黒いボディスーツを着込んだ女性が、照りつける太陽光も気にせずに車道を疾走していた。
地を蹴り、跳躍。一跳び300メートルとまではいかないが、それでもその移動速度は人間の限界を遥かに超えている。
それもそのはず、彼女は今でこそ姿が人間だが、正体はあらゆる面で神を超えた存在だったのだから。
地を蹴り、跳躍。一跳び300メートルとまではいかないが、それでもその移動速度は人間の限界を遥かに超えている。
それもそのはず、彼女は今でこそ姿が人間だが、正体はあらゆる面で神を超えた存在だったのだから。
主催者により能力には制限が科せら、この姿ではさらに能力が下がっているかもしれない。
それでも、今出せる最大の力でもって移動を続ける。
左腕には支給されていた武器を、右腕には意識を失っている少年を抱えて。
出会った当初、この少年は白い服を着ていた。
だが、いまやそれは見る影もないほど赤黒く染まってしまっている。
ここまでの道中にも、いくつもの赤い点がずっと続いている。
それの正体は、他ならぬ少年の体から溢れ出た血液だ。
もちろん止血は試みた。
だが、予想以上に傷が深いのか、血が止まる気配はまるでない。
それでも、今出せる最大の力でもって移動を続ける。
左腕には支給されていた武器を、右腕には意識を失っている少年を抱えて。
出会った当初、この少年は白い服を着ていた。
だが、いまやそれは見る影もないほど赤黒く染まってしまっている。
ここまでの道中にも、いくつもの赤い点がずっと続いている。
それの正体は、他ならぬ少年の体から溢れ出た血液だ。
もちろん止血は試みた。
だが、予想以上に傷が深いのか、血が止まる気配はまるでない。
「レン……!」
少年の名を呼んでも、返事はない。
血を失い過ぎた人間は死に到る。それは人ならざるこの女性でも知っていた。
急がなくては。
少し前に少年と交わした言葉、自分で開けることのできたバッグ、その中の地図。
人が集まる、都会に急がなくては。
都会なら大きな病院があるだろう、人――今は参加者だが、とにかくいれば治療の道具を持っているかもしれない。
運がよければ【回復魔法】が使える者もいるかもしれない。
血を失い過ぎた人間は死に到る。それは人ならざるこの女性でも知っていた。
急がなくては。
少し前に少年と交わした言葉、自分で開けることのできたバッグ、その中の地図。
人が集まる、都会に急がなくては。
都会なら大きな病院があるだろう、人――今は参加者だが、とにかくいれば治療の道具を持っているかもしれない。
運がよければ【回復魔法】が使える者もいるかもしれない。
「なんで、私は……!」
回復魔法が使えない自分を、そう創り上げた上司を恨む。
魔法の才能がないから……という理由ではない。
彼女は、わけがわからないよと騒いでいた生き物お墨付きの超魔力の持ち主だ。
ただ、基本装備に回復機能がないだけ。折角の魔力も、敵の魔法攻撃を遮断するぐらいでしか使えていない。
要するに、現状では宝の持ち腐れ状態なのだ。
魔法の才能がないから……という理由ではない。
彼女は、わけがわからないよと騒いでいた生き物お墨付きの超魔力の持ち主だ。
ただ、基本装備に回復機能がないだけ。折角の魔力も、敵の魔法攻撃を遮断するぐらいでしか使えていない。
要するに、現状では宝の持ち腐れ状態なのだ。
最低級の魔道書でもいい。とにかく血を止める手段が欲しい。
別に会ったばかりのこの少年を助ける義理はない。ここはバトルロワイアルの場。
弱肉強食、弱い者は強い者に食われていく世界。
子供だからといって許されるほど甘い世界ではない。事実、見せしめに殺された少年の年齢はこの少年よりもさらに低い。
だがそれでも、女性は少年を助けたかった。
自分にとって、初めて出会ったまともな人間というのもあるが……
職業病だろうか、最初にこの少年と共に行動……彼の護衛をしようと思った以上、それを投げ出すことはしたくなかった。
そして、彼女にも少なからずプライドがある。
世界の防衛者たる自分が、目の前の少年一人すら守ることができなかったとは何事か。
敵の奇襲に、まるで気がつけないとは何事か……!
