18代目スレ 2007/08/25(土)
ゼラド「『ToLoveる』カフェに」
スレイチェル「ようこそ!」
レイナ「・・・なにやってんのよ」
ゼラド「なにって、バイトだよ。
見て見て、ララ・クロフトだよー。似合うー?」
レイナ「ファミリーネーム間違えてるからね」
スレイチェル「西連寺春菜だ。似合うだろう」
レイナ「近年まれに見るミスマッチですよ!
なに自分のこと清純派だと思ってるんですか!?」
スレイチェル「ここ『ToLoveる』カフェは、
『ToLoveる』のコスプレをしたウェイトレスがお食事を運んだり、
『ToLoveる』を読みながらお食事をお待ちいただいたり、
スレイチェル他有志が制作した『ToLoveる』MADを鑑賞しつつお食事いただいたり、
ご要望によってはお客さまに『ToLoveる』のコスプレをしてお食事いただいたり、
とにかく『ToLoveる』づくしの『ToLoveる』なカフェなのでございます!」
レイナ「セールストークとかいりません」
スレイチェル「レイナは取材か? ミシュランか?」
レイナ「どっちかっていったら恨ミシュランですよ」
ルアフ「なーんだ。ハプニングバーじゃないのか」
ラミア「ガッカリだ」
ヒューゴ「あ~、テンション上がんない」
アクア「あの、教師って風俗店とか行っちゃいけないって『鈴木先生』が」
ルアフ「学区外なら問題ないんじゃないのぉ~」
レイナ「学校のそばにいかがわしい店ができたっていうから取材に来てみたら、
なんであんたがいるのよ」
ルアフ「イタタタ・・・、べつにいかがわしい店じゃないよぉ~」
アクア「失礼よ、レシタールさん。ここはべつにいかがわしいお店じゃ」
ラミア「そうだぞ。アクア先生はいかがわしいが、ここはいかがわしい店ではない」
アクア「そうそう。アクア先生はいかがわしいけどここは・・・、
って、えぇ~!?」
ヒューゴ「夏休みも終盤に入って生徒たちも慌てている時期だからな。
必死にあがく姿を眺めながら冷た~いビールを楽しもうってわけで繰り出したのサ!」
アクア「ヒューゴ!? なんで爽やかにサディストなの、ヒューゴ!」
スレイチェル「そう、この店はスレイチェルの宿題なのだ。
もっとも、学校ではなく父さまに与えられたものだがな。
空いたテナントを貸してやるから、一ヶ月間好きなように経営し、
売り上げ目標を達成してみせよという」
レイナ「それ、宿題っていいません。ノルマですノルマ」
ミナト「やべえよ兄貴。俺、まだ自由研究のテーマすら決めてねえ」
トウキ「『びた一文パンチを打たずにパンチ得意キャラを定着させる方法』
とかいう論文でも書いてみたらいいんじゃないか?」
ミナト「へえ、じゃ、兄貴の場合、
『1年くらい前は主要キャラでした』っていうエッセイでも書くのか?」
マキネ「よしなよ、みぐるしい兄弟ゲンカは。
え~と、アムロ・ナミエのブレイク以降、
ハイレベルな楽曲やダンスを売り物にする女性アーティストが一世を風靡し、
80年代にいたようなアイドルは下火になってしまった。
世にいう『アイドル不在の時代』である。
これに一石が投じられたのが1997年、12chで放送されていた番組で・・・」
ミナト「マキネは90年代の芸能史研究かぁ」
マキネ「2000年、リマオの脱退によりその歴史に幕を下ろした・・・」
ミナト「ちょっと待ったぁ!
なに『F完娘。』を90年代に終わったアイドルみたいに扱ってるんだよ!?」
マキネ「90年代に終わったアイドルだろ?」
ミナト「ざけんなよ、00年代もバリバリだよ!
ガキさんの潜在能力舐めんなぁ!」
マキネ「『SpEED Destiny』の端っこで踊ってたチリチリヘアのひとの話なんかしてないよ」
ミナキ「そりゃアラガキだ!」
スレイチェル「たしかに、このスレイチェルも常日頃から
ガッキーことニイガキユイのことを好敵手としてみなしているが」
ミナト「そんなぽっと出のニイガキと一緒にしないでくださいよ!
