刻鋼式心装永久機関三基、起動

発言者:ネイムレス


蘇る恐怖。殺意無き暴虐。これ(・・)だ、これ(・・)こそがネイムレス───自我なき絶対の殺戮機兵。
俺達を翻弄し、命を貪る鋼の殲滅者は……一人の女を生贄に、再び戦場へと降臨した。
此処はもはや、奴に血肉を捧げる祭壇だ。一体、この怪物は何なのだ……?


美汐√の最大の転換点となる、ネイムレスによる刻鋼人機蹂躙劇の始まりの場面


前夜の凌駕救出作戦の負傷が癒え切っていないロビンフッドの刻鋼人機4人は、
ギアーズの精鋭軍人達の仕掛けた罠に誘いこまれ、鹵獲されたネイムレスという戦力の増強もあり、
劣勢を覆す機会すら与えられず全員が地に叩き伏せられ拘束されてしまう。

戦場となった夜の学園の校庭、それでもこの絶対絶命の状況を覆そうと密かに闘志を燃やす凌駕。
その意図を容易く見抜きながら、イヴァンは個人的な好奇心から次なる段階へ至るヒントを口にして、
エリザベータはその行動を諫めようとしていたが。

突如、負傷したジュンを拘束していたネイムレスが、凌駕に近づき……
何かを見定めるように、双つの義眼(センサー)で彼の姿を観察した後、その躯体から奇怪な失敗(エラー)じみた音を響かせた。
続いて刻鋼人機達の聴覚に届いたのは───


最上位者権限(ルーラーズオーダー)――発動(ロード)再構成(リフォメーション)――全行程終了(コンプリート)

何かよく分からない、不吉な言葉の羅列であり。

刻鋼式心装永久機関三基(トリプルジェネレーター)起動(ジェネレイト)

無機質な機械音声と共に、胸部装甲が弾け飛び……無名兵の歪んだ真実の一端が露出する
本来人間に組み込んでその機能を発揮するはずの心装永久機関、それが三基も魂なき機兵の胸部に収められていたのである

動揺で固まったその場の人間達に対し、無名体の反応は迅速だった。


「え? あ、あぁ――


味方(・・)だったはずのエリザベータの左胸に深々と、紅い鉄腕が突き立てられる。


「あぁ、ぁぁぁァァ、ぁぁぁぁ………!!!


多量の出血に絶叫する彼女の身体から、無慈悲に永久機関を抉り出し、
エネルギーを貪ったネイムレスは腕部に装着した機構鉄槌を捕食対象へと向け……


連射、連射、連射、連射…………


一切の容赦ない追撃のキャノン砲が、彼女の足元にいた凌駕をついでに吹き飛ばしながら、彼女を爆殺する。


激しい爆炎と肉が爆ぜる音を背に、完全にエリザベータを消し飛ばした事に歓喜するかの如く、
再起動した咆哮が、ネイムレスの総身から響き渡るのだった。



  • ネイムレス君がラッキースケベをやってみた結果 -- 名無しさん (2020-06-28 19:36:06)
  • ↑そんな昏式式()ラキスケなんて…… -- 名無しさん (2020-06-28 22:29:11)
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最終更新:2021年12月21日 00:48