概要

ガザ刺殺事件とは、695年12月18日にリューグ国で発生した事件である。


背景

バルド国が滅び、ルーディア達がいずれくるレイディック達との戦いに体の震えを感じていた同時期、そのレイディック達も一人の男を警戒していた。
それは、リューグ国のベルザウスであった。
ベルザウスは、胸の内に野心を秘め、密かに自身の派閥を作りながらいずれリューグ国を政変で奪うつもりであった。
しかし、各国に密偵を放っていたヴェリアアレスは、イルからの報告により、早い段階で彼の能力と野心に気付き、この男がリューグ国の名もなき将で終わるはずがないと予期、力をつける前に彼を封じ込めようとした。

その頃ベルザウスリューグ国領のサイファ城に駐屯していた。
城主はファルザ、武官にノードゥガザドリエリア、そして文官にベルザウスイルが名を連ねていた。
元々ガザは、ドリエリアノードゥと共に、素性の知れないベルザウスを、口先だけの青二才と快く思わない一派であった。

イルは、ガザに近づき、彼の望む回答をすることで信頼を得る。
彼らの酒の席では、当たり前の様にベルザウスへの悪口が出て、最後には「あの男が何を考えているか分からない」と言っていたことから、イルは「一度ベルザウスを酒宴の席に呼んで、真意を確かめてみれば」と提案する。
イルに煽てられ、すっかり「自分ならベルザウスの真意を探れる」とその気になったガザは、ドリエリアノードゥと共に自宅で酒宴を開き、ベルザウスを呼び寄せる。


事件

自分を嫌っている派閥の宴会に突如呼ばれたベルザウスは、この招きを不審を感じ、罠の存在を警戒しながらも、今はまだ動く時ではないと、ひたすらガザの機嫌を取り、珍しく彼らと談笑する。
だが、その酒宴の席には、殺気を帯びた刺客が至る所に伏せていた。
これは、イル隠密達による「芝居」であったが、ベルザウスは「この宴の目的が自分の暗殺にある」と察知、酔いを醒ますために夜風にあたると言いガザと共に外に出ると、先手を打って彼を刺殺した。


影響

翌日、すぐさま城主ファルザの元に招聘されたベルザウスは、ガザが自分を殺そうとした為、正当防衛として彼を刺したと釈明したが、ガザ自身何も知らなかったこの宴会から暗殺の証拠が出るはずもなく、ノードゥドリエリアは私怨でガザを斬ったベルザウスに死罪を与えるべきと主張した。

しかし、ファルザが命じた処罰は、ベルザウスを更に辺境の小城ルーザロゥ城へ異動させることであった。
後にファルザは「ベルザウスの目は、かつて自分が偽帝マラ討伐連合で見かけたカルディスと同じ覇王の目をしている、自分のような者がどうにかできる存在ではなかった」と語っている。

こうしてベルザウスは徐々に力を付け、裏で独自の派閥を作っていた最中その力を削がれてしまい、決起を更に数年遅らせることとなる。


関連項目



最終更新:2024年08月21日 15:31