トリオ TS-120/TS-130シリーズで電波を出そうの会

Day02 - キャリアポイント等の修正

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ts-120s

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メンテの基本戦略。

  1. まずキャリアポイントなどIF周波数周りの調整。
  2. IF周りが正確になったら、周波数カウンタの表示を調整したい。
  3. 次いでPLLのアンロックと、送受信部の調整を並行して進めたい。
こんなかんじ。

IF周波数周りの調整

AF-GENユニット・CARユニットで行う。いずれも上面カバーを外した側にある基板だ。

L字型基板のAF-GENユニット。
フロントパネル側(写真下側)の右端がJ3、真ん中あたりを盾に走っているのがJ4だ。

以下3項目が調整できれば、8.83MHz IFまわりはおおむね整ったことだろう。
シングルコンバージョンのスーパーヘテロダインなので、IFはたった一つであり調整ポイントが少なく、メンテしやすい。
調整時に、バンドはどこでもよいのだが、IF SHIFTをセンタークリック位置にすることをお忘れなく。

まず基準電圧の調整(AF-GENユニット)。

基準電圧がずれているとなにもかにもがずれるので、超大事。
  1. J4-pin7にテスターを当て、VR3で9.00Vに合わせる。
  2. J4-pin10にテスターを当て、VR2で2.80Vに合わせる。

キャリア発振周波数の調整(AF-GENユニット・CARユニット)。

  1. (LSB) J3-pin2に周波数カウンタを当て、CARユニットTC2で8.82850MHzに合わせる。
  2. (USB) J3-pin2に周波数カウンタを当て、CARユニットTC1で8.83150MHzに合わせる。
  3. (CW) J3-pin2に周波数カウンタを当て、CARユニットVR2で8.83070MHzに合わせる。
  4. (LSB, IF SHIFT) J3-pin2に周波数カウンタを当て、送受信を切り替えても8.82850MHzで動かないよう、CARユニットのVR1を調整する。
上記を何回か繰り返す。

右に覗いている基板がCARユニットである(上からVR1, VR2, TC2, TC1)。

続いて、キャリアサプレッションの調整(AF-GENユニット)

キャリア漏れがしないよう、バランスドミキサを調整する。
  1. マイクを繋がず、14MHz USBでダミーロードに向かって送信する。
  2. 信頼できる無線機で信号を受信し、AF-GENユニットVR5/TC2でキャリア漏れを最小に調整する。
この調整は、3-4度くりかえしたほうがいい。*1

その他。

  • RITのセンター周波数調整 - サービスマニュアルに調整せよと書かれているが、センターがずれていても一向に困らないので、後回しだ。
  • SSBのキャリアポイント調整 - SSBのトーン(周波数レスポンス)をどうチューニングしたいかというマターであり、これもぶっちゃけ後回しでいい。
    • SSBフィルターが経年劣化でセンターズレでも起こしていない限りは、「キャリア発振周波数」を手順通り調整できおり、かつキャリア漏れがきっちり抑えられているなら、致命的な変調音とはならないはずだ。
  • キャリアバランス調整 - AF-GENのTC1が調整ポイントっぽいが、サービスマニュアルに記載がなかった。
    • ダイオードDBMでも復調用(DET)のバランス調整だから、よほど離調でもしていない限り、困らないからなのかも。これも後回しだ。
    • よくあるバランス調整方法は、IF出力にRF電圧計をつないでおき、「IF SHIFTをセンター、RF GAINを反時計回りに絞り切り」、RF電圧値を最小となるよう調整、である。*2
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注釈

*1 SSB運用中のキャリア漏れは、現代的には結構恥ずかしいので。

*2 オシロがあればよいが、難しいこと言わなければ、RFプローブとテスターがあれば調整できよう。