30代目スレ 2009/09/17(木)
【
OG学園 武道場】
ラン「こんちゃー、出稽古に来たでー」
ちょーん
ゼフィア「・・・・・・むぅ」
???「うふふっ」
ラン「あら珍し。新入部員?」
ミスティリカ「2年B組、
ミスティリカ・レックスです!
父は地球防衛隊に勤めてます。
連邦軍とは微妙に別系統だから、ひょっとしたらケンカしてるかもしれません!」
ラン「わざわざ騒ぎ起こす防衛隊に存在価値はあるん?」
ゼフィア「レックス。見ての通り、我が剣道部はなぜ廃部していないのか不思議なほどひとがいない。
たまに現れたかと思うとすぐにどこかへ行く幽霊部員揃いだ。
だから、入部してもらっても君の練習相手がいない。
心苦しいのだが」
ミスティリカ「え、わたし、べつに剣道やりに来たんじゃないですよ?」
ゼフィア「は?」
ラン「ほんなら、マネージャーにでもなりに来たん?」
ミスティリカ「ああ、マネージャー。それもいいですね」
ゼフィア「このような小所帯で、マネージャーの必要など」
ミスティリカ「べつに肩書きはなんだっていいんですよ。
ゾンボルト先輩のお側に置いていただけるなら」
ゼフィア「なっ!?」
ラン「なんやてっ!?」
ミスティリカ「そしてわたしを朝に夜に陵辱してください!」
ゼフィア「・・・・・・は?」
ミスティリカ「さあ! 放課後の武道場で陵辱の限りを尽くしたらいいじゃない!
このメガネを白濁したなにかで曇らせればいいじゃない!」
ゼフィア「取りあえずメガネの位置を直しなさい」
ミスティリカ「むりなのぉぉぉーっ、初期設定れ、Lv2まで自己開発してりゅのぉーっ!」
ゼフィア「自己開発とはなんだ」
ミスティリカ(初対面の男の人にこんなお願いをするわたしって、なんて最低の屑なのかしら)
ラン「その独り言、めっちゃ聞こえとるからね」
ばたーん!
ランディ「あーっ、いたいた!」
克夜「ちょっと目を離したスキに!」
ミスティリカ「あ、半端ハーレムの子と初心者向きハーレムの子」
克夜「なにが初心者向きだ! 僕の話はまだ終わっていないぞ」
ランディ「行ったれカッちゃん! この変態を黙らせろ!」
克夜「だいたい、君んとこのお父さんはなんだ!
せっかくヒロインが複数いるのにハーレムエンドがないなんて、騎士道精神が足りない!
騎士たるもの、ヒロインには漏れなく手を付けるべきだ!」
ランディ「うん、紫雲家的にはそれ正義かもしんないけど、世間一般では腐れ外道だからな」
ミスティリカ「そんなことありません!
シェルディアさん姉妹が泊まりがけで遊びに来るたび、
(あれから何年も経ってるのに。
ミストにとってあの子たちは妹的存在以外の何者でもないってわかっているのに、
それなのに心がモヤモヤする私って、なんて最低の屑なのかしら)
って身もだえするお母さんを見ると、最高にメガネ曇るわ!」
ランディ「お前は最低だ、この陵辱メガネ!」
克夜「攻略もしなかったヒロインと友人関係を結ぶとは、なんて騎士道不覚悟なんだ!
うちのお父さんなんて、
シャナ=ミア陛下がいくら寂しそうな顔をしていても眉ひとつ動かさないし、
そもそもシャナ=ミア陛下の名前をちょっと忘れてるぞ!
引きずっていても一文にもならない未練なら、最初からなかったかのように扱うのが騎士の情けだ!」
ランディ「ミストさんと統夜さんのどっちが正しいのか、俺にはもう判断つかねえ!」
克夜「うちのお父さんがハーレムエンドを迎えるのにどれだけ苦労したと思ってるんだ!
誰かひとりをエコヒイキすることがなく、まんべんなく八方美人な態度を貫き、
その結果築かれたのが紫雲家だ!
努力を怠りハーレムエンドに背を向けたミストさんを、僕は認めることが出来ない!」
ミスティリカ「お父さんはともかく、わたしは頑張ってるもん!
