31代目スレ 2010/5/6
統亜「ゼラドちゃんゼラドちゃん、あれ行こうよ」
ゼラド「あれって、なに?」
統亜「上海万博!」
【上海】
ゼラド「ほんとに来ちゃったけど」
統亜「うぇ~ん、うぇ~ん、ゼラドちゃんがいないよぉ~!」
ゼラド「統亜ちゃん! こっち、こっちだってば!」
統亜「うぇ~ん、ひと多いよぉ~、みんな順番守んないしぃ~」
ゼラド「ニホンじゃ連休中だからね」
統亜「こんなことなら政情不安のタイで大人しくしてるんだった!」
ゼラド「ダメだよ、政情不安な国で引きこもったりなんかしてちゃ!」
【スペイン館】
ゼラド「うぁ~、でっかい赤ちゃん」
統亜「ちょっとキモいね」
ゼラド「スペインのひとは、なにがしたくて万博でこんなの展示してるのかなあ」
【アメリカ館前】
統亜「ゼラドちゃんゼラドちゃん、次はアメリカ館に行ってみようよ」
ゼラド「アメリカ? なにがあるのかなあ」
統亜「わかんない! アメリカ館は何故かプレス取材NGなんだよ!」
ゼラド「え、なんでだろ」
統亜「とにかく、行ってみよう!」
スポッ
統亜「え?」
ゼラド「きゃぁーっ!」
どしーん!
ゼラド「あいたたた、なんだろ、いったい」
ミナト「バンカー!」
カル「プレイヤー」
キョウスケ「9-3だ」
カズマ「よっしゃ」
ミナト「うぉっしゃ、俺の勝ちだな」
カル「うぅ・・・・・・っ」
ゼラド「ミナトくんとカルくん? なにしてるの?」
アヤ「あら、あなたたちが来たの」
ゼラド「アヤさん!」
統亜「あっ、へーかの独女お友達のアヤさんだ」
アヤ「うふふふ、べつにお友達じゃないのよ」
ゼラド「アメリカ館の地下でなにをやってるんですか?」
アヤ「アメリカ館の上を、現在調査中の因子を持っている子供が歩いたら床が抜ける仕組みになってたの」
ゼラド「フツーに人さらいじゃないかしら」
アヤ「べつに危害は加えないわ。ただゲームをやってもらうだけ」
ゼラド「ゲームっていわれても」
アヤ「かつてのリュウはバーニングPTの大会でその才能を発見されたわ。
それとおなじことをここでやってるの」
ゼラド「でもわたしたち、バーニングPTなんてやったことないし」
統亜「ゲーム自体苦手だよ~」
アヤ「勝負は簡単よ、この、バカラで付けてもらう」
ゼラド「バカラ?」
統亜「どうしようゼラドちゃん、あたしバカだから、ゲームのルールなんて覚えらんないよぉ~」
アヤ「あら、心配しないで。
バカラのルールは単純明快、バンカーとプレイヤーのどっちが勝つか賭けるだけなんだから」
ミナト「うん、簡単だったよ」
カル「ミナトに負けた、ミナトに負けた・・・・・・」
統亜「ゼラドちゃん、どうしよう」
ゼラド「とにかく、ゲームに乗ってみようよ。
時間を稼いでれば、いつか助けが来ると思うし」
キョウスケ「よし、では俺がバンカーだな」
カズマ「じゃ、俺がプレイヤーだ」
ゼラド「キョウスケさんとカズマさんは、なんでこんなことに手を貸してるんですか!」
キョウスケ「これはアヤ中佐からの正式な依頼だ。
出世の遅い俺には断る権限がない」
カズマ「たまに郡からの依頼受けてみたらこれだよ。だから軍隊なんて嫌いなんだよな」
ゼラド「この勝負に勝っちゃったら、わたしたちどうなるんですか?」
キョウスケ「候補生として軍に組み込まれるだろうな」
ゼラド「わたし、軍人になるつもりなんてないんですけど」
統亜「わたしはムエタイファイターになるんだよぉ~、軍人なんてイヤだよぉ~!」
キョウスケ「とにかく、テーブルについてもらおうか。勝負はすでに始まっている」
シュッシュッシュッシュッ
キョウスケ「・・・・・・ナチュラルか」
カズマ「さっそく、強運を呼び込んでるのがいるみたいだな」
統亜「えっと、えっと、どうなったの?」
ゼラド「よくわかんないけど、勝ったみたい」
キョウスケ「勝負は1度ではない。さあ、次に行くぞ」
シュッシュッシュッシュッ
ゼラド(どうしよう、このゲーム、単純すぎて割ってはいる隙が全然ない!
