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特性

  • YSFLIGHTのプレイ画面は縦横に広い視野角があります。この特性は、飛行中の開放感と空中戦や編隊飛行などで視点を変えずに周囲を見渡せる利点がある一方で、デメリットも存在します。

YSFLIGHT 視野は広い

視覚的効果

  • 視野角が広くなると、どのような視覚的効果が起こるのかを説明するために、視野角を調整できるフライトシミュレータ(X-Plane)から、HUD表示で滑走路へアプローチ中の2枚の画像を用意しました。1枚目は自然な見え方に感じる設定で2枚目は広角設定です(解像度1280×768, 画像は1/2に縮小)。HUDのピッチ角目盛りは、YSFLIGHTと同じく5°単位です。

(参考)X-Plane10 横方向視野75°

(参考)X-Plane10 横方向視野105°

  • 撮影位置は2枚とも全く同じですが、見え方はかなり違います。2枚目の設定で飛んでいるときの方がYSFLIGTの見え方に近いと感じられます。
  • 広い視界を平面なスクリーンに投影すると、遠くにあるものはより遠く・小さく表現される一方で周辺視野は引き伸ばされたように歪み、大胆な遠近感を伴って映し出されます。またHUDのピッチ角の目盛り幅はYSFLIGHTと同様に狭くなることが分かります。広い視界が限られた画面サイズに押し込まれる訳ですから、微妙な角度変化が判り難くなってしまうのです。

影響

  • 視野角の広さによる視覚的効果は、地上目標に対する飛行経路をイメージすることを困難にします。具体的には以下のような例が挙げられます。これらは地面のテクスチャが単調であるというのも要因の一つではありますが、主な原因は視野角の広さであると考えられます。
    • 着陸時、滑走路へ近づいてから高度が高すぎることに気付いて急降下してしまう。
    • トラフィックパターン飛行中、ベースレグからファイナルへ旋回を開始するタイミングが遅れて、狙ったラインを通りすぎてしまう。
    • 自分がどこへ向かって飛んでいるのかよく分からなくなる(アナログ計器パネル使用時)

  • 別ページでも説明していますが、一般的に航空機は約3°の傾斜角度をもつスロープを滑り降りるように降下していきます(降下角3°)。大したことない角度のように思えますが、十分な距離を持って見れば”坂”であることは認識できるレベルです。しかし上下の視野角が広いと、実際よりもずっと浅い角度に見えてしまうため、現実的な見え方との乖離が大きくなります。また、遠くのもがより遠く・小さく表現される特性により、「まだ遠い」「まだ低い」と高度を下げずにいると、いつの間にか「高すぎる」となってしまう訳です。

対策

拡大表示を活用する

  • X-Planeでは視野角を任意で調整することができますが、YSFLIGHTでは画面表示を拡大(Zoom In)することで同様の効果を得ることができます。これにより視界を自然な見え方に近づけることができます。また微妙な操作に対する姿勢の変化を掴みやすくなるメリットもあります。

『マウスホイール上』でZoom In、『マウスホイール下』でZoom Out

  • しかし画面を常時拡大して飛ぶには、計器が見切れる・対地速度が遅く感じられる・視界が狭苦しく感じる・酔うなどのデメリットもあるので、タイミングを限定して活用した方がよいでしょう。周辺視野の歪み軽減と精密操作重視で基本はデフォルトより1段階、ファイナルアプローチ開始~滑走路視認まではもう1段階Zoom Inすると良い感じになります。タキシング中など、周囲をよく見渡したいときはZoom Outします。

目視に頼らない

  • YSFLIGHTの視界特性は仕様であり、慣れるしかありません。かといって、アナログ計器のみで完璧なフライトができるようになるために労力を費やすようなことも得策ではないと思います。
  • YSFLIGHTでは、HUD(およびFPM)の使用を前提にフライトすることをお勧めします(アナログ計器パネルにHUDを重ねて表示することができます)。レーダーや航法機器も利用して、着陸では(空港がサポートしていれば)ILSを使った方がよいでしょう。
  • 計器と理論を活用して、目視だけに頼らない飛行方法を身に付けることが、上手く飛ばせるようになるための近道となります。本サイトではそのようなアプローチでフライトを楽しむ方法を解説しています。




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視界
最終更新:2016年03月19日 21:52