ガキさんはねえ、ガキさんはねえ!」
トウキ「ミナト、ガキさんに異常な愛情注ぐのやめろ。
兄ちゃん、正直最近のお前にはどん引きだ」
マキネ「いわゆる若手お笑いブームは『ボキャブラ天国』によるところが大きく・・・」
レイナ「けっこう客入ってるのね」
ゼラド「みんなここで宿題やったりしてるよ。なんか、居心地いいみたい」
レイナ「ここがねえ・・・」
ゼラド「レイナもナポリタンでも食べてってよ」
レイナ「この手のメイド喫茶みたいな店の料理なんて、たいていねえ・・・、あれ、美味しい」
ゼラド「でしょお?」
レイナ「シートもふかふかだし、なんだか妙に居心地いいわね。
むしろ、目玉のはずの『ToLoveる』コスプレがちょっとイラッとくるぐらいで」
マーズ「メイド喫茶とはコンセプトの段階からして違うんだよー」ガチャガチャ
レイナ「この空間に四足歩行が混じると、なんかちょっとした魔界みたいよ」
スレイチェル「経営コンサルタントのマーズくんだ」
マーズ「ふつー、メード喫茶ってテーブルとか椅子とか、やけに安っぽいでしょー?
高校の文化祭みたいでさ」
レイナ「それは、不遇の学生時代を過ごしたオタクなひとたちに
輝かしい青春を疑似体験させるためだって聞くけど」
マーズ「そりゃー、お客さんの側で勝手に勘違いしてくれるのはありがたいけどさー。
経営者側の狙いは違うよ。
わざと居心地悪くして、客を長居させないためなの。
オタクのひとってキホンお酒あんま飲まないから、
回転率上げないと利益が出ないんだよー」
レイナ「この店は大丈夫なの? こんなサービスしちゃって」
マーズ「えっへん! おれがソンケーする渡邉美樹シャチョーはね」
レイナ「ああ、和民の創業者ね。たしかに元運送屋だけどさぁ。
あんた、そのへんにあんま憧れてると、
そのうち配給先も決まってないのに映画作る羽目になるわよ?」
マーズ「高級店並のリョーリをファミリーレストラン並に入りやすい店で出すっていうのがコンセプトだよ。
美味しーリョーリを出せば、お客は何度だって来るだろ?
結局、客商売ってゆーのはお客さま第一にやるのが一番ワリいいんだよ。
情けは人のためならずってゆーやつ」
レイナ「それで、うまくいってるの?」
マーズ「えーっと、それがねー」
レーツェル「やっているな」
スレイチェル「は、父さま! すでに売り上げは目標額の90パーセントに達していて・・・」
レーツェル「売り上げの推移を見せてみろ」
スレイチェル「うぐっ、それは・・・」
レーツェル「やはり、出だしは好調だが、じりじりと客足が下がっているな。
リピーターが着いていないということだ。
主な客層は未成年、しかも宿題をやっているから長居するしオーダーもあまり取らない。
このままでは目標額に達するかどうか・・・」
スレイチェル「お待ちください父さま! このスレイチェル、必ず!」
スレイチェル「くっ、なぜだ!
最高の食材! 最高の内装! 『ToLoveる』なウェイトレス! 春菜コスのスレイチェル!
お客さまの求めるすべてがそろっているはずなのに!」
レイナ「後半がいらないと思います」
マーズ「えーっと、おれ、子供ロボだからよくわかんないけど、
スレイチェルちゃんのチョイスがちょっと間違ってるんじゃ・・・」
スレイチェル「そうか! 最新の人気キャラを出していない!」
レイナ「そういうことじゃなくて」
ミナト「あ、先輩。トイレどこっすか」
スレイチェル「ああ、そこの通路を行って右だ。
奥はスタッフルームになっているから入ってはいけないぞ。
壁に貼ってある、コミックス修正版の乳首トーンチェック一覧を眺めながら、
思う存分排尿するといい」
ミナト「排尿の邪魔になるようなもん貼らないでくださいよ!
おっと、漏れる漏れる・・・」
マキネ「サッチーミッチー騒動の終結を見ないまま、世紀はかくも凄絶に幕を閉じたのであった・・・。
よし、終わったぁー!」
スレイチェル「ちょうどいい! マキネ! 時給は払うからこれを着てくれ!
