基本情報



略歴

幼いレイディックエルラディースの元で学んでいたときに、先にエルラディースの弟子となっていた先輩に当たる。
当時のレイディックに剣術を教えた兄貴分で、共に将来の夢を語り合った仲でもある。

その後故郷ゴアル国に戻り、文官として頭角を現す。
先代ゴアル国主が子供を持たぬまま死去し、その後継者を巡って争いが起こるが、民衆の支持を味方に付けてフィリスが勝利し、そのまま国主となる。
折りしも蜉蝣時代が幕を開けた頃であり、その直後にロードレア国によるゴアル国侵攻の攻撃が始まり、リイラードの戦い(685)が勃発。
フィリスはこの戦いでレイディックの成長を確かめた後に降伏を宣言、ゴアル国はロードレア国に帰順する。
フィリスが国主についたのは、この戦いのわずか数日前だったため、レイディックはかつての兄弟子が国主になっていたことを知らずに戦っていたため、彼の帰順を喜んで受け入れた。

ロードレア将軍となってからのフィリスは、中堅将軍としてレザベリアスの戦いレイディックの東征(692)に参戦。
戦場と治世でそれぞれ活躍するが、レイディックの死後勃発したロードレアの内乱において、突如軍勢を率いてヴェリアに襲いかかる。
しかし、合流するにしては明らかにおかしな陣形だったことからヴェリアは警戒していた為、奇襲は失敗し、フィリスは戦死する。


フィリスの反乱について

フィリスの突然の反乱には謎が多く、様々な説が囁かれているが、どれも決定打に欠ける。
  • 「野望説」 彼も戦乱の申し子の一人であり、チャンスと見て、純粋に国主の座を狙った。
    • 否定意見:フィリスにしては計画が杜撰。
    • 否定意見への反論:確かに彼は中堅将軍として活躍したが、ロードレア四天王と実力も器も大きく溝を開けられている、失敗したから杜撰と片付けられただけで、彼の器は実際はこの程度だったのでは?
  • 「試練・殉死説」 ヴェリアレイディックの後を継ぐ器があるかどうかを試し、見届けた上で殉死に近い戦死を遂げた。
    • 否定意見:試練にしても、殉死にしても、優秀な内政官であった彼が、兵士を巻き込んでそこまでする必要があったのか?
    • 否定意見への反論:しかし、彼はリイラードの戦いでも、最初から自分が国主になったことをレイディックに告げればよかったのに、「成長を確かめる」という私的な理由でわざわざ一度戦っている。彼が人間的にいかに立派だったとしても、兵の命を消耗品として考えていたのではないだろうか、そうなると兵士を巻き込むのはフィリスらしくないという否定論は説得力を失う。
  • 「陰謀説」 ヴェリアが、有力なフィリスを陥れその兵力だけを吸収したかった為、反乱を捏造した。
    • 否定意見:この時点でヴェリアがそこまでフィリスに警戒する必要性を感じない。
    • 否定意見への反論:ヴェリアは晩年の素行を見てもわかるが、決して人格者ではない、フィリスに脅威を感じなくてもその「兵力」は魅力だったはず。特に、このときはロードレア国内が大混乱に陥り、確実に自分で動かせる兵力は多いに越したことはない。

過去から現在に至るまで上記の3説が主要な学説として扱われているが、厳密には上記3説も相互に矛盾するものではなく、このことが学説間の合併・分裂を誘発し論議を混迷させている面も存在する。
例えば、野望説と試練・殉死説については、試練・殉死説の一部として「ヴェリアレイディックの後継者に相応しくない」と判明した時の第2プランとしてフィリスが王位簒奪を狙っていた」という説明を行うことも不可能ではない。また、ヴェリアによる陰謀説についても、「フィリスによる反乱を捏造した」のではなく「不自然な動きを見せ付けることでフィリスの反乱を誘発した(フィリスに二心を抱かせた)」と解釈すれば、フィリスが能動的に奇襲を仕掛けたという歴史書の記述との整合性は確保される。
この様に、時の流れと共に新説とその否定説が生まれ、更に複数の説が分裂と合併を繰り返して混沌状態となっているが、結局の所新たな資料が発見されない限り、真相は歴史の闇へと葬られている。


関連項目



最終更新:2024年08月06日 03:38