ランさんの事情

19代目スレ 2007/09/26

ルナ「おや、あれは。」
ラン「あらぁ、姫様。ご無沙汰やね。」
ルナ「そうじゃな。ところで、ラン。」
ラン「何です?」
ルナ「ラン、地球にきたのはバラン先生の代理だと最初言っていたはずよな?」
ラン「・・・・そやけど。」
ルナ「ご両親は知っておるのか?」
ラン「!」
ルナ「!ラン、まさかそなた」
ラン「すまん姫様!うちこれからゼフィアちゃん達と稽古やねん。・・・・またな!」
ルナ「あっ、ラン待つのじゃ・・・・ってもういない。」
一人取り残されるルナ
ルナ「ラン、やはりご両親には話していなかったのか・・・・。」


「またな」が「まだな」になってしまって後悔しまくっているのも私だ。

ゼフィア「行くぞ、ラン=ドバン!チェストォォォォ!!」
ラン「まだまだやね、そりゃ・・・・!」
ガキィン
衝撃によりバランスを崩すラン
ラン「たっ、あかん!」
ゼフィア「!隙あり!ゾンボルト一刀流雷光切りぃぃ!!」
ラン「っ!!ドバン家奥義ラン・インパクト!!」
ゼフィア「何っ!?」
ドッカァァン!バキッ!!
ゼフィア「ぐっ!」
ラン「しもた、全力でしてもうた!無事かい、ゼフィアちゃん!」
ゼフィア「くっ、ラン・インパクト恐るべし。」
がくっ

ラン・インパクト…ドバン・インパクトのラン版。決まった時の台詞は「フフフ、うちに砕けるものはないんや!」
         犠牲者多数。

ゼフィア「・・・・はっ!」
ラン「ああ、やっと目ぇ覚めたみたいやな。ごめんなぁ、思いっきり吹っ飛ばしてしもうて。」
ゼフィア「いや、油断していた俺が悪かったのだ。自分の修行不足を再認識させられた。」
ラン&ゼフィア「「・・・・。」」
ラン「なぁ、ゼフィアちゃん。女が武術を学ぶことは悪いと思う?」
ゼフィア「・・・・何故そんなことを聞く?」
ラン「例えば、例えばの話やけどな。歴戦の勇士だった人の息子が武術が大嫌いで、
   科学者になったんや。その人はだんだん科学者としての力をつけていって、パル
   ・・・・じゃなかった。その国でも屈指の科学者になったんや。」
ゼフィア「・・・・。」
ラン「その後、その科学者はな。同じ研究室の女性と結婚して女の子を産んだ。
   でも、両親は共に忙しいから、その女の子を祖父、青年のお父さんやな、に預けたんよ。
   もちろんそのおじいさんは孫を可愛がってな。武術を教えたんや。女の子もな、
   おじいさんが好きで武術に打ち込んで、なかなかに強くなった。」
ゼフィア「・・・・。」
ラン「でも、でもな。女の子の両親はそれを嫌がったんや。武術に打ち込む自分の娘がな。
   きっと科学者にさせたかったんやろうな。息子はおじいさんに言ったんや。
   『自分の娘に勝手に武術を教えるな。その子は女の子なんだ』って。」
ゼフィア「その後、どうなったんだ。」
ラン「おじいさんは悲しんだ。別に強制させたわけでもないしな。女の子も喜んでやってたしな。
   でも、息子はわかろうとしなかった。そして女の子は両親の元に連れ戻された。
   忙しくて面倒みれないからおじいさんとこに預けたのにな。おかしな話や。」
ゼフィア「その女の子は科学者になったのか?」
ラン「いんや。」
ゼフィア「?」
ラン「女の子はな。両親のこと殴っておじいさんの家に戻ったんや。
   自分のこと見てくれへん親より、おじいさんの方が好きやったんやな。」
ゼフィア「・・・・殴ったのか・・・・。」
ラン「結構痛かった。」
ゼフィア「ん?」
ラン「いやいや!何でもない!!
   でな、女の子はそのままおじいさんの家に住んでるって話や。これでおしまい。」
ゼフィア「女の子は」
ラン「へ?」
ゼフィア「女の子はその後両親に会っていないのか?」
ラン「・・・・会ってへん。自分の親殴る娘は娘やない。
   武術を学ぶ子は自分の子やない言うて、それから音沙汰なしや。」
ゼフィア「そうか。」


