31代目スレ 2010/5/19
【宮崎 高速道路】
ぶおぉぉぉぉぉん
ハザリア「口蹄疫によりニホンから宮崎牛がなくなるかもしれんだと!」
マリ「そんなことになっちゃったら、宮崎名物牛めし弁当がなくなっちゃうじゃないか!」
ハザリア「ええい、アカマツめ! トロい対応をしおって!」
マリ「キャリコさん、もっと飛ばしてくれ!」
ハザリア「かくなる上は、俺自らが松坂牛を救ってくれるわ!」
キャリコ「わはは、利害が一致すると息ピッタリですね、お二人は」
ハザリア「ばっ、バカにするな!」
マリ「そっ、そうだよ、こんなヤツと!」
カッ
どかーん!
【家の中】
マリ「うぅ・・・・・・、どうなったんだ、いったい。
一瞬クルマが持ち上がって・・・・・・、爆発した?」
魔竜戦士アトラス「おっと、動かない方がいい。大したケガはないようだがね」
マリ「ここは? あなたは?」
魔竜戦士アトラス「ここはドラゴ村。私は魔竜家の長、魔竜戦士アトラスだ」
マリ「あいつは? キャリコさんは」
魔竜戦士アトラス「クルマの前半分に乗っていた人でしたら、メタルナイト家に運ばれました」
マリ「前半分って」
魔竜戦士アトラス「あなたがたの乗っていたクルマは落とし穴に落ちて、まっぷたつに爆発してしまったんですよ」
マリ「はぁ?」
魔竜戦士アトラス「メタルナイト家が仕掛けた落とし穴ですよ」
マリ「なんなんだよ、そのメタルナイト家って」
魔竜戦士アトラス「この村のもう半分を統括する家ですよ」
マリ「もう半分っていうのは、どういうことだ?」
魔竜戦士アトラス「この村は皆、畜産農家を営んでいてね。
ところが、いつのころからかふたつに別れて対立するようになった」
マリ「なんだってそんなことに」
魔竜戦士アトラス「やつらが疫病を広めたからさ」
マリ「疫病って、まさか」
魔竜戦士アトラス「もっとも、彼らは我々が広めたというだろうがね」
マリ「警察は? 農林水産省はなにをやってるんだ!」
魔竜戦士アトラス「この村のことだ。余所者に口を出されたくはない」
マリ「バカな。松坂牛っていったら、もはや国際級の問題だぞ」
魔竜戦士アトラス「じきに戦いが始まる。君も巻き込まれたくなかったら、ここで大人しくしていることだ」
【家の中】
量産型メタルナイト「あ、気が付いた」
ハザリア「ム、ここはどこだ」
量産型メタルナイト「ここはドラゴ村、メタルナイト家の屋敷の中よ」
ハザリア「フゥム、これ、俺と一緒にいた、まれに見る貧乳の女はどうした」
量産型メタルナイト「お連れさんなら、魔竜家に連れられていったのを見たひとがいるよ」
ハザリア「魔竜家だと?」
量産型メタルナイト「あんた方が落ちた落とし穴を掘った連中さ。
このドラゴ村の半分を仕切ってるのよ」
ハザリア「どうやら、しち面倒くさい事情がありそうだな」
量産型メタルナイト「べつに難しいことはないよ。
魔竜家はあたし等が嫌いで、あたし等は魔竜家が嫌い。
だからケンカしてるってわけ」
ハザリア「フン、俺には関係のないことだ。
これ、俺の携帯電話はどうした」
量産型メタルナイト「さあ、そこにないなら知らないよ」
ハザリア「フム、外界との連絡は取れないか。
ならば、ままよ。流れに任せるのもまた一興」
量産型メタルナイト「? なにいってるのさ、あんた」
ハザリア「協力してやるといっておるのだ。案内せよ」
【メタルナイト邸】
メタルナイト・バルバドス「量産型、彼は?」
量産型メタルナイト「なんか、あたしらに協力したいんだってさ」
ハザリア「よろしい。地形図を見せろ。最短かつ効果的に敵を蹴散らしてくれよう」
メタルナイト・バルバドス「これを」
ハザリア「ふむ、山間に挟まれた地形か。水攻め、いや火計だな。
ぱっと派手に行こうか、ぱっと」
メタルナイト・バルバドス「ふふ、心強い」
ハザリア「フン、我が愛する和牛を滅しようとする連中など、焼き尽くしてしまえばいい」
【魔竜家】
魔竜戦士アトラス「なんだって! 向こうの客人が協力を申し出た!?」
魔竜戦士B「それが恐ろしい手際で」
魔竜戦士アトラス「何者なんだ、向こうの客人は!」
マリ「バカッ、あのロクデナシはあれで将軍の息子だぞ!
