ファタ・モルガナ帝国 > 装備 > 3Aシステム

3Aシステム(府:"Yuvelih Ah" Wineitha, Ashendho Afnarifahabi Ankrahsh Wineitha ,先進型防空連携システム) とは、ファタ・モルガナ帝国で開発された艦載武器システムである。メインの開発はコーネリアス重工が担当し、各コンポーネントを国内の様々な企業が開発するという形で作り出された、言わば当時のファタ・モルガナの技術の集大成と言えるシステムである。

目次

概要

開発主任をコーネリアス重工業の第7研究開発部、開発副主任をマーズカクス帝大レフレスネータ研究室が担当し、砲熕コンポーネントである3Amk2 70口径154.44mm単装砲をヤーリョンニキート、FCSコンポーネントである3A29-1 先進防空射撃管制装置をヘイネー製作所、中枢計算機コンポーネントである3A30-5S型計算機をマジラスカ技術廠が担当するなど、多くの企業が合同して開発されたため、ファタ・モルガナ企業群の「合作」であるとも言える。

沿革

無印3Aシステムはレムファータ沖海戦の直後からその戦訓を受けて開発が開始された。既存の防空戦闘に比した徹底的な相違点は、これがシステムとして高度に画一化され、諸情報の絶対数と精度をひたすら増やすことで対空砲火一発一発の効果を極限まで高めるものである点、そしてそれまでの防空戦闘では決して存立し得なかった「戦術レベルでのリアルタイム連携」を実現したことにある。
3Aシステムが最初に実戦投入されたのは世界大戦におけるリューゼル海であり、世界大戦の終戦後に間を置かず改良が開始された。
1687年に3A-aシステム、1690年に3A-bシステム、1693年に3A-bsシステムなど、幾つかの改良型システムが試作されたものの、これらは基本的に3Aシステムのマイナーチェンジと言ってよい程度のものであった。3Aシステムが決定的な変革を迎えたのは1705年に「3A-shシステム」の開発が開始されたときであった。
3A-shシステムはそれまでほぼ変更の無かった各コンポーネントの組み合わせのレベルから再検討が行われ、それまでの3Aシステム・ファミリーと比べて大きく異なったシステムに仕上がった。

開発

3A-sh

”聖域”の意味を持つ計画名から「セレネータ」システムと通称される。捜索用、追尾用と複数種搭載されていたレーダーを単一の高性能機に統合し、艦対空ミサイルの誘導機能を追加したシステム系を中核にした別物レベルのモデル。
3Aシステム・ファミリーは根本的にはオリジナルから変わっていない、全て同じ系列に並べられるものであるが、要所要所で大きな変更、改良が加えられてきた。3A-shシステムはファミリーが最も大きな変革を迎えたシステムであり、それまでのものと決定的に異なるのが、システムで対応する主軸が航空機からミサイルに移ったことであった。ミサイルは空中を飛翔するという点では航空機と相違無いものの、その挙動や速度、更には同時に飛来する数まで決定的に航空機とは異なっていた為、それを意識した3A-shシステムもまた航空機を主軸としたそれまでのファミリーから大きく離れたものとなるのは当然のことであった。

3A-shes

3A-shシステムの派生型として設計されたモデルであり、この為に3A-shシステム搭載艦との連携互換性がある。最大の特徴は新たな戦闘コンセプト及びデータリンク関連システムである「新統合連携システム(MEA-Fiwinehtha、MEAサブシステム)」の実装であり、その実態は連携能力の大幅な強化である。性能的に限界を迎えていた通信の帯域幅の強化、通信用センサーの新式化などの強化が盛り込まれた。shの近代化パッケージのような側面がある為、実際に搭載された既存システムであっても機器の換装によって本モデルに転換することが可能である。
また、MEAシステム自体は飽くまでも3A-shの基幹情報処理系に連接させる形で実装するものである為、ある程度の情報処理能力を備えた武器システムを備えていれば3Aシステム搭載艦でなくとも装備することが可能であり、このような形で「Shes化(Shes-Fyuhs)」された艦艇であれば、たとえ元々3A艦とのリンクが想定されていない場合であってもMEAシステム内での処理によって3A-sh、3A-shes、対応AWACSからなるデータリンク網に接続することが可能となっている。
このようなユーザーフレンドリーとも言える機能が搭載された背景には皇立海軍の3A艦をMAM加盟国の保有する非3A艦と能動的に連携させる必要性が考慮されていた点が存在している。
新たな内包コンポーネントとしてRX-205艦上早期警戒管制機のMEA-W対応新規派生型であるRX-205ESが開発されており、この機体と水上艦との連携も盛り込まれている。こちらも同じように既存のRX-205からの改装が可能となっている。これらの新式ハードウェアによって艦艇-艦艇、もしくは艦艇-AWACSでのコンマ秒単位での情報伝送を実現し、火器管制が可能な精度でのリアルタイムデータリンクが可能となった。