毎日毎朝、鏡に向かってアヘ顔の練習してるもん!」
ランディ「変態的なカミングアウトをするな!」
克夜「・・・・・・負けた」
ランディ「何に負けたんだカッちゃん!」
克夜「頑張ってくれミスティリカさん。
僕には君を攻略することは出来ないけど、きっとどこかに君を攻略できる変態がいる」
ミスティリカ「あなたも頑張って紫雲さん。
あなたに攻略される気はさらさらないけど、きっとどこかにあなたに攻略されたがるヌルいヒロインがいるわ」
ランディ「気持ち悪い友情を築くなーっ!」
ランディ「あ、なんか、スンマセン。お騒がせして。
あのバカどもは、火の精霊とかにお仕置きさせとくんで。
あとランさんはいたならツッコミ手伝ってください。俺、声ガラガラです」
ラン「お勤めご苦労さん」
ゼフィア「お前も、いつまでも火の精霊などといっていてはいけないぞ」
ミスティリカ「ヤダもんヤダもん! ゾンボルト先輩に陵辱してもらうんだもん!」
ランディ「駄々こねんじゃねえ、この陵辱志願!」
克夜「ゾンボルト先輩はヘタレなんだ。陵辱なんかできるはずないだろ」
ズルズルズルズルズルズル
ラン「あ、ちょい、待ち、ふたりとも」
ランディ「なんですか、いっときますけどこの変態と会話成立させるの、すごく大変ですよ」
ラン「な、ミスティリカちゃん、やったっけ?
あんた、ゼフィアちゃんのこと好きなん?」
ランディ「こいつのは好きとかなんとかそういうんじゃないですよ。ただの変態性欲ですよ」
ラン「男の子は黙っとるの!」
ミスティリカ「今朝校門で、服装検査をしているゾンボルト先輩を見かけたときから決めてたんです」
ラン「へえ」
ミスティリカ「わたし、小さいころから見てました。
毎日毎日、毎朝毎朝、
(夜な夜な妻を陵辱せずにはいられない俺に、人の親たる資格はあるのか?)
って自己嫌悪に陥っているお父さんの姿を!
ゾンボルト先輩は完璧です!
わたしをぐちゃぐちゃに陵辱した朝に、ハラキリしかねない鬱に襲われそうな臭いがぷんぷんしてます。
あぁ、想像しただけでメガネ曇るわ」
克夜「Pちゃんくん、ああいうのはサディストなんだろうかマゾヒストなんだろうか」
ランディ「ただの変態だろ」
ミスティリカ(あぁ、こんな逸材を見出すなんて、わたしってなんて最低の屑なのかしら)
ランディ「地獄に堕ちろ変態!
サフィーネさんの子として生まれ変われ!
最低最悪の輪廻転生に組み込まれろ!」
ミスティリカ「サフィーネ・グレイスさんは、さすがにちょっと」
ランディ「お前なんかに拒否られてサフィーネさんもさぞかし心外だろうよ!」
ラン「あんねえ、ミスティリカちゃん」
ミスティリカ「なんです?」
ラン「残念やけど、ゼフィアちゃんはもうウチと付きおうとるから」
ゼフィア「はぁっ!?」
ラン(シッ、ゼフィアちゃん。
あの子、会って5分でわかるレベルの変態やないの。
もうカノジョがいるってことにしとき)
ゼフィア「はぁ」
ミスティリカ「ほんとに付き合ってるんですかぁ?」
ゼフィア「う、ウム」
ラン「な、今日もこれから、デっ、デート行くトコやったし」
ランディ「ランさん、大丈夫っすか? デートって単語の時点ですでに噛んでるじゃないっすか」
ミスティリカ「なるほど、剣道の練習後、むせかるほど汗臭い男性と
腕を組んで歩くプレイなんて、あなたも相当のレベルに達しているようですね」
ラン「なんのレベルやの?」
ゼフィア「俺は、汗臭いのか・・・・・・」
ラン「ゼフィアちゃん、いちいち落ち込まんの! この子の思うツボやないの!」
【公園】
ゼフィア(ら、ラン殿っ、う、腕に)
ラン(シッ、あの子、まだ着いて来とるやないの。
恋人同士やなんていうなら、腕くらい組んどらんと不自然やろ)
ゼフィア(・・・・・・しかし、これは着いてきてるというか)
ドン ドン ドン
ラン「な、ミスティリカちゃん。
押しとるよね? メッチャ押しとるよね?」
ミスティリカ「だって、恋人同士が行く場所なんて決まってるでしょ?」
ゼフィア「なっ!?」
ラン「うん、そうなんよ。
ウチら、これから恋人同士が行くとこに行くの。
せやから、ミスティリカちゃんを連れてくことはできんの、わかる?」
ミスティリカ(こんな、陽も落ちていない時間から獣のように絡み合うふたりの目の前で、
女としてまったく相手にされないわたしって、なんて最低の屑なのかしら。
あぁ、想像するだけでメガネ曇るわ)
ラン「むしろ、あんたのメガネいつ雲っとらんの」
ゼフィア「けっ、けものっ!?」
ミスティリカ「あれ? どうしたんですか、その冷や汗は。
これから獣欲に身を任せようっていうひとには見えませんよ?」
ゼフィア「う、あの・・・・・・」
ラン「もうアカン! ミスティリカちゃん!
