決勝に進出したのは、夏バテでダウンした海風村の住民に代わって海風村代表として出場した「エドナ様のお供たち」
(第一泳者:
ミリーナ、第二泳者:
イクス、第三泳者:
スレイ、第四泳者:
アリーシャ、
監督:
エドナ、マネージャー:
ミクリオ)、
同じく夏バテでダウンし、更にそこへ
リフィルの夏バテ解消料理を食べさせられ大惨事となった潮風村の住民に代わって
潮風村代表として出場した「チーム・ティロルベ」
(第一泳者:
ティア、第二泳者:
ロイド、第三泳者:
ルーク、第四泳者:
ベルベット、
監督:
ジェイド、マネージャー:
ガイ)の2チーム。
最終予選の結果はチーム・ティロルベが1位、エドナ様のお供たちが2位。
タイムだけならば最終予選の結果に加えてその前の予選で大会記録を更新したチーム・ティロルベが有利であったが、
決勝戦では上述した天然の障害が次々に襲い掛かり手に汗握る展開となる。
第一の海域は「不可視の迷宮」と呼ばれ、蜃気楼が発生して中継地点が複数に見えて正しい到着地点が分からなくなり、
迷宮を抜ける手段を持たないと体力を奪われ、最終的に泳げなくなってしまう。
占星術を得意とするミリーナは背泳ぎ状態を利用して、空を常に観察し、そこから正しい到着地点を短時間で導き出しリードを奪う。
ティアは蜃気楼に翻弄され、ミリーナに引き離されるが、ルークの大きな声援から「声」を利用する事を思いつき、
歌いながら泳ぐ事で、歌声の反響から正しい到着地点を割り出して追いつき、ミリーナとティアは同時にバトンタッチ。
第二の海域は「無限の交龍巣」と呼ばれ、数え切れない程の海流が集まり、常に流れが変わるその様は荒れ狂う龍達の巣に喩えられる。
時々刻々と変化する流れに合わせて軌道修正しながら進むのが正攻法だが、イクスとロイドは意外な方法を使う。
イクスはその優れた記憶力を活かして海流の位置と変化を全て記憶、流れを利用して進む事でロイドから早速リードを奪う。
しかし、ロイドは「海流が入り乱れてるなら分かてばいい」とばかりに、自分の腕を双剣代わりに裂斬水で海流を切り裂きながら進み、
逆にイクスからリードを奪いそのままバトンタッチ、僅かに遅れてイクスがバトンタッチ。
第三の海域は「深淵の冥海」と呼ばれ、一年の中で大会の決勝戦が行われる日だけ、突発的に渦潮が大量発生する危険海域と化す。
一歩間違えば命に関わるため、スレイとルークはこれに備え、マネージャーのミクリオとガイと猛特訓を行っていた。
ルークはガイとの特訓で渦潮が特に発生しやすい海域を覚え、そこを避けて確実に進むが、スレイはその海域へ突入。
それを見たガイは驚くが、スレイは自分の近くに発生した渦潮を獅子戦吼で相殺、最短距離を突っ切って一気にルークを追い抜く。
スレイがミクリオとの特訓で行っていたのは、ミクリオが本番で発生する渦潮を仮定して術で渦潮を作り、それを打ち消す事だった。
そのままスレイが先にバトンタッチ、大きく遅れたルークはベルベットに後を託すが、
ディストのタルロウXXの爆発に巻き込まれて水着が燃えてしまったらしく、普段着で泳ぐ事に。
最終海域は特にこれといった障害のない純粋な一騎打ちであり、
追い上げを得意とするベルベットは一気に先を行っていたアリーシャに並び、あっという間に追い抜く。
最終予選でも同じように追い抜かれ負けたアリーシャは諦めかけるが、その時チームの仲間達の応援が響き渡る。
実は彼女はこれを想定して体力を温存しており、これで闘志を取り戻したアリーシャは一気に加速、
更にそこからトップスピードに入り、遂にベルベットに並ぶ。
抜きつ抜かれつのデッドヒートとなり、ゴールもほぼ同時だったが、着衣泳で僅かにベルベットのスピードが落ちたのが
響き、僅差でアリーシャが先着、優勝の栄冠は「エドナ様のお供たち」が手にした。
その後、閉会式でアリーシャとベルベットは次に機会があったら再戦を約束。
その互いを讃え合う姿に感動した海風村の村長は、
これからは浜辺の掃除は大会結果を問わず、海風村と潮風村が共同で担当する事を決定、
海風村と潮風村の住民の浜辺掃除の押しつけ合いによる腰痛の危機は去った。