ミナト・カノウにはカノジョがいない

16代目スレ 2007/02/15

生徒会室 会議中
ルナ「では、この件はカノウの・・・、カノウの・・・」
トウキ「どうした?」
ミナト「どっちだ?」
ルナ「カノウの、彼女がいない方に任せる!」
ミナト「ほかにいいようがあるだろぉっ!?」
ルナ「うるさい! ちょっとど忘れしただけで、
 そんなに怒ることないだろう!?」
ミナト「ど忘れしてたのかよ! 無性に傷つくよ!」

翌日
スレイチェル「や、カノウ兄弟の彼女いない方」
アオラ「彼女いないっぽい方のカノウ先輩、おはようございまーっす!」
レイナ「あらおはよう。彼女とかいたこと見たことない方のカノウ兄弟」
ゼフィア「バレンタイン近くなると、急に >>354 のようなことをいい出す方のカノウか。
 そういうことをいうと、周りの人間が悲しい気分になるから少し控えろ」

ミナト「なんで知れ渡ってるんだぁーーーっ!?」
マリ「やぁ。カノウ兄弟の彼女とか縁のない方」
ハザリア「よぉ。カノウ兄弟の彼女とかできそうもない方」
ミナト「お前らかぁーーっ!?」
ハザリア「フハハハハ、なにを根拠に」
ミナト「表現がじわじわと絶望的になってるじゃないか!
 なんでお前はこういうことにだけムダに知恵を働かせるんだよ!?」
ハザリア「しかしなぁ、いないもんはいないんだし」
マリ「トウキには彼女いて、ミナトにはいないんだからしょうがいないよ」
ミナト「だからってそんな区別の仕方があるかよ!?
 ほかにも、あるだろ? カノウ兄弟の髪の毛長い方とか、パンチ得意な方とか!」
ハザリア「貴様の髪型なんぞ知るか!」
マリ「そんなこといわれても、お前たちがカラテやってるとこなんか見たことないし」
ミナト「・・・だからって、だからって」
マリ「元気出せよ。いま、地球には約30億6034万人の男と、約30億2323万人の女がいるんだぞ?
 女なんか、それこそ星の数ほどいるさ!」
ミナト「あ、あぁ・・・、ありが・・・」
ハザリア「男が3711万人ほど余るがな」
ミナト「うわぁぁぁぁっ!!」

校舎裏
ミナト「うっ、うっ、そういや、ヴィレアムやキャクトラは要領が悪いだけでいつかどうにかなるかもしれないし、
 ゼフィア先輩は女に興味なさそうだし、スレイチェル先輩は性別がわかんないし、
 ハザリアにいたっちゃそういう思考回路が頭にあるかどうかも怪しいじゃないか。
 健全な青少年でリアルに彼女できなさそうなのって、俺くらいのもんじゃないのか・・・?」
リトゥ「こんなとこでなにしてるの、カノウ兄弟の彼女いない方」
ミナト「・・・なんだ。ダテ姉妹の、メガネドラッグの店先でメガネじゃぶじゃぶ洗ってそうな方か」
リトゥ「失礼ね! 超音波洗浄機くらい自前で持ってるわよ!」
ミナト「自前で持ってるんだ、あれ・・・」
リトゥ「あんまり、気にしない方がいいよ。
 あの子たちだって悪気は・・・、たぶんあるけど・・・、ほんのイタズラ心からだろうし」
ミナト「あのさぁ、なんか、こう、色っぽい意味じゃなくて真摯に訊きたいんだけど」
リトゥ「切実なのね」
ミナト「俺とトウキってさぁ、ガキのころから似たような顔で、
 おんなじもん食っておんなじ家で寝て、まるで兄弟のように育ったのに」
リトゥ「なにいってるの!? 頭大丈夫!?」
ミナト「俺とトウキって、どこが違うんだろう・・・」
リトゥ「サンデー買ってそうなとこ?」
ミナト「サンデーの悪口いうなよ!」
リトゥ「ウエトアヤはサンデー読んでないとか力説しそうなとことか」
ミナト「アヤちゃんは読んでるよ! もう、がっつり熟読してるよ!」
リトゥ「ウエトアヤをちゃん付けしてるのは、相当まずいと思う・・・」
ミナト「リトゥはさぁ、トウキが好きなんだよなぁ」
リトゥ「そうだけど、わたしね、最近気づいたの。
 わたしは、わたしだけ好きなトウキ君じゃなくて、
 クリハに優しくしてるトウキ君が好きなんだなぁって」
ミナト「なんだよその、いざ相手が奥さんと離婚したらあっさり冷めちゃう不倫OLみたいな言い草」
リトゥ「もう! 好みなんて人それぞれってこと!
 希望を捨てなかったら、いつかきっと、ひょっとしたら、ミナト君にも彼女、できるかもよ?」
ミナト「そっか。たぶん、ありがと、で、いいんだよな?
 でもお前、OLにはならない方がいいよ。悲しい不倫しそうだから」
リトゥ「ありがとう。ミナト君は理工系に進まない方がいいよ。
 一生彼女できなくなるかもしれないから」
ミナト「リアルなこというなよ・・・」

