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CODE GEASS――BLACK REBELLION

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CODE GEASS――BLACK REBELLION  ◆.WX8NmkbZ6



 「G-9に向かう」、「協力を頼む」と大雑把に方針を示され、北岡は改めてランスロットから距離を取った。
 ジェレミアが目的地に向かう間、北岡とつかさの二人だけでランスロットの足止めをする――というわけにもいかない。
 攻撃の的が複数いる状態でなければランスロットとはとても戦えず、またその的をつかさにする事も出来ないのだ。
 よって、三人掛かりでランスロットの攻撃を凌ぎながら移動する事になる。

 ランスロットと戦うという前提に加えて新たに加わった指針、G-9に向かう。
 防御だけに集中していられなくなり、元々綱渡りだった戦いはますます厳しくなる。
 「ジェレミアの走行をなるべく阻害しないようにし、なおかつ北岡とランスロットが一対一になる状況は避ける」。
 そんな都合良く事態が運ぶはずがない。
 しかし北岡は、実際に動き出してみるとむしろ負担が減っている事に気付いた。

 東西に走っていた大通り、その交差点を三人それぞれが南に折れる。
 ジェレミアが地上を疾走。
 その間つかさが上空からブラフマーストラを、北岡が屋上からマグナバイザーを撃ち続ける。
 マグナバイザー、ブラフマーストラ、どちらも弾数に制限はない。
 ブラフマーストラの方は装填に多少の時間を取られる為連射こそ出来ないが、威力は充分。
 ランスロットは頭上からの攻撃に対し、片腕を上げてブレイズルミナスを展開するか回避するかの二択しかない。
 それはランスロットの攻撃の的となるジェレミアと北岡にとって大きな助けになる。
 加えて、上空であれば鏡面がないのでハーケンに強襲される事はなく、ある程度の安全が確保出来る。
 万一ランスロットがつかさを狙ってヴァリスを持ち出したとしても、その時はジェレミアと北岡が攻めに転じるだけだ。
 遠距離専用のヴァリスに対する懐に飛び込んでの至近距離戦は、ファクトスフィアや車輪の破壊を狙える絶好の機会となる。

 つかさの加入により戦略の幅が広がり、ジェレミアが無理に攻撃を仕掛ける必要がなくなった。
 その分移動と回避に注力出来るので、常にランスロットに接近しているジェレミアの危険は減ったと言っていい。
 問題があるとするならば――ゾルダの変身時間が残り五分を切っている事である。

 つかさの箒の速度と往復に掛かった時間を考えれば、五分以内に目標に到着するのは不可能ではない。
 だが、普通の走りではなくランスロットの攻撃を防ぎながらの移動。
 またそもそもG-9に行けば全てが解決するという話でもない。
 飽くまで『確認』に行くのだ。
 “それ”が使えなければ詰み、有用であったとしてもやはり戦いが終わるわけではない。
 故に動きに余裕が出来た分、ここで少しでもランスロットのエナジーと戦力を削る必要がある。

 ランスロットは屋上からの北岡の射撃に対し、左のブレイズルミナスを展開したまま右腕のハーケンを打ち出す。
 ハーケンがランスロットの脇の窓ガラスに吸い込まれると、北岡のいるビルの向かい側の窓からそれが飛び出した。
 北岡が紙一重で回避するとマグナバイザーの連射が途切れ、それに乗じたランスロットが跳躍。
 地上に向かって蹴りが叩き落とされるが、駆動音で接近に気付いていたジェレミアは振り向かずに大きく横へと避ける。
 アスファルトが砕け、視界を遮る程の厚い砂煙が立ちこめた。
 その煙から一早く抜け出したジェレミアは足を止める事なくそのまま南へ。
 ランドスピナーの車輪が回転、ランスロットの追撃が始まろうとするが、車輪は即座に逆回転してランスロットを後退させた。
 上空からブラフマーストラによる射撃が降ってきたからだ。

 マグナバイザーによる狙撃が再開すると、ランスロットは細かく車輪の回転の向きを変えて前後左右に素早く移動。
 全ての弾丸を躱し、再びハーケンブースターを起動する。
 三機のハーケンが同時に射出され、窓ガラスの中へと吸い込まれた。
 それを確認した北岡はすぐにビルから飛び降りる。

 ハーケン三機を同時に射出し、更にミラーワールド内でブースターを使って角度を調節、敵に命中させる。
 それは並の集中力では不可能だ。
 全神経がハーケンに注がれている――つまり、今が最もランスロット本体の手薄な時。
 三機のうち二機が北岡に襲い掛かるものの、外壁を蹴って速度を付けながら落ちる北岡には当たらない。
 着地し、フラムを投げる。
 狙うのは左腰部のハーケン射出機構。
 ランスロットがランドスピナーを起動させて回避しようとするが、北岡はマグナバイザーでフラムを撃ち抜く。