この、コミックス最新刊から登場する・・・」
マキネ「えぇっ、ムリムリムリ! これ、手足ほっそいじゃないですか!?」
スレイチェル「そう、ほっそいのだ! だからレイナには無理なのだ!」
レイナ「あ、コンチクショウ」
マキネ「あたしだって無理ですよ! スレイチェル先輩、自分でやればいいじゃないですか!」
スレイチェル「スレイチェルは店の切り盛りに調理に春菜コスと、やることが山盛りなのだ!」
レイナ「あくまで春菜コスは譲らないつもりらしい」
マキネ「でもあたし、ガタイよすぎるから」
スレイチェル「大丈夫だ。君はレイナと違って引き締まっているから、
衣装のボリュームでどうとでもごまかせる。
それに、君は生来の金髪ではないか!」
マキネ「そこまでいうなら・・・。でも、ちょっとですよ?」
スレイチェル「よし! 更衣室は、スタッフルームに入って右だ!
コスチュームは5番のロッカーに入っている!」
レイナ「先輩は、どうして苦境の中にあってもあたしにチクチク攻撃するんですか」
スレイチェル「ああ好きの反対は無関心だからだ」
レイナ「せめて会話を成立させてくださいよ!」
バァンッ!
レイナ「なに、銃声!?」
レーツェル「スレイチェル!」
スレイチェル「更衣室の方からです!」
ガチャッ ガチャッ
レーツェル「スレイチェル、鍵を!」
スレイチェル「はい、これです!」
バンッ
スレイチェル「なに、これは・・・? マキネが倒れている?
しかもあれは・・・、赤いワンピース?」
レーツェル「なにをボンヤリしている!? すぐに気付け薬を!」
スレイチェル「あ、はい!」
ルアフ「個人的な意見なんだけどね、ジャンプに探偵物は合わないと思うんだ。
あやつりとか、心理捜査官とか、少年探偵のダンとかキューとか、
魔人探偵は・・・、ほら、ねえ。
イヤハヤ、『ToLoveる』カフェで起こったトラブルか。
少々気が利き過ぎやしないかい? ねえ?」
レイナ「前口上ウザい」
ルアフ「うわーん!」
マキネ「なんだか、あんま覚えてないんだよねえ。
ふっと気が遠くなって、気が付いたらこんな・・・」
レイナ「気が遠くなったって、それじゃ、あの銃声は?」
マキネ「エ? なにそれ。聞いてない」
レイナ「どういうこと? それにしても、このコスプレ・・・。
赤いワンピースに、でっかいリボン、赤みがかったオカッパ頭。
ちびまる子ちゃん? トイレの花子さん?」
ヒューゴ「ははは。なんか、懐かしいなあ。
この赤紫がかったオカッパは、4期verの猫娘じゃないすか」
ラミア「まあアクア先生的には鬼太郎といえば吉幾三なのだろうがな」
アクア「な、なにいってるんですかラミア先生。
そんな・・・、そんなわけないじゃないですか、あるわけないじゃないですか、ねえ!」
レイナ「更衣室は、窓もドアも内側から閉まっていた。つまり完全な密室ね。
でも、ロッカーがあるから隠れることはできる。
ロッカーにはゼラドやマキネの服や財布がそのまま残ってるから、物盗りの犯行じゃない。
とすると、犯人の狙いは『ToLoveる』カフェで働いてる人間。
しかも、急遽マキネが更衣室に来ることを知っていなくてはならない。
つまり犯人は店内にいた人物、この中にいる!」
ルアフ「おぉっと、いいよ、いいよぉ! 次は、犯人にイカすニックネームを付けるんだ!」
レイナ「みんな、銃声が起こったときどこにいた?」
スレイチェル「スレイチェルはレイナといただろう」
ゼラド「わたしは、トウキくんとこにホットケーキ運んでたよ」
トウキ「うん、俺はずっとテーブルにいた」
マーズ「おれはレーツェルさんとおしゃべりしてたー」
レーツェル「ああ、小麦の値上げについて話していたのだ」
ヒューゴ「俺たち4人は、ずっと一緒にいたよな」
ラミア「アクア先生はずっとヒューゴ先生にいかがわしい視線を送っていた」
アクア「否定はしきれませんけど、ほかにいいようがあるでしょう!」
ラミア「そして私は、そのアクア先生をいかがわしい目で見ていた」
アクア「なにちょっと、いかがわいっていう表現気に入っちゃってるんですか!」
レイナ「となると、アリバイがないのはトイレに行ってた、あんただけね」
ミナト「俺が!?」
レイナ「あんた、マキネと口論してたでしょう」
ミナト「そりゃしてたけど、そんなことくらいで」
レイナ「ガッキーじゃないニイガキに異常な愛情を注ぐあんたは、
マキネの発言に腹を立て、凶行に及んだ。違う?」
ミナト「違うよ! だいたい、更衣室は密室だったんだろ?
