16代目スレ 2007/03/17
学校 深夜 午前2時
ミッテ「きゃああぁぁぁぁっ!」
ガラッ
ルアフ「なんだいっ! どうしたんだい!?」
宿直室
ミッテ「・・・物音がして目を覚ましたら白いマスクをかけた男がいて。
私、悲鳴を上げて、その後見たら・・・、ヘソが・・・、ヘソが・・・!」
アクセル「なんてこった!
ミッテ先生のヘソが、ゴマひとつなく掃除されてるんだな!」
ヒューゴ「いったい、誰がこんなムゴいことを!」
ラミア「教職員が一同に会しての大宿直パーティの夜に水をさすとは、許せん・・・!」
アルベルト「男部屋では今まさに、全員布団に入って
クラスにいる好きな子の名前を教えあおうとしていたところだったというのに・・・!」
アクア「皆さん落ち着いてくださいよ。
べつにおヘソのゴマ取られても死ぬわけじゃないんだし」
ルアフ「なにいってるんだい、君! ミッテ先生のおヘソを舐めてるのかい!?」
アルベロ「そうだ! いまだかつて誰にも触られたことのないヘソを!」
ヒューゴ「この先もきっと、誰に触られる予定のないヘソを!」
ミッテ「うわぁぁぁぁぁんっ!」
アクア「泣かないでくださいミッテ先生!
この人たちに悪気はないんです! タチが悪いだけなんです!」
ルアフ「それじゃ、状況を整理しよう。
今日は楽しいお泊まりパーティ。飲めや歌えや酒池肉林の大騒ぎだった」
アクア「近隣の居酒屋さんから軒並み出入り禁止くらって、
しょうがないから学校で酒盛りしてただけじゃないですか」
ルアフ「パーティが終わって、
女性陣がそれぞれの個室に入っていったのは、たしか午前1時ころだったね?
ミッテ先生はすぐに寝入ったのかい?」
ミッテ「・・・ええ、歳取るとアルコールにも弱くなって」
ルアフ「そして午前2時、ヘソのゴマが取られたと。
犯人の顔なんか見てないのかい?」
ミッテ「暗かったので・・・。今考えると男なのか女なのかもはっきりしませんし。
そういえば、顔の色が濃かったような?」
ルアフ「さて、ミッテ先生の部屋の両隣にはアクア先生とラミア先生がいたはずだけれど、
物音かなんか、聞いてないのかい?」
アクア「さあ・・・。わたしも2時頃にはもう眠ってましたから。
あ、でも、なにか気味の悪い音を聞いたような?」
ラミア「わたしはアクア先生の部屋でアクア先生の耳元に向かって般若心経を
唱えていたが、特に変わった物音は聞いていないぞ」
アクア「わたしが聞いた音っていうのはそれですよ!
なんで勝手に忍び込んで般若心経なんか唱えてるんですか!」
ラミア「だってお前、最近肩が重いっていうから」
アクア「そんなベクトルの間違った優しさ、いりませんよ!」
ヒューゴ「俺ら男性陣は大部屋で布団並べてたよ。
全員余裕で起きてたけど、1時から2時の間に出てった人はいなかったなあ」
アルベロ「ああ。クラスにいる好きな子を発表するのに夢中だった」
アクア「あの、アルベロ先生。
アルベロ先生がクラスに好きな子いたら、それ犯罪ですからね?」
ルアフ「フムフム。そうすると、少なくとも男性陣に犯人がいないことは僕が保証できる。
偶然とはいえ、ラミア先生とアクア先生も一緒にいたわけか。
まいったねこりゃ、全員にアリバイがあるよ?」
アクア「えーと、起きて般若心経唱えてたラミア先生には犯行が可能だったと思いますけど」
ラミア「馬鹿にするな。わたしは、たぷたぷ二の腕やたるんだ尻をいたぶる趣味はあっても、
カサカサに枯れたヘソを弄ぶようなマニアックな嗜好は持ち合わせていない」
ミッテ「シクシク」
アクア「そのマルチコンボ的な言葉の暴力、やめてくれませんか!」
ルアフ「はいはい、せーしゅくに!
今んとこ一番濃厚なのは外部からの侵入者って線だから、ここで犯人捜ししたってしょうがないだろう?
ミッテ先生もショックが大きいようだし、休ませてあげた方がいいだろう。
よし! こうしようじゃないか!