 破裂音。
 ランスロットの手前で爆発する事になったが、目的を果たすには充分だった。
 即ちハーケンワイヤーの切断だ。
 巻き取られる前だったハーケンは地に落ち、残るは右腕と右腰の二機のみとなった。

 北岡が攻撃する間、ハーケンを避けたジェレミアは更に距離を稼いでいた。
 北岡の目にも、真っ直ぐに続く道路の先が見えている。
 目的地は決して遠くない。

 ジェレミアを追う形で走る。
 北岡がつかさのサポートを受けてビルの屋上まで跳び、ランスロットの蹴りを逃れてなお走る。
 そして視界が拓けた。

「ここが……!」

 G-9中心部。
 建物が破壊されて何もなくなった地帯。
 そしてゾルダの目はつかさから聞いた通り、その更に中央に『穴』を確認した。
 ジェレミアは既に先行している。
 穴までは恐らく一分も掛からない。
 そしてその一分間、北岡とつかさは二人でランスロットを足止めする必要がある。
 目標地点に向かうジェレミアが狙われては意味がないのだ。
 それを理解しているようで、つかさが高度を下げた。

「つかさちゃん!」
「ごめんなさい、でもこうしないと北岡さん達が!」

 打ち出されるハーケンに、箒が速度を上げて回避する。
 一点に向けて刺さるハーケンは、立体的に動き回る箒に対して有利な武装ではない。
 だがこれにランスロット自体の動きが加わるのだから楽観視など出来るはずがなかった。

 北岡がビルから地上に降り、敢えてランスロットの関心を引く。
 つかさはブラフマーストラをデイパックにしまい、ランスロットの周囲を旋回して回避に徹する。

 だがつかさは元々運動神経に優れているわけではなく、むしろ鈍いと言われてしまう部類に入る。
 そして箒も本来は錬金術士にしか扱えない品であり、操縦は決して簡単ではない。
 北岡はそんなつかさをフォローしようとするが、僅かでも気を抜けば北岡自身が踏み潰されかねない状態だ。
 故にこの均衡した状況は、長続きはしない。

「きゃっ……!!」

 ハーケンがつかさの肩を削った。
 つかさが箒ごと体勢を崩し、速度を出した状態のまま地面に落下する。
 つかさの体はコンクリートの上を滑るように転がり、身を小さくして痛みに堪えていた。

「つかさちゃん、ポット使って!!」
「でも……あと、二つしか」
「そんなのいいから!!!」

 北岡がカードを抜く。
 しかしマグナバイザーにそれを装填しようとして、ハーケンが足下に突き刺さった。
 咄嗟に跳び退いて躱し、倒れたつかさを抱えて走る。
 ワイヤーを巻き取ったランスロットが高速で迫り、それまで二人がいた場所に蹴りを落としていた。

 つかさは抱えられた状態でリフュールポットを使ったが、ランスロットが至近距離にいてはつかさを降ろせない。
 手が塞がっていてはカードが使えない。
 箒は北岡の視界の中にはなく、ランスロットの蹴りで砕けたコンクリートの下になってしまったようだ。
 必要な支給品だが、悠長に探して拾っている暇も余裕もない。
 そしてゾルダの変身時間の残りは僅かとなっていた。

 八方塞がりの状況で、ランスロットの後頭部に向けて影が飛来した。
 それはランスロットの死角の位置にあったが、パイロットの超人的な勘と反射神経によって捉えられてしまう。
 下から上へと振るわれたランスロットの太い腕、それによって弾かれたのは贄殿遮那。
 大穴の手前の地点からジェレミアが投擲したものだ。
 その隙に北岡は離れた場所までつかさを運び、逃げるように言い含める。

 贄殿遮那はランスロットの意識を北岡達から逸らしたが、弾かれると同時にハーケンが発射されていた。
 後頭部に当てる事で注意を引くはずだったのだろうが、ランスロットの反撃はジェレミアの想定よりも一歩速い。
 刀を投げた体勢からの回避が遅れ、ジェレミアの正面からハーケンが命中した。
 ブレードで肉を斬り裂かれ、跳ねた血がハーケンを汚す。
 ハーケンの出力に押され、体が浮いて後方へと飛ばされる。
 そして北岡が見ている中、ジェレミアは穴の中へと落下していった。

「ッ……!!!」

 北岡の傍らに、高く飛ばされていた贄殿遮那が突き刺さった。
 その音で北岡は我に返り、カードをデッキに挿入する。

――SHOOT VENT――

 北岡の両肩に砲筒――ギガキャノンが現れ、ランスロットに向けて撃ち込む。
 しかしこれまで通りブレイズルミナスで防御するランスロットは、その体勢を保ったままじりじりと北岡と距離を狭めていく。