別に会ったばかりのこの少年を助ける義理はない。ここはバトルロワイアルの場。
弱肉強食、弱い者は強い者に食われていく世界。
子供だからといって許されるほど甘い世界ではない。事実、見せしめに殺された少年の年齢はこの少年よりもさらに低い。
だがそれでも、女性は少年を助けたかった。
自分にとって、初めて出会ったまともな人間というのもあるが……
職業病だろうか、最初にこの少年と共に行動……彼の護衛をしようと思った以上、それを投げ出すことはしたくなかった。
そして、彼女にも少なからずプライドがある。
世界の防衛者たる自分が、目の前の少年一人すら守ることができなかったとは何事か。
敵の奇襲に、まるで気がつけないとは何事か……!
だが、まだ完全に手遅れではない。傷を負ってしまった事実は変わらない。
しかし命までは失っていない、まだ助けることが、彼の命を守ることができる。
それだけを考え、女性は走る速度を一切弛めずに進み続けた。
しかし命までは失っていない、まだ助けることが、彼の命を守ることができる。
それだけを考え、女性は走る速度を一切弛めずに進み続けた。
少し前……
「レ、レン? 大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫……ふぅ、よかったよお姉さん」
「はぁ……? よくわかりませんが、無事でなによりです。
スターバスターの発射については、魔力を私の前方に収束させれば大丈夫そうでしたよ」
(胸からは出ないのか……ちょっと残念だな)
「何か?」
「いやなんでもないよ! それよりお姉さん、これからどうするの?」
「そうですね……やはり、首輪を外さないことには始まりませんし、人が多く集まる場所に行きたいのですが……
生憎と、私はこの地域というか、世界そのものに疎くて……」
「あ、それなら僕が案内できるよ! これでも結構、色々な場所で歌ってるからね。
僕も最初にそういう場所に行こうと思ってたから、このまま真っ直ぐ行けば……渋谷や新宿に出れるはずだよ」
「なるほど、助かります。レンと会えてなかったら、私は真逆の方向に向かうところでしたよ……
目標、渋谷区か新宿区……会場各地の地名把握完了です。……おっと」
「どうしたの?」
「危ない危ない、地図の確認だけで満足するところでした。私に支給された道具の確認も今のうちに済ませておかないと。……これは?」
「あ、スターバッ○スのコーヒーだ。……はずれみたいだね」
「なるほど、これが人間の飲む……あ、おいしい。名前もスターバスターみたいですし、きっと繁盛しているのでしょうね」
「どういう理屈さ……他に何か入ってない?」
「ん、ありますね。これは……」
「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃないか! 完成度高けー……って本物!?」
「変わったデザインの砲台ですね。威力は……」
「確か【お城の天守閣を吹き飛ばす程度の威力】って本に書いてあったような……」
「それはなかなか。ただ、本体も立派な造りで強度も申し分ないのですが……
この姿になる前なら、私の砲台の代用品として究極合体できたかもしれないと思うと、惜しいですね」
(あぁ……お姉さんの手が、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲を……【アレ】を撫でている……ッ!
……【立派】……【申し分ない硬さ】……【合体できなかったのが惜しい】……=【お姉さんは今欲求不満】……ッ!?
そうか、暗に僕を誘っているんだね!? そうなんだね!?)
「だ、大丈夫……ふぅ、よかったよお姉さん」
「はぁ……? よくわかりませんが、無事でなによりです。
スターバスターの発射については、魔力を私の前方に収束させれば大丈夫そうでしたよ」
(胸からは出ないのか……ちょっと残念だな)
「何か?」
「いやなんでもないよ! それよりお姉さん、これからどうするの?」
「そうですね……やはり、首輪を外さないことには始まりませんし、人が多く集まる場所に行きたいのですが……
生憎と、私はこの地域というか、世界そのものに疎くて……」
「あ、それなら僕が案内できるよ! これでも結構、色々な場所で歌ってるからね。
僕も最初にそういう場所に行こうと思ってたから、このまま真っ直ぐ行けば……渋谷や新宿に出れるはずだよ」
「なるほど、助かります。レンと会えてなかったら、私は真逆の方向に向かうところでしたよ……
目標、渋谷区か新宿区……会場各地の地名把握完了です。……おっと」
「どうしたの?」
「危ない危ない、地図の確認だけで満足するところでした。私に支給された道具の確認も今のうちに済ませておかないと。……これは?」
「あ、スターバッ○スのコーヒーだ。……はずれみたいだね」
「なるほど、これが人間の飲む……あ、おいしい。名前もスターバスターみたいですし、きっと繁盛しているのでしょうね」
「どういう理屈さ……他に何か入ってない?」
「ん、ありますね。これは……」
「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃないか! 完成度高けー……って本物!?」
「変わったデザインの砲台ですね。威力は……」
「確か【お城の天守閣を吹き飛ばす程度の威力】って本に書いてあったような……」
「それはなかなか。ただ、本体も立派な造りで強度も申し分ないのですが……
この姿になる前なら、私の砲台の代用品として究極合体できたかもしれないと思うと、惜しいですね」
(あぁ……お姉さんの手が、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲を……【アレ】を撫でている……ッ!
