悪くなったというか、女たらしになってきたというか、
脇腹をえぐるように刺してやりたくなってきたというか!」
ヴィレアム「お前は自分のお父さんが女癖悪くて女ったらしだと思ってるのか?」
キャクトラ「父さんが方々で女性を口説くのはあくまで職務上必要だからであり、
本心では母さんを深く愛しているということは、私も母さんも了解している」
ヴィレアム「そういう特性がハザリアに受け継がれてるかと思うと、一層腹たってくるんだけど」
キャクトラ「つまり、弟子には師匠の影響が色濃く出ると思うのだ!」
ヴィレアム「そうすると、うちの父さん留守がちだし、お前のお父さんに教わるのが手っ取り早いのかな。
なんかよくそのへんにいるし」
キャクトラ「いや、なにを考えているのかわからないが、父さんは私に格闘術を教えようとはしない。
最初は格闘術の講義を受けているつもりでも、
気が付くと利きビールのやり方やキャバクラでのモテ方に変わっているのだ」
ヴィレアム「それはそれで、リーマンになったときとかに役立ちそうだな」
キャクトラ「我々にふさわしい師を探すべきなのだ!」
【
ジェグナンの喫茶店】
マリ「エ、師匠なんて大げさなもんじゃないけど、ボーグナインさんのことは尊敬してるよ」
キャクトラ「しかしそれは、実際に教えを受けたわけではないでしょう」
マリ「そうだけど。あのひとの演技に対する姿勢、参考になるよ」
ヴィレアム「ユウカさんはダンスやってたころ」
ユウカ「アー、あたしのコーチはウォーズマンよ」
キャクトラ「ウォーズマンが先生ということはないでしょう」
ユウカ「チームメイトはマンモスマンよ」
マリ「ああ、なんか機嫌悪いんだよ、ユウカさん」
ユウカ「ハゲて縮れろ」
キャクトラ「ハゲた上で縮れるのは難易度が高すぎます!」
【
マーズの事務所】
マーズ「おやじからはなんも教わっちゃいねーよ。
教わる前に、おれのほーからおん出てきちまったからね。
だいいちね、あのひとたぁアキナイに対するテツガクが違いすぎてサンコーになんねーんだ」
ヴィレアム「じゃ、商売のやり方はあらかじめプログラムかなんかされてたのか?」
マーズ「そんなツゴーのいーものはねーよ。
さしものおれだって、自我が芽生えたばっかの踊る赤ちゃん状態で
ビジネスの世界に殴り込みかけるほどムボーじゃねーさ。
おやじのとこを飛び出したあと、ガンジスにいるシホミおばちゃんのとこに行ったんだよ」
ヴィレアム「だから、お前のおばさんなんでガンジスにいるんだよ」
キャクトラ「では、商売のやり方はシホミ殿から?」
マーズ「うんにゃ。おれのほーはそのつもりだったんだけど、
どーゆーわけかシホミおばちゃんが教えてくれんのは、
テレビアニメ版聖闘士星矢とかジャンプノベル版聖闘士星矢とかミュージカル版聖闘士星矢とか、
そーゆーのだけだった」
キャクトラ「シホミ殿はシホミ殿なりに、友情や正義を教えようとしていたのだろうか」
ヴィレアム「だったら、なんでまず原作を読ませないんだよ。
大昔の漫研とかアニ研とか入ると、『聖闘士星矢』とか『サムライトルーパー』
のビデオ強制的に見させられたっていうけど、そういうノリなんじゃないのか?」
キャクトラ「それでは、結局誰から商売を教わったのです?」
マーズ「ヒトに頼んのはやめたのさ。
ノウハウは自分でチクセキしていかなきゃなんねーと覚悟を決めた、起動1年目の夏」
ヴィレアム「結果的にタチ悪くなってるじゃないか!」
【ジャスコの端っこにある安っぽいアクセサリとか売ってる店】
ラーナ「は、先生?」
ヴィレアム「ああ、あの解体スキルは、いったいなにをどうやって」
ラーナ「ぴぃ」
ヴィレアム「わっ、わわっ!?」
キャクトラ「どっ、どうされたのです!?」
ラーナ「わたしに先生なんかいません。お父さんもお母さんもなにも教えてくれません。
ほんとはお父さんみたいにイジワルメガネかけて口封じとかしたいのに、
ほんとはお母さんみたいにカッコよくロボット操縦したいのに、
なにをどうしたって、わたしにできるのは解体だけです。
どうせ、どうせわたしなんか、ふえぇぇぇ・・・・・・」
キャクトラ「友が泣かせた!」
ヴィレアム「即座に俺のせいにするな!」
【校舎の裏】
ミズル「うん? おれは誰からも教わってないよ。
なにしろうちは理系一家で、絵心があるのなんてひとりもいないからね。
ちっちゃいころ、デスピニスさんと一緒にお絵かきしたくらいかな。
こうさ、床の上に画用紙置いてクレヨン持つと、かがみ込む姿勢になるだろ。
そしたらクレヨン動かすたびにデスピニスさんのおっぱいがゆっさゆっさ」
キャクトラ「そういうことを訊いているのではなくて」