ラン「でも、後悔はしてへん。好きな武術に打ち込めて、おじいさんと暮らせて。
   それに、親の手続きが必要な時はちゃんとしてくれるしな!
   ・・・・幸せや。」
ゼフィア「ラン=ドバン。」
ラン「さて、この話はこれでしまいや!ごめんなぁ、変な話してしもうて。」
ゼフィア「俺は男だが、武術は苦手だ。」
ラン「ん?」
ゼフィア「妹のイルスにも、あなたにも未だ勝ったことがない。
     母さんに科学者のほうが向いているかもしれないとも言われる・・・・。」
ラン「ゼフィアちゃん、あのな、そんなに深刻にならんでも。」
ゼフィア「それでも、俺は父親のように強くなりたい。武術を学びたい。
     たとえ母さんに科学者のほうが向いていると言われてもだ。
     その女の子も、そうでしょう?」
ラン「!」
ゼフィア「そうであるはずだ。でなければ、親を殴れるくらい強くなるわけがない。
     それに、いつか両親もわかってくれる。俺の母さんはそうだった。」
ラン「わかってくれると思う?」
ゼフィア「きっと。女の子が両親を好きなように、両親も女の子のことをいつかわかってくれる時がくる。」
ラン「その子は女の子やで。」
ゼフィア「うちのイルスはどうなる?
     それに俺の友は性別がイグニッションだぞ。」
ラン「・・・・あはは。」
ゼフィア「性別なんて関係ない。関係あるのは己の信念、心だ。」
ラン「そう。そやな。」
ゼフィア「もっと幸せになるといいな。その子。」
ラン「当たり前や。幸せや。めっちゃ幸せになれるわ。時間はかかるかもしれんけどな。」
ランの笑顔にゼフィアもぎこちなく微笑んだ。
ラン「あらぁ、笑うと眉間の皺も少しとれるんやなぁ。かわいい顔しとる。」
ゼフィア「な!大きなお世話だ!!」
ラン「顔赤くして、ますますかわいいわぁ。」
ゼフィア「とっ、とりあえず疲れも取れたことだし、もう一度勝負を申し込む!」
ラン「何がとりあえずや。まぁええわ。今度は竹刀でな。一度剣道をやってみたかったんや。」
ゼフィア「む、うむ。だが、俺と父さん、イルス、スレイチェルの防具ぐらいしかなかったような。
     ちょっと奥を見てくる。」
ラン「ありがとな。ゼフィアちゃん。」
ゼフィア「気にするな。稽古をつけてもらっているのは俺だ。」
奥に行くゼフィアの背中が見えなくなるのをランはじっと見ていた。
ラン「・・・・本当にありがとな。ゼフィア。」
ランはそう呟いて、また笑った。

終わり

おまけ

イルス「道場の壁板が道端に落ちてたから何だろうと思ってきてみたら、兄貴も放っておけないねぇ☆」
スレイチェル「うう・・・・わが友よ。しかし、実にヴィルベル。」
レーツェル「スレイチェル、涙を拭きなさい。しかし、実にトロンベ。」
ゼンガー「ゼフィア、また一つ大人になったな。これからも己の信念を貫き、武芸に励むように。」
ソフィア「ゼフィア、あなたはあなたの道を行きなさい。」
果たしてこの二人に芽生えたのが友情なのか愛なのか、
それは隠れているこの五人にも当人たちにもわからない。


マイナーですまん。
そして、ランの両親が過去スレに登場していたのかを確認していないのも私だ。
スレイチェルとスレイツェルのどちらか正しいのかがわからないのも私だ。
スレイツェル×ゼフィアが好きなのも私だ。
私だ私だ書いて疲れた・・・・・・のも私だ。
嫌いな方はスルーしてください。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年11月14日 11:11
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。