31代目スレ 2010/1/23
ヴィレアム(俺には、ひとつ心配事がある)
アオラ「ヴィレアム先輩、ヴィレアム先輩、今夜なんか用事あります?」
ヴィレアム「えっ、別にないけど」
アオラ「実は今日、
ODEの地上波初湯煎の日なんだけど」
ヴィレアム(ゼラドの弟アオラが、
こともあろうに俺がやっているバンド、
オービタル・デス・エナジーズ、略してODEの熱狂的なファンだってことだ)
アオラ「ODE信者として是非実況したいんだけど、
ほら、姉ちゃんODE嫌いでしょ?
ヴィレアム先輩んちのテレビで観せて欲しいんだけど」
ヴィレアム(ゼラドとアオラは俺がODEのヴィレカイザーだっていうことを知らない。
まあメイクしまくってるから、知ってる人間なんてほとんどいないだろう。
まあ、それはいいんだ。バレないようにすればいいだけの話なんだから。
問題は・・・・・・)
ヴィレアム「ああ、べつに構わないけど」
アオラ「ほんと! ルルにもすぐ連絡するよ!」
ヴィレアム(ひょっとして、アオラはすでにカノジョいるんじゃないかという疑惑だ。
ダメだ、ダメだぞアオラ! お前はまだ16歳。
将来の義兄として、いやまだ義兄なんていっちゃうのは早計過ぎるかも知れないけど、
いやいや義兄とかなんとか関係なく、お隣のお兄さんとして!
先にカノジョ作られるとか、なんとしても避けたい事態!)
アオラ「もしもーし、あ、ルル? うん、ヴィレアム先輩んちオッケーだって」
ヴィレアム(呼び捨て! すでに呼び捨てにしている!?
まさかすでに相当深い仲なんじゃ・・・・・・!
いかん、いかんぞアオラ!
俺だって、ゼラドを呼び捨てに出来るようになったのは、
ええと、いつごろだっけ、たしか中学2年ごろ、
ちょっとカッコ付けたいお年頃の勢いで呼び捨てにして以来だ!
つまり呼び捨てに至るまでかかった時間は14年!
地球に留学してきて一年そこらのルルを呼び捨てるのは早い! 速過ぎる!)
アオラ「あ、ヴィレアム先輩も一緒に実況しませんか?」
ヴィレアム「あ、いや、俺はいいよ。
どこかヨソに行ってるから。アオラだって気兼ねしないでゆっくりしたいだろ?」
ヴィレアム(うわあぁぁぁぁっ! なにをいっているんだ俺は!
今日は父さんも母さんも出張で留守だ!
アオラとルルを二人きりにして、実況で盛り上がっちゃって、
そのままのっぴきならない行為に及びだしたらどうするんだ!
後片付けは誰がやるんだ! イヤだぞ俺の家でそんなの!)
アオラ「あざーっす。そうだヴィレアム先輩、姉ちゃんとデートでもしててくださいよ」
ヴィレアム「あ、う、うん、そうするよ」
ヴィレアム(うわあぁぁぁぁぁっ!
なにをいっているんだ!
それが出来たらそれが出来たら苦労しないんだこのぷにぷに坊主がぁぁぁーっ!)
【放映時間間近】
アオラ「ちゃーっす。今夜はよろしくお願いしまーす」
ルル「お世話になります」
ラン「これ、あとで家族で頂いてんか?」
デスピニス「どうもよろしくお願いします」
ヴィレアム「あ、うん、どうぞどうぞ」
ヴィレアム(なんだこれはぁぁぁっ!
同級生だけじゃなくて、はんなりフリーターと年齢不肖のお姉さんだとぉぉぉっ!
なんだこの布陣は! ズルい! ズル過ぎる!
こんなきれいどころばっかり集めて、いったいなにをするつもりだ!
くんずほぐれず、ワカメを増やしてほぐしまくるつもりかこの寸足らずがぁぁぁーっ!)
ヴィレアム「じゃ、じゃあ、俺はちょっと出てくるから。
好きに実況してろよ」
アオラ「うん、あざーっす」
ルル「しかし助かりましたわね。うちは兄上がうるさいし」
ラン「ウチのアパートにはテレビとかあらへんし」
デスピニス「うちのミズルさんは耳がデリケートで、大きな音楽はちょっと受け付けませんから」
アオラ「しかしヴィレアム先輩、ろくなCD持ってないな。
今どきMCハマーはないでしょ」
【外】
ヴィレアム(あぁぁぁ~、今ごろ家の中ではアオラがワカメハーレムの中に。
俺は、俺は義兄として、いやまだ義兄だなんていっちゃなんだけど、
お隣のイカしたお兄さんとしてどうすればいいんだ・・・・・・っ!)