……【立派】……【申し分ない硬さ】……【合体できなかったのが惜しい】……=【お姉さんは今欲求不満】……ッ!?
そうか、暗に僕を誘っているんだね!? そうなんだね!?)
「ね、ねえお姉さん? 僕のネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲でよければ合体しない!?」
「え? レンもこの砲台を持っていたのですか?」
「うん、小型タイプだけど、持久力と速射性に優れたタイプのやつをね。逆に小型だから今合体できるんだ。
威力も凄いよ。(お姉さんを)一撃で昇天させることさえ可能なんだ!」
「……! それは凄い! 早速究極合体の構えに入りましょう。従来の合体であれば、背に砲台を……」
「いきなりバックから!?」
「?」
「じゃ、じゃあそこに手をついて四つん這いに……」
「ん……これで、いいでしょうか?」
「え? レンもこの砲台を持っていたのですか?」
「うん、小型タイプだけど、持久力と速射性に優れたタイプのやつをね。逆に小型だから今合体できるんだ。
威力も凄いよ。(お姉さんを)一撃で昇天させることさえ可能なんだ!」
「……! それは凄い! 早速究極合体の構えに入りましょう。従来の合体であれば、背に砲台を……」
「いきなりバックから!?」
「?」
「じゃ、じゃあそこに手をついて四つん這いに……」
「ん……これで、いいでしょうか?」
「我が世の春がキタァァァァァ――――」
どぶしゃ!
「レ、レン!? 今嫌な音が……血っ!? まさか敵襲!? そんな、どこから……!
くぅ……これ以上レンを狙わせるわけには……! ここは退いて……!」
くぅ……これ以上レンを狙わせるわけには……! ここは退いて……!」
(あぁ……そうだ。僕、テンション上がりすぎて鼻血出して卒倒したんだっけ……)
記憶を辿り、レンは自分の醜態を思い出す。鼻血以外にも下半身から白い液体が出たかもしれないがそれは気にしない。
そしてどうやら意識を失った後、機人のお姉さんに担がれているらしいこともわかった。
そしてどうやら意識を失った後、機人のお姉さんに担がれているらしいこともわかった。
(あれ……僕、片腕で簡単に持たれちゃってる? 男としてちょっと傷つくなぁ……
それに、ちょっと、なんか、速くて、酔いそう……)
それに、ちょっと、なんか、速くて、酔いそう……)
耳に入る音は、風を切る音のみ。
なぜこのお姉さんはこんなに急いでいるんだろう?
理由はよくわからないが、気絶していた自分を運んでいるのは確か。
このままでは正直酔いそうだし、男の自分がお姉さんの腕に負担をかけ続けるのもいただけない。
なぜこのお姉さんはこんなに急いでいるんだろう?
理由はよくわからないが、気絶していた自分を運んでいるのは確か。
このままでは正直酔いそうだし、男の自分がお姉さんの腕に負担をかけ続けるのもいただけない。
が。
(……もうしばらく気絶しているフリしとこう)
男、鏡音のレンの選んだ選択肢は狸寝入りだった。
なにしろ、出るとこ出てるお姉さんに強く抱きかかえられているのだ。
当然必然、二つの果実もむにゅりと押し当てられているわけで。
14歳の少年は、酔いや道徳よりも自分の欲望に忠実だった。
なにしろ、出るとこ出てるお姉さんに強く抱きかかえられているのだ。
当然必然、二つの果実もむにゅりと押し当てられているわけで。
14歳の少年は、酔いや道徳よりも自分の欲望に忠実だった。
(……だって、しょうがないじゃないか……)
だがレンも、その欲望の裏に潜んでいる本当の感情に気がついている。
レンは、怖いのだ。
家族とは散り散りになってしまい、目の前で行われた総理大臣による処刑。
いつ自分が、死んでしまうかわからない恐怖。
いつ家族が、殺されてしまうかわからない恐怖。
一度芽生えたその感情は、ちょっとやそっとでは拭いきれない。
いつもの、平常時の鏡音レンのフリを無理してでもしなければ、心が砕け散ってしまう。
そうしていないと、不安で押し潰されてしまう。
この場に似つかわしくない空気の道化を演じでもしないと、きっと一歩も動けない。
だから彼は、鏡音レンは偽りの仮面を被り、演技を続けているのだ。
レンは、怖いのだ。
家族とは散り散りになってしまい、目の前で行われた総理大臣による処刑。
いつ自分が、死んでしまうかわからない恐怖。
いつ家族が、殺されてしまうかわからない恐怖。
一度芽生えたその感情は、ちょっとやそっとでは拭いきれない。
いつもの、平常時の鏡音レンのフリを無理してでもしなければ、心が砕け散ってしまう。
そうしていないと、不安で押し潰されてしまう。
この場に似つかわしくない空気の道化を演じでもしないと、きっと一歩も動けない。
だから彼は、鏡音レンは偽りの仮面を被り、演技を続けているのだ。
(あぁ……柔らかい! 柔らかくて気持ちいいよ……!)