 ゾルダの指先が粒子となって空気中に溶け始めた。
 だが一秒でも長く足止めをする為に、北岡はランスロットへの連射を続ける。
 焦燥と恐怖。
 『確認』に失敗した時点でほぼ詰んでいる、変身が解ければ自衛手段すら失ってしまう。
 変身が解ける前にこの身体能力を使って逃走を図りたいぐらいだが、残り数秒ではどの道逃げ切れない。
 やがてギガキャノンの発砲音は途切れ、北岡は元のスーツ姿に戻っていた。

 ブレイズルミナスが解かれるが、北岡に攻撃する手は残っていない。
 無防備なまま胸にハーケンを受け、受け身も取れずに地面を転がった。
 折れた肋骨が露出し、呼吸も出来ずに藻掻く。
 ランスロットが前傾姿勢を取り、ランドスピナーが起動――だが、停止して再びブレイズルミナスを展開した。
 ブラフマーストラを抜いたつかさが引き金を引いていたからだ。
 最後の一個となったリフュールポットを北岡に使い、助け起こす。

「つかさちゃん、逃げて……!」
「出来ません……!
 だって、皆で帰るのに!」

 ブラフマーストラの次弾装填までの隙にハーケンが打ち込まれ、北岡はつかさの手を引いて避けさせた。
 そのまま走って逃げる。
 そして二人の上に、車輪による蹴りが落ちてきた。

 蹴り自体を避けられたとしても、ランスロットの一撃は地面をも砕く。
 コンクリートの破片、高速で飛び散る石や砂すらもただの人間にとっては脅威にしかならない。
 粉塵が舞う中で倒れる二人。
 衣服には血が滲み、全身が痛みを訴える。
 舞い上がった粉塵が晴れた頃、ランスロットのハーケンは既に北岡に狙いを定めていた。



 ギャリギャリギャリ、と車輪の音がする。
 ランスロットは動いていない。
 ランスロットのランドスピナーの音ではない。

 音源は地下。
 胸の奥まで響く振動が北岡とつかさの足から立ち上る。



 月光を遮るものが一切存在しない拓けた大地、その中央の穴からもう一機の“巨人”が姿を現す。
 それは、ランスロットよりも早く実戦に投入された量産機。
 シンジュク事変から一年、ランスロットと同じ第七世代の機体が量産されるようになって以降も最前線で使われ続けた。
 型遅れとなってもなおブリタニア軍の主力の一つとして位置付けられている紫色のKMF。
 中でもこれは頭部のファクトスフィアと両肩を朱に塗り上げ、『純血派』の象徴とされていたもの。

 聞こえていたのは両壁に当てた二つのランドスピナーで穴の底から登る音。
 洗練されたランスロットのフォルムが騎士ならば、対照的に無骨なそれは鎧武者のような。
 型式番号RPI-13、サザーランドと呼ばれるKMFが地上へと這い上がった。


 腹部にハーケンをまともに受けて意識が飛び、そのまま大穴の中へと墜落する。
 硬く冷たい金属に覆われた床に背中から落下し、衝撃ですぐに意識が戻ったのは幸か不幸か。
 仰向けになったジェレミアが目を開けると、星の浮かぶ暗い空が遠くに見えた。
 穴の底から覗く、四角く切り取られた夜空はとても狭い。
 腹部に手を当てるとべたりと粘性のある血が貼り付いた。
 起き上がろうとして、左半身から火花が散る。
 志々雄に斬られた傷は広がり、背の亀裂は全面に渡っているようだった。

 ルルーシュがゲフィオンディスターバーでジェレミアの半身の機能を停止させた時、ジェレミアは全身が動かなくなった。
 機械化されたのが左半身だけでも、そこに不調を来せば体全体に影響が出る。
 破損がこれ以上進めば、やはり動けなくなるかも知れない。
 だが今は構わずに立ち上がり、見上げる。
 空ではなく壁を。
 壁を背にして立つものを。

 先行したつかさが見たもの。
 それは『もう一体のロボット』、KMFだった。

 何故会場内にKMF格納庫が設置されているのか。
 志々雄の罠なのか、本物なのか――だがこれは紛れもないサザーランド純血派機。
 屹立するその姿はジェレミアが知るままの姿で、思い出されるのはこの機体に乗って駆け抜けた日々。
 両肩に背負った赤は誇りの証。
 感傷を振り切って見渡せば既にコックピットは開かれ、ワイヤーに吊られたリフトが地面の高さまで下りてきていた。

「……」

 もう一つその横に鎮座するものがあったが、後に回す。
 足を引き摺りながら惹き付けられるように近付き、リフトに足を乗せ、ワイヤーを巻き取りコックピットへ。
 一見して罠の類は見られない。
 コックピット正面とその上部、左右と合わせて四面のモニターは多くのKMFと共通。
 座席にはブリタニア国章をあしらったサザーランドの起動キーと入力用パスの書かれたメモ、申し訳程度のマニュアル。

