ムラタボックス


29代目スレ 2009/06/21(日)

 【アンドー家】
バチュン「いいですか、お嬢さん。
 選挙で重要なのは、なんといっても地盤、看板、鞄でして」
マキネ「たまにひとんち来たかと思ったら、あんた突然なにいってんのよ」
バチュン「いつかお嬢さんが国政に打って出る日のために、三種の神器の説明を」
マキネ「出ない出ない、そんなもん」
バチュン「しかしお嬢さん、地球連邦の統治には、やはり綻びがあるんです!
 いまこそお嬢さんが憂国の志を背負って!」
マキネ「そういう志があるんなら、あんたが自分で立候補すればいいじゃん」
バチュン「それはダメですよ。だって私、なにげに国際指名手配されてますもん」
マキネ「ダメじゃん、気楽にひとんち来ないでよ」

バチュン「異星人の脅威が去ったいま、
 いつまでも軍事力を盾に地球を統治し続ける地球連邦のあり方は決して正しくありません!
 地球連邦は即時解体し、本来の民族自治の道を歩むべきなのです!」
マキネ「だからさあ、いまさら反地球連邦でもないじゃん。
 あんたのとこのノイエDCだってさ、
 最近は地雷撤去したり難民の面倒みたり、NGOっていうか、ボランティア団体じゃん」
バチュン「ですから、銃とか機動兵器とかに頼らない、対話による改革をですね」
マキネ「それ、ただの政党じゃん」
バチュン「ですから、そこでお嬢さんを」
マキネ「元総帥がすぐそこで盆栽いじってるから、本人に話してよ」

バチュン「元総帥!」
ビアン「ん~、じいちゃんがDC作ったのは異星人と戦うためでなあ。
 もう当分どこかの星と戦争する気配もないし、
 地球連邦とかDCとか、じいちゃんもう興味ないわ」
バチュン「これだから天才肌の革命家なんてアテにならないんです!」
マキネ「だからうちはDCとかもう興味ないから、あんたんとこで好きにやってよ」
バチュン「わかりました。
 では、ムラタさんだけでもこちらで引き取らせていただきます!」
マキネ「は、冗談いわないでよ!
 ムラタにはねえ! 雨降る前にキューキュー鳴いたり、
 縁の下に住み着こうとするネコ追い出したり、うちでやってもらう仕事があるんだよ!」
バチュン「お嬢さんはムラタさんをなんだと思ってるんです!
 ムラタさんは、いつまでもこんなところで雌伏していていい方ではありません!」
マキネ「ムラタはもう戦いとかいいの! ずっとうちで雌伏してるの!」
バチュン「ムラタさんの意志はどうなります!」
マキネ「ムラタ! いってやんな!」
ムラタ「・・・・・・ぐぅ」

ランディ「お前らは、なんでそんなにムラタが好きなんだ」
マキネ「あら、あんたがうちに辿り着くなんて珍しいじゃない」
バチュン「なんだ貴様、まだお嬢さんのまわりをウロチョロしていたのか」
ランディ「お前は本当に俺のことがキライだなあ!」
バチュン「お嬢さんと腹違いとはいえ、貴様はビアン元総帥と縁もゆかりもない。
 よって、貴様に敬語を使う必要はいっさいない!」
マキネ「だからあ、じいちゃんもあたしも、もうDC興味ないっていってんじゃん。
 さっさと帰って地雷を撤去する仕事に戻んなよ」
ランディ「いいえ、まだムラタさんについての話が終わっていません!」
マキネ「だからムラタは渡さないっつってんの!」
ランディ「負けてる・・・・・・。
 俺、こいつらの中でムラタより優先度低い」
マキネ「よしわかった! こうなったら柔道で決着を付けよう!」
ランディ「なんで柔道!?」

 【カノウ家道場】
トウキ「なんでうちの道場使われるんだ?」
ミナト「マキネんちに道場とかないからじゃねえの?」
ムラタ「・・・・・・」
トウキ「ムラタ、タコヤキ食うかムラタ」
ミナト「やめろよ、ムラタに勝手に餌付けしたら、マキネに叱られるぞ」

マキネ「あんたが勝ったら、ムラタはノイエDCに渡す。
 うちのランディ1/2が勝ったら、ムラタはいままで通り、うちの軒下で雌伏してる!」
ランディ「俺が戦う理由がいっさいわからねえよ!」
マキネ「頑張れランディ1/2! ムラタのために勝って!」
ランディ「ビックリするほどモチベーション上がんねえ!」

