「な、なあアリス」
「なによ」
「ググリ、って何だ?」
「……魔理沙、そんな事も知らないで魔法使いやってるわけ?」
「しょ、しょうがないだろ。私はそんなに年季がある訳じゃないんだ」
「なによ」
「ググリ、って何だ?」
「……魔理沙、そんな事も知らないで魔法使いやってるわけ?」
「しょ、しょうがないだろ。私はそんなに年季がある訳じゃないんだ」
――説明しよう!
ググリとは、WWW(wizard wise web)上に存在するデータを検索する事である。
八雲家の構築したWWW全文検索式神googolが非常に使いやすい事から、
この名称を略した上で動詞化し、ググる、という使い方が広まったのである。
ちなみに八雲藍は、商標が一般名詞化してしまう恐れがあると、
この流れに関しては反対しているものの、誰にも聞き入れられていないようだ。
ググリとは、WWW(wizard wise web)上に存在するデータを検索する事である。
八雲家の構築したWWW全文検索式神googolが非常に使いやすい事から、
この名称を略した上で動詞化し、ググる、という使い方が広まったのである。
ちなみに八雲藍は、商標が一般名詞化してしまう恐れがあると、
この流れに関しては反対しているものの、誰にも聞き入れられていないようだ。
「ふーん、目次みたいなもんか?」
「まあ……そんなものよ。昔は魔法使いって言ったら秘密主義で個人主義が
普通だったけれど、この高度成長のご時世にそんなんじゃ取り残されるわ。
車輪の再開発をしたい人なんて誰もいないもの」
「私は再開発も嫌いじゃないけどな」
「まあ……そんなものよ。昔は魔法使いって言ったら秘密主義で個人主義が
普通だったけれど、この高度成長のご時世にそんなんじゃ取り残されるわ。
車輪の再開発をしたい人なんて誰もいないもの」
「私は再開発も嫌いじゃないけどな」
魔理沙らしいわね、と言ってアリスは対決の準備に向かう。
「姫、どうです?」
「どう、とは?」
「相手はアリス・マーガトロイドですか。都会派なんて自称する辺り、
先進技術には慣れていると見て良いかもしれません」
「どう、とは?」
「相手はアリス・マーガトロイドですか。都会派なんて自称する辺り、
先進技術には慣れていると見て良いかもしれません」
永琳が対決会場を見やると、既にアリスは持ち込んだ式神の
セッティングを始めていた。周囲では人形が銅線を持ってうろうろしている。
セッティングを始めていた。周囲では人形が銅線を持ってうろうろしている。
「八雲電司の最新型ですね。あれは小さいですが高速です」
「永琳。無理に褒めなくていいんじゃない?」
「無理はしてませんよ。一般人が手に入れられるものの中では良い品です」
「……イナバ、運んで頂戴」
「永琳。無理に褒めなくていいんじゃない?」
「無理はしてませんよ。一般人が手に入れられるものの中では良い品です」
「……イナバ、運んで頂戴」
輝夜の巨大式神が運び込まれると、会場はどよめきに包まれた。
そう、これこそが幻想郷に一台のみと言われる永遠亭の最終兵器。
月の技術と千年の英知が詰まった、輝夜の自作式神である。
四体の式神を融合させたクアッドコアは、現在の地上では不可能な技術だ。
そう、これこそが幻想郷に一台のみと言われる永遠亭の最終兵器。
月の技術と千年の英知が詰まった、輝夜の自作式神である。
四体の式神を融合させたクアッドコアは、現在の地上では不可能な技術だ。
それを見たアリスは一瞬呆然としていたが、斜向かいに陣取る輝夜の
余裕のある笑顔を見て、憮然として言い放った。
余裕のある笑顔を見て、憮然として言い放った。
「別に、検索の速度は式神で決まるわけじゃないわ」
「そうね。でも、この子じゃないと私に着いて来れないんだもの」
「そうね。でも、この子じゃないと私に着いて来れないんだもの」
輝夜の見え透いたブラフを無視して、アリスは準備を進める。式神の設定が
終わり、人形に魔法の糸を繋ぐ。なるほど、キー入力を人形に任せる事で、
速度の向上を図ろうという狙いか。
準備は整った。普段の対決ではボルテージが最高潮に達するこの瞬間も、
今回ばかりは静まり返っている。緊張感ばかりが辺りに漂っていた。
終わり、人形に魔法の糸を繋ぐ。なるほど、キー入力を人形に任せる事で、
速度の向上を図ろうという狙いか。
準備は整った。普段の対決ではボルテージが最高潮に達するこの瞬間も、
今回ばかりは静まり返っている。緊張感ばかりが辺りに漂っていた。
「それでは、第一問です」
映姫の良く通る声が、勝負の始まりを告げた。
「紅魔館当主、レミリア・スカーレットの今日のパンツの色は?
……って何ですかこの質問は!?」
映姫の良く通る声が、勝負の始まりを告げた。
「紅魔館当主、レミリア・スカーレットの今日のパンツの色は?
……って何ですかこの質問は!?」
映姫が目を丸くするのと同時に、アリスは顔面からキーボードに突っ伏す。
事前の行動予定通りに単語から検索を掛けようとしていた上海人形が、
勢い余って槍の先でアリスの即頭部をぶっ刺した。
「いったあぁぁ!?」
慌てて槍を抜く上海。起き上がるアリス、そして――
事前の行動予定通りに単語から検索を掛けようとしていた上海人形が、
勢い余って槍の先でアリスの即頭部をぶっ刺した。
「いったあぁぁ!?」
慌てて槍を抜く上海。起き上がるアリス、そして――
「黒ね」
落ち着いた声が、激昂しかかっていた映姫の耳に届く。
その回答を発したのは当然、もう一人の競技者。
その回答を発したのは当然、もう一人の競技者。
「黒、と言ったのよ。当たっているの? 間違っているの?」
「これは……! た、確かに回答には黒とありますが……」
「な、何でわかるのよ!?」
アリスの質問に、輝夜は平然と答えた。
「あなた見たこと無いの?」
「何を!?」
「"まじかる☆咲夜ちゃんブログ"で毎日更新のお嬢様のパンツ日記よ」
「知るかー!!」
「これは……! た、確かに回答には黒とありますが……」
「な、何でわかるのよ!?」
アリスの質問に、輝夜は平然と答えた。
「あなた見たこと無いの?」
「何を!?」
「"まじかる☆咲夜ちゃんブログ"で毎日更新のお嬢様のパンツ日記よ」
「知るかー!!」
上海を吹っ飛ばして叫ぶアリス。哀れ上海、ポテンと転がった。
「駄目ねえ。ネットの住民なら定番のサイトじゃないの」
「魔法使いの学術用途じゃないのコレ!?」
「いつの時代の話? ネットの世界は"数日一昔"よ」
「魔法使いの学術用途じゃないのコレ!?」
「いつの時代の話? ネットの世界は"数日一昔"よ」
なお、その後の問題は
二・スキマの中の間取りはどうなっているか
三・椛が尻尾の毛繕いで抜いた枝毛の数
四・諏訪子の帽子の中に入っているものは何か
五・博麗神社の昨日のお賽銭は幾らか
三・椛が尻尾の毛繕いで抜いた枝毛の数
四・諏訪子の帽子の中に入っているものは何か
五・博麗神社の昨日のお賽銭は幾らか
であり、当てずっぽうで答えた問五のみアリスが正解したものの、
それ以外ではすべて完敗という結果に終わったのであった。
それ以外ではすべて完敗という結果に終わったのであった。
勝ち:輝夜