 奇しくもこれらは、ジェレミアにとって覚えのあるものだった。
 シンジュク事変の日にジェレミアが乗っていた――ルルーシュの策によって破壊された機体だった。
 ランスロット導入と同じ日に、アリエス宮の暗殺事件以来初めてルルーシュと接触したサザーランド。

「随分な嫌がらせだな、V.V.……」

 一般兵すら第七世代、エース級パイロットは第八世代相当の機体に乗り、第九世代の機体さえ開発された時代。
 それでもジェレミアは旧式のサザーランドにこだわり続けた。
 嚮団殲滅戦に際しても時代遅れのそれに重装備をさせて食らい付いた。
 第二次東京決戦に間に合うよう開発された専用機にも、敢えてサザーランドを組み込んだ。
 そうしてサザーランドに固執していたジェレミアに『プレゼント』と称して贈ってきた者達の思惑は、分からない。

 更に分からないのが、座席。
 その背もたれには三つのプラグがあった。
 神経電位接続――パイロットの神経を機体に直接接続し、操縦桿を握らずとも意思のみで操縦出来るようにするシステム。
 機械の体に改造されたジェレミア専用のものだ。
 この技術が確立されたのはブラックリベリオン以降であり、シンジュク事変の時にはなかった。
 つまりこの機体は外側こそあの日のものだが、V.V.らの手によって別物の如く改造されている。

 キーやマニュアルが置かれているのを見ると、ジェレミアの為だけに用意されたものというわけでもないのだろう。
 しかしやはり真意は分からない。
 視認出来ない箇所に罠が設置されているのではないか、そもそも起動するのか。
 疑念はあったが、ジェレミアはコックピックブロックの出入り口を閉める。
 どの道、志々雄が言うように「縋らなければ」――何も得られない。

 故にジェレミアは所定の場所に立ち、胸の前で両腕を交差させる。
 コートの背が縦に割れて開き、露出する装甲と神経電位接続用のコネクタ。
 席に着くと自然とコネクタとプラグが接続され、コックピット内が淡いオレンジ色の光を帯びる。
 ジェレミア自身がキーとなってパスの入力もショートカット、全て問題なく起動。
 左右に分かれた二つの操縦桿は使わないが、体を固定する為に両手で握る。
 正面の画面に表示された「SERIAL#/4097112-5508」「PILOT/Sir JEREMIAH GOTTWALD」の文字すら今は懐かしい。

 装備を確認するとジェレミアが知るものと一致していた。
 アサルトライフル、胸部のスラッシュハーケン二機、スタントンファ。
 ランスロットには届きそうにないものの、出力は通常のサザーランドよりも大幅に上昇している。
 加えて神経電位接続による機体の反応速度がジェレミアの知るものよりも速くなっていた。
 画面上の「G-ER流体」という物質が関わっているようだが、これについて調べている時間はない。

 起動画面が消え、四つのモニターには周囲の景色が映し出される。
 そしてサザーランドの横にはもう一つ、強い存在感を放つものが置かれていた。

 それは金色に彩られ、中央にブリタニア軍の紋を貼り付けた巨大な十字架だった。
 底に車輪の付いたそれを、一目で何なのか言い当てられる者はそういないだろう。
 だがジェレミアは知っている――憧れていたから。

 これは剣と、それを収める鞘だ。
 第九十八代皇帝がナイトオブワン、ビスマルク・ヴァルトシュタインの駆るKMF・ギャラハッドの専用武器。
 皇帝シャルル・ジ・ブリタニア自らが名付けた“エクスカリバー”だった。

 ジェレミアの夢はナイトオブワンになる事だった。
 一年前に途絶えた夢ではあるが、確かに志していた。
 この殺し合いに巻き込まれるのが一ヶ月も遅ければ叶っていたのだが、未来を知らぬジェレミアにとっては途絶えたままの夢だ。
 だからこの場にこの剣が置かれている事が、痛烈な皮肉にしか思えない。
 それでもジェレミアはその剣を手に取った。
 皮肉であろうと悪意であろうと、既に「縋る」と決めていた。

 全高七メートルを超えるギャラハッドよりも更に大きかったはずのその剣は、サザーランドの背程の高さになっていた。
 わざわざサザーランドでも扱えるように調整したのだろう。
 そもそもエクスカリバーそのものは、第五世代のKMFが扱えるような出力ではない。
 鞘から抜いて現れたのは金の柄、紫の刀身。
 手にして問題がない事を確かめてからジェレミアは目を閉じ、大きく息を吐き出して、もう一度目を開ける。

「枢木……私はあの時、何も言い返せなかった」

――好きな人を生き返らせようと思って……何が悪いッ!!!