ゼラド「あれ、ヴィレアムくん?」
ヴィレアム「うわっ、あ、そうだ、ヴィレアムくんだぞ!」
ゼラド「どうしたの?」
ヴィレアム「あ、いや、べつに」
ゼラド「それより、アオラ知らない? なにかコソコソして出てっちゃったんだけど」
ヴィレアム「ああ、アオラならいまうちにいるよ」
ヴィレアム(あのぷにぷに小僧がぁ、ゼラドに心配かけて自分はワカメハーレムか。
くそっ、くそっ、許さない、許さないぞ、
義兄として、いや、お隣のカッコいいお兄さんとして!)
ヴィレアム「ちょっ、ちょっと待っててくれゼラド!
すぐにアオラを正しい道に戻すから!」
ゼラド「えっ、べつに、居場所がわかれば心配なんかしないけど」
【イェーガー家の居間】
アオラ「キター! ヴィレカイザーさん地上波初進出だぁーっ!」
ルル「きゃーっ、実況もスゴい伸びですわぁーっ!」
ラン「と思ったら早速規制やぁーっ!」
デスピニス「なぜゴールデンでやろうとしたのでしょう」
ルル「きゃーっ、マツユキさんのセリフはどうなるんですのーっ」
ラン「なんてエエ仕事しとんのやマツユキさーん!」
デスピニス「私もああいう格好をしてみようかしら」
ルル「きゃーっ、今夜はオールでSOUSHITSUですわーっ!」
ラン「と思ったらまた規制やぁーっ!」
RuRuRuRuRu
アオラ「あん? なんだよいい規制なのに。SOUSHITSUするぞ!」
ヴィレアム「果たして貴様に、俺をSOUSHITSU出来るかな?」
アオラ「うわぁーっ! ヴィレカイザーさんだぁーっ!」
ルル「ヴィレカイザーさんがイェーガーさんちに降臨なされたぁーっ!」
ラン「でもどないしてイェーガーさんちの居間にぃーっ!?」
デスピニス「ヴィレカイザーさんにとって、地デジを介して各家庭の
お茶の間に降臨するなど、造作もないことなのですよ」
アオラ「さすがヴィレカイザーさんだぁーっ!」
ルル「セキュリティ満載のスパイの家に上がり込むなんて、大した傍若ワカメぶりですわぁーっ!」
ラン「しかも、この中の誰にも気取られずに侵入を果たすやなんてぇー」
アオラ「まるでスパイの家の子みたいだぁーっ!」
ヴィレアム「貴様ら、土曜の夜だというのに『左目探偵EYE』も観ずになにをしておる」
アオラ「な、なにをいっているんだヴィレカイザーさんは」
ルル「なぜフジでやっている裏の日テレの心配をぉーっ!?」
ラン「ヴィレカイザーさんにとって、局同士の対立などどうでもエエことなんやぁーっ!」
デスピニス「私はマツユキさん路線で行くべきかどうかどうなんでしょう」
ヴィレアム「聞けばお前、受験対策もせずに地上波を実況しているそうだな」
アオラ「はいっ! 俺、まだ1年だから全然受験対策していません!」
ルル「まだまだ先の話ですわーっ!」
ヴィレアム「バカめ!
俺は中2のころから大学受験も視野に入れて志望校を選び赤ペン先生の指導を受けていた。
すべてを極めてこその帝王学だからな」
アオラ「なんということだヴィレカイザーさん」
ルル「まるで進研ゼミの勧誘マンガのようですわぁー!」
ラン「ヴィレカイザーさんにとっては高校受験など大学受験の第一歩に過ぎんのやぁーっ!」
ヴィレアム「お前も定職に就くなり学校に通うなりしろ、このフリーターめ!」
ラン「あうっ!」
デスピニス「私もマツユキさんのように見せパンを穿くべきでしょうか」
ヴィレアム「ではっ、勉学に励め若人達!」
アオラ「あざーっす! オツっしたヴィレカイザーさん!」
ルル「こんなスパイくさい家でよろしかったらまたいらしてください!」
ラン「さすがヴィレカイザーはんや、年齢不詳のデスピニスさんまで若人呼ばわりなんて!」
デスピニス「さすがヴィレカイザーさん、マツユキさんに勝とも劣らぬワカメっぷり」
アオラ「デスピニスさんはまだまだ若いぜぇーっ!」
【翌日 学校】
ゼラド「アオラがね、急に進研ゼミやりたいって言い出したの。どうしたんだろ」
ヴィレアム「あ、うん、いいんじゃないかな、俺も昔やってたし」
最終更新:2010年12月23日 13:38