あの銃声だって! 俺は銃なんて携帯してねえぞ!」
レイナ「それはもちろん、あんたが得意だって主張してるパンチで」
ミナト「見たことないからって、俺のパンチを過大評価するなぁ!」
ゼラド「待って、レイナ。犯人、ミナトくんじゃないと思う!」
レイナ「またあんたは。なんでそんなことがいえるのよ!」
ゼラド「それは」
↓CMのあと、衝撃の真相が!
*
ゼラド「マキネちゃんがさせられてるコスプレ、4期verの猫娘なんでしょ?
でも、考えてみて。
ミナトくんが異常な愛情を注ぐガッキーじゃないニイガキさんは、
『F完娘。』の第5期メンバーなんだよ!」
レイナ「!」
ルアフ「うふふっ」
トウキ「そうか、たしかに・・・!」
ゼラド「ガッキーじゃないニイガキさんに異常な愛情を注ぐミナトくんが、5期をないがしろにするわけない。
やるなら、5期verの猫娘にするよ!」
ミナト「なんでみんな納得しちゃってるんだよ! 俺をなんだと思ってるんだよ!」
レイナ「じゃ、誰がやったっていうのよ?」
ゼラド「まず、マキネちゃんが銃声を聞いてなかったことについて。
マキネちゃんは、銃声が起こる前に気絶してたっていうことだよね?」
レイナ「でも、その時点じゃ更衣室は密室だったはずよ?」
ゼラド「たぶん、ワンピースに麻酔薬かなんか縫った針が仕込まれてたんだよ。
着たときにそれが刺さって、気絶しちゃったんだと思う」
スレイチェル「いやしかし、スレイチェルがドアをあけたとき、
マキネはすでに猫娘のコスプレをしていたぞ」
ゼラド「でも、スレイチェル先輩はすぐに気付け薬を取りに行きましたよね。
リボンやカツラまで見えたんですか?」
スレイチェル「いや、一瞬だったから、そこまでは。
ただ、間違いなく赤いワンピースを着ていた」
ゼラド「赤は強い色だから、ほかのものに目が行かなくなっちゃってたんですね」
レイナ「でも、少なくとも赤いワンピースは着てたんでしょ?
いつ、どうやって着替えさせたっていうの?」
マキネ「着替え?」
ゼラド「着替えさせる必要なんかなかったんだよ。
マキネちゃんは、自分で赤いワンピースを着たんだから」
レイナ「色が全然違うじゃない! 赤と黒よ! 間違えるはずが」
ゼラド「マキネちゃん、『ToLoveる』読んだことないでしょ?」
マキネ「あ、うん。あれってやっぱ、黒だったんだ」
レイナ「どういうこと?」
ゼラド「スレイチェル先輩がマキネちゃんに見せたのって、『ToLoveる』のコミックスだったでしょ?
白黒のマンガって、赤をベタ塗りで表現することがあるじゃない。
それでマキネちゃん、黒いワンピースを赤だって勘違いしちゃったんだよ」
ヒューゴ「そういや、原作の猫娘の服もベタ塗られてますよね」
ルアフ「あそこらへんの漫画家さんは、あんまトーン使わないしね」
マキネ「いやぁ、あたしもね、赤か黒かどっちかなぁ~って思ってたんだけど。
ロッカーあけたら赤いの入ってるし、あ、赤だったんだぁって感じで」
レイナ「じゃ、マキネがされたのは、リボン付きのカツラかぶせられただけ?」
マキネ「うん、まあ」
ゼラド「スレイチェル先輩が離れていたわずかな時間にそれができたのは1人だけ。
つまり」
レーツェル「見事だ、バランガの娘よ。
そう、私、このレーツェル・ファインシュメッカーこそが、この事件を起こした犯人!
『ToLoveるカフェの黒猫』だ!」
ミナト「えぇっ!?」
トウキ「そんなっ!?」
レイナ「いつの間にふたつ名が!?」
マーズ「ちょっと待ってよ。てっぽーの音がしたとき、
レーツェルさんはおれと一緒にいたよ?」
ゼラド「更衣室の中に弾痕はないし、火薬の臭いもしてないでしょ?
遠隔操作できる、銃声が出るオモチャでも仕込んであったんじゃないですか?
ガチャガチャによくあるやつ」
レーツェル「その通りだ。マキネにカツラをかぶせたときに、麻酔針と一緒に回収した」
ゼラド「銃声を起こしたのは、ひとを集めるためですね?