 忠義と個人感情の間に迷い、スザクの方が正しいと思ってしまった。
 人間らしい、真っ当な言葉だと。
 スザクが洗脳されていたと知った今も、言葉それ自体の正しさはそのままで。
 未だに迷いが振り払えたとは言えず、主の命を奪った仇との関係も中途半端なままで。
 それでも。

――自分の命も掛かってねぇような軽い剣で、この志々雄真実を止められるわけねぇだろ!!

 今は、何の理屈も付けられなくていい。
 ただの開き直りで構わない。
 意地の一つも張れないのでは、何も果たせはしないのだから。



「それでも守りたいと願って、何が悪いッ!!!」



 今はただ吼える。
 未来のない命であっても、こんな所で死にはしないと執着する。
 死なせてなるものかと、何一つ譲ってなるものかと拳を握り、サザーランドを発進させた。


 V.V.は志々雄にランスロットと煉獄を譲渡する前に、二つの条件を提示した。
 一つは翠星石の意向も聞く事。
 もう一つは、サザーランドが会場に残る者達の手に渡るチャンスを作る事だった。
 脱出者の特典と言っても煉獄・改、ランスロット、サザーランド、そのすべてが一人の手に渡るのでは公平性に欠くからだ。
 そんなどこまで本気かも分からない説明を志々雄に聞かせながら、V.V.はやはり笑っていた。

 対する志々雄はこの条件を快諾した。
 志々雄にとって他の参加者を「間引く」のは事のついでであり、必死になるものではない。
 そしてランスロットよりも下位の機体であるサザーランドは、ランスロットの性能を確かめるのに丁度いい相手と見なした。
 KMF同士の戦闘を見物するのも暇潰しになる、その程度のものだった。

 飽くまで「チャンスを与えた」だけで、ジェレミア達がそこに辿り着く前に力尽きればそれまで。
 スザクと同じようにさざなみの笛でUNDEAD状態にしたロロを搭乗させるのみ。
 彼らが志々雄の言葉を信じずに近寄ろうとしなければまた同様。
 そして万一ランスロットが破壊されたとしても別の手を打つだけだ。

 結局全てはV.V.の、そして志々雄の手の上である。
 会場を見下ろす二人に踊らされるままに、サザーランドはランスロットと対峙する。


 ジェレミアはサザーランドのファクトスフィアを展開、モニターで北岡達の姿を探す。
 どうやら動けない程の怪我はしていないようで、間に合った事に胸を撫で下ろした。

「巻き込まれないうちに先に行け。
 ここは私が相手をする」

 外部用スピーカーのスイッチを入れてそう告げると、北岡達が動き始めた。
 箒を失ってしまったようだが、今のランスロットはサザーランドの方に集中している。
 徒歩での移動ではあるものの、北岡達は無事に視界の外へ離脱していく。

 一対一。
 ランスロットは一振りのMVSを抜いた。
 メーザーバイブレーションソード――高周波振動剣。
 マイクロ波を増幅・発振した高周波振動を纏う斬撃用兵装だ。
 灰色に近かった刀身は電力を注がれて赤く染まる。
 エクスカリバーの半分程の細い刀身ではあるが、その威圧感は充分。
 一太刀でも受ければ、サザーランド程度の防御力では確実に真っ二つにされる。
 サザーランドの装甲がどの程度までV.V.に改造されているのかははっきりしないが、期待しない方がいいだろう。

 KMFに乗ったから互角――ではないのだ。
 KMFに乗る事で漸く同じ土俵に立ったというだけで、勝算の低さは大して変わらない。
 元よりランスロットとサザーランドはそういう関係にある。

 ランスロットの速度は通常のサザーランドの約二倍。
 スザクが駆るランスロットはこれまでに数え切れない程のサザーランドを屠っている。
 ランスロットが行う三次元的な立体運動もその出力あってのものであり、旧世代KMFには限界がある。
 スザクにしか扱えないワンオフ機と誰でも乗れる量産機、ランスロットとサザーランドは同列に語れるようなものではない。
 出力が多少上がったところで、小型のエクスカリバーを手にしたところで、埋め難い差。
 それはジェレミアとて百も承知。
 この差を覆すものは、パイロットの技術と神経電位接続による反応の速さだけだ。

 元よりジェレミアの操縦技術は高く、指揮官でありながら戦場の最前線に立っていた。
 そして人体改造によって得た常人離れした動体視力、反射神経、それを直接KMFに伝える神経電位接続。
 持てる力を総動員しても届くかどうか。

 そんな状況にあって、ジェレミアの手は震えていた。
 抱く感情は恐怖ではなく、抑えがたい高揚だった。
 ナイトオブセブン、枢木スザクが駆るランスロット。
 元よりデスクで書類に向かうよりも、後方で指揮を執るよりも、最前線でKMFに乗るのが好きだった。
 一人の軍人として、パイロットとして、旧世代型とは言え自分のスペックを最大限に活かせる機体で彼と戦えるのだ。
 彼が既に死体であると分かっていても――緊張も怯えもなく、今だけは後悔も疑念も投げ捨てて集中する。
 機体の操縦のみに没頭するうちに、武者震いは止まっていた。