……多分。
「さて……ハクちゃんを探さなきゃだけど、どうやって探したものだろう?」
だがこの双方の目的を同時に達成するのは中々に困難。
探し人を見つけるのは容易ではない。事前に待ち合わせ場所を決めているならともかく、この会場は広い。
闇雲に探していては、何度も行き違いになることも考えられる。
探し人を見つけるのは容易ではない。事前に待ち合わせ場所を決めているならともかく、この会場は広い。
闇雲に探していては、何度も行き違いになることも考えられる。
豚の始末も面倒だ。首輪を外さなければ、おそらくまともに刃向かうことさえできない。
それだけでなく、主催の豚とはまた別の紅い豚、マグニスも面倒だ。
あの時はつい本心で敵を煽ってしまったが、実力は明らかにあちらが上だった。
仮面ライダーの力を使えば、倒せないことはないのかもしれないが……
今はまだ変身できない。仮に変身できても、10分で仕留められなければこっちが返り討ち確定。
問題は山積み。
どれも難易度は高いが、やはり優先すべきだと判断したのは……
それだけでなく、主催の豚とはまた別の紅い豚、マグニスも面倒だ。
あの時はつい本心で敵を煽ってしまったが、実力は明らかにあちらが上だった。
仮面ライダーの力を使えば、倒せないことはないのかもしれないが……
今はまだ変身できない。仮に変身できても、10分で仕留められなければこっちが返り討ち確定。
問題は山積み。
どれも難易度は高いが、やはり優先すべきだと判断したのは……
(ハクちゃんは早くみつけないと。それこそあの紅豚に見つかったらひとたまりもないよ。
ボクみたいに、戦いになっても生き残れそうな道具が支給されていればいいけど……)
ボクみたいに、戦いになっても生き残れそうな道具が支給されていればいいけど……)
自分はアンドロイドだ。少なくとも世間一般の人間よりかは反射神経も運動能力も優れている。
だがあくまで普通の人間と比較した場合であって、マグニスのような燃える大斧を振り回すような男……
普通じゃない人間の相手は厳しいものがある。
ハクを守りたい。だが、少しでも油断すればハクよりも先に自分が死ぬ可能性だっておおいにありうる。
だがあくまで普通の人間と比較した場合であって、マグニスのような燃える大斧を振り回すような男……
普通じゃない人間の相手は厳しいものがある。
ハクを守りたい。だが、少しでも油断すればハクよりも先に自分が死ぬ可能性だっておおいにありうる。
「やっぱり、誰かボクと同じように豚にお仕置きしようと考えてる仲間が欲しいところだね。
常ならざる力の持ち主~とか、特別な眼~とか、魔法少女~とか色々な人が参加させられてるみたいだし……
少しくらい、同じことを考える参加者がいてくれるといいんだけど……ん? あれってまさか……!?」
常ならざる力の持ち主~とか、特別な眼~とか、魔法少女~とか色々な人が参加させられてるみたいだし……
少しくらい、同じことを考える参加者がいてくれるといいんだけど……ん? あれってまさか……!?」
「はいはい、急いでるとこ悪いけど、キミちょっと止まってね」
「っ!」
「っ!」
ルカが発見したのは、一人の女性と、その腕に抱えられた少年だった。
メモリがまだ使用できない現在の状況では、下手に参加者と接触することはあまりしたくはなかったのだが……
その抱えられている少年の格好には見覚えがあった。
もっとも、その見覚えのある格好は朱に染まっており、現在も鮮血が滴っている点が異なっているが。
メモリがまだ使用できない現在の状況では、下手に参加者と接触することはあまりしたくはなかったのだが……
その抱えられている少年の格好には見覚えがあった。
もっとも、その見覚えのある格好は朱に染まっており、現在も鮮血が滴っている点が異なっているが。
「……それ、どうしたのさ? 悪いけど、ちょっと置いてってもらえるかな? そうしたら見逃してあげるよ」
「……お断りします。貴女こそ、そこをどいてもらえませんか? 退かない場合、こちらも鉄拳星砕……実力行使させていただきます」
(あれ……なんか今、ルカ姉さんの声が聞こえたような……?)
