31代目スレ 2010/1/21
【
バルマー寮】
ケイサル「実は、この寮は儂の持ち物なのだ」
ルナ「はあ」
ハザリア「悪霊の集合体がどうやって不動産を取得したのか興味あるな」
ルル「それで、なんのご用でしょう」
キャクトラ「寮費でしたら、今月分を振り込んだばかりですが」
ケイサル「その寮費を、タダにしてやるといったらどうする」
キャクトラ「どうしたのです?」
ケイサル「ついては我が孫、ルサイケのことなのだが」
ハザリア「あれは、孫なのか?」
ルル「いわれてみると、なんなのでしょう」
キャクトラ「カケラかなにかだったような」
ハザリア「ああ、ル=コボルとイスペイルみたいなものか」
ケイサル「たとえが悪い!」
ルナ「お前達! 話を逸らすでない! 孫ということでいいだろう!」
ケイサル「そのルサイケなのだが、もう高校2年になるというのに」
ハザリア「あれは、高校2年なのか?」
ルル「いつ分裂したのかという話になりますが」
キャクトラ「そうすると実年齢は17歳ではないかもしれないという可能性が」
ルナ「黙れお前達! 話が一向に進まないではないか!」
ケイサル「高校2年にもなるというのに一向に霊帝の孫らしくなろうとせず、
オカルトとサイバラリエコに凝る一方」
ハザリア「悪霊の王の孫かなにかなのだから、オカルトに凝るのは仕方がないだろう」
ルル「サイバラリエコに凝るのも、まあしょうがないでしょう」
ルナ「なにがしょうがないのだ!」
キャクトラ「まあしょうがないでしょう」
ケイサル「お前達の手でルサイケを一人前のレディに教育して欲しい!
それが出来たら、寮費をタダにしようではないか!」
ルナ「とりあえず、集まれ」
ハザリア「なんだなんだ」
ルナ「そんなことをしなくても、普通に寮費を払えばいいだけの話ではないだろうか」
キャクトラ「しかし姫様、生活費の中で寮費が占める分も無視できないわけで」
ハザリア「タダになるものなら、タダにした方がいいだろう」
ルル「浮いた分でなにが出来るか考えるべきですわ」
ルナ「主にお前達兄妹の無駄遣いのせいだろう!」
キャクトラ「家計を預かる私としても、ここは話に乗っておいた方がよいかと」
ルル「キャクトラの負担を減らすためにも」
ハザリア「ウム、そうだ。キャクトラめのため、あくまでもキャクトラめのために」
ルナ「ウソを申せ! お前達兄妹はすでに目が泳いでいる! 寮費をちょろまかそうとしている!」
キャクトラ「姫様、ここは家計のためにも」
ルナ「お主も、そんな目をするでない!」
ケイサル「ではやってくれるのだな。
頼んだぞ、1週間したら様子を見に来るからな」
ルサイケ「・・・・・・」
ハザリア「くそじじいめ、期限付きとは聞いておらぬぞ」
ルル「1週間でレディにしろとは、ムチャ振りが過ぎますわ」
キャクトラ「お二方、早くもやる気を失わないでください」
ルナ「しかし、ひとくちにレディといわれてもどうしたらいいのやら」
ルル「とりあえず、『週刊少年ジャンプ』でも与えてみましょうか」
ハザリア「黙れ、黙れよ! どこの世界にジャンプ読むレディがおるか!」
ルル「まあ兄上! では兄上はなにをもってレディとおっしゃるのです」
ハザリア「レディといったら『りぼん』だろう」
ルル「まあ兄上! それはせいぜい小学生まで!」
ハザリア「しかしこやつ、
見た目小学生くらいだからまあいいやレベルでル=コボルに憑依されるほどの幼児体型だぞ」
ルル「まあ兄上、それは妥協してしまうル=コボルがル=コボルなのでは?」
ハザリア「『NANA』とかもあれ、りぼんコミックスであろう」
ルル「まあ兄上、『NANA』はCookieコミックスですわ」
ハザリア「レディスコミックとレディはやはり違うのだろうか」
ルル「まあ兄上、それは似て非なるもの」
