朝10時。駅前。
「……待った?」
「ううん、全然。1本前で着いたとこ」
「良かった。こっちで待ち合わせねって私から言っておいてトレーナーのことだいぶ待たせちゃってたら嫌だなって思って」
「大丈夫……そういえばオレは別にいつもどおり朝ごはん一緒に食べてそのまま出かけるのでもよかったんだけど、なんでこんな待ち合わせにしたんだ?」
「……そっちの方がデートっぽいかなって」
そう。トレーナーの言うとおりトレーナーの家から2人で行った方が一緒にいられる時間も長くなる。だけどそれだといつもと変わらない。今日を特別な日にしたかったから待ち合わせから変えることにした。
「……待った?」
「ううん、全然。1本前で着いたとこ」
「良かった。こっちで待ち合わせねって私から言っておいてトレーナーのことだいぶ待たせちゃってたら嫌だなって思って」
「大丈夫……そういえばオレは別にいつもどおり朝ごはん一緒に食べてそのまま出かけるのでもよかったんだけど、なんでこんな待ち合わせにしたんだ?」
「……そっちの方がデートっぽいかなって」
そう。トレーナーの言うとおりトレーナーの家から2人で行った方が一緒にいられる時間も長くなる。だけどそれだといつもと変わらない。今日を特別な日にしたかったから待ち合わせから変えることにした。
「……そっか。じゃあ行こうか」
「……ちょっと。私見て何か言うことないの?」
手を差し伸べてくれたトレーナーに一言。おねだりするみたいで本当はあまり好きじゃないんだけど。
「うん、綺麗だ。よく似合ってるよ」
水玉模様のブラウスにふんわりとしたフレアスカート。そして胸元にはトレーナーがくれたネックレス。髪もまとめて少し大人な感じになっちゃったけど、トレーナーが褒めてくれたからそれで満足。
「……ちょっと。私見て何か言うことないの?」
手を差し伸べてくれたトレーナーに一言。おねだりするみたいで本当はあまり好きじゃないんだけど。
「うん、綺麗だ。よく似合ってるよ」
水玉模様のブラウスにふんわりとしたフレアスカート。そして胸元にはトレーナーがくれたネックレス。髪もまとめて少し大人な感じになっちゃったけど、トレーナーが褒めてくれたからそれで満足。
「ん、ありがと。それじゃ行こっ?」
今度は私から手を差し出す。その手をトレーナーは自然に取ってくれて、そのまま腕を組んでくれた。
「……いいの?」
「エスキモーが嫌だったら止めるけど」
「そんなことない、嬉しい……手も繋いでいいかな?」
「もちろん。今日は1日お願い聞く日だっただろ?」
「……お願いいっぱい言うよ? ほんとにいいの?」
「今日のエスキモーはちょっと弱気だなあ。いいよ、オレにできることなら」
「……分かった。トレーナー、覚悟してね」
「お手柔らかにな」
今度は私から手を差し出す。その手をトレーナーは自然に取ってくれて、そのまま腕を組んでくれた。
「……いいの?」
「エスキモーが嫌だったら止めるけど」
「そんなことない、嬉しい……手も繋いでいいかな?」
「もちろん。今日は1日お願い聞く日だっただろ?」
「……お願いいっぱい言うよ? ほんとにいいの?」
「今日のエスキモーはちょっと弱気だなあ。いいよ、オレにできることなら」
「……分かった。トレーナー、覚悟してね」
「お手柔らかにな」
「凄い……!」
「『空から行けちゃう遊園地』ってこのことだったんだな。ほらエスキモー、下見て」
「下? あっ、桜だ……綺麗……」
「冬はイルミネーション点灯してるんだってさ」
「素敵……冬になったらまた来よ?」
「おいおい、まだ着いてないのにもう冬の話か? ……いいよ、また来よう」
「やった……! あっ、もう着くみたい」
「じゃあ降りるか……はい」
「ありがと」