「……お断りします。貴女こそ、そこをどいてもらえませんか? 退かない場合、こちらも鉄拳星砕……実力行使させていただきます」
(あれ……なんか今、ルカ姉さんの声が聞こえたような……?)
ルカは、ハク以外の知り合いの姿……弟分の鏡音レン、ボーカロイドの仲間をこの会場で初めて目にした。
しかしその姿は変わり果て、おそらく手を出したであろう女に抱えられている。
ライバルであり、共に夢を語り合った家族でもあるレンを、ルカには見捨てることなどできなかった。
そのレンを抱えるシステムもまた、レン以外の初めての人間をこの会場で目にした。
レンを差し出したら見逃す……どこか上から目線、いや人間の実力からすればそれは当然か。
この人間の実力がどれほどのものかはわからないが、余裕のある笑みから察するに実力者だろう。
しかしその姿は変わり果て、おそらく手を出したであろう女に抱えられている。
ライバルであり、共に夢を語り合った家族でもあるレンを、ルカには見捨てることなどできなかった。
そのレンを抱えるシステムもまた、レン以外の初めての人間をこの会場で目にした。
レンを差し出したら見逃す……どこか上から目線、いや人間の実力からすればそれは当然か。
この人間の実力がどれほどのものかはわからないが、余裕のある笑みから察するに実力者だろう。
二人とも、内心は冷や汗が流れている。どうしようもないほど強かったらどうしようかと、不安で一杯だ。
だが退くわけにはいかない。
正体もわからない謎の女……最悪、首をはねて首輪を手に入れようとか考えてるかもしれない奴に、レンを渡してなるものか。
だが退くわけにはいかない。
正体もわからない謎の女……最悪、首をはねて首輪を手に入れようとか考えてるかもしれない奴に、レンを渡してなるものか。
(ボクが、レンを助けないと……!)
(私が、レンを守らねば……!)
(私が、レンを守らねば……!)
二人は間合いを取りつつ、辺りには緊迫した空気が張り詰める。
そんな中。
(あれ、やっぱりルカ姉さんだ! なんかいつも尻叩きプリーズって言ってる姉さんよりも随分と凛々しいけど……
なんだろう……なんか空気がピリピリしてる……)
なんだろう……なんか空気がピリピリしてる……)
渦中の少年は暢気だった。
【中央区/一日目・日中】
【鏡音レン@VOCALOID】
【状態】:健康、鼻より出血中、狸寝入り中
【装備】:
【道具】:基本支給品一式、禍神のマリネ、たこルカのタコぶつ
【思考】基本:死にたくない
0:もしかして、どっちが僕を抱っこするかでもめてるとか?
1:リンや他の家族が心配
2:電波お姉さんに家族と正義感溢れる青年(南光太郎)を探しを手伝ってもらいたい
※国会議事堂内で一部参加者の顔を覚えている可能性があります
※最終防衛システムの話をろくに聞いていません
【鏡音レン@VOCALOID】
【状態】:健康、鼻より出血中、狸寝入り中
【装備】:
【道具】:基本支給品一式、禍神のマリネ、たこルカのタコぶつ
【思考】基本:死にたくない
0:もしかして、どっちが僕を抱っこするかでもめてるとか?
1:リンや他の家族が心配
2:電波お姉さんに家族と正義感溢れる青年(南光太郎)を探しを手伝ってもらいたい
※国会議事堂内で一部参加者の顔を覚えている可能性があります
※最終防衛システムの話をろくに聞いていません
【最終防衛システム@サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY】
【状態】健康、人間体、人間への恐怖(若干緩和)、焦り、胸部中心にレンの血痕多数
【装備】スターバスター、振り下ろし、踏み潰し
○変化、○ダウン、○消滅、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲(空き)
【道具】基本支給品一式、スタバのコーヒー×2
【思考】
基本:主催者の排除
0:目の前の女性(ルカ)を警戒
1:人間の参加者にもまともなのがいる?
