31代目スレ 2010/7/12
アル=ヴァン「どう思う、バランガ嬢。
うちの弟子は師に対して尊敬の欠片もないんだ」
ゼラド「はあ」
アル=ヴァン「師のお尻に対して容赦なく蹴りを入れようとするのだ、あの怖弟子は!」
ゼラド「あっ、統亜ちゃんや芽夜ちゃんは?」
アル=ヴァン「紫雲の子供たちはダメだ!
私の顔を見るなり、家に帰れだの嫁に頭を下げろだのと無理難題を吹っかけてくる!」
ゼラド「そんなの、わたしだっていいますよ」
アル=ヴァン「君は鼻粘膜を直に引っかかれたことがないからそんなことがいえるんだ!」
ゼラド「えぇっと」
アル=ヴァン「ところでこれを見てくれ、どう思う?」
ゼラド「どうしたんです? 急にお尻を向けて」
アル=ヴァン「私のお尻は、
クォヴレー・ゴードンと比べてどうだろう」
ゼラド「ええっと、お兄ちゃんのお尻はもっとキュッと引き締まってますけど」
アル=ヴァン「相対的に私のお尻がダランと垂れ下がっているというのか!」
ゼラド「そういうんじゃないですけどぉ」
克夜「あっ、我が師アル=ヴァン、オッサン臭いくせになにバランガさんにちょっかいかけてるんですか」
アル=ヴァン「臭くない! 師は断じて臭くない! なあバランガ嬢!」
ゼラド「えっと、その、はは・・・・・・」
アル=ヴァン「その乾いた笑いはなんだ!」
ゼラド「えっと、お兄ちゃんはイイ匂いしますよ」
アル=ヴァン「相対的に私は臭いといいたいのか」
ゼラド「そうじゃなくて! えっと、年相応ですよ! 年相応の臭いですよ!」
克夜「つまりオッサン臭いということです」
アル=ヴァン「そんなバカなぁっ!?」
克夜「現実を見てください我が師アル=ヴァン、あなたはもう中年なんです」
アル=ヴァン「うるさいこの薄情弟子! お前なんかもう破門だ!」
克夜「破門ですかよっしゃ」
アル=ヴァン「よっしゃといわなかったか、いま!」
克夜「でも口臭が天井知らずなアル=ヴァン、
僕の師であるというアイデンティティを失って、今後この街でどうやって生きていくんです?」
アル=ヴァン「お前に代わって、このバランガ嬢を弟子にするもんね!」
ゼラド「えぇっ!?」
克夜「バランガさん、ちゃんと断らないと、そのオッサン臆面もなく月謝を要求してくるよ」
ゼラド「わたし、おカネないです」
アル=ヴァン「カネなどいらない! ただ私を『お兄ちゃん』と呼ぶんだ!」
ゼラド「それもちょっと」
アル=ヴァン「なぜだ! クォヴレー・ゴードンのことは『お兄ちゃん』と呼ぶのに!」
克夜「だって臭いが」
アル=ヴァン「私が臭いと確定したかのような物言いをやめろ!」
ゼラド「積み重ねてきたものっていうか」
アル=ヴァン「こちとら10年以上手塩にかけてきた弟子にお尻を蹴られているのに!」
克夜「ヤダなあ、範馬刃牙の師匠くらいには尊敬してますってば」
アル=ヴァン「範馬刃牙の師匠って、ゴキブリではないか!」
ゼラド「ねえねえ克夜くん」
克夜「なんだいバランガさん、僕のハーレムに入りたくなったのかい」
ゼラド「そうじゃないけど」
克夜「ちぇっ、じゃあなんだい」
ゼラド「おかしくない?
アル=ヴァン・ランクスっていえば、ゼンガーさんと並び立つような騎士の鑑だったって聞いてたけど」
克夜「片や、ドイツ侍だからなあ」
ゼラド「なんでこんなに落ちぶれちゃったんだろう」
克夜「働かないからじゃないからかな」
アル=ヴァン「このアル=ヴァン、働くことが降格の次に嫌いだ」
ゼラド「降格されたくなかったら働きましょうよ」
アル=ヴァン「いいかいバランガ嬢、社会っていうのは厳しいんだ。
降格なんかされたらヘンな部下が精神状態おかしくなるんだよ?」
克夜「いくらヘンでも働いてる分ジュア=ムさんの方がまだマシなんだけれどね」
アル=ヴァン「働くなんておぞましい単語を使わないで欲しい!」
克夜「これだよ」
アル=ヴァン「くそっ、もういい!
私は、きっと努力しないで一発当てて女子高生からチヤホヤされてみせる!」
克夜「僕、ああなっちゃイケナイと常日頃から思ってるんだ」
克夜「さ、二人きりになったね、バランガさん」
ゼラド「アル=ヴァンさん行っちゃったけど、追わなくていいの?」
克夜「せっかくの機会だから、ふたりでお手々つないでイェーガーくんちの前を通り過ぎてみないかい?」
ゼラド「なんでそんなことを!?
ヴィレアムくんちは全然逆方向だよ!」
【イェーガー家前】
克夜「さあバランガさん、アップルパイバイキングに洒落込みに行こう!」
ゼラド「アップルパイはいいけど、なんでわざわざ手を繋いでヴィレアムくんちの前まで来るの?」
ガッ
ゼラド「あれ? 克夜くん? 克夜くーん?」
【物影】
ヴィレアム「お前ェ、なんのつもりだぁ・・・・・・っ!?」
克夜「どうもこうも、バランガさんと共にアップルパイバイキングに洒落込もうとしていたのさ」
ヴィレアム「なんの権限があってそんな!」
克夜「この、バカチンがっ!」
どがっ
ヴィレアム「くぅっ」
克夜「君は僕を誰だと思っているんだい。ハーレムを作ろうという男だよ?
隙あらば女子を口説こうとするのは、当然のこと!」
ヴィレアム「なっ!?」
克夜「隙を作った君がいけないのさ」
ヴィレアム「くそっ」
【イェーガー家前】
ヴィレアム「ゼラド! よかったらこれから、パンプキンアップルパイバイキングに洒落込まないか?」
ゼラド「洒落込むのはいいけど、克夜くんは?」
ヴィレアム「あいつは用があるってさ! さあ!」
ゼラド「あっ、待ってよ、引っ張らないでってば」
【物影】
克夜「やれやれ、こうでもしないと誘えないんだから」
レイナ「あんたは、ほんとにハーレム作る気あんの?」
最終更新:2010年12月23日 13:58