慰安旅行ワカメ対決


30代目スレ 2009/10/06(火)

 カッ
ヴィレアム「残りのカードはいらない。なぜなら、俺自身がジョーカーだからだ」
レラ「・・・・・・」
イングレッタ「は?」
キャクトラ「友よ、それはひょっとして、面白いと思っているのか?」
ヴィレアム「なんか、スンマセン。申し訳ありませんでした」

 ブオォォォォン

ヴィレアム(俺たちバンドメンバーはいま、ハコネへの一泊旅行に向かっている。
 それというのも、このバンドの結束がお世辞にもいいとは)

レラ「・・・・・・」
キャクトラ「おっと、ワイルドドロー4ですか。
 さすがレラ殿はニュータイプだけあって、読みが鋭い」
イングレッタ「フフフ、果たしてそうかしら。デッドエンドシュート」
キャクトラ「うへえ、UNOですかぁ」

ヴィレアム(ていうか、なんかメンバーの中で俺が浮いてるような気がするんだ。
 おかしいよな?
 俺が組んだバンドだよな? 俺がバンドリーダーだよな? 俺が浮いてるっておかしいよな?
 ともかく、メンバー間の意思伝達をクリアーにすれば、
 いつの間にかワカメタルになってた俺のバンドを、本来の純愛ポップスに戻すことも)

 【温泉宿 温泉】
ヴィレアム「いいか、キャクトラ。
 だいたい若い母さんは常に張り詰めていて、まるで世界の安定かなんかを守ってるみたいじゃないか」
キャクトラ「世界の安定を守っているのではないだろうか」
ヴィレアム「いつもそんなふうだから、反動でワカメタルなんて音楽やらせたがるんだよ。
 だから是非とも、この旅行で穏やかな気分になってもらってだな」
キャクトラ「友はひょっとして、ワカメタルがイヤだったのか?」
ヴィレアム「お前こそひょっとして、俺とバンド組んだ当初のこと忘れてるんじゃないのか?」

 ~あれー、イングレッタちゃんだー
 ~妙なところで会うわね。
 ~お主! なぜこのようなところにおる!?
 ~男の人に誘われて、宿泊中よ。
 ~ふ、不潔な!

ヴィレアム「なぁ、気のせいか、女湯の方からゼラドの声が聞こえるんだけど」
キャクトラ「気のせいか、私には姫様のお声が聞こえる」
ヴィレアム「しかも、若い母さんがいらんこといっているような気がする」
キャクトラ「しかし、嘘は言っていない」
ヴィレアム「マズいだろぉ! 見ようによっちゃ、お泊まりダブルデートだぞ!」
キャクトラ「不潔なことをいってもらっては困る!
 我々とレラ殿、イングレッタ殿はワカメタル的なソウルで繋がり合ったメイトであり!」
ヴィレアム「第三者はそう見てくれないっていうんだよ!」

 【温泉宿 座敷】
アラド「これ、追加注文とか出来るのかな。
 すんませーん、とりあえずトリカラ10皿ーっ!」
ゼオラ「あなた、よしなさいよ。せっかく子供たちがプレゼントしてくれた旅行なのに」
ゼラド「好きにしてくれていいよ。そのためにわたしとルナちゃんで貯金したんだから!」
アオラ「どうせ俺は一文も出してませんよーだ」
ルナ「お父様、どうかおくつろぎください」
クォヴレー「なにか、悪いような気がするな」

イングレッタ「これ、梅干しとか付けられるのかしら」
レラ「・・・・・・」

ルナ「それで、お主らはなぜおるのだ!」
ゼラド「わたしが呼んだんだよ。みんな一緒な方が楽しいでしょ?」

 【座敷の外】
ヴィレアム(いいか? 合図と同時に座敷に乗り込んで、とにかく騒ぎ倒すんだ)
キャクトラ(わかった。サプライズライブというわけだな)
ヴィレアム(バカッ、どさくさに紛れて若い母さんとレラを連れ出すんだよ)
キャクトラ(それでは今回の旅行の主旨が)
ヴィレアム(お前はルナに誤解されて平気なのか!?)
キャクトラ(それは困る)

 SOUSHITSUせよ! SOUSHITSUせよ! SOUSHITSUせよ!

