グレちゃんの過激なお遣い

16代目スレ 2007/03/25

映画の前売りが売り切れちゃったよ!助けてタイムダイバー!

砂糖切らしちゃった!助けてタイムダイバー!

アイビス「お願いします、タイムダイバーさん!どうかあたしの胸を大きくしてください!」

 右手でチャージングハンドルを半分ほど引く。薬室内に金色のカートリッジを視認する。
初弾は装填されている。チェンバーチェック完了。イングレッタはM4A1カービンにキスをした。
 シートの陰から飛び出す。止まってしまった新幹線は照明が落ちている。暗闇の中に、
レーザーサイトの光点が無数に泳いでいた。
 銃声と呼ぶことすらできない、ひと塊の轟音が来る。シートがひとつ、破裂するように
消滅した。
 イングレッタは狭い通路をごろごろと転がった。殺気の出所をさぐる。いた。右斜め前
方にひとり。すかさず飛び込んだ。うつ伏せの姿勢から右を向き、左の拳をハンドガード
の下にあてがう。引き金を引く。敵の左胸に赤い華が咲いた。
 とどまっている時間はない。左後方から銃声。イングレッタはM4A1をインドア・レディ・
ポジションに構え、中腰のまま駆け出した。
 先の車両に進む。すぐ目の前に圧迫感が出現する。待ち伏せか。H&K MP5を構えた男が
立っていた。指はまだトリガーにかかっていない。遅い。イングレッタはM4A1を突き出し
た。マズルブレーキの凶悪な突起が敵の眉間に突き刺さる。あらぬ方向に放たれた銃弾を
くぐり抜け、すかさずM4を振り上げる。ストック部分で敵の頭を打ち据えた。
 左前方に殺気。銃口を向ける。そこに、閃光が放たれる。やられた。フラッシュライト。
暗闇に馴れた目が悲鳴をあげる。さらに銃声。たまらない熱さが肩を貫いた。銃弾が貫通
している。衝撃はイングレッタの軽い身体をやすやすと転倒させた。
 どやどやと、無数の足音が近づいてくる。とどめを刺す気か。少々気が逸りすぎだ。イ
ングレッタは震える手で腰からナイフを抜き出した。充分に引きつけて、男たちのアキレ
ス腱をぶつんぶつんと撫で切りにする。
「こいつ!」
 怒声を背中に浴びながら、一目散に駆け出した。目標はすぐそこ。運転席のドアを蹴り
開けた。
 運転手用のシートがものもいわずイングレッタに背中を向けている。しまった。イング
レッタは舌打ちをしてシートの前にまわった。運転手はすでに絶命している。そして、制
服を着た腹にはコツコツと秒を刻む時計が置かれていた。
 爆弾。間に合わない。爆発音を間近で聞いた。鼓膜が破れる。体中に肉片と破片を浴び
ながら、イングレッタは吹き飛んだ。
 地面の上をごろごろと転がりながら、一秒にも満たない失神から目覚める。ボディスー
ツはすでに裂け目だらけでその役目を終えている。右腕に熱。打撲。いや、骨折したか。
 しかし、脱出には成功した。あとは荷物を届けるだけ。
 と、四方からの殺気がイングレッタを取り囲む。銃口がずらと並んでいる。その数、約
20。対するイングレッタはすでにM4A1を失っている。
 諦めるという選択肢はなかった。
 パウチを軽く撫でる。映画の前売り券、砂糖、胸パッド。これを>>903と>>904と>>906
に渡すまでは死ぬわけにはいかない。
「いま、行くから」
 サイドアームであるグロックを抜き出して、イングレッタはアソセレス・スタンスに構えた。

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最終更新:2010年01月18日 03:44
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