31代目スレ 2010/4/26
アオラ「たいへん、たいへん!」
ゼラド「あれ、アオラ?」
アオラ「遅刻しちゃうぞ!」
ゼラド「アオラー? どこ行くのー?」
ぼすっ
ゼラド「えっ」
ごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろ
ゼラド「うわぁーっ!」
【塔の中】
ゼラド「あたたた、なんだろ、どっか、穴の中に落ちたみたいだけど。
なんでこんな建物の中にいるんだろ」
ガチャッ ガチャッ ガチャッ ガチャッ
ゼラド「う~ん、扉がいくつかあるけど、どれも開かないよぉ。
あっ、テーブルの上に鍵がある!
これが、どれかに合ってるのかな?」
ガチャッ ガチャッ ガチャッ ガチャッ
ゼラド「ダメだったぁ~。あれ?」
ゼラド「なんか、ちっちゃいドアがある」
カチャッ
ゼラド「あいた! でも、ちっちゃいよぉ~! これじゃ通れない」
ゼラド「あれ?」
<DRINK ME!>
ゼラド「『私を飲んで』? え~と、なんだろ、どっかで聞き覚えがあるような。
う~んと、見る限り毒じゃなさそうだし。
よし! ちょっと飲んでみよっと!」
ゴクッ
ゼラド「うわぁー! どんどん身体が伸びてく!
思い出した! これ、『不思議の国のアリス』だ!
でも、なんでぇ!?」
ゼラド「えっと、えぇっと、たしか、瓶のクスリを飲んだら大きくなって、
ケーキを食べたら小さくなるんだよね。
よし、あった、ケーキ!」
しゅるしゅるしゅるしゅる
ゼラド「よし、ちっちゃくなった。これであの扉から外に出れる。
でも、出てどうすればいいんだろ」
【塔の外】
アオラ「たいへん! たいへん! 遅れちゃう!」
ゼラド「あっ、アオラ! お~い!」
アオラ「遅れちゃったらお仕置きだぞ! 急げ、急げ!」
ゼラド「行っちゃった。アオラ、なんでウサギさんなんてやってるんだろ」
マリ「あれはゼラドか?」
リトゥ「ううん、ゼラドじゃないんじゃない?」
マリ「ゼラドだろう」
リトゥ「いや、違うって」
ゼラド「マリちゃんとリトゥちゃん! どうしちゃったの?
わたし、ゼラドだよ?」
マーズ「うんにゃ、ほとんどゼラドちゃんじゃねーな」
ゼラド「えぇ~!?」
ハザリア「カラスと書き物机が似ているのはなぜだ?」
ゼラド「えっ、えっ? どっか似てる?」
ハザリア「さぁさぁ、もっと飲んだらどうだ」
ゼラド「まだなにも飲んでないよ?」
ハザリア「だったらゼロを1にすればいいだけの話!」
リトゥ「やっぱりゼラドじゃないんじゃない?」
マリ「いや、ぎりぎりゼラドだろう」
リトゥ「ううん、ぎりぎりゼラドかも」
ゼラド「もぉ~! みんな、いったいなにいってるの?
なにがなんだか、1コもわかんないよぉ~!」
ハザリア「ハァーハッハッハッハッハ! なにをいっておるか!
この場はイカレたお茶会!
イカレたお茶会に、イカレ帽子やはかならず現れる!
ゆえにこの場に筋も道理もありはしない!
そら! 怒ったら尻尾を振れ! 嬉しかったらうなれ!」
ゼラド「なにがなんだかわかんないよぉ~!」
キャクトラ「
ゼラド・バランガはここにいるか!」
ゼラド「あっ、キャクトラくんだ!」
マリ「シッ!」
リトゥ「隠れて!」
ゼラド「え? え?」
キャクトラ「ゼラド・バランガがここにいると聞いてきた」
ハザリア「上等のバターだったが、パンくずが紛れ込んでしまった」
キャクトラ「ゼラド・バランガはどこだ!」
ハザリア「俺の時計はいつまでも1時半だ」
キャクトラ「チッ、おかしなヤツめ!」
マリ「行ったみたいだな」
ゼラド「いったい、どういうこと?」
リトゥ「黒の王があなたを探してるのよ」
ゼラド「え、なんで?」
マーズ「いってもムダじゃねーかな。これ、ほとんどゼラドちゃんじゃねーよ」
ゼラド「わたしはゼラドだよぉ~!」
ハザリア「ゼラド・バランガなら、『フラブジャスの日』を知っているはずだ」
ゼラド「フラ・・・・・・? なに?」
ハザリア「予言によれば!