ワンピースに仕込んであった麻酔薬はごく弱いもので、効果は短かった。
現にマキネちゃんはすぐに目を覚まして、普通にしてますもん」
レーツェル「ああ。マキネが1人で目を覚まして出てきたりなどしたら、計画が台無しだからな」
スレイチェル「なぜですか、父さま! なぜ、こんな・・・!」
レーツェル「なぜだと思う?」
スレイチェル「質問を質問で返すなんて・・・!」
レーツェル「では、先生方に聞いてみようか。
この『ToLoveる』カフェに、毎日通いたいと思いますか」
ヒューゴ「いやぁ~、1回や2回ならともかく、毎日は」
アクア「たしかに、料理は美味しいんですけど」
ラミア「『ToLoveる』のコスプレは、少々目がチカチカする」
ルアフ「いや、僕は快適だけどね」
スレイチェル「そんな・・・、最高の食材、最高の『ToLoveる』をそろえた店が、なぜ・・・」
マーズ「そーか! ターゲットの年齢層!」
レーツェル「スレイチェルよ、たしかに『ToLoveる』は最先端の萌え。
しかし、ターゲットはあくまで男子小中学生だ。当然、経済力などはない。
客層を狭めるばかりか、利益も上がらない。
対して猫娘は世代を超えて愛されるキャラクター。
より多くのお客さまに、気軽に来ていただくには、このようなキャラクターが必要なのだ。
スレイチェル、お前は機械に頼るあまり、お店に足を運んでくださるお客さまのことを考えていなかった」
マーズ「あれ? いま避難されてる『機械』って、おれのこと?」
レーツェル「コスプレ仕事ならウエトアヤにでもやらせておけばいいものを、
20代も半ばを過ぎた女優にやらせたのはなぜか、お前は考えられなかった・・・」
スレイチェル「くっ・・・、完敗だ・・・。このスレイチェル、まだまだ修行が足りなかった・・・。
経営者としても、『ToLoveる』者としても・・・!」
レイナ「料理人て要素はどこいっちゃったんですか」
マキネ「顔を上げてくださいよ、スレイチェル先輩。
あたしが知ってるスレイチェル先輩は、
こんなことくらいでへこたれる性別イグニションじゃないでしょ?」
スレイチェル「マキネ・・・」
マキネ「ジャンプのお色気マンガは、『ToLoveる』だけじゃない。
『I's』も、『ぬーべー』も!
いつの時代も、男子小中学生はジャンプのお色気マンガで育ってきたんだ。
スレイチェル先輩の考え方、全部が全部間違ったわけじゃないって」
スレイチェル「そうか・・・、そうだな・・・。
フフ、どうやらこのスレイチェル、まだまだ夏休みの宿題が終わりそうもない!
すぐに『ターちゃん』を取り入れて・・・!」
レイナ「そこで『ターちゃん』をチョイスするセンスが・・・!」
居酒屋
ヒューゴ「いやぁ、やっぱ居酒屋さんですよねえ。
この、客をほっといてくれる感じの接客スタイルが!」
アクア「ヒューゴ、孤独な独身男性みたいなこといわないで」
ラミア「正真正銘孤独な独身女性がなにをいうか」
レーツェル「ルアフ先生、今日はありがとうございました。
黙っていてくださって」
ルアフ「イヤイヤイヤ、子供の教育をしたのはお互い様だろう?」
アクア「エ、どういうことですか?」
ラミア「やはり、そうだったか」
ヒューゴ「ルアフ先生は、最初から犯人がトロンベさんだってわかってたんすよね?」
アクア「えぇっ!? そうなんですか? 最初って、いつから」
ルアフ「最初は最初だよ。正確に言うと、銃声があった5秒くらいあとかな。
トロンベさんは『気付け薬を』っていった。
幾多の戦場をくぐり抜けてきた人間にしちゃ、あまりにも楽観的じゃないかい?
私は不審人物ですと、大声で叫んでいるようなものじゃないか」
アクア「あのぅルアフ先生。ひょっとして、いままでもそうだったんじゃないですか?
なんですぐに犯人を明らかにしないんですか」
ルアフ「そりゃあ君、すぐに答え出しちゃ、ためにならないじゃないか。
しっかし、うちのレイナは一向に成長しないねえ。
まあ、いきなり成長されても寂しいものがあるんだけど」
レーツェル「難しいものです。子育てとは」
ヒューゴ「オー、なんかカッコイイっすねえ。親父の悩みって感じで」
ラミア「ま、我々には当分関係のない話題だ」
ヒューゴ「そっすよね」
アクア「ヒューゴ! なんでそんなにあっさりしてるの!?」
最終更新:2009年11月14日 10:51