2:新宿or渋谷の病院に向かい、レンの傷を治したい
3:白い生物(キュゥべえ、名前未確認)を警戒
【個人制限・特殊能力】
004「人間っていいな?」参照
※コロッケの効果時間は不明
※レンの出血が鼻血によるものだと気がついていません
【状態】健康、人間体、人間への恐怖(若干緩和)、焦り、胸部中心にレンの血痕多数
【装備】スターバスター、振り下ろし、踏み潰し
○変化、○ダウン、○消滅、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲(空き)
【道具】基本支給品一式、スタバのコーヒー×2
【思考】
基本:主催者の排除
0:目の前の女性(ルカ)を警戒
1:人間の参加者にもまともなのがいる?
2:新宿or渋谷の病院に向かい、レンの傷を治したい
3:白い生物(キュゥべえ、名前未確認)を警戒
【個人制限・特殊能力】
004「人間っていいな?」参照
※コロッケの効果時間は不明
※レンの出血が鼻血によるものだと気がついていません
【巡音ルカ@VOCALOID】
【状態】健康、仮面ライダーアクセルにもうしばらく変身不能
【装備】アクセルメモリ@仮面ライダーW、アクセルドライバー@仮面ライダーW、
【道具】支給品一式
【思考】基本:弱音ハクと合流し、主催にお仕置きをする。
0:目の前の女性(防衛システム)を警戒
1:弱音ハクと、豚へお仕置きする仲間を探す。
2:レンを助けたい
【補足】
※カオスロワ7期、8期とは別人のようです。
※彼女にとってVOCALOIDは『人間に近いロボ』。7期のVOCALOIDみたいなものですが、
その他の設定(ナノマシンで自動修復等があるか)は後の書き手に任せます。
※弱音ハク以外のVOCALOIDとの関係は後の書き手に任せます。
※弱音ハク以外のVOCALOIDがロワに参加していることを確認していません。
※レンの出血が鼻血によるものだと気がついていません
【状態】健康、仮面ライダーアクセルにもうしばらく変身不能
【装備】アクセルメモリ@仮面ライダーW、アクセルドライバー@仮面ライダーW、
【道具】支給品一式
【思考】基本:弱音ハクと合流し、主催にお仕置きをする。
0:目の前の女性(防衛システム)を警戒
1:弱音ハクと、豚へお仕置きする仲間を探す。
2:レンを助けたい
【補足】
※カオスロワ7期、8期とは別人のようです。
※彼女にとってVOCALOIDは『人間に近いロボ』。7期のVOCALOIDみたいなものですが、
その他の設定(ナノマシンで自動修復等があるか)は後の書き手に任せます。
※弱音ハク以外のVOCALOIDとの関係は後の書き手に任せます。
※弱音ハク以外のVOCALOIDがロワに参加していることを確認していません。
※レンの出血が鼻血によるものだと気がついていません
支給品紹介
【スタバのコーヒー@現実】
有名店のコーヒー。いつでも挽きたてのおいしさを。
3本セット。
【ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲@銀魂】
8期で八坂神奈子が御柱の代わりに装備していた大変卑猥な大砲。
だがそのふざけた見た目に反し、江戸城の天守閣をぶち抜いて江戸を開国させる程の威力を持つ決戦兵器。
完成度が高くて当然、本物なのだから。
【スタバのコーヒー@現実】
有名店のコーヒー。いつでも挽きたてのおいしさを。
3本セット。
【ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲@銀魂】
8期で八坂神奈子が御柱の代わりに装備していた大変卑猥な大砲。
だがそのふざけた見た目に反し、江戸城の天守閣をぶち抜いて江戸を開国させる程の威力を持つ決戦兵器。
完成度が高くて当然、本物なのだから。
「お……俺は、どうすればいいんだ……!?」
二人の女性が睨み合う中、その様子を近くから窺っている者がいた。
ただならぬ鋭い眼光……ということはなく、それ以前に眼光がない。
極限まで細められた糸目と浅黒い岩のような肌が特徴的な少年……
彼の名はタケシ。
小さな怪物【ポケットモンスター】を操るトレーナーだ。愛用は硬くて大きな岩タイプの……
……誤解を招くといけないので【ポケモン】にしておこう。