ミナト「なんだよ、みんなして!!仕舞にゃ泣くぞ、畜生!」
トウマ「飯の時間に騒ぐな、彼女いない方」
ミナキ「そうよ、みっともないわよ。彼女いない方」
ミッテ「そうね、みっともないわ。彼女いない方」
ミナト「イジメか!畜生!!泣くぞ!!」
トウマ「泣けば?」
ミナト「親が子供に言う台詞かぁぁぁ!!
っーか何故ナチュラルにミッテ先生がいるの!?あと兄貴は?」
トウマ「彼女いる方なら、クリハちゃんの家に行ったぞ」
ミナキ「多分今頃夕食終えて、にゃんにゃんタイムに入る頃ね」
ミッテ「そろそろ一発目始まるかしら?」
ミナト「にゃんにゃんとか一発とか言うな!!
っーかミッテ先生がいる理由はーーーーー!!?」
トウマ「ミナキが意気投合したらしくてな。夕食に誘ったらしいんだよ。
ミナキに似て美人だからOKしちゃった」
ミッテ「あら、嫌ですわ。そんな本当のこと」
ミナト「最近母さん老けてきたから、見分けつかないぐらい似てるよな」
ミナキ「ミナト、後で研究所の裏ね」

ゼラド「もう、よくないよ!
 いくらミナトくんに彼女いないからって、
 彼女いない彼女いないって。彼女いないのからかうの!」
ミナト「うん。ゼラドの気持ちはありがたいけど、
 できれば混ぜっ返さないでほっといてくれっていうのが正直なところだ」
マリ「え、あ、うん。まぁ後に引っ張るのもかわいそうだよな」
ハザリア「うむ。いわれてみれば、カノウ兄弟の
 『いつか二人乗りをする日のために自転車の荷台を常にピカピカに磨いてる方』とか
 『リア・ディソンてたしかにかわいいけど、ぐっとくるかわいさじゃないよな。
  かわいいっていうより美しいっていうか、観賞用っていうか芸術品ていうか、
  とか電車の中で熱く語ってそうな方』
 と呼んでやるのはあまりにも哀れだ」
ミナト「そんな風に呼ぼうとしてたのかよ!? 呼びにくいだろ!
 あと、リアちゃんはちゃんとかわいいよ!」
リトゥ「だから、アイドルにちゃん付けするのは・・・・・・」