トレーナーの手を取りゴンドラを降りる。
「んーっと、エスキモーは何から乗りたい?」
「絶叫系はお昼の前に乗りたいけど……とりあえずぐるっと回ってみない?」
「おっけ、姫様の仰せのままに」
「ふふっ、何よそれ。じゃあ右回りで1周しよっ」
「『空から行けちゃう遊園地』ってこのことだったんだな。ほらエスキモー、下見て」
「下? あっ、桜だ……綺麗……」
「冬はイルミネーション点灯してるんだってさ」
「素敵……冬になったらまた来よ?」
「おいおい、まだ着いてないのにもう冬の話か? ……いいよ、また来よう」
「やった……! あっ、もう着くみたい」
「じゃあ降りるか……はい」
「ありがと」
トレーナーの手を取りゴンドラを降りる。
「んーっと、エスキモーは何から乗りたい?」
「絶叫系はお昼の前に乗りたいけど……とりあえずぐるっと回ってみない?」
「おっけ、姫様の仰せのままに」
「ふふっ、何よそれ。じゃあ右回りで1周しよっ」
─────
「へー、プールのエリアすぐそこなのね。それで奥に見えてるのが……」
「フリーフォール系だな。どうする? せっかくだし乗っちゃうか?」
「そうしよそうしよっ」
「そんなに混んでないんだから急がなくても……」
トレーナーの腕を引っ張りアトラクションへ走っていく。
「へー、プールのエリアすぐそこなのね。それで奥に見えてるのが……」
「フリーフォール系だな。どうする? せっかくだし乗っちゃうか?」
「そうしよそうしよっ」
「そんなに混んでないんだから急がなくても……」
トレーナーの腕を引っ張りアトラクションへ走っていく。
─────
「いやー、面白かったな! 2種類あってどっちかでいいって思ってたけど両方乗っちゃったなあ」
「トレーナーめちゃくちゃ叫んでたよね。ちょっと笑っちゃった」
「なかなか大声出せる機会ないからな。エスキモーもいい声出てたぞ」
「私もつい、ね。んーっ、楽しかった♪」
「じゃあ次は……バンジージャンプあるみたいだけど、する?」
「うーん、したいけど私スカートだし……トレーナー行ってきたら? 私下から見ててあげる」
「なんかすまないな。じゃあ並んでくるよ」
「はーい」
「いやー、面白かったな! 2種類あってどっちかでいいって思ってたけど両方乗っちゃったなあ」
「トレーナーめちゃくちゃ叫んでたよね。ちょっと笑っちゃった」
「なかなか大声出せる機会ないからな。エスキモーもいい声出てたぞ」
「私もつい、ね。んーっ、楽しかった♪」
「じゃあ次は……バンジージャンプあるみたいだけど、する?」
「うーん、したいけど私スカートだし……トレーナー行ってきたら? 私下から見ててあげる」
「なんかすまないな。じゃあ並んでくるよ」
「はーい」
─────
「お疲れさま。動画撮ってたけど見る?」
「お、見せて見せて……なんかめちゃくちゃビビってないかオレ?」
「だって台に乗ってから何回か躊躇してたでしょ。まだかなーってずっと見てたよ」
「あれ思ったより高くてさ。下から見たらそんなになんだけど、上から見たら怖いのなんの」
「ふーん。また今度来たときにやってみよっと」
「今度はオレが下から撮るよ。で、次はジェットコースター乗ったらお昼にしようか」
「ん、ちょっと早いけどそうしよっか。まだまだ楽しむぞー!」
「お疲れさま。動画撮ってたけど見る?」
「お、見せて見せて……なんかめちゃくちゃビビってないかオレ?」
「だって台に乗ってから何回か躊躇してたでしょ。まだかなーってずっと見てたよ」
「あれ思ったより高くてさ。下から見たらそんなになんだけど、上から見たら怖いのなんの」
「ふーん。また今度来たときにやってみよっと」
「今度はオレが下から撮るよ。で、次はジェットコースター乗ったらお昼にしようか」