本気になったら、こんな村一瞬で消し炭にされる!」
魔竜戦士アトラス「あなた方はいったい」
マリ「わたしを出せ! あのバカ、ぶっちめてやる!」
【村境】
魔竜戦士アトラス「今日という今日こそは決着を付けてやるぞ、メタルナイトの!」
メタルナイト・バルバドス「それはこちらのセリフだ、魔竜の!」
魔竜戦士アトラス「余所者を抱き込んでなにをするつもりだ!」
メタルナイト・バルバドス「お前達を排除するためなら、なんだってしてやるとも!」
ハザリア「火を放てぇーっ!」
ボッ
魔竜戦士アトラス「コバヤシさん!」
マリ「うりゃっ」
ボボッ
メタルナイト・バルバドス「なんと、火が曲がる!?」
魔竜戦士アトラス「まさか、これが噂の念動力!?」
マリ「油をまき直しておいたのですっ!(キリッ」
ハザリア「フハハハハハ! そう来ると思っておったぞ! 今週の三国伝的にな!」
マリ「お前ってヤツは、なに考えてるんだ!」
ハザリア「フン、まれに見る貧乳がそちらに着いたと聞いたときから決めたこと」
マリ「そうか、決着を付けるつもりなんだな、わたしとお前の!」
ハザリア「下がれ!」
マリ「なにを!」
ガサガサッ
キャリコ「あ~、いたいた、お二方」
マリ「キャリコさん!」
ハザリア「遅いぞ、オッサン」
キャリコ「ノロシを上げるにしても、ちょっと派手過ぎやしませんか、これは」
魔竜戦士アトラス「なんだと!」
メタルナイト・バルバドス「貴様、まさか仲間に連絡を取るために!」
キャリコ「おっと動かないでください、お二方。
でないとおじさんのこれがドカンですよ」
魔竜戦士アトラス「くっ、貴様」
キャリコ「魔竜戦士アトラスさんにメタルナイト・バルバドスさんですね。
お二人の名義で北海道に農場を持っていることは調べが着いていますが、なにかいいたいことは?」
量産型メタルナイト「なんだって、あんたたち、まさか!」
キャリコ「お二人は常に結託して村同士がいがみ合うように差し向けていた。
人知れず口蹄疫を広めるためには、ほかに目を向けさせるのが一番の方法ですからね。
そうして宮崎牛を壊滅に追い込み、
自分たちが所有している北海道牛のブランド力をアップさせようとした!
違いますか!」
魔竜戦士アトラス「くっ」
メタルナイト・バルバドス「ぐぅ」
量産型メタルナイト「あんたたちはっ! そんなことのためにこの村を!」
魔竜戦士アトラス「チッ! 田舎者め!」
メタルナイト・バルバドス「いつまでもこんな田舎でせこせこ宮崎牛など作っていられるか!」
魔竜戦士アトラス「オラ北海道さ行くだ! 広大な北海道さ行くだ!」
キャリコ「さあ、ここから先は政治のお話です。
我々
バルマーも、宮崎牛はずいぶん輸入させてもらっていますからね」
ハザリア「アカマツもろとも更迭してくれるわ!」
【村はずれ】
量産型メタルナイト「ありがとうございます。もう少しで、この村は」
ハザリア「幸い種牛は無事だった。
今回の損失はアカマツのバカヤロウに補填させるとして、
来年からは精進して畜産するのだな」
量産型メタルナイト「このご恩は必ず」
ハザリア「フンッ、そう思うなら、中元に宮崎牛を送れ、たんまりとな」
量産型メタルナイト「はい、必ず」
【高速道路】
ぶおぉぉぉぉぉん
キャリコ「いやぁ、さすがお二方、離ればなれになってもしっかりとお互いの意図を読んで」
ハザリア「ふっ、ふざけるな!
俺はただ、まれに見る貧乳があちらに着いたというので、目にもの見せてくれようとしただけだ!」
マリ「わっ、わたしだって!
巨根気取りのバカが向こうに着いたっていうから、どうせろくなことしないと!」
キャリコ「わっはっはっは、さあて、日向鶏弁当でも買って帰りましょうか!」
ハザリア「なにニヤニヤしているのだ、オッサン!」
キャリコ「わっはっはっはっはっは」
最終更新:2010年12月23日 13:56