ハザリア「では、どうするかという話だ」
ゼラド「えぇっと、カノウ兄弟の自転車に名前付けてそうな方とか」
ミナト「自転車から離れようよ! あと、名前は普通付けるだろ!?」
マリ「カノウ兄弟の目玉焼きにかけるのをソースかしょうゆかで強烈なポリシー持ってそうな方とか」
ミナト「だって普通しょう油だろ? これは譲れねぇよ!」
ハザリア「カノウ兄弟の『子供が見る番組なのに、冒頭からパンダを虐待するのはいかがなものかと思う。
 子供が真似してパンダを虐待するようになったらどう責任を取るつもりなのか』
 とかムダな正義感を振りかざしそうな方とか」
ミナト「お前は長いんだよ! でも、パンダをいじめるヤツは許せねぇっていうのは本当だよ!」
マリ「カノウ兄弟の、末っ子に財産持ってかれた方とか」
ミナト「末っ子は俺だぁーーーっ!
 え、あれ? そうだよな? 末っ子、俺だよな?」

リトゥ「もう、いい加減にしなさい。
 フォローにまわって変な風に誤解されるの、わたし、イヤだからね。
 ミナト君がカノウ兄弟のどっちの方でも、どうでもいいじゃない」
ミナト「『方』って付けるのをまずやめろ!
 俺であるあるネタを楽しむのもやめろぉーーーっ!!」

ミナト「ちきしょー俺はカノウ兄弟のもてない方じゃないっての」
と愚痴をたれながら放課後のグラウンドの方に目をやるミナト。
グラウンドにはひたすら走り続ける少女が一人。
アイミ「・・・・」
ミナト「アイミ、か。」
ミナトの目に映ったアイミの姿はなんの穢れもみせないひたすら純粋な姿に見えた。
実際アイミも最近ミナトと話していない事のモヤモヤを振り切る為に何も考えずに走り続けているわけだが。
ミナト「よし、俺も。」
アイミの姿に心うたれたミナトもグラウンドに向かい、走り始める。
ミナト「よっ」
アイミ「ミ、ミナト」
ミナト「ほら、ペース乱すなよ。」
ミナトに急に話しかけられペースが乱れるがミナトの声かけによりすぐにペースを元に戻す。
そして二人は無言で黙々と走り続ける。
ミナト「(もてない方でも・・・いいじゃないか。今はひたむきに走り続けよう)
同じペースで併走する二人の男女、それは夕焼けが少し目に染みる放課後の一風景だった。

レイナ「えぇ?いきなり併走されて何も話できなかった?」
アイミ「・・・・・・コクッ」
レイナ「もうかわいいなあこのオクテちゃんは(なでなで)」
ルナ「おぬしが言うな、おぬしが」
レイナ「はうあ☆じゃなくて、生徒会長様がどうしてこのような場所へ」
ゼフィア「なに、学年末考査の解答を簒奪した不埒な輩がいたのでな、罠をはっていたのだ」
イルス「そして監視カメラにレイナっちの姿がばっちりとー!」
レイナ「あはっ、思ったより早くばれたみたいね、んじゃ!」
ルナ「追え!追うのじゃ!」
ゼフィア「合点承知!」
イルス「がってんてーん!」

アイミ「・・・何気に久々の登場だったね、先輩達」
ルナ「・・・・・・がんばれ」
アイミ「へ?」
ルナ「事の発端の私が言える筋合いではないが・・・相性は合ってると思うぞ」
アイミ「そうかな?」
ルル「ええ、そうに違いないですわ」
アイミ「そう・・・・・・なの、かな」
ルル「・・・『彼女いない方なんて、あたしが呼ばせない!』くらい言ってみたらどうなんですの?」
アイミ「へえぇ!?ムリだよ、そんなの!?」
ルナ「それは・・・告白に等しいセリフじゃぞ?」
ルル「ええ、そのつもりで助言しましたが?」
アイミ「も、もうバイト行かなきゃ!じゃあね!」
ルナ「ああ、待て―」
ルル「わたくしも頑張りませんとね・・・」

レイナ「はぁ・・・はぁ・・・しつこい奴らだったわね・・・でもこれで平均点はいただき」
???「・・・・・・・・・」
レイナ「だ、誰!?」
ラミア先生「・・・はろろーん☆」
レイナ「い、いやぁぁぁぁぁああぁぁ!?」

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最終更新:2010年01月18日 03:40
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