「相手にとって不足なし……!!」

 跳躍し、上段に構えたMVSを振り下ろすランスロット。
 それをサザーランドはエクスカリバーという大剣を構えて正面から受け止める。
 足場となるコンクリートが衝撃と重量で亀裂を走らせるが、まだ力負けはしていない。
 大剣を振り抜いて捌くとランスロットが浮き、回転しながら後方に着地した。

 ランスロットが持つMVSは二振り。
 二刀流も出来るはずだがそれをしていない。
 そして強化されてもなお出力の面で劣るサザーランドに、攻撃を受け止められている。
 これらから推測出来るのは、ランスロットも決して余裕があるわけではないという事だ。
 三人掛かりでブレイズルミナスやヴァリスを使わせ続けた事で、ランスロットは確かにエナジーを消耗している。
 対するサザーランドはまだ起動したばかりであり、高出力のエクスカリバーを用いていてもまだ余力があった。
 これでもまだ五分には足りないぐらいだが、気休め程度にはなる。

 徒歩で動いていた北岡達を巻き込まないよう、車輪を回転させて東へと駆ける。
 ランスロットにあっさりと追い抜かれるも、MVSによる斬撃を大剣で防いで更に東へ。
 更地となったG-9、その東にはここまでの移動に使っていたのと似たような四車線道路とビル群があった。
 大剣を振るうなら拓けた場所が望ましい、それに左右を建物に挟まれてはそれだけランスロットの足場が増える。
 更地の方がサザーランドにとって有利になるのだが、警戒しているのはヴァリスの存在だ。

 北岡達を狙っていたヴァリスに蹴りを入れた際、そこで見た形状はジェレミアが知るものとは異なっていた。
 これまでのランスロットとサザーランドの様子を考えれば、V.V.がまた余計な事をしたとしか思えない。
 ヴァリスの正体が掴めない以上、広範囲に被害をもたらすような戦術兵器である可能性も考慮する必要がある。
 それ故に北岡達から距離を取り、かつ被害の範囲を狭められるよう障害物の多いルートを選んだのだ。

 東へ疾走するサザーランドが、追い迫るランスロットに向かってアサルトライフルを斉射。
 ランスロットは左右のビルの外壁を交互に蹴りながら移動してそれを回避する。
 一呼吸のうちに間合いを詰められ、サザーランドはランスロットに向かって銃を投げ捨てた。

 ランスロットに投げ付けたライフルがMVSで両断される。
 そのMVSが振り切られたところへ、サザーランドが大剣を振り下ろした。
 ランスロットはそれを後退して躱し、大剣はコンクリートを砕くのみ。
 車輪が即座に回転の向きを変えてランスロットを前へと押し出し、サザーランドに横薙ぎに斬り掛かった。

 横からの斬撃に、サザーランドの肩の装甲が一部破損した。
 だが大剣が地面に刺さった状態のままサザーランドは車輪を回転させ、追撃に対し回避行動を取る。
 大剣の刺さる角度が直角に近くなるよう腕で調節しながら、その陰に隠れるように移動。
 刺さった大剣を盾にしてMVSを防御し、その一方で蹴りを放った。
 大剣を挟んで反対側にいるランスロットの蹴りもまた同時で、ランドスピナー同士がぶつかり合う。
 拮抗せずに互いに弾かれ、サザーランドは大剣を抜きながら、ランスロットは壁面を蹴りながら距離を取った。
 素早いランスロットに重い大剣はすこぶる相性が悪いが、これ以外に対抗出来る武器もない。
 未だ一太刀も浴びせられていないものの、今は持ち堪える事に注力する。

 両者のランドスピナーが起動、車輪の回転で一気に加速する。
 上から斬り掛かった大剣をランスロットが余裕をもって避け、MVSを突き出した。
 再び地に刺さった大剣で受け止めるが、ランスロットは瞬時にその場で旋回。
 サザーランドの横へと回り込み、MVSを振り下ろす。

 防御は間に合わない。
 よってサザーランドは真横にいるランスロットに向けて大剣の腹を蹴り上げた。
 型も構えもない、荒削りで大雑把な攻撃。
 だが突き上げるような蹴りを乗せた一撃はMVSを弾き、ランスロットの胸の装甲へ到達した。
 装甲に傷が走り火花が散る。
 それでも破壊するには浅い。
 高く持ち上がった大剣を握り直し、そのまま下方への斬撃に変える。
 ランスロットもまたMVSを構え直しており、大剣と正面から打ち合った。

