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28スレ第31戦(2)

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目の前に置かれた数立方メートルの氷を前に、パチュリーは紙を取り出した。
やるべきことは無計画に削りだすことではなく、あらかじめ目標を定めること。
幽々子は削りながら考える事にしたようだが、それだと途中で変更が出来なくなってしまう。
出来上がっても、使った氷の割りに小さな作品になってしまうだろう。

(それにしてもお腹減ったなぁ……
 あっちみたく切り取った氷をかき氷にして食べてるわけにも……
 あれ? あっちの相方がいないような)

ルーミアがいない。
そのことに少し疑問を持ちながらも、パチュリーはどんな作品を作るか設計図を書き上げていく。

2時間後。

「来たよー」
「やっと時間なのね。作り方はここに書いてあるからかくかくしかじか」
「りょーかい。じゃ、また二時間後」

どっさりと袋をルーミアが置くと共に、幽々子はその場を離れていく。
袋の中にはおにぎりとかパンとかお菓子とか霧吹き付け用のスプレーとかシロップとかが入っていた。

「ちょっとどこ行ってたのよ! そしてあの亡霊どこ行くのよ!?」
「? 買い出しだけど?
 彫像を作るために道具が必要なんだから、それを持ってこようとするのはおかしなことじゃないもん。
 閻魔にだって認められたわ」
「袋の中に入ってるの、ほとんど食べ物じゃない!」
「ふふ、作るために必要なのは変わらないでしょー?」

流し目でそう言い返しつつ、ルーミアはおにぎりを飲み込みながら氷を削り始めた。
相手がコンビなのに対しパチュリーは一人。シフトで交代しながら作ることは出来ない。
こうしている間にもルーミアは作り上げていく。食事を取りながら。

「……むきゅ~!」

パチュリーは怨嗟の声を上げながら作業を開始した。


翌日。
完成した二つの氷像が公衆の面前に引き出された。
ゆゆルミペアが作ったのは氷の扇。
中に紫色の光源が仕込まれていたり、霜がついていたりと、財にものを言わせている。

「投光機やイルミネーションも付けられてるし、派手だね」
「ただそういった道具の割りに、ちょっと雑なところがありますね……
 こことか変な感じで削れていますし、あれだけの氷を使った割には小さいですね。
 さて、もう片方のほうは……」

そうしてパチュリーの作品へ向き直るレミリアと映姫。
そこにあったのは、レモンである。
見ての通り、レモンである。
寸分の狂いもなきレモンの氷像である。但しサイズは本物の十数倍。
表面のざらつきすら見事に再現しており、その技巧はルミゆゆコンビの氷像の比ではない。
ないが。

「……確かに凄いのですが、何か怨念のようなものを感じますね、これ」
「厄い……物凄い厄いわ……」
「多分放って置くと命を持って祟るよ、これ。私が言うんだから間違いない」
「パチェのやつそんなにレモンが食べたかったのかなぁ」

これを認めた場合何かしらの事変が発生する可能性がある、という雛と諏訪子の意見により、パチュリーの負けとなった。






















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