リトゥと買い出し


21代目スレ 2007/12/21(金)

昼休み

ハザリア(もそもそ)
マリ「コッペパンか。ずいぶんと貧しい昼食だな」
リトゥ「ルナとキャクトラ君がバルマーに一時帰還したらしいけど、そのせい?」
ハザリア「うむ、今朝弁当を作ろうとしたら冷蔵庫が空でな。おかげでルルに蹴り飛ばされた」
マリ「前から思っていたが、お前アホだろ」
ハザリア「黙れ、黙れよ! しかし今日は放課後に、食材の調達に行かねばな」
リトゥ「…………」


商店街

ハザリア「いかん、買い物などの雑事はキャクトラに任せていたので、どの店で何を買えば良いのかさっぱり分からん。
 だが、それを乗り越えてこそのノブレス・オブリージ。俺は買い物においても頂点に立つ男だ」
リトゥ「そのネタ、まだやってたんだ」
ハザリア「何の用だ眼鏡」
リトゥ「ハザリア君、そのスーパーあまり食品の品揃えが良くないよ。いい店を案内しようか?」
ハザリア「む、そうか。そういったショ・ミーンの忠言を聞き入れてこそ貴族たる者の度量。案内しろ、眼鏡」
リトゥ「もう、だからちゃんと名前で呼んでよ」


バルマー寮

ハザリア「帰ったぞ。ルルは留守か」
リトゥ「これ、どこに置いておけばいいの?」
ハザリア「どこか適当に――と、うむ?」
置き手紙『兄上、ルルは今晩アオラ様のお宅で夕食をご馳走になりますので、あしからず』
ハザリア「やれやれ、だが一人だとわざわざ手間かけて、料理を作る気になれんな。カップ麺ですますか」
リトゥ「わ、私、ハザリア君の料理、食べてみたいなあ……」
ハザリア「何?」
リトゥ「いや、その最近、料理のレパトリーがマンネリ化してきたんで、バルマーの料理を勉強したいなーって」


ハザリア「ふむ、今日のお前には買い物の借りがある。それに報いてこそ貴顕たるの義務。少し待ってろ」
リトゥ「う、うん--って電話!」

トゥルルルルル

マリ『どうしたリトゥ』
リトゥ「あ、あのね、マリ、これからレイナの家に寄るんで、遅くなりそうなの」
マリ『そうか。今日は母さん達も留守だし、父さんの面倒ぐらい私がみてやる』
リトゥ「うん、じゃあ頼むね」

ツーツーツー

リトゥ(後でレイナにも口裏あわせてもらって--ごめんなさい、マリ。でもチャンスは逃がしたくないの……)


ハザリア「待たせたな、メギロートのフライだ」
リトゥ「メ、メギロート、これが……(モグモグ)不思議な味だね。肉とも魚とも違う」
ハザリア「…………」
リトゥ「うん、美味しいよ、これ」
ハザリア「にしては浮かない顔だな、眼鏡」
リトゥ「! そ、そんな事--」
ハザリア「ふん、同じ物を包んでおいた。マリへの土産に持って帰れ」
リトゥ「……ハザリア君って、優しいね」
ハザリア「は?」
リトゥ(その優しさが、ちょっと辛いよ……)



ダテ家

リュウセイ「ふう、ただいま。おーいリトゥ、今日の晩飯は何だ?」
マリ(グツグツ)「お帰り、父さん。もう少し待ってくれ」
リュウセイ「(ブッ)ま、待てマリ! 何でお前が台所に立ってるんだ!?」
マリ「今晩、リトゥは用事があってな。まかせてくれ、父さん。美味しい夕食をつくるから」
リュウセイ「ちょちょちょちょちょ、ちょっと待てマリ--」
マリ「あれ? ふん、く--こうなったら、念動集中!」

ちゅっどーん


リトゥ「ただいま--って何これ!?」
マリ「ああリトゥ、すまない、父さんに夕食を用意してたらこうなった」
リトゥ「……昨日のシチューがまだ残ってたはずだかけど?」
マリ「いや、その、温め直すだけってのも芸がないと思って、つい」
リトゥ「仕方ないなあ。簡単なもの用意するから、とりあえずこれ父さんに出して」
マリ「何だこれ?」
リトゥ「メギロートのフライ。……ハザリア君から、マリへの差し入れだって」
マリ「ふん、あの馬鹿にしては気が利くな」
リトゥ「…………」
マリ「どうした?」
リトゥ「何でもない」


リトゥ「お待たせ、サラダと付け合わせ、できたよ」
リュウセイ「おお、待ってたぞ、リトゥ」
リトゥ「はい、どうぞお父さん。ビールついであげるから」
リュウセイ「お、すまん--プハァ、娘の酌で飲む酒は最高だな」
リトゥ「どういたしまして」
マリ「おーいリトゥ、私の分は?」
リトゥ「あ、ピラフとスープを用意したから」
マリ「(モグモグ)美味い、美味いぞ、リトゥ」
リトゥ「……ごめんなさい、マリ」
マリ「何だいきなり、藪から棒に?」
リトゥ「何でもない、何でもないよ、マリ--(ありがとう、ハザリア君)」

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最終更新:2009年10月17日 13:59
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