マーズがやって来た

18代目スレ 2007/07/27(金)

路上
???「値引きなどさせるか!
 しかし、言い値で売ってやらんこともない」
???「ククク・・・、グランゾンの力を持ってすれば、
 グランゾン色の百合を作り出すことなど造作もありません」
???「この百合さえあれば気になるあの子のハートもゲットだぜ間違いなしと請け合うのも私だ。
 もしも効果がなければお受け取りした金額の1.5倍の金額をお返しすると確約するのも私だ!」

ヴィレアム「恋愛成就の青い百合、1本1000円か・・・。
 効き目がなければ代金は返すっていってるし、よし!」

???「あーあ、買っちゃったー」
ヴィレアム「あれ、お前ヴァルストークファミリーの?」
???「んー。消しちゃうのはもったいないから、名前変えて再利用するって親父がー。
 いま、親父から二文字もらってマーズっていう名前ー」
ヴィレアム「なんか、うっかりすると地球滅ぼしそうな邪気眼チックな名前だな」
マーズ「いま、お供のガイアくん作ってるとこー」
ヴィレアム「それはやめておけ。
 でもなんか、ずいぶん縮んだな。見た目10歳くらいか?」
マーズ「あのねー、稼業が思わしくなくて、パーツ削られちゃったのー。
 おっきくなりたかったら、自分で稼いでパーツ買い足せってー」
ヴィレアム「厳しい教育方針だな」

ヴィレアム「それで、なんなんだ? さっきいってたのは」
マーズ「えーっとねー。その百合、インチキだよ。効果なんかないよ」
ヴィレアム「いやでも、
 お前知らないだろうけど、あのひとたちは科学者としてはすごいんだぞ?
 それに、凄い貧乏なんだ。
 代金払い戻しならともかく、1.5倍にして返すっていうのは」
マーズ「赤字なんて出ないよー。
 えーっとぉ、1本1000円で、10本売ったら1万円の売り上げでしょー?
 効果あるなしの確率は50%だから、7500円返金することになるでしょー?
 したら、10本売るたびに2500円の利益は確保されるでしょー?
 効果があったひとは花のおかげだと思って口コミで宣伝してくれるし、
 効果なかったひとはなかったひとでおカネが返ってくるわけだから文句もいわないし、
 いい評判しか出回らない仕組みなんだよー。
 50本売ったら12500円、100本売ったら25000円、適当に儲けたらトンズラするつもりだよー」

ヴィレアム「でも、百合を育てるコストがあるんじゃないか?
 青い百合っていうのは、バイオテクノロジーとか駆使しないと作れないって」
マーズ「それ、ただの白い百合だよ。
 そのくらいのグレードだったら相場は1本15円くらいだし、
 どっかそのへんで摘んできたんならタダだね。
 青い色水でも吸わせたんじゃないのー?」
ヴィレアム「あ、ああ! そうだ! たしかに学研の科学でそんな実験見たことある!
 バカバカ、俺のバカ! なんのために小学生のときずっと科学と学習取ってたんだ!」
マーズ「いってやろーいってやろー。
 がっけんのおばさんにいってやろー」
ヴィレアム「学研のおばさんにはいわないでくれ!」

ヴィレアム「あぁっ、くそっ! もう露天は影も形もない!」
マーズ「よくあるインチキ商法だよー。
 ひとつどころで長くやってるとそのうちばれるから、こまめに河岸変えてるんだよー。
ヴィレアム「お前、見た目子供なのによくそんなのわかるな」
マーズ「だっておれ、経営者のくせに簿記資格も持ってない親父のサポート用に作られた
 ビジネス支援ロボだもん」
ヴィレアム「それ、『勘定奉行』入れるとかじゃダメだったのか?」
マーズ「あ」
ヴィレアム「絶句しちゃうんだ」

マーズ「うわーん! いわないでー! それ、親父には絶対いわないでー!
 おれのことパーツにバラして『勘定奉行』と物々交換されるー!
 親父、俺のことロボだと思ってるからー!」
ヴィレアム「だって実際ロボだしなあ」
マーズ「あ、そーだ!
 その百合だけどさ、せっかくだからちゃんと白く戻してプレゼントすればーよ!
 メッセージカードなんかも付けると効果テキメンだもんね!
 おれ、ばっちり届けちゃうもんね!」
ヴィレアム「そうか・・・?」


数分後
ヴィレアム「で、どうだった、ゼラドの反応は!?」
マーズ「えーっと」
ヴィレアム「喜んでくれたか!?」
マーズ「えーと、あー、うん。よろこんでたよー」
ヴィレアム「ほんとか!? どんなふうに!? 具体的に聞かせてくれ!」
マーズ「えーっと、そのー、まずにおい嗅いでー、
 えーっと、それからー、あー、うー、ガガガガガ」
ヴィレアム「おい、どうした?」
マーズ「ガガガ・・・ピー・・・ガガガ・・・ガ・・・ィ・・・ァ」
ヴィレアム「ガイアを呼ぼうとするなぁーっ!」