ただならぬ鋭い眼光……ということはなく、それ以前に眼光がない。
極限まで細められた糸目と浅黒い岩のような肌が特徴的な少年……
彼の名はタケシ。
小さな怪物【ポケットモンスター】を操るトレーナーだ。愛用は硬くて大きな岩タイプの……
……誤解を招くといけないので【ポケモン】にしておこう。
とにかくタケシは、ポケモン使いであり、ジムのリーダーを勤めつつ、ポケモンマスターになる夢を持つ少年だった。
そんな彼もまた、バトルロワイアルに巻き込まれてしまっていた。
見せしめに殺されたのは自分と年齢も近いであろう男の子。
しかしタケシは、恐怖を振り払い、このバトルロワイアルに立ち向かう覚悟を決めていた。
ポケモンを悪用する連中も許せないが、人の命を平気で奪う奴はもっと許せない――
そう叫んだのを、彼はまだ覚えている。
使うポケモンのタイプ故か、あるいは性格故にタイプが岩なのか……タケシは真面目で実直な少年だった。
動かざること岩のごとし、一度抗うと決めたら徹底的に抗う、不動の心の持ち主だった。
だが、そんな彼の決意を嘲笑うかのように、彼に支給された品は……
そんな彼もまた、バトルロワイアルに巻き込まれてしまっていた。
見せしめに殺されたのは自分と年齢も近いであろう男の子。
しかしタケシは、恐怖を振り払い、このバトルロワイアルに立ち向かう覚悟を決めていた。
ポケモンを悪用する連中も許せないが、人の命を平気で奪う奴はもっと許せない――
そう叫んだのを、彼はまだ覚えている。
使うポケモンのタイプ故か、あるいは性格故にタイプが岩なのか……タケシは真面目で実直な少年だった。
動かざること岩のごとし、一度抗うと決めたら徹底的に抗う、不動の心の持ち主だった。
だが、そんな彼の決意を嘲笑うかのように、彼に支給された品は……
ドヤァ…… ドヤァ…… ドヤァ……
むっかつく表情の、全く同じキャラクターのフィギュアが三体。
しかもセットではなく、どうやら一体一支給の扱いらしい。
完全に外れのデイバックだった。
しかしその程度では、タケシの岩のような心を砕くには至らない。
気をとりなおした彼は、他の参加者を探して歩き……
しかもセットではなく、どうやら一体一支給の扱いらしい。
完全に外れのデイバックだった。
しかしその程度では、タケシの岩のような心を砕くには至らない。
気をとりなおした彼は、他の参加者を探して歩き……
「な、なんだあの美しいお姉さんは……!?」
彼は、桃色の髪のお姉さんに心を奪われた。
声をかけるのも思わず躊躇ってしまう程の美しさ。
突き出た胸に、ドレスのスリットから覗く脚と絶対領域の破壊力たるや尋常ではない。
声をかけるのも思わず躊躇ってしまう程の美しさ。
突き出た胸に、ドレスのスリットから覗く脚と絶対領域の破壊力たるや尋常ではない。
これにはタケシの岩のような心も砕けた。 イシツブテ の だ い ば く は つ
(どんなに硬い岩も、お姉さんという名の潤いの水の前では一撃必殺されてしまうのさ……)
そんなことを考えながら、タケシはルカのストーキングを開始していたのである。
そして現在、ドレス越しのお尻を見つめながらストーキングしていたタケシは、新たなお姉さんを発見した。
(これはまた暴力的なわがままボディ……! 露出が全くないのに不満じゃない不思議……!)
ストーキングがばれると不味いので、タケシは心の中でぐっと親指をたてた。
しかし、どうにも二人のお姉さんの様子がおかしい。
互いを牽制しあうような……そんな感じだ。
そして冒頭、彼はどうすればいいのか迷う。
殺し合いなど、絶対にしてはならない。ましてやあんな美しいお姉さん達が。
だが愛用のポケモンを奪われ、支給品はがらくた……鍛えてあるとはいえ子供の自分が、間に立てるだろうか?
言葉で解決するのが一番だが、万が一の場合はあの二人の真ん中に立って仲裁をしなければならない。
しかし、どうにも二人のお姉さんの様子がおかしい。
互いを牽制しあうような……そんな感じだ。
そして冒頭、彼はどうすればいいのか迷う。
殺し合いなど、絶対にしてはならない。ましてやあんな美しいお姉さん達が。
だが愛用のポケモンを奪われ、支給品はがらくた……鍛えてあるとはいえ子供の自分が、間に立てるだろうか?
