トリオ TS-120/TS-130シリーズで電波を出そうの会
Day03 - 2SC460の代替
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ts-120s
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2SC460の劣化とトラブル
2SC460は日立製の古典的な小信号高周波NPNトランジスタであり、1970年代末~80年代初頭ごろのアマチュア無線機のRF段に多用された。
2SC460はfT230MHz, Pc 200mW typ.だ。NFもとりたてて良い石じゃない。
2SC460はfT230MHz, Pc 200mW typ.だ。NFもとりたてて良い石じゃない。
しかし、数十年の経年劣化によりhFEが低下して、発振停止や増幅利得不足など、送受信のトラブルを引き起こしがちなことでも知られる。
いわゆる「イオンマイグレーション」という劣化モードであり、良かれと思って行われていたリード線の銀メッキが災いし、素子内部を蝕む。トランジスタのリード線が黒ずんでいるのはそれをにおわすサインだ。
いわゆる「イオンマイグレーション」という劣化モードであり、良かれと思って行われていたリード線の銀メッキが災いし、素子内部を蝕む。トランジスタのリード線が黒ずんでいるのはそれをにおわすサインだ。
2SC460(2SC460B/C)の代替品は、2SC1675できまり?
TS-120シリーズにおいても多分に漏れず、2SC460はPLLユニットはじめ多用されており、劣化したこの素子に起因する動作トラブルをよく聞く。
だからかどうか、メンテナンスの際ありったけ交換しているような例を見かける。
その際、NEC 2SC1675を使用している方が多いようだけど、書籍にでも書かれていたのだろうか?それともメーカー推奨品が広まった?
その際、NEC 2SC1675を使用している方が多いようだけど、書籍にでも書かれていたのだろうか?それともメーカー推奨品が広まった?
小信号NPNトランジスタで、Pc・hFE・fTが近いものを、上手に使おう。
- そんなに高周波特性が要求されないなら、2SC1815でもいいはずだ。fT 80MHz, Pc 400mWは使える場面が多い。
- もし高周波増幅段でfTやNF重視の用途なら、東芝2SC1923や日立2SC1906、松下2SC1215あたりを使いたいところ。
- 2SC1923はPcが小さいので少し余裕がない。1906や1215はfTが高すぎるので要注意かも。
- 2SC1923がありがたいのは、秋月電子で10個100円でまだ手に入る点だ(2024年2月現在)。
- 個人的には、三菱2SC2320を気に入って使っている。東芝2SC1959も良い。
- 2SC2320は「オーディオ用」小信号Trだが、fT 200MHz, Pc 300mWと程よい特性だ。2SC460と差し替えた場合、発振回路はそこそこに動作し、高周波増幅で発振を起こしたりもしにくい。
- 何よりプレミアがつくような石でもないので、お安いのが魅力。(*1)