ラミア先生とアクア先生は看病と護衛をかねてミッテ先生に着いててやってくれ。
そして僕ら男は、ドアの前で寝ずの番といこうじゃないかぁ!」
アクセル「よっしゃー! 今日はオールなんだな!」
ヒューゴ「うひょー! テンション上がってきたぁっ!」
アルベロ「ねえねえ、クラスに好きな子いる?」
アクア「男性陣あてになりません。ラミア先生、わたしたちが頑張りましょう!」
午前5時
アクア「きゃああぁぁぁぁっ!」
ガラッ
ルアフ「なんだいっ! どうしたんだい!?」
アクア「ヘソが・・・、ヘソのゴマが・・・!」
アクセル「そんな馬鹿な。ドアの前にはずっと俺たちがいたんだな!」
ヒューゴ「部屋の窓は、全部内側から鍵がかかってる、と」
ラミア「ヘソ出して寝てるからだ。
だいたいお前は常時ヘソ丸出しのくせに、みっちりゴマが詰まってるから犯人も気になったんだろ」
ルアフ「ふ~む。非常に申し訳ないんだけれど、ラミア先生。
こうなると、一番疑わしいのは一人だけ被害に遭ってない君ってことに」
ラミア「被害もなにも、わたしのヘソはいつだってツルツルだ」
アクア「あのぉ、ラミア先生ってわたしより先に眠ってたんですよ。犯行は無理ですよ」
ルアフ「はてさて、これは不思議だ。奇々怪々だ。
僕ら男が力尽きてドアの前で眠ってしまったのが午前4時頃。
これじゃ誰にも犯行は不可能だ。不可能犯罪だよ、これは!」
アクア「全然不可能じゃありませんよ! なんで寝ずの番が寝ちゃってるんですか!
外部から侵入し放題じゃないですか!」
ヒューゴ「でもさ、犯人が外部からの侵入者だとしても、
なんでヘソのゴマ取りに夜の学校なんかに来たんですかね?
今夜俺たちがいるなんて、誰も知らないはずですけど」
ラミア「いや、そういえばエキドナには声をかけたような気がする。
広告代理店の彼氏とデートがあるからと断られたが、
用務員まで呼ばれていることを知って腹を立てたのかもしれん」
アクセル「ええっ、俺のせい!?」
ラミア「用務員ごときより下に見られれば、それは怒るだろう」
アクセル「ラミアちゃん! 職業差別はいけないと思うんだな!」
ルアフ「はいはい! 同僚同士で喧嘩しない!
とにかく、エキドナ先生が出勤してきたら確かめてみよう」
教室 昼休み
レイナ「それでね、エキドナ先生に聞いてみたそうなんだけど。
そんな飲み会あったこと自体知らない、なんで自分をハブるんだって泣き出しちゃって。
先生方も疑心暗鬼になっちゃって、今、職員室かなり険悪な空気みたいよ」
ゼラド「ふうん。ミッテ先生、なんでそんなことしたんだろうね」
レイナ「ええとゼラド? 話聞いてた?
ミッテ先生は最初の被害者で・・・」
ゼラド「え、だって男の先生方も、アクア先生もラミア先生も一緒にいたんでしょ?
そしたら、ミッテ先生が自分でやったくらいしか考えられないと思うけど」
レイナ「でも、一度目の犯行はラミア先生にも可能で」
ゼラド「二度目の事件が起こったとき、ラミア先生は寝ちゃってたんでしょ?
それに、アクア先生は耳元で般若心経唱えられても起きないくらい眠りが深い人みたいだし。
そしたら、二つの事件を実行できるのはミッテ先生一人ってことに」
レイナ「外部から入り込んだ人の仕業かもしれないじゃない!
見張りは寝ちゃってたわけなんだし」
ゼラド「寝てたっていっても、男の先生が四人もドアの前に転がってたんでしょ?
そんなんじゃ、物理的にドアあけらんないよ」
レイナ「でも、ミッテ先生がなんでそんなことを」
ゼラド「動機まではわかんないけど。
ミッテ先生の証言もヘンなんだよね。
最初は『白いマスクの男』で、次は『男か女かわかんないけど顔の色が濃かった』でしょ?
普通、まっ暗な場所で相手が白いマスクなんかしてたら、
顔の色が濃いとか薄いくらいの特徴見えなくなると思うけどな」
レイナ「そんな・・・、じゃ、まさか本当に犯人は」
職員室
ミッテ「ええ、そうよ! 騒ぎを起こしてアクアが私の部屋に来るように仕向け、
ヘソのゴマを取った! でも、それがなに!? 誰かが傷ついたの!?」
レイナ「なんでそんなことを」
ミッテ「フフフ。あなたは子供ね。
いい歳して独り身の女にとって、夜がいかに孤独で退屈なのか想像もできないでしょう!?
ヘソのゴマを取ることに熱中するようになったからって、誰が私を責められるっていうの!?」
ルアフ「なるほど。ミッテ先生のヘソは、最初からゴマひとつなかったわけだ」
ミッテ「やがて、私はゴマの入ったヘソそのものが許せなくなった。
そこへ来て、あなたよ! アクア!
あなたときたら、常時ヘソ丸出しなくせに、ゴマをみっちり詰まらせて!
許せなかった! 掃除したくて掃除したくて、たまらなかった!
だから、だから私は、あんなことを・・・!」
アルベロ「顔を上げろミッテ。
恋人にはなれないが、俺たちはよき同僚でありよき友人じゃないか」
ヒューゴ「そうっすよミッテ先生!
寂しい夜にはじゃんじゃん連絡くださいよ! 終電まではお付き合いしますから!」
ミッテ「わあぁぁぁぁぁぁっ!」
ルアフ「げに凄まじきは、年増女の妄執か」
レイナ「あんた自分の年齢忘れてるんじゃないの?」
ルアフ「ねえねえ、レイナはクラスに好きな子なんかいるのかい?」
レイナ「答える義務はありません!」
最終更新:2010年01月18日 03:44