ならば導きを与えてみよう。今の彼とかつての彼───その対決と相克。このオルフィレウス、観測したいと心の底から渇望する

発言者:オルフィレウス


マレーネルート、礼が過去からの呼び声に立ち上がっていた時から時間は遡る……
天空の衛星、そこに坐する機械の神、オルフィレウスは四十七体の刻鋼人機達の戦闘映像を閲覧し――ある被検体の姿に目を奪われていた
――その名は、秋月凌駕ずっと彼が待ち焦がれていた、科学の可能性を拡げる特異点となりうる生まれながらの覚者だった。

「やはり、私は間違ってはいなかった。人間こそが無限の可能性を秘めている」

心の底からの歓喜の声。この二百年で初めての希望の微笑が観測者の貌を彩る。
そして凌駕が闘う地方都市に視線を向けたオルフィレウスは、もう一つの星の輝きにも目を奪われていた。
――もう一つの星、それは“緋文字礼”と名乗る記憶喪失の男

「……そうか。()もいたか」

思わぬ拾い物を見つけたかのように、その唇が再び喜悦を描く。

「これは素晴らしい……やり直し(・・・・)でここまで来たか。今度(・・)は特に目を見張るものがある」

「そうか……朋友(とも)を得たかね。互いの重力で引き合いながら、より巨大な公転軌道を描き出していく二重連星(ふたごぼし)のように」

「いや、得たものは(それ)だけではないな? 陰ながら注がれる無条件の他愛───それが()の決意に寄り添っている。
これは……女の愛、か? なるほど、なるほど。ならば、ここまでに至った可能性の高まりも頷ける。
あるいは今の()ならば、真理に至り、特異点の少年を凌ぐやもしれない。
面白い───ああ、まったく面白い。人間とはやはり、かくも素晴らしきものなるかな


新たなる輝きに対し、堪え切れぬ歓喜の波動が、笑いとなって観測者の喉から零れ出ていく。
そして、傲慢なる機械の神の関心により、実験(蟲毒)は新たな段階へと移行する。
機人の生がより、剥き出しとなる方向へと。

ならば導きを与えてみよう。()()とかつての()───その対決と相克。
このオルフィレウス、観測したいと心の底から渇望する

迫れ───真理の高みに。苦悩を突破せよ、超越の人機たちよ!

余人には計り知れぬ大いなる情動。諧謔と真摯、陶酔と覚醒……
矛盾する双極の天秤を中点に保ちながら、衛星軌道上の王は、高らかに饗宴(・・)の始まりを宣言する。




  • ……オルフィレウスさんはDTなのだろうか -- 名無しさん (2020-08-06 23:07:18)
  • 女の愛を観察するオルフィレウスさん -- 名無しさん (2020-08-07 02:22:18)
  • なんだろう、オルフィレウス薄笑い浮かべてる一枚絵はよく映るけど、心の底からの笑みは、こう、凄く……不慣れな笑みになりそうだ(外出時じゃなく特に衛星で観察中とかは) -- 名無しさん (2020-08-23 21:25:39)
  • ↑と思ってたけど殲機展開時は「ニコッ!」って感じだった -- 名無しさん (2020-09-24 23:14:25)
  • おっ! やっとワイの力見せれるで! 見てみて!(出力無限 -- 名無しさん (2020-11-22 00:15:21)
  • よ~し限界突破しちゃうぞ(五体爆散 -- 名無しさん (2020-12-02 10:10:46)
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最終更新:2021年12月07日 02:07