「ん、ちょっと早いけどそうしよっか。まだまだ楽しむぞー!」
─────
あっという間に楽しい時間は過ぎていき(お昼はもちろんあーんで食べさせてもらった)、日が暮れ始める。
「じゃあ最後は」
「……観覧車乗りたい。いいでしょ?」
「もちろん」
2人手を繋いで観覧車に乗り込む。向かい合わせじゃなく横に並んで椅子に腰かける。
あっという間に楽しい時間は過ぎていき(お昼はもちろんあーんで食べさせてもらった)、日が暮れ始める。
「じゃあ最後は」
「……観覧車乗りたい。いいでしょ?」
「もちろん」
2人手を繋いで観覧車に乗り込む。向かい合わせじゃなく横に並んで椅子に腰かける。
「これ60mまで上がるんだって。天気が良かったら富士山まで見えるとか……ん? エスキモーどうした? 気分でも悪い?」
「んーん、そうじゃなくって……」
黙りこくってしまった私を心配してくれるトレーナー……よしっ、ここで決めなくちゃ駄目だよね。
「ねぇトレーナー。最後まで遮らないで聞いてね」
「……うん、ちゃんと聞くよ」
大きく息を吸い、心を落ち着かせる。そして、
「んーん、そうじゃなくって……」
黙りこくってしまった私を心配してくれるトレーナー……よしっ、ここで決めなくちゃ駄目だよね。
「ねぇトレーナー。最後まで遮らないで聞いてね」
「……うん、ちゃんと聞くよ」
大きく息を吸い、心を落ち着かせる。そして、
「やっぱり私トレーナーのことが好き。私と付き合ってくれませんか?」
今回のデートの目的。それは私の気持ちを伝えること。バレンタインの時は遮られちゃったけど、お願いを全部聞いてもらう今日ならちゃんと伝えられる。
心臓のドキドキが治まらない。むしろ加速していそうな鼓動の速まり。
「気持ちを伝えてくれてありがとう。こんな可愛くて素敵な子に好きって言われて嬉しくないわけなんてない」
「……」
「バレンタインの時は遮っちゃってごめん。ただあの時はただ近くにいた異性がオレだったから、オレが言うのもおかしいけど君は『恋に恋してる』だけなんじゃないかって思ってたんだ」
「え、それはちがっ……」
「分かってる。それからオレの家でご飯を作ってもらったり、どこかへ出かけたり……もちろんトレーニングをこなしたりしていて気づいたんだ。恋に恋なんてしていない。ちゃんとオレを好いてくれているんだって」
「うん、そうだよ。私はトレーナーのことが好きなの」
「ありがとう。だから今回のお出かけ、いやデートが決まった時に『言うこと全部聞いて』って君が言ったのを聞いて、もしかしたらと思ってたんだ。違ってたら恥ずかしかったけどな」
全部、読まれてたんだ……
「そこで1人の時にどうしようかいろいろ考えたんだ」
「……それで?」
「君の気持ちにちゃんと向き合う。自分の気持ちに嘘はつかない。だから、」
「……」
「……」
「バレンタインの時は遮っちゃってごめん。ただあの時はただ近くにいた異性がオレだったから、オレが言うのもおかしいけど君は『恋に恋してる』だけなんじゃないかって思ってたんだ」
「え、それはちがっ……」
「分かってる。それからオレの家でご飯を作ってもらったり、どこかへ出かけたり……もちろんトレーニングをこなしたりしていて気づいたんだ。恋に恋なんてしていない。ちゃんとオレを好いてくれているんだって」
「うん、そうだよ。私はトレーナーのことが好きなの」
「ありがとう。だから今回のお出かけ、いやデートが決まった時に『言うこと全部聞いて』って君が言ったのを聞いて、もしかしたらと思ってたんだ。違ってたら恥ずかしかったけどな」
全部、読まれてたんだ……
「そこで1人の時にどうしようかいろいろ考えたんだ」
「……それで?」