バルマー
ヴィレアム「なんとかしてくれ! 早くしないとガイアが犬形態になって・・・!」
ハザリア「安心しろ。ガイアガンダムも六神合体ゴッドマーズもスパロボ未参戦だから、
 この界隈にはまず現れ」
ヴィレアム「謝れ! 64とかDに謝れ!」
ハザリア「こんなポンコツロボを持ち込みおって」
ヴィレアム「なんでお前がいじってるんだ? 俺はルナに頼もうと思って」
ハザリア「ん? フハハ、これはこれは、
 おいルナよ、見てみるがいい! このロボ、珍しいものが入っておるぞ」
ルナ「なんだなんだ・・・。ほう、これは珍しい」
ヴィレアム「なんか、特殊なロボなのか!?」
ルナ「今どきロボット三原則を積んでるとはの」


ヴィレアム「なにいってるんだ? ロボットにロボット三原則が積まれてるのは当たり前」
ハザリア「第1条、ロボットは人間に危害を加えてはならない。
 第2条、第1条に反しない限り、ロボットは人間の命令に服従しなければならない。
 第3条、第1条、第2条に反しない限り、ロボットは自分を守らなければならない。
 ふん、矛盾だらけだな。
 動作不良を起こすだけだから、バルマーではとうの昔に化石になっておるわ!」
ヴィレアム「でも、俺は命令っていうか頼み事をしただけで」
ルナ「なにか、解答に困るような質問でもしたのではないか?」
ヴィレアム「困るって、そんな」
ハザリア「たとえば、『人間に危害を加えてはならない』だ。
 危害とはなんだ?
 一定レベル以上のAIならば、単に肉体的な面ばかりではなく、
 精神的に傷付けてしまうことまで考慮に入れてしまうことがままある。
 もし事実が人間の心を傷付けてしまうものだった場合、ウソをつく必要が出てくる。
 ここで、『本当のことを話せ』などと無理強いした場合、パラドックスが起きる。
 思考がループに陥ってしまったロボットはオーバーヒートを起こすというわけだ」
ルナ「ロボットにまで気を遣わせるでない」
ヴィレアム「俺は、どんだけどんだけなんだよーッ!」

バランガ家
アオラ「姉ちゃん、なに炒めてるんだ?」
ゼラド「知らないの? 百合って食べられるんだよ」
アオラ「それは球根の話じゃ・・・。あれ、このカードは・・・、えーっと」


ヴィレアム「お前さー、上半身は普通に人間の子供なのに、
 なんで4足歩行なんだよ」
マーズ「えー。船外活動するときなんか便利だよー?」
ヴィレアム「上半身が人間な分、ものすごいバケモノに見えるよ」
イングレッタ「それは意図的なものよ」
ヴィレアム「若い母さん!? どこから」

イングレッタ「一般的に、生物の定義とはエネルギー変換能力、恒常性維持能力、
 自己増殖能力だといわれているわ」
マーズ「おれ、太陽電池とかバイオマスで動いてるからエネルギー効率かなりいいよ。
 自己メンテナンス機能完備だし、自分で自分の複製作れるよ」
イングレッタ「高度に進化したメカニックはこういう芸当をこなしてしまうから、
 生物との境界が曖昧になってくるの。
 こういう手合いに人権を主張された場合、人間の方は混乱してしまう。
 とくに見た目が人間的なら、なおさらよ。
 ロボットと、全身義体に変えた私。どこに差があるというのか。
 なにを根拠にゴーストの存在を主張できるのか」
ヴィレアム「若い母さん、なにを言い出しているんだ!
 いつから全身義体なんかにしたんだ!?」
イングレッタ「夏休みの間だけよ」
ヴィレアム「そんな、夏休みの間だけピアス着けてる女子高生みたいに!」

マーズ「おれ、べつに人権主張したりなんかしないよー。
 200年がかりで人間になったって、べつにいいことないし」
ヴィレアム「アンドリューNDRなんて、よく知ってるな」
イングレッタ「人間の方が気にするのよ。
 だから、わざと人間とかけ離れた外見にデザインされる。
 非人間的な名前を付けられているのもそのためね」
マーズ「やー、そーいうスピリチュアル的なことはどーでもいーよー。
 おれ、商売ロボだしー」

【ヴァルストーク備品No123.マーズ】
 姉妹が全員嫁に行き、ヴァルストークで1人になってしまったカズマが自分のライフ
データとキャレットのシステムを組み合わせて作ったロボット。
 カズマを『父親』として認識しているが、カズマ的にはただの『よく喋るロボット』な
のでアーディガン姓は付いておらず、ヴァルストークの備品扱いされている。
 基本的に商業用なので戦闘能力などは持ち合わせていない。会計が苦手なカズマをサ
ポートするため、『勘定奉行』並の会計能力や商法などがインストールされている。
 インチキ商法を見破るなど商売がらみのことには目端が利くが、精神年齢はまるで子供。
『ロボット三原則』に従って人間に奉仕しようという気持ちはあるが、人間的な心の機微
や性差、親子の仕組みなどをいまいち理解していないので若干ズレた行動を取る。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年11月14日 10:47
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。