言葉で解決するのが一番だが、万が一の場合はあの二人の真ん中に立って仲裁をしなければならない。
(なんだ……この悪寒は……?)
何故か、僅かに二の足を踏んでしまう。
間に立ったはいいが、二人の拳が止まることなく、自分の体を直撃する光景が容易に浮かんでしまう。
間に立ったはいいが、二人の拳が止まることなく、自分の体を直撃する光景が容易に浮かんでしまう。
(ええい! それはつまりどちらかのお姉さんも怪我をするかもしれないってことじゃないか!
お姉さんが傷つくくらいなら! 男ならどーんと身代わりになるべきじゃないのか!?)
お姉さんが傷つくくらいなら! 男ならどーんと身代わりになるべきじゃないのか!?)
己を奮い立たせ、なんとか一歩目を踏む。
しかし元々がストーキングのために距離をとっていたため、お姉さんまで辿りつき、止めるには……走るしかない。
しかし元々がストーキングのために距離をとっていたため、お姉さんまで辿りつき、止めるには……走るしかない。
(くそっ、間に合わないか!? なら、このまるで役に立ちそうにない人形でこっちに注意をひきつけるか……!?)
三体の人形の背中にはボタンがついており、説明書によれば、押すと様々な言葉を喋るらしい。
お尻のあたりには音量調整する場所もある。
これを最大音量にし、注意をひきつければとりあえずお姉さん同士の争いは回避されるのではないだろうか?
しかし、どのボタンでどんな言葉を喋るかまでは説明書に書いていない。
下手な台詞をこの人形が喋れば、怪しまれ、問答無用で自分がお姉さんにぼこぼこにされるかもしれない。
お尻のあたりには音量調整する場所もある。
これを最大音量にし、注意をひきつければとりあえずお姉さん同士の争いは回避されるのではないだろうか?
しかし、どのボタンでどんな言葉を喋るかまでは説明書に書いていない。
下手な台詞をこの人形が喋れば、怪しまれ、問答無用で自分がお姉さんにぼこぼこにされるかもしれない。
(……それはそれでアリだな。
いやとにかく! どうする俺! どうする俺! そしてあいつは人間じゃねぇ!)
いやとにかく! どうする俺! どうする俺! そしてあいつは人間じゃねぇ!)
ぎりりと歯を噛み締めながら、タケシは二人のお姉さんと、ついでに一人の羨まけしからん子供を見つめる。
彼の行動ははたして……?
彼の行動ははたして……?
【タケシ@ポケットモンスター】
【状態】:健康、葛藤
【装備】:
【道具】:基本支給品一式、アビシオンのフィギュア×3
【思考】基本:殺し合いには乗らない。できれば友たちが待つ場所に帰りたい
0:お姉さんたちを止めたいが、どうする……?
1:あの子供(レン)はちょっと殴りたい
2:愛用のポケモンを取り戻したい
【状態】:健康、葛藤
【装備】:
【道具】:基本支給品一式、アビシオンのフィギュア×3
【思考】基本:殺し合いには乗らない。できれば友たちが待つ場所に帰りたい
0:お姉さんたちを止めたいが、どうする……?
1:あの子供(レン)はちょっと殴りたい
2:愛用のポケモンを取り戻したい
支給品紹介
【アビシオンのフィギュア@パロロワ】
甘い! 甘いぞぉ!
7期や9期、LSロワやテイルズ2ndなどで登場。
どうみてもはずれだが、フィギュアのモチーフ以上に圧倒的に出番が多い謎の品
【アビシオンのフィギュア@パロロワ】
甘い! 甘いぞぉ!
7期や9期、LSロワやテイルズ2ndなどで登場。
どうみてもはずれだが、フィギュアのモチーフ以上に圧倒的に出番が多い謎の品
| 034:国会見学とか正直一つたりとも記憶に残ってねェ | 投下順 | 036:サザエ、外伝でもうっかり |
| 034:国会見学とか正直一つたりとも記憶に残ってねェ | 時系列順 | 036:サザエ、外伝でもうっかり |
| 021:なにレン? お姉さんに(ry | 鏡音レン | 049:少年と美女と恐竜と |
| 021:なにレン? お姉さんに(ry | 最終防衛システム | 049:少年と美女と恐竜と |
| 005:パルマーA「俺のことは(ry | 巡音ルカ | 049:少年と美女と恐竜と |
| 初登場! | タケシ | 049:少年と美女と恐竜と |