 衝突して鍔迫り合いになり、どちらも一歩も退かない。
 両者が両腕で剣を支える中、ランスロットが腰部のハーケンを射出した。
 両者の間の距離は一メートル程、ハーケンがその間を高速で飛ぶ。
 しかしそれを捕捉したサザーランドは間髪入れずに胸部のハーケンを打ち込んだ。
 過たずハーケン同士がかち合って互いに弾かれ、サザーランドがもう一機の胸部ハーケンを撃つ。
 ランスロットはくぐるように大剣をいなしつつハーケンを避け、その上でハーケンワイヤーを切断。
 これでサザーランドに残る武器は大剣とハーケン一機、それにトンファのみ。
 サザーランドは兵装を確実に削られ、それでもなお食い下がっていた。


 剣で打ち合いながら大通りを駆け抜ける。
 時折ランスロットがビルの外壁にハーケンを打ち込んで変則的な動きを取るが、攻撃はどれも決定打にはならなかった。
 ランスロットは確かに速いが、サザーランドがその動きを「見てから」反射行動を取るまでの時間はほぼゼロに等しい。
 マシンスペックでは圧倒していても、サザーランド側はパイロットの技術と神経電位システムが不足を補う。
 ランスロットのパイロットが存命であったなら。
 ギアスという呪いの力が健在であったなら、全く別の戦いになっていただろう。

 両者が駆けるうちに景色が変わっていく。
 ビル群は次第に市街地へ、途中で柵を飛び越えると程近くには観覧車にジェットコースター。
 既にG-10に到達していたらしい。
 そこでランスロットがMVSを収めた。
 ジェレミアはその事を、疑問には思わない。
 サザーランドとの戦闘が始まってから、ほとんどブレイズルミナスを使わなくなっているのにも気付いていた。
 考えられる理由は一つ、エナジー切れが近いのだ。

 サザーランドが大剣を構え直すと、ランスロットは空いた手でヴァリスを抜いた。
 そしてヴァリスは変形する。
 銃身が上下に割れ、その間からより大きな銃口が顔を出した。
 ヴァリスの銃口に収束される赤い光に、ジェレミアの背筋が凍った。
 ランスロット本体は戦場に導入された当時のもののようだったが、兵装は最新鋭のもの。
 第九世代KMFランスロット・アルビオンが装備するはずだったスーパーヴァリス。
 撃つのはハドロン砲。
 分子を亜音速で撃ち出す、圧倒的熱量によって戦場を蹂躙する荷電粒子砲だ。
 サザーランドがこれに耐えられるはずがない。

 ランドスピナーで後退し、射線を避けようとする。
 だが銃口はサザーランドにピタリと追ってきていた。
 サザーランドの速度では逃げられそうにない。

 狙いを定め、ランスロットが引き金を引く。
 塗り変えられる周囲の色。
 ジェレミアは迫り来る『死』そのものとも言える光を前に、覚悟を決めた。

 エクスカリバーの本来の力を起動。
 サザーランドが桃色の光を纏った大剣を振りかぶる。

「おおおおおおおおお!!!!!!」

 黒い光と大剣が接触、辺りに光が飛び散った。
 ギャラハッドが所有したエクスカリバーはただの剣ではない。
 エネルギーフィールドを放出する事でビーム砲をも拡散させて払いのける、攻防一体の機能を持つ。
 中華連邦最強のKMF・神虎のビーム兵器、天愕覇王荷電粒子重砲をも弾いた実績がある。
 ハドロン砲とて跳ね返せない道理はない。
 刀身を中心にして環状に纏わるエネルギーが、ハドロン砲と拮抗する。

「ぐっ……ううう……!!!」

 だがサザーランドのコックピット内にまで熱が届く。
 ギャラハッドのエクスカリバーの半分程のサイズ、つまりは出力も半分以下になっている。
 それを支えるサザーランドの力も、ギャラハッドと比べてしまえば玩具のようなもの。
 ギャラハッドと同じ事は出来ないのだ。

 コックピット内、正面モニターにエラー表示が群を成す。
 甲高い警告音が響き、機体の損傷率が瞬く間に上昇していく。

「はああああああああああッ!!!!!」

 斬り払う。
 ハドロン砲の黒い閃光が割れ、弾ける。
 同時にエクスカリバーも砕け散った。
 周囲に撒き散らされたハドロン砲の熱が市街と遊園地を舐め上げ、一帯を炎に包む。
 防ぎ切れなかった余波を受けたサザーランドは全身に高熱を浴び、各部から放電による火の粉が飛んだ。
 エクスカリバーに注ぎ込んだ為、エナジーの残りも僅か。
 モニターがエラー表示に埋まる。
 「WARNING!」の文が並び、脱出装置がオートで作動しようとしている。
 コックピット内の明かりは非常用の薄赤いライトを残すのみとなっていた。

「……そ、れで……」

 傷と疲労、熱を抱えたまま、ジェレミアは掠れた声を絞り出す。

「それで、終わりか……!
 ならば――」

 このサザーランドは神経電位接続によって繋がったジェレミアの分身にも等しい存在。
 大破寸前であっても意志さえあれば、この機体の操縦は可能。
 サザーランドはまだ動ける。
 ジェレミアにまだ戦う意志が残っているならば、戦える。