ヴィレアム「えっ、俺はもう少し聞いてたかった」
ミズル「おれは美大行きたいから、高校進んだら画塾に通うつもり。
でも、それまでは好き勝手に描いてたいね」
キャクトラ「影響を受けた人物などはいないのですか?」
ミズル「う~ん、ストリートアートだったらロコサトシさんかなぁ。あのひとの色彩はスゴいよ。
古典じゃ、システィーナ礼拝堂の天井画は度肝を抜かれるね。
ミケランジェロは『なんで彫刻家のワシが天井画やねん』みたいな
キレ気味のテンションでやったらしいけど、それであれなんだから天才ってほんとインチキだよ。
それから、生き様ではルーベンスをマジリスペクトしてる」
キャクトラ「ルーベンス?」
ヴィレアム「知らないのか? 『フランダースの犬』でネロが見たがってた」
ミズル「おれも、37歳年下の嫁さんを毎日裸にひん剥いてスケッチするようなイカしたジイさんになりたい!」
ヴィレアム「ネロとパトラッシュに謝れ」
キャクトラ「友よ、この少年、つかみどころがない!」
ランディ「そいつは右脳と精巣だけで生きてるから、まともに会話しようとすると疲れるだけだぞ」
ヴィレアム「あ、Pちゃんだ」
キャクトラ「Pちゃんさん、今日は髪の毛赤くないのですね」
ヴィレアム「町内フラフラ徘徊してるくらいなら学校来いよ、Pちゃん」
ランディ「誰がPちゃんだ」
キャクトラ「あ、髪の毛がうっすら赤くなってきました」
ミズル「Pちゃんは、シャンプーのひいばあちゃんから爆砕点穴教わったんだよね」
ランディ「Pちゃんじゃないし、シャンプーもコロンさんも爆砕点穴も存在してない!」
ヴィレアム「Pちゃんは、どうしてお好み焼き屋さんときちんとフラグを立てておかなかったんだ?」
キャクトラ「どうして原作漫画の最後の方では二股野郎になってしまったのですか?」
ランディ「いまさら『らんま1/2』における響良牙の立ち位置を俺に訊かれたって知るか!」
ヴィレアム「じゃあ、ヤマちゃんはなんで離婚しちゃったんだ?」
キャクトラ「家を持って行かれるのは、やはり相当の痛手だったのではないですか?」
ランディ「離婚は双方のすれ違いの結果で、家を持ってくのは正直あんまりだと思った!
でも俺はヤマちゃんとはなんの関係もない!」
ミズル「獅子咆吼弾は、工事現場のオッサンから教わったんだよね」
ランディ「俺、獅子咆吼弾なら撃てるかもって思うんだ」
ヴィレアム「実は、俺もたまにそんな気分になるんだ」
キャクトラ「不幸なら不幸なほど威力が増しますからね、獅子咆吼弾は」
【道ばた】
キャクトラ「どうやら、実際に師事しているかどうかではなく、
尊敬できる人物の存在が大きいようだ」
ヴィレアム「う~ん、でもクォヴレーさんに直で教えを乞うっていうのはなぁ」
キャクトラ「では、『こうありたい』と思える人物を訪ねよう!」
【川べり】
重震のマグナス「は、俺に武道を?」
キャクトラ「はっ! 修羅であり、目方も器も大きなあなた様ならと!」
ヴィレアム「キャクトラ、失礼なこというな」
重震のマグナス「よせやい。いまの俺は、単なる中途採用の営業マンだ。
他人様の子にモノ教えるようなタマじゃねえよ」
キャクトラ「しかしあなた様は!」
重震のマグナス「俺か。俺はな、元々クズの中のクズだったんだよ。
いま思えば、あのころァ善悪の区別とか概念がなかったんだろうな。
弱いモンをいたぶるのは、楽しかったぜ。
ああ、俺は間違いなく楽しんでた。楽しんでたあれは、間違いなく俺だった」
ヴィレアム「でも、いまは違うじゃないですか」
重震のマグナス「なにも変わっちゃいねえ。
ただな、殴り合いより面白ェこと見つけたってだけさ。
なぁ、知ってるか? 女の手ってよ、やわらけぇんだ」
ヴィレアム「重震のマグナスさん!」
キャクトラ「恥ずかしい! 私は、我々は、殴り合うことばかり考えていた!
修羅だ! 我々こそが修羅だ!」
重震のマグナス「わかったか、坊主たち。わかったら」
キャリコ「重震のマグナス氏ー! そろそろ開店時間ですよーっ!」
重震のマグナス「おっといけねえ、もうこんな時間か」
キャリコ「フフフ、今日こそはミユちゃんのメアドをゲットしてみせますよ」
重震のマグナス「おぉっと、そいつぁ俺様の役目だ。
営業で鍛えたトーク、見せてやるぜ」
キャリコ「さぁどうでしょう。キャバクラ通いなら私に一日の長がありますから」
重震のマグナス「覚悟が違ぇよ。営業にとってキャバクラは修行場だぜ?」
キャリコ「では、今夜も尋常に勝負といきますか!」
重震のマグナス「ぐわっはっはっはっは! 母ちゃんには内緒な!」
キャクトラ「・・・・・・父さん」
ヴィレアム「・・・・・・大人って!」
最終更新:2009年10月17日 13:16