これじゃあ、隙を見て逃げるなんて・・・・・・)
統亜「でもアヤさん、なんであたしたちなんですか?」
アヤ「というと?」
ゼラド「わたしたち、念動力も予知能力も持っていませんけど」
アヤ「軍はもはや念動力なんていう不安定なものを相手にしていないわ。
必要とされてるのは、普遍的な運の太さよ」
ゼラド「キョウスケさんとか、うちのお父さんみたいなですか?」
アヤ「まあ、彼らの跡継ぎをね」
ゼラド「軍に入れちゃうつもりなんですか?」
アヤ「そうなるわ」
ゼラド「お断りします! わたし、軍に入るつもりなんて!」
統亜「あたし、ムエタイファイターになるんだよぉ~、軍人なんてイヤだよぉ~!」
ゼラド「統亜ちゃん、勝とう、この勝負。
こんなことするひとたちに負けられないよ!」
統亜「でも、勝っちゃうと軍に入れられちゃうんじゃないの?」
ゼラド「あっ、そうだっけ」
アヤ「小細工を賭けようとしてもムダよ、このバカラというゲームは純然たる運のみの勝負なんだから!」
ゼラド(どうしよう、どうしよう・・・・・・。
落とし穴の上ははるかに上・・・・・・。
キョウスケさんやカズマさん相手に暴れて敵うとも思えない。
どうすれば)
しゅるしゅるしゅるしゅる
アヤ「だれっ!?」
ゼラド「まさか、お兄ちゃん!?」
克夜「痩せても枯れても紫雲家長子!
紫雲克夜見参!」
統亜「お兄ちゃんだぁ~!」
ゼラド「お兄ちゃん違いだった・・・・・・」
アヤ「あら克夜くん、あなたのことはお父さんから聞いているわ。
ちょうどいいからテーブルについてくれない?」
克夜「フッ、痩せても枯れても紫雲家長子。
御婦人の誘いを断ることはしない!
たとえ相手がおばさんでも! 可愛い姪っ子がいることを夢みて!」
ゼラド「夢もなにも、アヤさんの姪っ子さんだったらうちの学校にいるよ」
克夜「しかし、僕の身柄と引き替えに、バランガさんと我が愛妹は解放してもらおうか」
アヤ「なかなかの肝の太さね。気に入ったわ」
克夜「はっはっは、痩せても枯れても紫雲家長子、
おばさんより女子を優先させるのは当然のこと!」
アヤ「あっ、待ちなさーい!」
しゅるるるるるるるる
【地上】
統亜「うえ~ん、お兄ちゃ~ん」
克夜「よしよし、兄がいるから安心なさい」
ゼラド「う~ん、やっぱお兄ちゃんがすぐ来てくれるっていいなあ」
ゼラド「それにしても、軍の命令とはいえアヤさんはなんであんなことしてたんだろ」
【地下】
キョウスケ「逃がしてよかったのか?」
アヤ「構わないのよ」
キョウスケ「しかし、あの子たちがかかるとは予想外だったな」
アヤ「ええ。あの子たちばかりに次代の軍を任せるのは忍びなかったから、
あたらしい人材を発掘するためのプロジェクトだったのだけれど」
ミナト「あのぅ、おれたちはどうなるんですか?」
キョウスケ「せっかくだ、もう何ゲームか付き合っていけ」
カズマ「今度は、大人のレートでな」
カル「うへえ」
最終更新:2010年12月23日 13:55