ハザリア「取りあえず無難なところで、『花とゆめ』を与えておこう」
ルサイケ「・・・・・・」
キャクトラ「は、ははっ、かしこまりました」
ルル「なんといっているので?」
キャクトラ「マンガ誌は『ビッグコミックスピリッツ』しか読まないと、ルサイケ殿断固拒否の構えです」
ハザリア「なぜよりにもよって『ビッグコミックスピリッツ』だ貴様!」
ルル「レディじゃありませんわ! どう考えてもレディじゃありませんわ!」
キャクトラ「ルサイケ殿! せめて『別冊フレンド』になりませんか、
『ヤマトナデシコ7変化』的に!」
ルナ「待てお前達、そもそもレディはマンガ雑誌を読まない」
ハザリア「なんということだぁ・・・・・・っ」
ルル「万策尽きましたわ・・・・・・っ」
ルナ「お前達、力尽きるのが早過ぎる!」
ルサイケ「・・・・・・」
キャクトラ「あと、アニメ版毎日かあさんはドブに捨ててしまえばいいと、ルサイケ殿辛辣なご意見です」
ルナ「キャクトラも、なぜルサイケの言葉を聞き取れるのだ?」
キャクトラ「は? それはまあ、レラ殿のお声を聞くのとコツはおなじですから」
ルナ「・・・・・・お主は、なぜあの娘たちの声を聞き取れるのだ?」
キャクトラ「ははっ! それはまさにワカメタル的なソウルの繋がりゆえであり!」
ルナ「たまに、お主がなにをいっているのかわからぬ」
ハザリア「うん? なぜ貴様がちと不機嫌になる」
ルル「まあ兄上、乙女心は複雑なものなのですわ」
【
竜巻亭】
スレイチェル「それでスレイチェルのところに来たと」
ルナ「服飾に詳しいお主のこと、どうにか出来るのではないかと」
スレイチェル「フム、たしかにそのわざとらしいゴスロリ衣装をどうにかするというのもまた一興」
ルサイケ「・・・・・・」
キャクトラ「はっ、ゴスロリじゃないただのゴシックだと、ルサイケ殿強固な主張です」
ルナ「どちらでもよい!」
ルサイケ「・・・・・・」
キャクトラ「世間的には一緒でも、ゴシックとゴシックロリータの間には
双方決して埋めようとしない深い深い憎しみと対立の歴史があるのだと、
ルサイケ殿なおも主張です」
ルナ「心底どうでもよいわ!」
スレイチェル「それでは、ドレスを着付けるとしよう!
このルサイケ、非常に小柄でガリである!
そこでAラインのドレスをチョイスし、少しでもボリュームを持たせるようにしよう!
ネックラインはシンプルに、オフショルダーで首と鎖骨のラインをすっきりと見せる。
次はメイクだ!
上下の睫毛のキワにメタリックなアイラインを入れ、陰影を強調!
さらにシアーな質感の赤リップで血色の良さを演出!
ああ、スレイチェルは自分の才能が怖いのである!
これでどこのハリウッドパーティに出ても怖くはない!」
ルナ「その、な」
スレイチェル「なんだ、忌憚なくスレイチェルを褒め称えればよい」
ルナ「ケバい」
スレイチェル「だって、だって、セレブのメイクってそういうものである!」
【道ばた】
ルナ「格好だけレディにしてもどうなるものでもない」
ルサイケ「・・・・・・」
キャクトラ「町中をドレスで歩いてると若干バカみたいだと、ルサイケ殿不服顔です」
ルナ「文句をいうでない」
ルサイケ「・・・・・・」
キャクトラ「あと、女の壮絶人生がどうとかいうテレビ番組で
『元旦那と会ってからギャンブルをやめられた』ってサイバラ先生がいってたけど、
明らかにウソだと思うと、ルサイケ殿素朴な感想です」
ルナ「今それはどうでもいいであろう!」
【ボロアパート】
ラン「で、なんでウチのとこに」
ルナ「うむ、お主もドバン家の娘として淑女の教育を受けているはず」
ラン「ドバン家の娘の時点でそないなもん、受けてるはずないやないですか!」
ルナ「うぬ?」
キャクトラ「は、姫様。