「君の気持ちにちゃんと向き合う。自分の気持ちに嘘はつかない。だから、」
「……」
「1人の女性として君のことが好きだ。こんなオレで良かったら付き合ってくれないか?」
「……はい、こちらこそ……!」
溜まった感情が涙に変わって溢れ出す。止めようとしても止まってくれない。
「そんなに泣いたら綺麗な顔が台無しじゃないか。化粧も崩れちゃうし」
「えっぐ……しょうがないでしょ……だって、だってぇ……!」
もうすぐ頂上に差し掛かる。そんな時、
溜まった感情が涙に変わって溢れ出す。止めようとしても止まってくれない。
「そんなに泣いたら綺麗な顔が台無しじゃないか。化粧も崩れちゃうし」
「えっぐ……しょうがないでしょ……だって、だってぇ……!」
もうすぐ頂上に差し掛かる。そんな時、
「エスキモー、ちょっと顔上げて?」
「うっぐ……なに……んっ」
「うっぐ……なに……んっ」
落ちていく夕日。重なる2人の影。まるでドラマのワンシーンのようなそんな一瞬。
……これ読んでた少女漫画みたい。そんなことを思いながらこの幸せな時間をゆっくりと噛み締めていった。
─────
「……この先どうしよっか?」
「えっ!? 考えずにオッケーしちゃったの!?」
遊園地からの帰り道、突然口を開いたと思うととんでもないことを言い出した。
「……この先どうしよっか?」
「えっ!? 考えずにオッケーしちゃったの!?」
遊園地からの帰り道、突然口を開いたと思うととんでもないことを言い出した。
「ごめんって。えーっと……とりあえず周りのみんなには絶対内緒で、バレないようにしてだな……」
「とりあえず学園の中とかみんなに見られそうな所では前までどおりってことよね……トレーナールームでも駄目?」
「前エスキーに覗かれて酷い目にあっただろ。流石にリスクが高すぎる」
「はーい……トレーナーの家の中だったらいい?」
「まあそこだけだろうなあ。ご飯作ったりしてるのは他の子に知られてるから怪しまれないだろうし」
「……そもそも家に出入りする時点でアレなんだけどね」
「まあ……そうだなあ……」
言ったところで周りの反応変わらない気もするけど、まあ体裁もあるしね。
「とりあえず学園の中とかみんなに見られそうな所では前までどおりってことよね……トレーナールームでも駄目?」
「前エスキーに覗かれて酷い目にあっただろ。流石にリスクが高すぎる」
「はーい……トレーナーの家の中だったらいい?」
「まあそこだけだろうなあ。ご飯作ったりしてるのは他の子に知られてるから怪しまれないだろうし」
「……そもそも家に出入りする時点でアレなんだけどね」
「まあ……そうだなあ……」
言ったところで周りの反応変わらない気もするけど、まあ体裁もあるしね。
「……今度トレーナーの実家行く時はどうするの?」
「オレからちゃんと言うよ。そこは任せて」
「ありがと……って広まらない? 大丈夫?」
「そこはキツく言うから大丈夫。なんだかんだでうちの親口堅いし心配しなくていいから」
「分かった、信じる」
「……で、このあとどうする? どこかでご飯食べてから寮まで送っていこうか?」
「……外泊届、出してるから」
「……分かってると思うけど……まだ早いからな。というかオレが捕まる」
「……大丈夫、我慢する」
「我慢って……まあいいか。じゃあスーパー寄って食材買っていくか」
「トレーナーは何食べたい?」
「そうだなあ──」
「オレからちゃんと言うよ。そこは任せて」
「ありがと……って広まらない? 大丈夫?」
「そこはキツく言うから大丈夫。なんだかんだでうちの親口堅いし心配しなくていいから」
「分かった、信じる」
「……で、このあとどうする? どこかでご飯食べてから寮まで送っていこうか?」