ウチもドバン家の女や! 武術でハナシつけようやないの!」
ミスティリカ「わたしはドバン家の女じゃないし、武術でなんて話つけるっていわれても困りますよ」
ラン「じゃあ、なんでもええ! あんたの得意はなんや!?」
ミスティリカ「カクテルとか作るの得意です」
ラン「あんた、1ヶ所くらい18歳未満にふさわしい部分はないん?」
【
竜巻亭】
レーツェル「スレイチェルが戻ってきたら面倒だから、手早く済ませよう。
一本勝負、フードでもドリンクでもいい。
ゼフィアが『美味い』と判断した方が勝ちだ」
ゼフィア「しかし、カクテルといっても、俺は、酒は」
ミスティリカ「安心してください。
アトリームにだってカクテルはあったそうですよ。
地球のカクテルとは比較にならないほど
『わたしお酒弱いのぉ』とかいっちゃう女子向けのがね」
レーツェル「私は個人的にそういう女子は嫌いだな」
ラン「どうでもエエですよ、そんなこと!」
タン タン タン
レーツェル「ほぅ」
ラン「ウチはカクテルのことよぅ知りませんけども、アレはどうなんですのん?」
レーツェル「カクテルとは、味はもちろん、その色彩、香り、その場の雰囲気などを総合して味わうものだ。
彼女は、さりげなく店内のBGMをChicagoの『Hard To Say I'm Sorry』に切り替えている。
ステア用にやや大きめに用意した氷を洗って角を取り、
バー・スプーンを中心に向けてミキシング・グラスの内側の壁を擦るようにまわしている。
スプーンを止めずに回転させながら抜き、ストレーナーをかぶせてグラスに注ぐ。
一連の動作に、まったくのブレがない。
あれは、昨日今日マドラーを手にした人間の動きではないぞ」
ラン「未成年の女の子が昨日今日マドラーを手にしたわけやないって、問題やと思いますよ」
タン
ミスティリカ「どうぞ。シー・ブリーズ。
名前の意味は『海のそよ風』。その名の通り爽やかで飲みやすいカクテルです。
1980年代のアメリカで大流行したんですよ。
レシピはウォッカとグランベリー、グレープフルーツ。
でもこれは、ウォッカを使わずグレープフルーツを増量した、
ヴァージン・ブリーズと呼ばれるノンアルコール・カクテルです」
ゼフィア「う、ウム」
ミスティリカ「どうです?」
ゼフィア「ウッ!」
ばたん!
ラン「ゼフィアちゃん!」
ミスティリカ(あぁ、ウォッカを使っていないと謳っておきながら、
その実ガンガンに使っている、わたしってなんて最低の屑なのかしら)
ラン「スーパーフリーや! スーパーフリーの手口や!」
レーツェル「無効! この勝負、無効!」
ミスティリカ(勝負なんて根本的に興味がないのよ。
さぁ、ゾンボルト先輩。
アルコールに溺れて正体をなくし、わたしをグチャグチャに陵辱すればいい。
あなたは、どんな自己嫌悪に悶えてくれるかしら。
あぁ、想像するだけでメガネ曇るわ)
ラン「ゼフィアちゃんを離し!」
ミスティリカ「そこ、どいてくださいよ」
ラン「勝負を投げたのはあんたや!
ミスティリカちゃん、あんたは間違うとる!
ひととして、もう取り返しがないくらいに間違うとる!
ウチとてドバン家の女! あんたにゼフィアちゃんを好きにさせるわけにはいかん!」
ミスティリカ「それで、どうするんですか」
ラン「こうするんや!」
ブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブン!
ミスティリカ(あれは、お母さんが作ったデータにあった、
エンダークのミナール・ハンマーに類似した質量エネルギーによる攻撃。
原始的なだけに、その破壊力は極めて高い。
そして、原始的ゆえにモーションの予測は容易。
鉄球に強烈な回転モーメントを加えて、一気呵成に相手を叩き潰す!
そう、このタイミングで!)
ばちこーん
ミスティリカ(特色が書いてあるだけで攻略法もなにもないデータって、
それ根本的な解決になってませんよね)
ばったり
ミスティリカ「楽しい宴会でしたね」
ラン「立ち、ミスティリカちゃん。
まだ間に合う。まっとうな人生を歩むんや」
ミスティリカ「やめてくださいよ、手なんか差し伸べるのは」
ラン「ミスティリカちゃん」
ミスティリカ(敵に手を差し伸べられるような夢色チェイサーなんて、
全然メガネ曇らないわ)
最終更新:2009年10月17日 14:52