そういえばラン殿、ご両親に懐かずお祖父さまについて武術の稽古ばかりしていたというような
話があったようななかったような感じですとルサイケ殿が」
ルナ「それはルサイケいっておらぬだろう!」
ルサイケ「・・・・・・」
ラン「ウチの家庭の事情をエエやないですの!」
ルナ「レディといったら社交パーティだ。社交ダンスの手ほどきをせい」
ラン「そもそもそないなもん、姫様がやったらエエですのん!」
【
ジェグナンの喫茶店】
ユウカ「・・・・・・で」
キャクトラ「ダンスといったらユウカ殿かな、と」
ユウカ「パンクスに社交ダンスが出来るわけないじゃない」
キャクトラ「それもそうでした」
ユウカ「若干失礼だからね、あんた」
【一週間後】
ルナ「どうする、もう期限だぞ」
ルサイケ「・・・・・・」
ハザリア「もう、格好だけ取り繕って出したらどうだ」
ルル「まあ兄上、希望を捨ててはいけませんわ。
せっかく、ビッグコミックスピリッツをビッグコミックオリジナルに改善させましたのに」
ハザリア「ビックリするほど焼け石に水だ、妹よ」
ルナ「じきにケイサル殿がいらっしゃる」
キャクトラ「恐れながら姫様、姫様が直々に手ほどきをしていれば、
それはもう立派なレディが誕生していたと思うのですが」
ルナ「私には自分がレディであるという自信がない!」
キャクトラ「恐れながら姫様! もっとご自分を信頼ください!」
ルサイケ「・・・・・・」
ハザリア「なんだ、アクビなどしおって」
ルル「やはり、『週刊漫画ゴラク』のほうがよかったんですの!?」
ルナ「お主らが驚くほど戦力にならないことはよくわかった!」
ケイサル「ルサイケ! 爺じゃよ! さあレディになった姿を見せておくれ!」
ルサイケ『ンモー、ケイサル! 今日こそ貴様の封印を解いてやるモン!』
ケイサル「は?」
ルサイケ『我は本物の幼女を捜しにいくのだぁっ!』
ケイサル「お主ら」
ルナ「は」
ケイサル「レディどころかル=コボルに憑依されているではないか!」
ルナ「はあ」
キャクトラ「あ、あれはル=コボルだったのですか」
ルサイケ『ンモー、お前達、もっと驚くモン!』
ハザリア「ル=コボルだしな」
ルル「ル=コボルですしねえ」
ケイサル「ああ、孫のレディな姿をいつ見られるのか」
ルサイケ『ンモー、もっと我を畏れよ!』
ルサイケ『ミスティリカ、ミスティリカ』
ミスティリカ「あら、ル=コボルさん」
ルサイケ『レックス家は最近どうなっておる』
ミスティリカ「それが、どうもなってないようなんですよ。
眼鏡透けるわ、私に腹違いの弟か妹が出来れば、
四つ足ロボとか、いるのかいないのかわかんないカノウ家末子の最年少記録を抜けるのに」
ルサイケ『ンモー、ミストめ。意外と身持ちの堅いヤツ』
ミスティリカ「娘としてガッカリよ」
ランディ「おかしいよ! なにお前ナチュラルにル=コボルと知り合いなの!?
ル=コボルも、ナチュラルにルサイケに取り憑くんじゃねえよ!」
ルサイケ『ンモー、我はただ純粋にレックス家が崩壊して欲しいだけなのに』
ミスティリカ「なのに」
ランディ「娘が荷担しちゃダメだよ! お前、そんなに親父さんの命がいらねえのかよ!」
ミスティリカ「わたしの夢は、お父さんがゼゼーナンの部下その一とかになってOGシリーズに参戦すること」
ランディ「たしかにそんなようなこといわれてるけど、実の娘としてそれでいいのか!」
ミスティリカ「だってお父さん、地球嫌いなんですもの」
ランディ「いっちゃったよ、言い切っちゃったよ!
何年地球にいるんだよ! いい加減割り切れよ!」
ミスティリカ「お父さんには、永遠にドロドロしていて欲しい」
ランディ「どんだけ家庭崩壊してほしいんだよ、お前!」
ミスティリカ「ふふっ、やっぱりわたしって最低の屑ね」
最終更新:2010年12月23日 13:38