ショーグン・ウォリアーズ (Shogun Warriors)
概要
日本の三体の巨大アニメ・ロボット、ライディーン(Raydeen)、コン・バトラーV(Combatra)、ダンガードA(Dangard Ace)が、宇宙人と戦うストーリー。シリーズは20話で、番外編として
Fantastic Four vol.1 226がある。
ShogunおよびShogun Warriorsは玩具会社マテルの商標であり、本コミックはマテルのライセンスによってつくられたと考えられる。個別ロボットの原案として、東映のクレジットはでるが、契約はないのではないかと思われる。
なお、永井豪のロボットは最初から除外されていたようである。
ただしロボット・アニメの勉強に
マーベルのスタッフが来たようではある。
Shogun Warriors(玩具)
玩具のShogun Warriorsは、1970年代から、日本製のロボット・アニメの玩具「超合金」シリーズ(ダイカスト製の人形)や、「ジャンボマシンダー」シリーズ(プラスチック製の大型の人形)などを輸入して販売する際に使った商標である。なおアニメ以外にも、1968年版の
ゴジラとラドン(Rodan)の玩具が含まれている。
注)コミックはジャンボマシンダーを基にしているという説がある。
1980年代に入ると、「超合金」シリーズなどのギミックで、バネ仕掛けでミサイルや手首から先を飛ばす「ロケットパンチ」などに対して、当たると危ない(特に目)、小さな部品を誤飲するなどの危険性を消費者団体が訴えるようになり、最終的にマテルがShogun Warriorsの商品ラインから撤退した。おそらくマーベルも商標権を失ったと考えられる。
なおその後、アメリカ市場ではバンダイ・アメリカが「ゴーダイキン」(Godaikin)のシリーズ名で「超合金」シリーズの販売を行った。
Shogun Warriors(コミック)
フィーチャーしたロボットは三体、ライディーン(Raydeen)、コン・バトラーV(Combatra)、ダンガードA(Dangard Ace)である。それぞれパイロットが割り当てられている。
パイロットの制服は全員同じで、ライディーンのひびき洸のスーツを白黒にしたような(あるいは「ブロッカー軍団Ⅳ マシーンブラスター」のパイロットスーツのような)スタイルで、耳の突起が左のみについている。
ロボットはフォロワー・オブ・ライツ(光の従者)という謎の組織が製造し、パイロットを各所からテレポートで集め(日本語では拉致という)、アンク(エジプト十字架)型の通信機を与えた。
最後の二話は、敵の真の目的が「地球の超科学の破壊と超能力者の撲滅」であることが分かり、
ファンタスティック・フォーが登場し共闘する。
ライディーン(Raydeen)
外見や主要な武装は日本のアニメとほぼ同じで、ゴッドボーガンも使える。移動の時にゴッドバードに変身したが、ゴッドバードアタックは使っていない。
主なパイロットは、アメリカ人(白人)のスタント・ドライバー、リチャード・カールソン(Richard Carson)。
第1話では三人のパイロットが、ライディーンのコックピットに乗り込んでいた。
コン・バトラーV(Combatra)
外見は日本のアニメとほぼ同じだが、指先からミサイルが出る。超電磁技(超電磁ヨーヨー、超電磁竜巻→超電磁スピンなど)は使わない。
主なパイロットは、日本人の女性航空機パイロット、ゲンジ・オダシュ(Genji Odashu)。日本語での表記は不明だが、一説には「源氏・織田衆」ではないかというものがある。
五体分離が可能で、通常、ゲンジ以外は各コックピットにセントロン1~5(Centron-1~5)という、お地蔵様のような人工知能?/ロボット?を乗せている。後半、ライディーンやダンガードAの出撃が少なくなり、パイロットを詰め込めるコン・バトラーVの出番が増える。最終回ではShogun Warriorsの三人に加え、
ミスター・ファンタスティックと
インヴィジブル・ウーマンを乗せて、全機人間が操縦する体制で出撃する(なぜ、優秀なパイロットである
シングが搭乗しなかったのかは謎)。
なお、コン・バトラーVのマシンの構成と五人人間操縦の際のパイロットは以下の通り。
- 頭部:バトルジェット/デルタ-V (Delta-V) ゲンジ
