「この勝負、広い意味で自分の負けは無い」
ファイトのお題を聞いた大妖精は、まずそう思った。
天狗の臓物に比べれば、恋愛のハントの方がまだ楽だろう。
よしんば負けたとしても、その時にはあの変態天狗が臓器を失うという事。
試合に勝つか勝負に勝つかの差だけで、どちらにせよ喜ばしい。
ファイトのお題を聞いた大妖精は、まずそう思った。
天狗の臓物に比べれば、恋愛のハントの方がまだ楽だろう。
よしんば負けたとしても、その時にはあの変態天狗が臓器を失うという事。
試合に勝つか勝負に勝つかの差だけで、どちらにせよ喜ばしい。
いい笑顔の大妖精は、獲物を見繕うために人里にやって来た。
そして寺子屋に向かうと、作業をしながら談笑している慧音と妹紅に狙いをつける。
大妖精「うふふふ……あなた達に恨みは無いけど、これもファイトなの……ごめんなさいね!」
JS5「おおっとそこまでだ!」
大妖精「誰!?」
JS5「人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて居なくなれ!恋心『ダブルスパーク』!」
大妖精「そんな……ハントすべき恋心に逆にハントされるなんて……!(ピチューン)」
そして寺子屋に向かうと、作業をしながら談笑している慧音と妹紅に狙いをつける。
大妖精「うふふふ……あなた達に恨みは無いけど、これもファイトなの……ごめんなさいね!」
JS5「おおっとそこまでだ!」
大妖精「誰!?」
JS5「人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて居なくなれ!恋心『ダブルスパーク』!」
大妖精「そんな……ハントすべき恋心に逆にハントされるなんて……!(ピチューン)」
回復した大妖精は、ファイト相手の早苗がファイト会場へと飛んでいるのを見た。
恐らく自分が倒れている間に勝負を決めてしまったのだろう。
ファイトに負けるのは残念だったが、別の目標は果たされた。
大妖精は早苗を追ってファイト会場へと戻る。
恐らく自分が倒れている間に勝負を決めてしまったのだろう。
ファイトに負けるのは残念だったが、別の目標は果たされた。
大妖精は早苗を追ってファイト会場へと戻る。
早苗「ただいま戻りました!」
大妖精「あら……手ぶらですか?」
映姫「おや、内臓を取ってきたのでは?」
早苗「それは今からです。諏訪子様から上級の呪詛を習いましたので」
そう言うと早苗は精神集中に入る。
大妖精は訝しんだものの、相手は奇跡の現人神である。
何かやってくれるだろうと期待していると、早苗が握った手を前に突き出し、掌を上に向けて開く。
と、そこに湯気の立つほど新鮮な何者かの心臓と、そこから溢れる鮮血とが現れる。
映姫「なっ……これは……!?」
早苗「はい、犬走椛さんの心臓です」
大妖精「えっ!?」
映姫「なるほど、犬走椛も天狗ですからね。先程の呪詛は心臓を直に抜き出す物ですか」
早苗「はい、なんとかの鷲掴みとかいう名前で」
大妖精「で、でも椛さんは悪い天狗じゃないですし……」
鮮血を噴き出すそれが椛の心臓と聞かされ、動揺する大妖精。
奇跡の力か何かで何とかならないものかと口をはさもうとしたところで――
(ぶしゃっ)
早苗の掌が握られ、心臓が何かの力場に包まれ、潰れてなくなる。
大妖精「ひっ……!?」
映姫「素晴らしい、この勝負、東風谷早苗が勝ったような物ですね」
大妖精「あ……ああ……」
急な、そしてあんまりな展開に、大妖精はパニックに陥り、自分が望んだのはこんな事ではないと口に出せずにいる。
戸惑う大妖精に、返り血を拭わぬままの早苗が向き直り、微笑んで――
早苗「これでよかったんですよね、大妖精さん」
大妖精「やっ……ちが……いやぁぁぁぁっ!」
