退がれイシュトヴァーン───私が制圧する



共通√終盤、PV3でも描かれたギアーズ指揮官にして時計機構最強の戦士、アレクサンドル・ラスコーリニコフの出陣を告げる台詞。
体験版2の時点で既に、凌駕と戦ったイヴァン口から『少佐』――すなわちアレクサンドルが相当な力を持つ刻鋼人機(イマジネイター)だという事は示唆されていたが、
果たしてその実力は如何なるものなのか、物語の中における初の相手、ネイムレスとの激突でその一端が明らかとなる。

彼の輝装の全貌が明らかとなるのはまだ先の話であるのだが、
単純に出力に関する能力値では大きくアレクサンドルを引き離す無名の機兵(しかも強化の余地アリ)を、ネイムレス側の学習が完全ではないとは言え、
たった二発で行動不能に陥らせるというのは、やはり膨大な戦闘経験(データベース)を積み上げた『英雄』たる彼の殺戮技巧が成せる神業とみるべきだろうか


直前までネイムレスは、その強すぎる膂力と凄まじい反応速度で
エリザベータ凌駕、そして乱丸美汐に操られる歩行兵器完全に圧倒

歩行兵器は一瞬の交差で空を舞う鉄屑と化し、機人達から攻撃を集中されようとも、
僅かな損傷も負う事無く攻撃をいなし反撃の拳撃蹴撃、機構鉄槌(ドレッドノート)を一方的に喰らわせ続けていた。


そんな緊迫した状況下で輝装を展開し、超高速で迫る心持たぬ魔獣に右の孤拳ひとつで立ち向かうアレクサンドル。
凌駕達の目には、簡素な殲機だけであの恐るべき機械に立ち向かうのか……自殺行為にも映ったことだろう。
だが……激突の瞬間。彼らに知覚できたのは――耳を劈く轟音と、唯一人その場に立つ男の姿のみ。
遅れて、彼らの耳には遥か高空から爆弾か何かが落下してくるような、そんな音が聞こえ……



一秒…二秒……三――――
建造物が粉々になるような、この日最大級の激震が彼らを襲う。
舞い上がる粉塵の向こう、そこには姿を消失させていたはずのネイムレスの躯体があった。
それも、全身のあちこちを歪ませ、火花を噴いて大破しかかった状態で。


事実は呆れるほど単純で、だからこそ頭がそれを理解するのを拒んでいる。
ネイムレスは信じ難いまでの高空まで殴り飛ばされ(・・・・・・)、たった今墜落してきたのだ。
だが、それを成し遂げた超絶の打撃。その正体こそはと――思考の帰結が、ようやく冗談めいた解答を弾き出す。
アレクサンドルの拳。その無造作なまでのたった一撃(・・)が、俺達全員を蹂躙した機械の魔獣を撃破せしめたのだと。


「寝ていろ」


なおも歪な駆動音を奏でながら藻掻くネイムレスに更なる一撃を加え、アレクサンドルは対象を完全に沈黙させてしまう



最優先目標は確保した。よって────

これより、《反逆者》(ロビンフッド)掃討に移行する。


響く鋼の処刑宣告……反逆者達にとって、この夜で最大の地獄が幕を開ける。




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最終更新:2025年02月28日 22:51