- 胸部:バトルクラッシャー/スカイスケーター (Skyskater) イロンゴ
- 下腹:バトルタンク/アースムーヴァー (Earthmover) インヴィジブル・ウーマン
- 脚部:バトルマリン/ターボストリーカー (Turbostreaker) カーソン
- 足先:バトルクラフト/グランドローバー (Ground-Rover) ミスター・ファンタスティック
ダンガードA(Dangard Ace)
外見は日本のアニメとほぼ同じだが、ライディーン(52メートル)、コン・バトラーV (57メートル)という設定に対し、ダンガードAは設定で200メートル(約4倍)のはずが、他のロボットと同程度になっている。ダンガードAはタンデムだが、特にその設定を生かしたシーンはない。入り口がライディーンの<フェード・イン>のように人間を吸収することができるように描かれているため、催眠術で操作された少年を誤って内部にいれ、操縦させてしまったことがある。パイロットが海洋学者のためか、海底で使用されるシーンがあった。
主なパイロットは、アフリカ人(マダガスカル人)の海洋学者イロンゴ・サヴェージ (Ilongo Savage)。
ゴジラとの関係
マーベルはゴジラのコミックスを制作しているが、ショーグン・ウォリアーズのロボットは登場していない。同じコミックスのはじめのページに、ショーグン・ウォリアーズの広告コミックスを乗せている程度で、内容はクロスしていない。
しかし、ゴジラとの決戦兵器として、
レッド・ローニンというオリジナルの巨大ロボットを登場させている。
レッド・ローニンのデザインはライディーンに影響を受けた(というか、かなりそっくりな)ものであり、漫画家もショーグン・ウォリアーズのことを知っていたとコメントしている。
サムライ・デストロイヤー(Fantastic Four vol.1 226)
Fantastic Four vol.1 226 (1981年1月)に、悪の巨大ロボット「サムライ・デストロイヤー」が登場し、
ファンタスティック・フォーが立ち向かう。この話に、ショーグン・ウォリアーズのパイロット三人(リチャード、ゲンジ、イロンゴ)が登場。しかし彼らは巨大ロボに乗っておらず、ロボは誌面に現れないところで壊された模様。「ショーグン・ウォリアーズ」という単語も発していない。
トリビア
- マーベルのエージェントが、ライターにショーグン・ウォリアーズのストーリーを説明しようとしたとき、
- エージェント「ロボットが登場して、やっつけられるんです。そして、、、」
- ライター「なんだ、それじゃ、ストーリーなんか、まるでないじゃないか。ロボットが別のロボットとぶつかって戦う。いつもそのくりかえしだ。」
- ということで、日本のストーリーを無視して独自の脚本を書いた、と小野耕世は書いている。
- とにかく、ロボットの「スペルを含む名前」を商品と同じにして間違えないようにするのが、苦労だったらしい。
- 後の1980年に、ジム・テリーというプロデューサーが(マテルの商品のコマーシャルを兼ねて)、日本から当時の東映のロボットアニメ(一部違ったものもあった)を1週間日替わりで放送する"Force Five"(または"Jim Terry's Force Five")をという番組を制作し一部地域で放送した。
話数は全て26話に揃えてある。
- ラインナップ:
- 大空魔竜ガイキング Force Five: Gaiking (26 episodes)
- 惑星ロボ・ダンガードA Force Five: Dangard Ace (26 episodes)
- ゲッターロボG Force Five: Starvengers (26 episodes)
- UFOロボ・グレンダイザー Force Five: Grandizer (26 episodes)
- SF西遊記・スタージンガー Force Five: Spaceketeers (26 episodes)
- 大空魔竜ガイキングは、玩具が一番人気だったため最初にもってきたそうである。
- 「マジンガーZ」は、ショーグン・ウォリアーズのラインナップに入っていない。なお、「マジンガーZ」は後に単体で"Tranzor Z"という独立した番組になった。
最終更新:2020年11月13日 09:16