トウキ「えーと、じゃあ、始めー」

 ばしーんっ!
ミナト「有効ッ!」
ランディ「くそっ!」
バチュン「フフフ、こう見えても私は、アフリカでジュードーカラテ道場を運営しているのだ」

トウキ「ああ、よくわかんない国によくある、
 来日歴なんか1回もない、よくわかんないひとが経営してる道場な」
ミナト「たしかにあれ、柔道じゃあねえよなあ」
トウキ「サンボっていうかレスリングっていうか、いいとこモンゴル相撲だよな」
ミナト「まあどうせ公式戦じゃねえし、細かい反則なんか取らねえけどさ」
トウキ「でもあの兄ちゃん、けっこう動きいいぞ」
ミナト「ほぼボランティア団体と化してるっつっても、
 ちょいちょいゲリラ活動とかしてるって、テレビに出てるもんなあ」
トウキ「そんなひとうちの道場に上げちゃって大丈夫なのかなあ」
ミナト「でもランディ1/2だって、ラ・ギアス(笑)で金のゴーレムとか狩ってるって語ってたし」
トウキ「まあ、ラ・ギアス(笑)が実在してたらな」

ランディ「ラ・ギアス(笑)とかいうんじゃねえっ!」
マキネ「ランディ1/2っ! ラ・ギアス(笑)に自信を持つんだ!」
ランディ「お前もいい加減、こいつらにラ・ギアスのこと説明してくれっ!」
マキネ「ラ・ギアス(笑)はあるよ! あんたの心の中にねっ!」
ランディ「このヤロウ! ラ・ギアスをないってことにしたほうが面白いって判断しやがったな!」
バチュン「ネットゲームの話をしている場合かっ!」
ランディ「ネットゲームの話じゃねえよ!」

 ばしーんっ!

トウキ「技有りっ!」

バチュン「さあ、いま降参するなら、屈辱的な負け方だけはカンベンしてやろう」
ランディ「くそぉ、本名不詳のくせに偉そうに」
バチュン「そして大人しくムラタさんを渡すんだ!」
ランディ「いいよ、持ってけよムラタなんか!」
バチュン「ムラタなんかとはなんだ! お前にムラタさんのなにがわかる!?」
ランディ「うちの縁の下で20年近く雌伏し続けてるムダメシぐらいのオッサンだ!」
バチュン「失礼なことをいうな!
 戦乱の終わったこの時代、大好きな人機斬りすらも封印し、
 あえて雌伏し続けたムラタさんの心意気を、なんと心得ているんだ!
 ムラタさんこそ、ムラタさんこそノイエDCの象徴となるべき人物だ!」
ランディ「どんだけムラタを英雄視してるんだよノイエDC!」
バチュン「さあ、次が最後の技だ!
 ムラタさんのために投げられろ!」
ランディ「うわぁ、どうでもいい!」

マキネ「ランディ1/2っ!」
ランディ「なんだようるせえな!」
マキネ「ムラタがいなくなったら、あたしは凄くイヤだよ困るよ泣いちゃうよ!
 だから、勝ってーっ!」
ランディ「どいつもこいつもムラタムラタってよぉーっ!」

 ばしーんっ!!

トウキ「いっぽーん!」
ミナト「え、兄貴、いいのか?」
トウキ「いいんじゃねえの、だってランディ1/2、いま投げたじゃん、カンペキに」
ミナト「でも、いまの技」
トウキ「陣内流柔術裏手、雷車だな」
ミナト「メチャクチャ反則じゃん」
トウキ「すっとばしたな、ランディ1/2!」

バチュン「ふふ、すっとばされたよ、ランディ1/2君」
ランディ「正直俺も、なんでいま陣内流柔術裏手雷車が出ちゃったのかよくわかんないけどさ」
バチュン「まさか君が、『陣内流柔術流浪伝 真島、爆ぜる!!』にそこまで期待しているとは」
ランディ「べつに真島クン嫌いじゃねえけど、そこまで期待してねえよ!?」
バチュン「君ならあるいは、ムラタさんを」
ランディ「ムラタと真島クンに、なんの関係があるんだよ!?」
バチュン「ムラタさんを、頼んだ・・・・・・!」
ランディ「待て! いまの勝負ナシ! ナシでいいから!
 ムラタを連れて帰ってくれ!」
バチュン「ムラタさんが君を選んだ理由、いまならわかる気がする」
ランディ「なにをわかったような気になってんだよ!?
 俺、ムラタになにを選ばれたっていうんだよぉーっ!?」

マキネ「きゃる~ん」
ランディ「『きゃる~ん』出るの遅ぇっ!」

トウキ「こうしてムラタは、いままで通りアンドー家の縁の下で雌伏し続けていられることになったのだった」
ミナト「そしてランディ1/2は、いままで通りグレーデン家に引き取られたのであった」

デスピニス「ダメですよぉ、Pちゃんさん。晩ご飯前に出歩いちゃ」
ランディ「やめてくださいデスピニスさん! 片腕で抱え上げないでください!
 どんだけ力持ちなんですかデスピニスさん!」

シュウヤ「(ええい・・・前触れも何もなくいきなり帰ってきたせいですっかりペースを乱された。
とにかくだ!帰ってきたなら帰ってきたで言ってやりたいことは山ほど・・・いやまずは一発本気でぶん殴らねば!)」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年10月17日 14:57
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。