それは無理だな。なぜなら、俺は逃げるからだ



第二章終盤、徹底的に覚醒の先手を打つ事でラグナとミサキ、二人の“神殺し”を追い詰め続ける武神。
しかし、家族であるミサキが我が身を犠牲にしようとする姿に、ラグナは奮起。
攻撃のみに使用してきた紅の結晶を介し、神の星辰光(アステリズム)数式入力(プログラミング)により掌握、無効化し―――
圧倒的な手数と先読みで戦局を優位に運んできたグレンファルトを両断、終焉の一撃を叩き込もうとするが……


すぐさま余裕を取り戻した神祖は、頭部を自ら切断して致命の傷を避けてみせる。
そのままグレンファルトはここまで追い詰められた理由、その核心に辿り着いた事で微笑を浮かべ、
「おまえたちこそ確かに自分達の千年を超える“神殺し”」「そしておまえは天才などではない」と独り真実に頷くばかり。
それを関係ないと、勝利の糸口を掴んだと戦意を燃やす終焉吼竜に、神は余裕たっぷりの表情で……


「それは無理だな。なぜなら、俺は逃げるからだ」


もうこの場での用は済んだとばかりに、グレンファルトは地下施設の仕込みを発動させる。
数分で崩壊する地下、地に倒れ伏したままのミサキを、家族であるラグナが見捨てることなどあり得ない……
いや、それ以上の秘密に触れた武神は絶対の確信を胸に、仇を逃す事に歯噛みする邪竜に呼びかける。

「煙に巻かせてもらうとも。今回の収穫は素晴らしい、しかしあまりに素晴らしすぎて考える時間が必要でな」

「安心しろ、神祖(なかま)たちには黙っておくさ。これは違わず俺とおまえ達の運命だ。他の誰にも入らせん」


そして、悠然と自らの命を狙う存在に背を向けながら―――


「決着はいずれ必ず付けるとしよう。だからそれまで、御先(ミサキ)のことをよろしく頼むぞ」

「はは、それこそまさに言うまでもない。釈迦に説法というやつか」

―――目指す天地への道筋に近づいたと信じ、大神素戔王(ヴェラチュール)は姿を消すのだった……




  • ラグナってここしかり光の奴隷って感じがあんまりしない -- 名無しさん (2020-09-08 23:31:31)
  • 良くも悪くもこの時点から奴隷としてではなく殉教者としての性質が濃い(イザナの砲撃からリチャードを守るために知ったことかで突貫する)からな。どこまでも一度決めたことを突き進み続ける奴隷とは違って良くも悪くも柔軟なんだよな -- 名無しさん (2020-09-08 23:44:35)
  • あいつらなら怨敵前にしたらもうそれしか映らない -- 名無しさん (2020-09-08 23:59:15)
  • 亡者だったら確実に殺す方を優先させるしな -- 名無しさん (2020-09-09 00:13:02)
  • ダインスレイフ、糞眼鏡なら神殺しに必要なミサキだけは地上に衝撃波かなんかで吹っ飛ばしてリチャードガン無視特攻始めそう -- 名無しさん (2020-09-09 00:19:12)
  • このセリフマジで印象に残ってるわ。マジでこういう突っ込みどころあるよなって思った瞬間にまさにそこに関する指摘をしてくれるキャラだから感情的にはともかく理屈面でとにかくストレスフリーなキャラだった -- 名無しさん (2020-09-09 22:13:24)
  • 熱いけど粗がある、理屈は通ってるが燃えないは表裏一体だからなぁ。ラグナロクは敵が敵だから前の二作品以上に理屈があるからなぁ -- 名無しさん (2020-09-27 16:02:32)
  • 閣下ならここで奮起して殺しにくるし糞眼鏡ならなんか仕込みそう -- 名無しさん (2020-09-27 20:20:25)
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最終更新:2023年10月09日 00:02