「次は私の番だなぁあッ!!!」


 座席のコネクタとプラグの接合部が強いオレンジの光を放つ。
 各部から火花を散らすサザーランドが、軋みを上げながら顔を上げた。

 サザーランドの両腕が変形、スタントンファを展開する。
 近接格闘用の装備であり、この機体を操作していた頃のジェレミアが最も多用していた武器だ。
 モニターで確認した表示を信じるなら、これもV.V.の手が加えられて硬度を増しているらしい。
 スタンガンのように電流を流す機能もあるが、本来の用途に比べればさほど重要ではない。
 最も重要な、その本来の用途はただ一つ。
 殴る。

「はあああああ!!!!」

 一打。
 ランスロットがMVSを抜いて防ぐ。
 しかしその刀身は灰色であり、やはりハドロン砲を最後に既にエナジー切れを起こしている。
 振動していないMVSはただの剣に過ぎず、トンファが叩き折った。

 二打。
 ランスロットが残る一振りのMVSを抜き、その先端がトンファとぶつかり合う。
 そして砕けたのは、MVSの方だった。

 三打。
 ランスロットが右腕の手甲部からハーケンを突き出させ、拳を振るう。
 トンファとハーケンのブレードが接触し、トンファの先端から電流が流れ込んだ。
 ランスロットがそれによって出力を落とし、競り勝ったのはサザーランドだった。
 ブレードを弾き、ランスロットの右肩へとトンファを振り下ろす。
 パーツを散らばらせながら右腕が砕け、地面に落下した。

 四打目を振ろうとして構えるが、ランスロットが回し蹴りを放つ。
 ランドスピナーを起動して後方に回避、そして再び前進しようとした途端にサザーランドが動きを止めた。

「っ、神経電位接続が……!」

 大破しかけた状態で戦闘を続行した為、機体の損傷が進んでいる。
 接続したコネクタから指令を出してもサザーランドは動かない。
 ランスロットが更に一撃、右足による蹴りを見舞おうとしていた。

「まだまだァッ!!!」

 操縦桿を強く握り、手動でサザーランドに指示を出す。
 トンファを収納、守りを固めた左腕で蹴りを防ぐ。
 常ならばそれだけでKMFを破壊していた蹴りも出力が下がっており、かろうじて腕を砕かれるだけで済んだ。

 残るトンファを構え、今度こそ四打。
 ランスロットの腕の防御の上から叩き込む。
 砕けていく腕の装甲、トンファから流し込む電流によってランスロットから激しく火花が散った。
 しかし、足りない。
 エナジー切れで電流が途切れ、防御を突破する一手も足りず、機体が互いに軋みを上げる。

 モニターにノイズが走り、明滅。
 映像が乱れて見えなくなった一瞬、それ故に反応が遅れた。

 モニターを突き破る赤。
 ランスロットの腰部のハーケンが、サザーランドの胸を貫いた。
 サザーランドの胸部のハーケンさえ砕き、パイロットにまで到達する。

「が、……はっ……」

 コックピットの中で、ゴトンと重い物が落ちる音。
 咄嗟の反応で正面こそ避けたものの、ハーケンはジェレミアの左脇とその真横を貫いていった。
 即ち左腕。
 機械の腕は切断されてコックピットの床に転がり落ちた。
 左胸の損傷は志々雄に斬られた脇腹よりも更に深く、腕の切断面から赤黒いオイルが滴る。
 正面とその上部、そして左側のモニターは電流を弾けさせて暗くなり、映像を映さなくなった。
 こうなっては脱出装置も作動しない。

 体の内側を焦がすような熱に、意識が遠のく。
 結果は敗北だった。
 だがランスロットを行動不能にするという目的は果たせた。
 負けたとしても、悔いなど――


「あるに、決まっているだろう……!!!」


 戦っているのはジェレミアではなく、ジェレミア“達”。
 戦っているのは枢木スザクではなく、彼の残骸。
 この敗北は仲間達の、枢木スザクの恥になる。
 そんなものを許容出来るはずがない。

 残った右腕で操作してランドスピナーを起動、僅かに後退。
 そしてそこから車輪を逆回転させて得た推進力を乗せ、トンファを振りかぶる。
 モニターは既に使い物にならないが、経験と勘でランスロットの位置を捕捉した。

 防御した腕ごとランスロットのコックピットブロックを砕く。
 激しい火花が動力部のサクラダイトに引火して、二機のKMFは同時に炎に包まれた。


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167:CODE GEASS――鋼のレジスタンス 北岡秀一 167:CODE GEASS――ZERO REQUIEM
ジェレミア・ゴットバルト
柊つかさ



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