関連ハードウェア

  • ESER-35 "ルカーレ"通信センサー

構成(3Aシステム~3A-bsシステム)

3A25-1 ”雲見守”対空捜索レーダー

3A25-2 ”見つめる者”対空照準レーダー

3A10m 風向風速計測器

3A22 傾斜計

3Amk2 70口径154.44mm単装砲

3A29-1 先進防空射撃管制装置

3A30-5S型計算機

構成(3A-shシステム)

A-SSh-1 ”澪標”位相配列レーダー

A-SSh-1位相配列レーダー、通称「スィアーレ」レーダーは3A-shの設計思想を実現するために実用化されたフェーズドアレイレーダーである。3A-shシステムを搭載する場合は必須の装備となっており、通常1隻につき4枚のレーダーモジュールが搭載される。捜索・追尾・ミサイル誘導の全てをこなす多機能レーダーとして設計されており、全周半球空間中の最大330kmの範囲内に存在する目標を230個程度同時に追尾し、その内の50程度の目標に対する攻撃管制を同時並行することが可能であるとされている。また、設計段階で低空を突入してくるシースキマーに対する探知能力も意識されており、低空警戒時においても100kmを超える探知距離を持つとされる。
標準搭載モデルにおいては各モジュールが正方形を形作るように配置され、レーダーパネルは楔型のレドームで覆われているが、配置は同じ高さに設置されていればある程度自由に変更することが出来、レドームも必須と言う訳では無い。

A-SSh-2 ”澪標2”位相配列レーダー

「スィアーレ・ウル」レーダーはスィアーレレーダーの改良型である。探知範囲は最大500km程度まで向上したが消費電力が跳ね上がりコストも高騰気味となった為、無印スィアーレの置換は進まなかった。

A-SSh-31 ”海淵”位相配列レーダー

1745年頃に実用化。「ミーフィス」レーダーはスィアーレレーダーの後継機であり、初めて実用化されたアクティブフェーズドアレイレーダーである。探知距離はスィアーレ2から更に倍に跳ね上がった最大1000km以上に及ぶ。

EsShS-54 対空ミサイル用FCS

Sar-1 ”フィアーゼル”対空誘導ロケットの終末誘導を行う射撃管制装置。攻撃対象が遠距離に存在する場合、イルミネーターによる終末誘導を併用した誘導プロセスが採用されるが、目標が中近距離に存在する場合はスィアーレレーダーのみによる誘導で十分であるため本装置のイルミネーターは使用されない。

3Ash-mk1 54口径130.42mm単装速射砲

3Ash-mk2 60口径130.42mm単装速射砲

3Ash-mk3 70口径130.42mm単装速射砲

ShAf-z10 ”イステラ”41mmCIWS

イステラCIWSは3A-shシステム登場時にその搭載艦に標準装備されていた近接防空火器である。41mmの大口径ガトリングから繰り出される大威力長射程高密度の弾幕は3Aシステム共通の設計理念である航空機への対応のみならず、3A-shから追加された飛来するミサイルの撃墜任務にも完全に対応した、一見すると優秀な防空火器であったのだが、40mm級という大口径から求められる仕事量の多さに対し弾薬搭載量が全く足りておらず、更にコンポーネント自体も非常に大ぶりで重量がかさみ、更に艦の重心に悪影響を及ぼしたことから直ぐに後任のエイリアCIWSに道を譲ることとなった。

ShAf-L4-6 ”エイリア”22.88mmCIWS

イステラの失敗を訓戒として新開発されたより小規模のCIWS。弾薬をほぼ半分のサイズとしたことで搭載弾数を増加し、更にCIWS自体の任務を最終防衛に限ることで総合的な防御率の向上を狙った。他からは独立した完全自動の火器管制系を持つものの、任意時にのみ操作を手動に切り替えることも可能である。ただし優先すべき急迫の脅威が存在すると判断された場合はシステムの独断で再び自動管制に切り替わる機能が存在するため、包括的に見て独立性の高いコンポーネントであると言える。

Skz-57 ロケット垂直発射装置

採用国

開発国であるファタ・モルガナ帝国のほか、MAM参加国である晋迅共和国リベント公国などで採用されている。

搭載艦級(3A-sh)

最終更新:2022年08月25日 01:09