22代目スレ 2008/02/16(土)
ルナ「むぅ・・・」
イングレッタ「何を真剣な顔して見てるのかしら?」
ルナ「本棚を整理しているとアルバムが出てきての」
イングレッタ「これあなた?ずいぶん成長したのね、ここ」
ルナ「・・・」
~~~
ハザリア『なんだよぉ!それぼくのだぞ!』
ルナ『いいじゃない!すこしくらいわけてくれてもぉ!』
ハザリア『・・・っく、たのしみに、とって、おいた、のに、っく』
ルナ『なかないでよぉ!おとこのこでしょぉ!』
キャクトラ『どうしたの?』
ハザリア『ルナが、ぼくのフラットフィッシュフライ盗ったんだ!』
キャクトラ『じゃあぼくのメギロートパンあげるから、なかなおり、して、ください』
ハザリア『う、うん。』
ルナ『ごめんねキャクトラくん』
キャクトラ『いいよ。おかあさんがいつも言うんだ。ハザリアくんとルナちゃんがけんかしそうになったらぼくがとめてあげなさい、って』
ルナ『どうして?』
キャクトラ『よくわかんない。でも、ハザリアくんとルナちゃんは
バルマーのしょうらいをになうことになるから仲がわるいままだとよくないし、
ぼくが大きくなったらどっちかの世話人にならないといけないから、って』
ルナ『それって、ずっと遊んでくれるってこと?』
キャクトラ『たぶん』
ルナ『じゃあ、わたしの遊び相手になってよ!おうちに帰っても、だれもいないし。そのうち一人で地球にお勉強にいくんだけど、だれかが一緒に来てくれないとさみしいよ』
キャクトラ『わかった!じゃあぼくルナちゃんと一緒にいてあげる!大きくなったらルナちゃんの世話人になる!』
~~~
ルナ「あれから10年か。結局留学は最初独りだったし、キャクトラも追いついたら追いついたでまるで人が変わったかのように」
イングレッタ「それは大切な想い出?」
ルナ「・・・うむ」
イングレッタ「なら、胸にしまっておきなさい。いつかきっと昇華するわ」
ルナ「あ、ああ・・・」
ルナ「ほぉ~、これがふじQ遊園地か」
キャクトラ「姫さま、フリーパスが20分待ちになってますがどうしましょうか」
ルナ「キャクトラ、今日は公務で来てるのではない。それに私のことが騒がれると面倒じゃ。名前で呼ぶようにせい」
キャクトラ「そうですね。ではルナさま、フリーパスを買ってきますのであちらでお休みください」
ルナ「いや、今日は一般客としてきておるのじゃ。彼らと同じように私も並ぼう」
ルナ「こ、これがジェットコースタか。安全なのか?」
キャクトラ「はい、一度も事故は起こしておりません」
ルナ「じゃあ行くか」
~
ルナ「い、いざ乗り込んでみると、あ、足がつかん」
キャクトラ「Gを和らげるため、というよりは恐怖感を煽るためですよ、固定具から少し離れてますが、大丈夫です」
ルナ「な、なんか、やあ、キャクトラ、つ、掴んでいてよいか?」
キャクトラ「え?はい」
ガコガコ・・・
ルナ「や、やぁ!?動いたぁ!?」
キャクトラ「(もしかして、失敗だったか!?)」
~
ルナ「・・・怖かった・・・PTにのってるほうがマシだ・・・」
キャクトラ「何か飲み物買ってきますので、こちらでお休みください」
ルナ「あ、ああ。足がふらついておる」
~
キャクトラ「すいません」
トウキ「いらっしゃい、って」
キャクトラ「これは。バイトですか?」
トウキ「ま、そんなもんよ。今日は会長さんとデートか?」
キャクトラ「ち、違います!いや、あの。これは」
トウキ「すまんすまん、俺が悪かったよ。はい、お待たせしました」
~
ルナ「キャクトラ」
キャクトラ「はい?」
ルナ「お主はどうしてプライベートなときにまで敬語で話すのじゃ?」
キャクトラ「私とルナさまとでは身分が違います。私は従者に過ぎませんので」
ルナ「・・・」
キャクトラ「それにルナさまは仮に身分差がなくとも十分敬意を払うに値するお方ですから」
ルナ「・・・」ブロロロ・・・
キャクトラ「もし、もし私が―」
ルナ「キャクトラ!前!」
キャクトラ「へ?」
ルナ「っつう、なんじゃあのトラックは!キャクトラ、大丈夫か?」
キャクトラ「・・・」
ルナ「おい、キャクトラ!」
キャクトラ「・・・」
ルナ「誰か!救急車を!」
キャクトラ「・・・」
キャクトラ「ん、んん・・・」
ルナ「目が覚めたか。ここは病院じゃ」
キャクトラ「・・・すいません、せっかくの楽しい旅行を台無しに」
ルナ「それは構わん。なあ、ところで」
キャクトラ「夢をみていたんです」
ルナ「ん?」
キャクトラ「まだ何も知らなかった幼い頃の。姫さまとハザリア様がお互いに仲が悪くてけんかしては泣いたり泣かせたりしていた頃の」
ルナ「・・・なあ、今だけでいいからあの頃のように呼んでくれぬか?」
キャクトラ「いけませんよ。あの頃とは違います。」
ルナ「そうか、そうだな・・・」
キャクトラ「・・・ですが、今日は本当にご迷惑をかけました。・・・ごめんなさい、ルナ・・・さま」
ルナ「それではいつも通りではないか」
キャクトラ「なれてしまいましたから。それに、呼び捨てにするのはさすがに・・・」
ルナ「だったらちゃん付けでよいぞ?」
キャクトラ「それは!その・・・は、恥ずかしい」
ルナ「ん?なんだって?よく聞こえんかった。もう一度言ってくれぬか?さもないとくすぐりの刑だぞ?」
キャクトラ「いや、あの、身体が動かせなく抵抗できない状態では、」
ルナ「さあ、私の命令が聞こえんか?」
キャクトラ「看護師も大勢いる前では、あの、実を言うと名前でお呼びしたことがエペソ様たちにバレたりしたら!そのときはぁ!」
ルナ「その時は私が弁護してやるさ」
キャクトラ「あ、あの、実は脇腹は弱くて!うひゃぁー!」
ルナ「・・・結局疲れて寝てしまいおったな」
キャクトラ「くー・・・」
ルナ「ゆっくり休め、キャクトラ・・・くん」
キャクトラ「・・・」
ルナ「た、確かに恥ずかしいなこれは・・・誰も聞いてはおらんだろうな・・・」
ミナト「・・・なんでぇチクショ、二人とも俺が当直してるってのに話しかけもしないで。いや、もしかして俺って気付いてない?」
最終更新:2009年10月17日 14:00