恐慌状態に陥った大妖精は、涙を流しながらファイト会場から飛んで逃げる。
映姫「今回のファイトは大妖精の試合放棄により東風谷早苗の勝ちですね」
早苗「あ、やっぱり本物じゃないってバレちゃってました?」
映姫「まず大きさが違います。あれは鶏か何かでしょう」
早苗「ええ、神奈子様にお願いして今日の晩御飯用のを使いました」
映姫「しかし大妖精もこれで懲りてくれると良いのですが……」
早苗「難しいんじゃないですかねぇ……あ、私は用事があるんでこれで!」
大妖精「あら……手ぶらですか?」
映姫「おや、内臓を取ってきたのでは?」
早苗「それは今からです。諏訪子様から上級の呪詛を習いましたので」
そう言うと早苗は精神集中に入る。
大妖精は訝しんだものの、相手は奇跡の現人神である。
何かやってくれるだろうと期待していると、早苗が握った手を前に突き出し、掌を上に向けて開く。
と、そこに湯気の立つほど新鮮な何者かの心臓と、そこから溢れる鮮血とが現れる。
映姫「なっ……これは……!?」
早苗「はい、犬走椛さんの心臓です」
大妖精「えっ!?」
映姫「なるほど、犬走椛も天狗ですからね。先程の呪詛は心臓を直に抜き出す物ですか」
早苗「はい、なんとかの鷲掴みとかいう名前で」
大妖精「で、でも椛さんは悪い天狗じゃないですし……」
鮮血を噴き出すそれが椛の心臓と聞かされ、動揺する大妖精。
奇跡の力か何かで何とかならないものかと口をはさもうとしたところで――
(ぶしゃっ)
早苗の掌が握られ、心臓が何かの力場に包まれ、潰れてなくなる。
大妖精「ひっ……!?」
映姫「素晴らしい、この勝負、東風谷早苗が勝ったような物ですね」
大妖精「あ……ああ……」
急な、そしてあんまりな展開に、大妖精はパニックに陥り、自分が望んだのはこんな事ではないと口に出せずにいる。
戸惑う大妖精に、返り血を拭わぬままの早苗が向き直り、微笑んで――
早苗「これでよかったんですよね、大妖精さん」
大妖精「やっ……ちが……いやぁぁぁぁっ!」
恐慌状態に陥った大妖精は、涙を流しながらファイト会場から飛んで逃げる。
映姫「今回のファイトは大妖精の試合放棄により東風谷早苗の勝ちですね」
早苗「あ、やっぱり本物じゃないってバレちゃってました?」
映姫「まず大きさが違います。あれは鶏か何かでしょう」
早苗「ええ、神奈子様にお願いして今日の晩御飯用のを使いました」
映姫「しかし大妖精もこれで懲りてくれると良いのですが……」
早苗「難しいんじゃないですかねぇ……あ、私は用事があるんでこれで!」
大妖精「……チルノ……ちゃん……わたし……」
チルノ「どうした大ちゃん!誰かに何かされたのか!?」
大妖精「違うのチルノちゃん……わたし……わたし、酷い子だった……酷い事しちゃ……うわぁぁぁんっ!」
チルノ「大ちゃんは酷い子なんかじゃない!あたいが誰よりもよくわかってるよ!」
早苗「罪の意識から涙にくれる娘と、それを元気づける恋人……素晴らしいシチュエーションです!」
文「相手がアレなのが少々癪ではありますが、チルノちゃんのあの表情!ご飯3杯、いや5杯はいけます!」
早苗「あっ、後で私にもその写真見せて下さいね!いやぁ素晴らしいファイトでした!」
チルノ「どうした大ちゃん!誰かに何かされたのか!?」
大妖精「違うのチルノちゃん……わたし……わたし、酷い子だった……酷い事しちゃ……うわぁぁぁんっ!」
チルノ「大ちゃんは酷い子なんかじゃない!あたいが誰よりもよくわかってるよ!」
早苗「罪の意識から涙にくれる娘と、それを元気づける恋人……素晴らしいシチュエーションです!」
文「相手がアレなのが少々癪ではありますが、チルノちゃんのあの表情!ご飯3杯、いや5杯はいけます!」
早苗「あっ、後で私にもその写真見せて下さいね!いやぁ素晴らしいファイトでした!」