『フラブジャスの日』に銀髪の少女ゼラド・バランガが
黒の王操るジャヴァウォックを倒すと伝えられている!」
ゼラド「そんな予言されても困るよ!」
マリ「お前はゼラド・バランガじゃないのか?」
ゼラド「ゼラド・バランガだけども」
リトゥ「ほら、ゼラド・バランガと違うじゃない」
ゼラド「えぇ~!」
マーズ「や、ほんのりゼラドちゃんぽくなってきた」
ゼラド「ほんのりなの!?」
ハザリア「貴様がゼラド・バランガだというなら、ヴォパールの剣を見つけ出し、
ジャヴァウォックを殺すのだ!」
ゼラド「そんなこといわれても、わけもわかんないのに生き物殺すなんて出来ないよ」
ハザリア「カラスと書き物机が似ているのはどうしてだ!」
ゼラド「どうしてなの!」
ハザリア「どうしてだろう」
ゼラド「もうちょっと有意義に時間を使おうよ」
マリ「ヴォパールの剣は白の女王の城にあるんだ」
リトゥ「ゼラドじゃないんなら、行っても取ってこれないんじゃない?」
ゼラド「うぅ~ん、わかったよ。取りあえず剣を探してくるから。
えっと、白の女王のお城ってどこ?」
カル「私が案内しましょう」
ゼラド「あっ、カルくんだ」
【白の女王の城】
ルナ「お主はゼラド・バランガか?」
ゼラド「そのはずなんだけど、ちょっと自信なくなってきた」
リトゥ「やっぱゼラドじゃないんじゃない?」
マリ「いや、ゼラドだって」
ゼラド「えぇ~っと、ヴォパールの剣ていうのを見つけてこいっていわれたんだけど」
ルナ「ヴォパールの剣をこれに!」
ヴィレアム「どうも」
ゼラド「ヴィレアムくんじゃん!」
ヴィレアム「ヴォパールの剣です」
ルナ「これを使ってジャヴァウォックを倒すのだ!」
ゼラド「いやいや、剣っていってもヴィレアムくんだし!
ジャヴァなんとかっていうのがなんなのかもわかんないし!」
ルナ「私は殺生をしない。よってお前がジャヴァウォックを倒すのだ」
ゼラド「なんで、みんないうこということメチャクチャなのぉ~!?」
【黒の王の城】
クォヴレー「お前はゼラド・バランガか?」
ゼラド「お兄ちゃん!?」
クォヴレー「俺は黒の王だ」
ゼラド「どっちかっていうと、お兄ちゃん全身真っ白じゃん!」
クォヴレー「ジャヴァウォック」
ずさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!
ディストラ「・・・・・・」
ゼラド「確かに黒いけど! これ、お姉ちゃんじゃない!」
ヴィレアム「さあゼラド・バランガ。このヴォパールの剣を使ってジャヴァウォックを倒すんだ」
ゼラド「無理だよ! ヴィレアムくんを武器にして、お姉ちゃんを倒すなんて!」
ヴィレアム「倒さなければ、この世界は救われない」
ゼラド「世界はメチャクチャなままになっちゃうの!?」
ヴィレアム「来るぞ!」
ディストラ「・・・・・・」
ずしいぃぃぃぃぃぃん
ゼラド「うわっ!」
ディストラ「・・・・・・」
ずしいぃぃぃぃぃぃん
ゼラド「お姉ちゃん! わたしだよ、ゼラドだよ! わかんないの!」
ディストラ「・・・・・・」
ずしいぃぃぃぃぃぃん
ゼラド「お姉ちゃーん!」
アオラ「たいへんたいへん!」
ゼラド「あっ、アオラ!」
アオラ「遅刻しちゃう、遅刻しちゃう!」
ゼラド「アオラっ、そっち行っちゃダメ!」
ディストラ「・・・・・・」
ずしいぃぃぃぃぃぃん
ゼラド「アオラぁーっ!」
ヴィレアム「いまこそ、ヴォパールの剣を使うんだ」
ゼラド「あなたが剣だっていうなら、役に立ってよ!」
ずしゃあああああああっ!
チュンチュン
ヴィレアム「ゼラド、ゼラド!」
ゼラド「ヴィレアムくん? ヴォパールの剣は? ジャヴァウォックは?」
ヴィレアム「なにをわけのわからないこといってるんだ。
こんなところで居眠りしてて、ビックリしたぞ」
ゼラド「居眠り? わたし、夢見てたのかな」
ヴィレアム「ほら、午後の授業が始まるぞ」
ゼラド(それにしても、ヴィレアムくんを剣にしてお兄ちゃんたちを倒すなんて、
わたし、なんでそんな夢を見たんだろ」
最終更新:2010年12月23日 13:53