ヴィレアム「昨日はガチャガチャまわしたぜ! 明日はコスト6でやってやる!
 I am wakamest straight out of hell!」

ルナ「何事だっ!?」
ゼラド「きゃあっ! なによあのバンド、こんなとこまで!」
アオラ「ヴィレカイザーさんだぁーっ!
 ヴィレカイザーさんが慰労とILLを間違えてハコネにご降臨なされたーっ!」
アラド「へえ、最近の旅館は凝った演出するんだな」
ゼオラ「元気のいい歌い手さんねえ」

ヴィレアム「SOUSHITSU~! SOUSHITSUせよ! 負債はバンダイナムコゲームズにくれてやーっれ!」
 ガシッ
イングレッタ(なによ)
ヴィレアム(若い母さん、はやくこっちへ!)
イングレッタ(イヤよ。まだカニカマボコを食べていないわ)
ヴィレアム(旅館まで来て、なんでわざわざカニカマボコを食べたがるんだ!?)

ルナ「お下がりくださいお父様! あれは、なにやら危険なアミノ酸の臭いがいたします!」
クォヴレー(あれは、ヴィレアムではないのか?)
イングラム(あぁっ! あいつ! なにグレちゃんの手ぇ握ってるんだ!?)
クォヴレー(お前はいいから成仏していろ)
イングラム(どうやらまだ教育が足りないようだな。久保、身体貸せ!)

 フコダイン! フコダイン! ワカメから抽出フコダイン! フコダインでガン治療!

ゼラド「また出たーっ!」
アオラ「うぉーっ! あれは、かつてヴィレカイザーさんに破れるまで
 ブラックワカメタルの帝王の名を欲しいままにしてきた、
 イングラム・ワカメ・フォーゲットだぁーっ!」

ヴィレアム(あれは! だいぶ前に倒したはずのイングラム・ワカメ・フォーゲット!)
イングラム(再教育してやる、この生ゆでワカメが!)

 スチャッ!
アオラ「出たぁーっ! 元祖ワカメタルの帝王による、タケノコとフキの煮物だぁーっ!」
ゼラド「そんな、旬のタケノコとフキに、ワカメをからめてこうもシンプルかつ奥深い味にするなんて」
アラド「へえ、きょうびの板前さんはああいうパフォーマンスやるのか」
ゼオラ「元気のいい板前さんねえ」
ルナ「おや、お父様はどこに?」

キャクトラ(友よ、騒ぎが大きくなるのはまずい。ここは速やかに退却を)
ヴィレアム(今さらなにしに出てきやがった、あの茹で損ないがぁーっ!)
キャクトラ(友よ?)
ヴィレアム(いまやワカメシーンを支配してる旨味成分がなんなのか、じっくりに煮立ててやる!)

 スチャッ!
アオラ「あぁーっと! これは、ヴィレカイザーさんみずからの手によるワカメの三つ葉汁だぁーっ!」
ゼオラ「あら、よくダシを取ってあるのね」
アラド「俺はもっと片栗粉入れてもらいたかったけどな」
ゼラド「うん、ちょっと、塩味が薄いかな。
 なんていうか、作ってる人の性格が透けて見えてるような」
アオラ「批評だぁーっ! うちとこの父さんと姉ちゃんが、ワカメタルの頂上をマジ批評だぁーっ!」
ルナ「それより、あんな厚塗りで料理などしたら不衛生ではないだろうか」

キャクトラ(友よ、撤退しなくていいのか、友よ!)
ヴィレアム(いいからマグロを調達しろ! マグロとワカメの中華ソース和えを作るんだ!)
イングレッタ「フフフ」
キャクトラ(しかし友よ! ハコネで中華風の味付けとはいかがなものだろうか!)
ヴィレアム(クソッ! レパートリーが少ない!
 やっぱり、『竜巻亭』でバイトしたり休んだりしてたのがマズかったのか!?)

クォヴレー(おい、いい加減にしろ)
イングラム(くそっ、腕の動きが鈍い! 久保の小脳からほじくり出した経験記憶を元にしてるからか!)
クォヴレー(他人の小脳頼りで勝負をしようとするな)
イングラム(頑張れ! 久保の小脳もっと頑張れ!)