「……外泊届、出してるから」
「……分かってると思うけど……まだ早いからな。というかオレが捕まる」
「……大丈夫、我慢する」
「我慢って……まあいいか。じゃあスーパー寄って食材買っていくか」
「トレーナーは何食べたい?」
「そうだなあ──」
─────
「ただいまー……ってまだ先輩寝てるのかな。とりあえずさっさと着替えちゃってと……」
同室の先輩が起きちゃう前に普段どおりの格好に戻していく。
(……昨日のこと、夢じゃないよね)
まだ夢の中にいるみたい。だけど他の人には知られちゃいけない。顔もシャンとしなきゃ。
「ただいまー……ってまだ先輩寝てるのかな。とりあえずさっさと着替えちゃってと……」
同室の先輩が起きちゃう前に普段どおりの格好に戻していく。
(……昨日のこと、夢じゃないよね)
まだ夢の中にいるみたい。だけど他の人には知られちゃいけない。顔もシャンとしなきゃ。
「んーっと……あっ、エスキモーちゃん帰ってたンスね」
「カジっちゃん先輩おはようございます。はい、さっき帰ってきたところで」
「……楽しかったッスか?(いつもどおり……これはシロッスね)」
「はい、それはもう(よしっ、疑われてない)」
「カジっちゃん先輩おはようございます。はい、さっき帰ってきたところで」
「……楽しかったッスか?(いつもどおり……これはシロッスね)」
「はい、それはもう(よしっ、疑われてない)」
またいつもの日常へと帰っていく。たった1つの関係だけが変わった日常へと。
〜遊園地に行った翌朝。トレーナーの家にて〜
ブーブー
「んっ、もう朝……トレーナー起きるよ。起きてくれなきゃ私動けないし」
「……もうこんな時間か、っとごめん。苦しくなかった?」
「ううん、そんなことない。むしろ幸せ」
そう、私たちの関係は変わった。だからちょっと狭いけど2人並んで寝ていたんだけど……
「いつの間にか抱き締めちゃってたな」
「それを言うなら私こそ」
「……大きいベッドに買い替えるか。ちょっと古くなってきたし」
「……それって」
「……住むのは卒業してからだからな」
「分かってる。ありがとっ」
「んっ、もう朝……トレーナー起きるよ。起きてくれなきゃ私動けないし」
「……もうこんな時間か、っとごめん。苦しくなかった?」
「ううん、そんなことない。むしろ幸せ」
そう、私たちの関係は変わった。だからちょっと狭いけど2人並んで寝ていたんだけど……
「いつの間にか抱き締めちゃってたな」
「それを言うなら私こそ」
「……大きいベッドに買い替えるか。ちょっと古くなってきたし」
「……それって」
「……住むのは卒業してからだからな」
「分かってる。ありがとっ」
──2人の未来はきっと明るい。
─────
「とりあえずお皿も洗ったし……それじゃ行こっか」
「昨日言ったけど、他の子に見られるかもしれないしこれまで通りだからな」
「分かってるって……それだったら、ちょっとトレーナーこっち向いて?」
「どうしたエスキモー……んっ」
「……行ってきますってことで」
「ほんとに外でも大丈夫かな……」
「何よそれ!」
「なんでもないなんでもない。じゃあ行こうか」
「うんっ!」
「とりあえずお皿も洗ったし……それじゃ行こっか」
「昨日言ったけど、他の子に見られるかもしれないしこれまで通りだからな」
「分かってるって……それだったら、ちょっとトレーナーこっち向いて?」
「どうしたエスキモー……んっ」
「……行ってきますってことで」
「ほんとに外でも大丈夫かな……」
「何よそれ!」
「なんでもないなんでもない。じゃあ行こうか」
「うんっ!」
そんな心配しなくていいのに……いやでもこれ癖になっちゃうかも。気づかれないように、気づかれないように……ふふっ。