 SOUSHITSUせよ! SOUSHITSUせよ! SOUSHITSUせよ!
 フコダイン! フコダイン! ワカメから抽出フコダイン! フコダインでガン治療!

アオラ「うぉーっ! ヴィレカイザーさん手ずからのワカメの豚肉巻き煮だぁーっ!」
ゼオラ「あら、この帆立貝入り海藻サラダはサッパリしていていいわね」
アラド「ところでこのひとたち、ワカメ料理以外作らないのか?」
ゼラド「なんで、騒ぎながらお料理するんだろう?」
ルナ「お父様? お父様ー、どこに行かれましたかー?」

ヴィレアム(クソッ! このワカメのカリカリ揚げを最後に、もうレパートリーは残っていない!)
イングラム(フフフ、デッドエンドわかめの味噌マヨ和え!)

キャクトラ(いけない! このままでは、友はワカメタル帝王の称号を返上しなくてはならなくなる!)
レラ(・・・・・・)
キャクトラ(レラ殿?)
レラ(・・・・・・ビット)

 ビュンッ! ビュンッ! ビュンッ! ビュンッ! ビュンッ! ビュンッ! ビュンッ! ビュンッ! ビュンッ!

ゼラド「これは!」
アラド「お豆だぁーっ! ヴィレカイザーさんのワカメのカリカリ揚げに、
 オールレンジからお豆が打ち込まれているぅーっ!」
ゼオラ「あらあら、水煮した大豆と冷凍大豆を3:2の割合で投入なんて、なかなか繊細な組み合わせね」
アラド「カリカリとフニャフニャとコリコリがミックスされて、なんともいえない歯ごたえだ!」
アオラ「そして料理が盛りつけられているのはぁーっ!」

アクセル「なんだなっ!」

ゼラド「きゃあっ!」
アオラ「ニュータイプ至上主義の豚だぁーっ!」
ルナ「なにをやっているのだ、アクセル用務員」
アオラ「これはまさに、ニュータイプくずれの修羅場盛りだぁーっ!」
ゼラド「もう、最低!」
アラド「最近の旅館はいろいろやるんだなあ」
ゼオラ「うふふ、懐かしいわねえ、ニュータイプなんて」
アラド「ああ、ニュータイプのみんなにも、もうずいぶん会ってないなあ」
ゼラド「どうしてお父さんたちはそんなリアクションなのぉーっ!?」

 【旅館 焼きワカメの間】
アクセル「なんとか難を逃れたようだな、これがな」
ヴィレアム「なぜいるんだアクセル用務員」
キャクトラ「友よ、行きのクルマを運転してくれていたのはアクセル用務員だぞ」
レラ「・・・・・・!」
キャクトラ「そんなことより友よ、
 『サプライズライブやるなら事前に話せ、段取りとか困るじゃないか』
 と、レラ殿はいたくご立腹だ」
ヴィレアム「不測の事態だったんだよ!」
ヴィレアム「そもそも若い母さんがノコノコとゼラドたちの座敷に行くから!」
キャクトラ「しかし、速やかに退散すればいいものを、
 なぜかワカメタル料理を次々と作り始めたのは友だ」
イングレッタ「フフフ、それでこそ、わたしが見出した芽ワカメよ」
ヴィレアム「あ、あれは違う! 断じて違う! ついだよ、つい!」

アクセル「どうやら、旅を通じて重要なアミノ酸を抽出したようだな、ニュータイプ技能を上まわるような」
ヴィレアム「いいからあんた、服着ろよ!」
イングレッタ「さあ、杯を取りなさい。
 今宵、新たなワカメタルの狼煙が上がるわ」
レラ「・・・・・・!」
キャクトラ「は! 是非もありません!」

ヴィレアム「俺、いつになったらラヴソング歌えるんだよーっ!?」

 【駐車場】
ディストラ「くしゅん! ああ、旅館から楽しそうな声が聞こえていますね、ぐずっ!」

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最終更新:2009年10月17日 14:38
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